問題
行政庁の監視指導・立入検査・廃棄命令等に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(正しいもの)です。
都道府県知事は薬事監視員を任命し、その監視員が薬局・店舗等への立入検査・質問・収去(試験のためのサンプル採取)を行う権限を持ちます。これが「監視指導」の実務的な仕組みです。
イは誤りで、業務停止命令は厚生労働大臣だけでなく都道府県知事も行えます。ウは誤りで、「収去」は廃棄ではなくサンプル採取であり、業者の同意なしに行うことができます。エは誤りで、業者が廃棄命令に従わない場合、行政庁は薬事監視員に廃棄させることができます(法第70条第3項)。オは誤りで、法人も罰金(両罰規定)の対象です。
薬機法の監視指導・行政処分の体系:
| 措置の種類 | 発動権者 | 内容 |
|---|---|---|
| 立入検査・収去 | 都道府県知事(薬事監視員) | 店舗等への立入・帳簿確認・サンプル採取 |
| 業務改善命令 | 都道府県知事・厚生労働大臣 | 業務方法の改善を命令 |
| 業務停止命令 | 都道府県知事・厚生労働大臣 | 一定期間の業務停止 |
| 許可取り消し | 都道府県知事・厚生労働大臣 | 許可の取り消し |
| 廃棄命令 | 都道府県知事・厚生労働大臣 | 不正・不良品の廃棄を命令 |
| 職員による廃棄・回収等 | 都道府県知事等・厚生労働大臣(薬事監視員) | 廃棄命令に従わないとき又は緊急の必要があるとき(法第70条第3項) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 薬事監視員は厚生労働大臣・都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長が職員のうちから命じ(法第76条の3)、薬機法第69条に基づいて立入検査・質問・収去を行います。収去は業者の同意なしに行うことができます。
- イ(誤): 業務停止命令は厚生労働大臣のほか、都道府県知事も発動権限を持ちます(薬機法第75条)。管轄区域内の薬局・店舗販売業者に対しては都道府県知事が主体的に対応します。
- ウ(誤): 「収去」は「廃棄」ではなく、試験・検査のためにサンプル(医薬品・食品等)を採取する行為です(薬機法第69条)。業者の同意なしに行うことができます(強制的な収去権限)。
- エ(誤): 廃棄命令に業者が従わない場合、又は緊急の必要があるときは、行政庁はその職員(薬事監視員)に廃棄・回収その他の必要な処分をさせることができます(法第70条第3項)。
- オ(誤): 薬機法違反に対する罰則には両罰規定があり、違反行為を行った個人だけでなく、その法人(会社・団体)にも罰金刑が科されます(薬機法第90条)。
【薬機法の監視・行政処分体系の全体的構造】
薬機法の監視指導・行政処分制度は、医薬品の安全・品質確保を担保するための「事後的な法執行」の仕組みです。行政が医薬品の製造・販売業者を日常的に監視し、違反が発覚した場合に適切な行政処分を行うことで、公衆衛生の保護を実現します。
薬事監視員制度の詳細(薬機法第69条・第76条の3等):
薬事監視員は、厚生労働大臣・都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長がその職員のうちから命じる職員です。薬局・医薬品の販売業の監視指導は、基本的に許可を所管する都道府県又は保健所設置市・特別区の薬事監視員が行います。主な職務権限:
1. 立入検査: 薬局・薬品販売業者・製造業者の施設への立入
- 店舗・倉庫・帳簿・記録への立入
- 薬剤師・従業員への質問
- 販売記録・在庫記録の確認
2. 収去(サンプル採取): 医薬品・医薬部外品等のサンプルを試験・検査のために強制的に採取する
- 業者の同意は不要(強制権限)
- 試験のため必要な最少分量に限られる
3. 報告の徴収: 業者に対して業務状況の報告を求める権限
「収去」の法的性質と「廃棄」との区別:
「収去」と「廃棄」は全く異なる概念です:
- 収去: 試験・検査のためのサンプル採取。不良医薬品等の疑いのある物を、試験のため必要な最少分量に限り採取するもので、目的は「試験・分析」である
- 廃棄命令: 不正・不良な医薬品の廃棄を業者に命じる行政処分。業者が命令に従わないとき又は緊急の必要があるときは、行政庁が薬事監視員に廃棄・回収等をさせることができる(法第70条第3項)
この区別は試験で問われる重要な概念です。「収去=廃棄」と混同しないようにしてください。
行政処分の発動権者(都道府県知事 vs 厚生労働大臣):
薬機法の行政処分権者は処分の種類・対象によって異なります:
```
薬局・薬品販売業(都道府県レベルの許可)
→ 主たる権限者: 都道府県知事(保健所設置市は市長・特別区は区長)
→ 業務停止命令・業務改善命令・許可取り消し等
製造業・製造販売業(国レベルの許可)
→ 主たる権限者: 厚生労働大臣(PMDA等の技術支援あり)
→ 重大事案は厚生労働大臣が直接処分
両者に跨る場合
→ 都道府県知事と厚生労働大臣が連携・情報共有
```
この「地方自治体(都道府県)と国(厚生労働省)の権限分担」は薬機法の行政処分体系の核心です。
廃棄命令と薬事監視員による廃棄等(薬機法第70条):
厚生労働大臣又は都道府県知事等は、医薬品を業務上取り扱う者(薬局開設者・医薬品の販売業者を含む)に対し、不正表示医薬品・不良医薬品・無承認無許可医薬品等について、廃棄・回収その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置を採るよう命ずることができます(第70条第1項)。
命令を受けた者がその命令に従わないとき、又は緊急の必要があるときは、その職員(薬事監視員)に、その不正表示医薬品等を廃棄させ、若しくは回収させ、又はその他の必要な処分をさせることができます(第70条第3項)。この命令に違反し、又は廃棄その他の処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、罰則の対象となります。
両罰規定の意義(薬機法第90条):
薬機法の罰則には「両罰規定」が設けられており、違反行為を行った従業員(個人)だけでなく、その雇用主(法人・会社)にも罰金刑が科されます。
両罰規定の趣旨:
- 法人(会社)の経営者・管理者が監視・指導義務を果たすよう強制する
- 「従業員の単独行為」として経営者が責任から逃れることを防ぐ
- 経済的な制裁(罰金)により再発抑止
試験頻出ポイントのまとめ:
1. 薬事監視員=都道府県知事が任命・立入検査・収去(強制的・同意不要)
2. 「収去」は廃棄ではなくサンプル採取(試験・分析目的)
3. 業務停止命令は都道府県知事にも権限あり(厚生労働大臣のみではない)
4. 廃棄命令不履行・緊急時→薬事監視員に廃棄・回収等をさせることができる(法第70条第3項)
5. 両罰規定により法人(会社)も罰金対象
【根拠】薬機法第69条(立入検査・収去)・第70条(廃棄等の命令)・第72条(構造設備の改善命令等)・第72条の2(業務体制の整備命令)・第75条(許可の取消し・業務停止命令)・第90条(両罰規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章Ⅳ-3)「行政庁の監視指導、苦情相談窓口」
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第69条・第75条・第90条・第70条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章Ⅳ-3)「行政庁の監視指導、苦情相談窓口」(薬機法第69条・第70条・第72条・第75条等) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

