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漢方の登録販売者試験対策手引き(令和8年4月)の77処方・生薬を覚え方つきで整理

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

登録販売者試験の漢方・生薬を、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第3章だけで整理。名前が出てくる77処方の節別一覧、しばり(体力の表現)別の表、カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方、代表的な5処方と8生薬、覚え方がわかります。

目次
  1. 漢方処方製剤・生薬製剤とは(手引きの定義)
  2. 手引き第3章に出てくる漢方処方の一覧(節ごと)
  3. 「しばり」(体力の表現)の読み方と、77処方の体力別一覧
  4. カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方の共通の注意
  5. ⅩⅣの「代表的な漢方処方製剤」5処方
  6. ⅩⅣの「代表的な生薬成分」8つ
  7. 漢方・生薬の覚え方(手引きの書き方に沿った整理)
  8. 生薬の覚え方と語呂(自作):8生薬を基原でまとめる
  9. 漢方が覚えられないときの順番:出題との当たり方で並べる
  10. 関連記事
結論:登録販売者試験の漢方・生薬は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第3章の範囲から出題されます。第3章には、かぜ薬・婦人薬などの症状別の節に72、ⅩⅣ「漢方処方製剤・生薬製剤」に5、あわせて77の漢方処方の名前が出てきます(当サイトの数え方)。ⅩⅣには「代表的な生薬成分」として8つの生薬も挙がっています。覚えるときは、処方ごとに「しばり(体力の表現)」「主な症状」「構成生薬のカンゾウ・マオウ・ダイオウ」「重篤な副作用」の4つをそろえると整理しやすくなります。

この記事は、厚生労働省が公表している「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)」の第3章の本文だけをもとに、処方と生薬を当サイトが表に整理したものです(厚生労働省 登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月))。教科書や他のサイトの表・語呂合わせは使っていません。覚えるための語呂や数え方は、当サイトで作ったものだけに「自作」と付けて載せています。

登録販売者試験の出題範囲となる手引きの版:試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)。最終確認日:2026-10-02。出典:厚生労働省 登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)。

合格ナビの登録販売者の問題(360問・すべて当サイトが作った問題)のうち、手引きの77処方のどれかの名前が出てくる問題は45問(第3章43問・第5章2問)、カンゾウ・マオウ・ダイオウのどれかが出てくる問題は48問で、どちらかに当たる問題は61問です(2026-10-02集計)。本試験の出題数ではなく、当サイトの問題の数です。

この記事は試験の出題範囲を整理したもので、自分や家族の症状にどの漢方薬が合うかを判断するためのものではありません。使うかどうかは医師・薬剤師に相談してください。

なお、登録販売者が販売できるのは、薬機法第36条の9で「第二類医薬品及び第三類医薬品」(薬剤師又は登録販売者)と定められた区分の一般用医薬品です(条文の出典はe-Gov 法令検索。2026-10-02 時点の現行条文)。漢方処方製剤も、その製品の区分によって販売できるかどうかが決まります。

漢方処方製剤・生薬製剤とは(手引きの定義)

手引きのⅩⅣ-1は、漢方薬を「漢方医学で用いる薬剤全体を概念的に広く表現する時に用いる言葉」とし、「基本的に生薬を組み合わせて構成された漢方処方に基づく漢方処方製剤(漢方方剤)として存在する」と説明しています。試験で区別が問われる用語は次のとおりです。

用語手引きの説明(要点)
漢方処方製剤生薬を組み合わせた漢方処方に基づく製剤。「処方自体が一つの有効成分として独立したもの」と見る
生薬製剤漢方処方製剤と、漢方医学の考え方に基づかない生薬を使った日本の伝統薬をあわせた呼び方。ⅩⅣ-2の「その他の生薬製剤」は、個々の生薬成分の薬理作用を主に考えて相加的に配合したもので「定まった処方というものはない」
生薬「動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物又は鉱物など」
中薬現代中国の中医学に基づく薬剤で、「漢方薬とは明らかに別物」
韓方薬韓国の伝統医学(韓医学)で用いる薬剤で、漢方薬とは区別される
証漢方独自の病態認識。一般用の効能効果では「しばり」(使用制限)として書かれる

あわせて、手引きは次の点を注意として挙げています。

  • 「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」は誤った認識で、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある
  • 用法用量に年齢の下限がなくても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しない
  • 体質の改善を主眼とするものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)続けて服用されることがある
  • 同じ生薬を含む漢方処方製剤を併用すると、作用が強く現れたり副作用を生じやすくなるおそれがある
  • 小柴胡湯とインターフェロン製剤のように、医療用医薬品との相互作用も知られている

漢方処方製剤の一般的な注意を問う問題を解く

手引き第3章に出てくる漢方処方の一覧(節ごと)

手引き第3章で、漢方処方製剤として名前が挙がっている処方を節ごとに並べました。右の列は、手引きがその節で「構成生薬として含む」と書いている生薬です。手引きが書いていない処方について、含む・含まないをこの表では判断していません。

節(手引きの見出し)名前が出てくる処方手引きが「構成生薬として含む」と書くもの
Ⅰ-1 かぜ薬葛根湯・麻黄湯・小柴胡湯・柴胡桂枝湯・小青竜湯・桂枝湯・香蘇散・半夏厚朴湯・麦門冬湯カンゾウ:半夏厚朴湯を除くすべて/マオウ:麻黄湯・葛根湯・小青竜湯
Ⅰ-2 解熱鎮痛薬芍薬甘草湯・桂枝加朮附湯・桂枝加苓朮附湯・薏苡仁湯・麻杏薏甘湯・疎経活血湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・呉茱萸湯・釣藤散カンゾウ:呉茱萸湯以外/マオウ:薏苡仁湯・麻杏薏甘湯
Ⅰ-3 眠気を促す薬酸棗仁湯・加味帰脾湯・抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・柴胡加竜骨牡蛎湯・桂枝加竜骨牡蛎湯カンゾウ:柴胡加竜骨牡蛎湯以外/ダイオウ:柴胡加竜骨牡蛎湯
Ⅰ-6 小児の疳(小児鎮静薬)柴胡加竜骨牡蛎湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・小建中湯カンゾウ:柴胡加竜骨牡蛎湯以外
Ⅱ-1 咳止め・痰を出しやすくする薬甘草湯・半夏厚朴湯・柴朴湯・麦門冬湯・五虎湯・麻杏甘石湯・神秘湯カンゾウ:半夏厚朴湯を除くすべて(甘草湯はカンゾウのみ)/マオウ:五虎湯・麻杏甘石湯・神秘湯
Ⅱ-2 口腔咽喉薬桔梗湯・駆風解毒散(駆風解毒湯)・白虎加人参湯・響声破笛丸カンゾウ:すべて/ダイオウ:響声破笛丸(含む場合がある)
Ⅲ-1 胃の薬安中散・人参湯(理中丸)・平胃散・六君子湯カンゾウ:すべて
Ⅲ-2 腸の薬桂枝加芍薬湯・大黄甘草湯・大黄牡丹皮湯・麻子仁丸カンゾウ:桂枝加芍薬湯・大黄甘草湯/ダイオウ:大黄甘草湯・大黄牡丹皮湯・麻子仁丸
Ⅳ-1 強心薬/Ⅳ-4 その他の循環器用薬苓桂朮甘湯/三黄瀉心湯・七物降下湯カンゾウ:苓桂朮甘湯/ダイオウ:三黄瀉心湯
Ⅴ-1 痔の薬乙字湯・芎帰膠艾湯カンゾウ:両方/ダイオウ:乙字湯(通常含む)
Ⅴ-2 その他の泌尿器用薬牛車腎気丸・八味地黄丸・六味丸・猪苓湯・竜胆瀉肝湯カンゾウ:竜胆瀉肝湯
Ⅵ 婦人薬温経湯・温清飲・加味逍遙散・桂枝茯苓丸・五積散・柴胡桂枝乾姜湯・四物湯・桃核承気湯・当帰芍薬散カンゾウ:温経湯・加味逍遙散・五積散・柴胡桂枝乾姜湯・桃核承気湯/マオウ:五積散/ダイオウ:桃核承気湯
Ⅶ 内服アレルギー用薬皮膚の症状:茵蔯蒿湯・十味敗毒湯・消風散・当帰飲子/鼻の症状:葛根湯加川芎辛夷・小青竜湯・荊芥連翹湯・辛夷清肺湯カンゾウ:茵蔯蒿湯・辛夷清肺湯を除くすべて/マオウ:葛根湯加川芎辛夷
Ⅹ 皮膚に用いる薬(外用)紫雲膏・中黄膏—
ⅩⅠ 歯や口中に用いる薬(口内炎・内服)茵蔯蒿湯ダイオウ:茵蔯蒿湯
ⅩⅢ 滋養強壮保健薬十全大補湯・補中益気湯カンゾウ:両方
ⅩⅣ 漢方処方製剤黄連解毒湯・防已黄耆湯・防風通聖散・大柴胡湯・清上防風湯カンゾウ:防已黄耆湯・防風通聖散・清上防風湯/マオウ:防風通聖散/ダイオウ:防風通聖散・大柴胡湯

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章。処方の数え方:2つ以上の節に出てくる処方(小青竜湯・茵蔯蒿湯など)は1つと数え、駆風解毒散と駆風解毒湯、人参湯と理中丸はそれぞれ1つとしています。この数え方で77処方です。

ⅩⅣの5処方について、手引きは「Ⅰ~ⅩⅢに記載された漢方処方製剤以外の代表的な漢方処方製剤として、以下のものから出題することができる」としています。つまり、ⅩⅣの5処方だけを覚えれば足りるのではなく、各節に出てくる処方も出題の範囲です。

節ごとの漢方処方を問う問題を解く

「しばり」(体力の表現)の読み方と、77処方の体力別一覧

一般用の漢方処方製剤の効能効果は、「証」という専門用語を使わずに「しばり」(使用制限)として書かれています。手引きは、虚実の考え方を次の4つの表現で示しています。

病態(虚実)効能効果での表現
実の病態が適応体力が充実して
虚実の中間の病態が適応体力中等度で
虚の病態が適応体力虚弱で
虚実に関わらず幅広く用いる体力に関わらず

このほか、適応が中間から実に広がるものは「体力中等度以上で」、中間から虚に広がるものは「体力中等度以下で」などと表されます。

手引き第3章の77処方を、それぞれの処方の記述の書き出しにある体力の表現で並べ替えると、次のようになります(当サイトの整理。表現が少し違うものは括弧に原文を残しています)。

体力の表現処方
体力が充実・比較的体力がある(5)麻黄湯・防風通聖散・大柴胡湯(体力が充実して)・桂枝茯苓丸(比較的体力があり)・葛根湯加川芎辛夷(比較的体力がある)
体力中等度以上(17)葛根湯・五虎湯・麻杏甘石湯・白虎加人参湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・平胃散・大黄牡丹皮湯・三黄瀉心湯・乙字湯・竜胆瀉肝湯・桃核承気湯・茵蔯蒿湯・消風散(体力中等度以上の人の皮膚疾患で)・荊芥連翹湯・辛夷清肺湯・黄連解毒湯・清上防風湯
体力中等度(12)小柴胡湯・半夏厚朴湯(体力中等度をめやすとして)・柴朴湯・薏苡仁湯・麻杏薏甘湯(体力中等度なもの)・疎経活血湯・釣藤散・抑肝散(めやすとして)・抑肝散加陳皮半夏(めやすとして)・神秘湯・温清飲・十味敗毒湯(体力中等度なもの)
体力中等度又はやや虚弱(3)柴胡桂枝湯・小青竜湯・五積散
体力中等度以下(21)麦門冬湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・呉茱萸湯・酸棗仁湯・加味帰脾湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・安中散・六君子湯・桂枝加芍薬湯・麻子仁丸・苓桂朮甘湯・七物降下湯・芎帰膠艾湯・牛車腎気丸・八味地黄丸・六味丸・温経湯・加味逍遙散・柴胡桂枝乾姜湯・当帰飲子・防已黄耆湯
体力虚弱(10)桂枝湯・香蘇散・桂枝加朮附湯・桂枝加苓朮附湯・小建中湯・人参湯(理中丸)・四物湯・当帰芍薬散・十全大補湯(体力虚弱なもの)・補中益気湯
体力に関わらず(7)芍薬甘草湯・甘草湯・桔梗湯・駆風解毒散(駆風解毒湯)・響声破笛丸・大黄甘草湯・猪苓湯
体力の表現なし(外用・2)紫雲膏・中黄膏

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章Ⅰ〜ⅩⅣ(各処方の記述)とⅩⅣ-1「1)漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方」

手引きは、証に合った処方が選ばれれば効果が期待できるが、合わないものが選ばれると「効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる」としています。当サイトの問題でも、「体力虚弱な人に向く」と「体力充実した人に向く」を入れ替えた選択肢を使っています(例:問24・問54)。この表の行で覚えておくと、入れ替えに気づきやすくなります。

しばり(体力の表現)を問う問題を解く

カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方の共通の注意

手引きは、構成生薬にカンゾウ・マオウ・ダイオウを含む漢方処方について、それぞれ共通の留意点を別の節(Ⅱ-1とⅢ-2)にまとめています。

生薬手引きが挙げる共通の注意(要点)手引きが「構成生薬として含む」と書く処方の数
カンゾウ大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれ。むくみ・心臓病・腎臓病・高血圧のある人や高齢者はリスクが高い。1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)1g以上の製品は長期連用を避ける。甘味料として一般食品にも広く使われる多数(上の一覧の右列)
マオウ交感神経系への刺激作用で心臓血管系などに影響。心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症の診断を受けた人は症状を悪化させるおそれ。中枢神経系への作用が強く、依存性がある成分11処方
ダイオウ瀉下を目的としない場合は瀉下作用が副作用になる。瀉下作用が増強し、激しい腹痛を伴う下痢などが現れやすいため瀉下薬の併用に注意。母乳を与える女性は使用を避けるか、使用期間中の授乳を避ける11処方

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章Ⅱ-1(カンゾウ・マオウ)、Ⅲ-2(ダイオウ)

マオウを含むと手引きが書いている11処方は、麻黄湯・葛根湯・小青竜湯・薏苡仁湯・麻杏薏甘湯・五虎湯・麻杏甘石湯・神秘湯・五積散・葛根湯加川芎辛夷・防風通聖散です。手引きは麻黄湯について「マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある」としています。

ダイオウを含むと手引きが書いている11処方は、柴胡加竜骨牡蛎湯・響声破笛丸(含む場合がある)・大黄甘草湯・大黄牡丹皮湯・麻子仁丸・三黄瀉心湯・乙字湯(通常含む)・桃核承気湯・茵蔯蒿湯・防風通聖散・大柴胡湯です。3つすべてを含むと書かれているのは防風通聖散だけです。

カンゾウ・マオウ・ダイオウを問う問題を解く

ⅩⅣの「代表的な漢方処方製剤」5処方

ⅩⅣ-1で個別に挙がっている5処方を、手引きの記述から4つの項目に分けて整理しました。症状の欄は抜粋です。

処方しばり主な症状(抜粋)構成生薬として含むと書かれているものまれに起こる重篤な副作用
黄連解毒湯体力中等度以上のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血・不眠症・胃炎・二日酔い・皮膚のかゆみ など(記載なし)肝機能障害・間質性肺炎・腸間膜静脈硬化症
防已黄耆湯体力中等度以下疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み・むくみ・多汗症・肥満症(いわゆる水ぶとり)カンゾウ肝機能障害・間質性肺炎・偽アルドステロン症
防風通聖散体力充実腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、肥満症 などカンゾウ・マオウ・ダイオウ肝機能障害・間質性肺炎・偽アルドステロン症・腸間膜静脈硬化症
大柴胡湯体力が充実脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎・常習便秘・肥満症 などダイオウ肝機能障害・間質性肺炎
清上防風湯体力中等度以上赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび・顔面や頭部の湿疹・皮膚炎・赤鼻(酒さ)カンゾウ肝機能障害・偽アルドステロン症・腸間膜静脈硬化症

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章ⅩⅣ-1「2)代表的な漢方処方製剤、適用となる症状・体質、主な副作用」

表に入れなかった注意で、試験の論点になりやすいものは次のとおりです。

  • 肥満症に用いる3処方(防已黄耆湯・防風通聖散・大柴胡湯)は「どのような肥満症にも適すわけではない」とされ、食事や運動など生活習慣の改善が重要とされる
  • 防風通聖散は「小児に対する適用はない」、使用するときは「他の瀉下薬との併用は避ける」
  • 防風通聖散・大柴胡湯を便秘に使う場合は、1週間位使用して改善がみられなければいったん中止して専門家に相談する
  • 黄連解毒湯を鼻出血・二日酔いに使う場合は、5〜6回使用して改善がみられなければいったん中止して専門家に相談する
  • 清上防風湯は、服用により「まれに症状が進行することもある」

ⅩⅣの代表的な漢方処方を問う問題を解く

ⅩⅣの「代表的な生薬成分」8つ

ⅩⅣ-2は、Ⅰ〜ⅩⅢに出てくる生薬成分のほかに、代表的な生薬成分として次の8つからも出題できるとしています。基原は「どの植物(菌類)の、どの部分か」です。

生薬基原(手引きの記載の要点)期待される作用
ブシキンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工したもの心筋の収縮力を高めて血液循環を改善/利尿/鎮痛(プロスタグランジンを抑えないため胃腸障害等の副作用は示さない)
カッコンマメ科のクズの周皮を除いた根解熱・鎮痙 など
サイコセリ科のミシマサイコの根抗炎症・鎮痛 など
ボウフウセリ科の植物(Saposhnikovia divaricata)の根及び根茎発汗・解熱・鎮痛・鎮痙 など
ショウマキンポウゲ科の植物(サラシナショウマ等)の根茎発汗・解熱・解毒・消炎 など
ブクリョウサルノコシカケ科のマツホドの菌核(通例、外層をほとんど除いたもの)利尿・健胃・鎮静 など
レンギョウモクセイ科のレンギョウの果実鎮痛・抗菌 など
サンザシバラ科のサンザシ又はオオミサンザシの偽果健胃・消化促進 など(同属のセイヨウサンザシの葉は血行促進・強心 など)

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章ⅩⅣ-2「1)代表的な生薬成分、主な副作用」

手引きは、ブシについて「生のままでは毒性が高いことから、その毒性を減らし有用な作用を保持する処理を施して使用される」と書いています。また、生薬製剤も漢方処方製剤と同じく「副作用が少ない」という誤った考えで使われやすいとして、センソのように「少量で強い作用を示す生薬もあり」と注意しています。

生薬の基原と作用を問う問題を解く

漢方・生薬の覚え方(手引きの書き方に沿った整理)

ここからは、手引きの記述を覚えやすくするための当サイトの整理です。①〜④は語呂合わせではなく、手引きの書き方そのものの規則を使います。語呂や数え方(自作)は、このあとの「生薬の覚え方と語呂(自作)」にまとめました。

① 1つの処方を4項目でそろえる

処方ごとに「しばり|主な症状|カンゾウ・マオウ・ダイオウ|重篤な副作用」の4項目を1行にまとめます。手引きの各処方の記述もほぼこの順で書かれているので、本文を読みながら表に起こせます。

② 名前の漢字がヒントになるもの、ならないもの

手引きの記述と照らすと、名前の漢字と構成生薬が一致する処方があります。

名前に入っている字手引きの記述と一致する処方
甘草芍薬甘草湯・甘草湯・大黄甘草湯(いずれもカンゾウを含む)
大黄大黄甘草湯・大黄牡丹皮湯(いずれもダイオウを含む)
麻黄・麻杏麻黄湯・麻杏甘石湯・麻杏薏甘湯(いずれもマオウを含む)

ただし、名前に出てこない例も多くあります。葛根湯・小青竜湯・五虎湯・神秘湯・五積散はマオウを、茵蔯蒿湯・桃核承気湯・三黄瀉心湯はダイオウを含むと書かれています。反対に、麻子仁丸は名前に「麻」がありますが、手引きが構成生薬として書いているのはダイオウです。

③ 名前の似た処方は、しばりの順に並べる

同じ字を含む処方は、体力の表現の順に並べると区別しやすくなります。

共通の字体力が充実している側 → 虚弱な側
柴胡大柴胡湯(体力が充実)→ 柴胡加竜骨牡蛎湯(中等度以上)→ 小柴胡湯・柴朴湯(別名 小柴胡合半夏厚朴湯)(中等度)→ 柴胡桂枝湯(中等度又はやや虚弱)→ 柴胡桂枝乾姜湯(中等度以下)
桂枝桂枝茯苓丸(比較的体力があり)→ 桂枝加芍薬湯・桂枝加竜骨牡蛎湯(中等度以下)→ 桂枝湯・桂枝加朮附湯・桂枝加苓朮附湯(虚弱)
当帰当帰四逆加呉茱萸生姜湯・当帰飲子(中等度以下)→ 当帰芍薬散(虚弱)
防防風通聖散(充実)→ 清上防風湯(中等度以上)→ 防已黄耆湯(中等度以下)

④ 同じ症状に使う処方を、しばりで対比する

肥満症の3処方なら、防風通聖散(体力充実・腹部に皮下脂肪が多く便秘がち)、大柴胡湯(体力が充実・脇腹からみぞおちが苦しく便秘の傾向)、防已黄耆湯(体力中等度以下・疲れやすく汗をかきやすい、いわゆる水ぶとり)と、体力と体つきの違いで覚えます。かぜ薬なら、汗が出ていないかぜの初期に使う葛根湯(中等度以上)・麻黄湯(充実)と、汗が出るかぜの初期に使う桂枝湯(虚弱)を対比できます。

⑤ かぜ薬の漢方4処方で、4項目を実際に埋めてみる

①の4項目に、手引きの文章から書き写す練習として、かぜ薬の節(手引き60〜62頁)に出てくる4処方を埋めると次のようになります。最後の列は「不向きとされる人・使用を避ける人」です。手引きの該当箇所に書かれていない欄は「記載なし」と書き、補って覚えません。

処方しばり主な症状(手引きの記述の要点)カンゾウ・マオウまれに起こる重篤な副作用不向き・使用を避ける人
葛根湯体力中等度以上感冒の初期(汗をかいていないもの)・鼻かぜ・鼻炎・頭痛・肩こり・筋肉痛・手や肩の痛みカンゾウ・マオウ肝機能障害・偽アルドステロン症体の虚弱な人・胃腸の弱い人・発汗傾向の著しい人は悪心・胃部不快感等が現れやすく不向き
麻黄湯体力充実かぜのひきはじめで、寒気がして発熱・頭痛・咳・身体のふしぶしの痛みがあり、汗が出ていないものカンゾウ・マオウ記載なし胃腸の弱い人・発汗傾向の著しい人は不向き。マオウの含有量が多いため、体の虚弱な人は使用を避ける
小柴胡湯体力中等度脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味・舌に白苔があるものの食欲不振・吐きけ・胃炎・かぜの後期の諸症状カンゾウ間質性肺炎・肝機能障害(ほかに膀胱炎様症状)体の虚弱な人は不向き。インターフェロン製剤で治療を受けている人は使用を避ける。肝臓病の診断を受けた人は医師・薬剤師に相談
桂枝湯体力虚弱汗が出るもののかぜの初期カンゾウ記載なし記載なし

出典:厚生労働省 試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月) 第3章Ⅰ-1「g)漢方処方成分等」(60〜62頁)。

「記載なし」は、60〜62頁のその処方の項に書かれていないという意味で、副作用が無いという意味ではありません。手引きは、カンゾウ・マオウを含む医薬品に共通する留意点はⅡ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照するとしており、かぜ薬の節の副作用の欄(63頁)の脚注では、偽アルドステロン症を生じることがある主な成分にカンゾウを挙げています。

この表を使うときのコツは2つです。1つ目は、汗の言い方に注目することです。手引きは、葛根湯を「汗をかいていないもの」、麻黄湯を「汗が出ていない」、桂枝湯を「汗が出るもの」と書いており、しばりと汗の有無の組み合わせで3処方を区別できます。2つ目は、右の3列を紙で隠し、しばりと症状だけを見て「カンゾウ・マオウ・重篤な副作用・不向きな人」を言えるか試すことです。言えなかった欄だけ、手引きの該当頁で確かめて書き直します。

小青竜湯は、同じかぜ薬の節で手引きが4番目の項(④)に挙げている処方で、体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎・鼻炎・花粉症などに適すとされ、カンゾウとマオウを含みます。この表には入れていませんが、同じ4項目で1行足すと5処方になります。

かぜの漢方のしばりと汗を問う問題を解く

章ごとの問題を解くときは、間違えた選択肢がどの項目(しばり・症状・構成生薬・副作用)を入れ替えたものかを確かめると、①の表のどこが弱いかがわかります。

生薬の覚え方と語呂(自作):8生薬を基原でまとめる

手引き(令和8年4月)には、生薬の語呂合わせは載っていません。ここで示すのは、上の「代表的な生薬成分」の表だけから作った、当サイトの数え方と語呂です(自作)。手引きの記載が元なので、表の基原と食い違うときは手引きが正です。

まとめ方内容(表の基原から数えたもの)
科でまとめるセリ科=サイコ・ボウフウ(2つ)/キンポウゲ科=ブシ・ショウマ(2つ)/マメ科=カッコン/バラ科=サンザシ/モクセイ科=レンギョウ/サルノコシカケ科=ブクリョウ。2+2+1+1+1+1=8
使う部分でまとめる根・根茎・塊根=カッコン・サイコ・ボウフウ・ショウマ・ブシ(5つ)/菌核=ブクリョウ(1つ)/果実・偽果=レンギョウ・サンザシ(2つ)。5+1+2=8

自作の語呂は次の2つです。どちらも数を思い出すための目印で、手引きの文言ではありません。

  • 自作の数え方「根っこ5・菌1・実2」:8生薬のうち、根の仲間が5、菌核が1、果実の仲間が2
  • 自作の数え方「セリ2・キンポウゲ2・あとは1つずつ4」:科ごとの数

次の対応は、生薬名の漢字表記と読みを手引き以外の一般的な読み方で並べた自作の補助です。処方名に漢字が入っていても、その処方がその生薬を含むとは限りません。構成生薬は、手引きの各処方の記述で確かめてください。

処方名の中の漢字読み(8生薬の表のカタカナ)
大柴胡湯の「柴胡」サイコ
防風通聖散・清上防風湯の「防風」ボウフウ
桂枝茯苓丸の「茯苓」ブクリョウ
葛根湯の「葛根」カッコン

手引きは生薬成分を「期待される作用」まで書いていますが、ここでの目的は試験の記憶の整理です。効き方や使うかどうかの判断を示すものではありません。

この整理を試す問題は、前の節の問51・問78です。

漢方が覚えられないときの順番:出題との当たり方で並べる

「処方が多すぎて覚えられない」ときは、77処方を頭から覚えるのではなく、当サイトの360問での当たり方で優先順位をつけます(2026-10-02集計)。77処方のどれかの名前が出てくる問題は45問、カンゾウ・マオウ・ダイオウのどれかが出てくる問題は48問で、どちらかに当たる問題は61問でした。本試験の出題数ではなく、当サイトの問題での数です。

順番覚えるもの理由と使う表
1カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方360問のうち48問に出てくる。上の「カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方の共通の注意」の節で、含む処方と注意点をそろえる
2ⅩⅣの5処方名前・しばり・副作用が1か所にまとまっている。上の「5処方」の表
38つの生薬の基原8つだけで数が少ない。上の自作のまとめ方で数える
4名前の似た処方のしばりの順柴胡・桂枝・当帰・防の4グループを体力の順に並べる(③の表)
5残りの処方症状の節ごと(かぜ・肥満症・皮膚など)に、4項目の表へ1行ずつ足す

1回で全部をそろえようとせず、1日に1つの節だけ表を埋め、間違えた問題で表の弱い欄を直すほうが続きます。

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よくある質問

Q漢方薬は医薬品ですか?

登録販売者試験の手引きでは、漢方処方製剤は第3章「主な医薬品とその作用」の中で、一般用医薬品として扱われています。一方で手引きは、生薬成分について「医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(ハーブ等)として流通することが可能なものもあり」とも書いています。同じ生薬でも、医薬品として売られるものと食品として流通するものがある、というのが試験で問われる整理です。

Q登録販売者は漢方薬を販売できますか?

薬機法第36条の9は、一般用医薬品のうち第一類医薬品は薬剤師に、第二類医薬品及び第三類医薬品は「薬剤師又は登録販売者」に販売させると定めています。漢方処方製剤であっても、販売できるかどうかはその製品が第何類の医薬品かで決まります。

Q漢方薬は副作用がないのですか?

ありえます。手引きは「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」という認識を「誤った認識」としたうえで、漢方処方製剤でも間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、証に合わない処方で症状の悪化や副作用が起きる場合もあるとしています。

Q漢方処方製剤の年齢の決まりで、試験に出やすいのは何ですか?

手引きの漢方処方製剤の記述には、年齢に関わるものとして、①用法用量に年齢の下限がなくても生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこと、②防風通聖散は小児に対する適用がないこと、③七物降下湯は15歳未満の小児への使用を避ける必要があること、などがあります。実際に使うかどうかの判断は医師・薬剤師に相談してください。

Q生薬の語呂合わせは手引きに載っていますか?

手引き(令和8年4月)の第3章には、語呂合わせは載っていません。手引きに書かれているのは、生薬の基原(どの植物のどの部分か)や期待される作用です。この記事では、8つの生薬の表から数えた覚え方(自作)を載せています。語呂を使うときも、基原や構成生薬は手引きの記載で確かめてください。

Q漢方が覚えられないとき、何から覚えればよいですか?

この記事では、当サイトの360問での当たり方をもとに、カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む処方、ⅩⅣの5処方、8つの生薬の基原、名前の似た処方のしばりの順、残りの処方の順に並べています。77処方のどれかの名前が出る問題は45問、カンゾウ・マオウ・ダイオウのどれかが出る問題は48問、どちらかに当たる問題は61問です(2026-10-02集計。本試験の出題数ではありません)。

Qかぜに使う漢方薬は、どうやって区別して覚えればよいですか?

手引きのかぜ薬の節(60〜62頁)は、しばり(体力の表現)と、汗の有無の書き方に違いがあります。葛根湯は体力中等度以上で「汗をかいていないもの」、麻黄湯は体力充実で「汗が出ていない」もの、桂枝湯は体力虚弱で「汗が出るもの」のかぜの初期に適すとされています。あわせて、カンゾウは、かぜ薬の節の9処方のうち半夏厚朴湯を除く8処方に、マオウは麻黄湯・葛根湯・小青竜湯に含まれると手引きは書いています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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