登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問23|生物由来製品感染等被害救済制度とその対象

問題

登録販売者 | 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

生物由来製品感染等被害救済制度に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

生物由来製品感染等被害救済制度は、医薬品副作用被害救済制度に加え、2002年の薬事法改正に際して創設された制度です。2004年4月1日以降に生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、それを介して生じた感染等による疾病、障害又は死亡について、医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行います。

アは誤りで、医薬品副作用被害救済制度とは別に創設された制度です。ウは誤りで、対象は「適正に使用したにもかかわらず」生じた感染等です。エは誤りで、対象は2004年4月1日以降の使用です。オは誤りで、判定は厚生労働大臣が薬事審議会に意見を聴いて行います。

生物由来製品感染等被害救済制度の概要:

項目内容
創設2002年の薬事法改正に際して創設(医薬品副作用被害救済制度に加えて設けられた)
運営主体PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
対象2004年4月1日以降に生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、それを介して生じた感染等による疾病、障害又は死亡
給付医療費、障害年金、遺族年金等
判定厚生労働大臣が薬事審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聴いて判定
資金源許可生物由来製品製造販売業者等からの拠出金(PMDAの事務費の1/2相当額は国の補助金)

生物由来製品とは(薬機法第2条第10項):

人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの。

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 手引きは「この医薬品副作用被害救済制度に加え」て生物由来製品感染等被害救済制度が創設されたとしており、両者は別の制度です。
  • イ(正): 手引きの記述どおりです。2002年の薬事法改正に際して創設され、2004年4月1日以降の適正使用で生じた感染等による疾病・障害・死亡に、医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行います。
  • ウ(誤): 対象は生物由来製品を「適正に使用したにもかかわらず」生じた感染等です。適正に使用されたかどうかも判定の対象になります。
  • エ(誤): 対象は2004年4月1日以降に生物由来製品を使用した場合です。
  • オ(誤): 感染等によるものかどうか、適正に使用されたかどうか等の医学・薬学的な判定は、厚生労働大臣が薬事審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聴いて行います。PMDAはその判定に基づいて支給の可否を決定します。

【生物由来製品感染等被害救済制度の設立経緯と制度の仕組み】

1. 制度設立の歴史的背景(第1章Ⅳ 薬害の歴史)

HIV訴訟:

  • 血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟
  • 1989年に大阪地裁・東京地裁で提訴され、1996年3月に両地裁で和解が成立

CJD訴訟:

  • 脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟
  • 2002年3月に大津地裁・東京地裁で和解が成立

CJD訴訟の和解に際して、国(厚生労働大臣)は、生物由来の医薬品等によるHIVやCJDの感染被害が多発したことにかんがみ、生物由来の医薬品等による被害の救済制度を早期に創設できるよう努めることを誓約しました。そして、2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされました。

なお、特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎ウイルス感染(C型肝炎訴訟)については、2008年1月に制定・施行された「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」に基づく給付金の仕組みで和解が進められており、本制度とは別の枠組みです。

2. 生物由来製品に特有のリスク

PMDAは、ヒトや動物等、生物に由来するものを原料や材料とした生物由来製品について、ウイルス等の感染の原因となるものが入り込むおそれがあり、最新の科学的な知見に基づいて安全対策が講じられたとしても、感染被害を完全になくすことはできないと説明しています。これが、適正に使用しても生じる感染等の被害を救済する制度が設けられた背景です。

3. 判定と給付の流れ

  • 健康被害を受けた本人(または遺族)等が、請求書と診断書等をPMDAに送付して請求する。給付の種類に応じて、請求の期限や必要な書類が定められている
  • PMDAが厚生労働大臣に判定を申し出て、厚生労働大臣が薬事審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聴き、感染等によるものかどうか、適正に使用されたかどうか等を判定する
  • PMDAは、その判定に基づいて支給の可否を決定する
  • 給付に必要な費用は、許可生物由来製品製造販売業者等からの拠出金で賄われ、PMDAの事務費の2分の1相当額は国の補助金で賄われる

4. 医薬品副作用被害救済制度との比較

比較項目医薬品副作用被害救済制度生物由来製品感染等被害救済制度
対象医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた副作用による一定の健康被害2004年4月1日以降に生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず生じた感染等による疾病・障害・死亡
開始・創設1980年5月運営開始(サリドマイド事件、スモン事件等を踏まえた1979年の薬事法改正と併せて創設)2002年の薬事法改正に際して創設(HIV・CJDの感染被害の多発を受けた国の誓約が背景)
判定薬事審議会の諮問・答申を経て厚生労働大臣が判定厚生労働大臣が薬事審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聴いて判定
給付費の財源製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金(事務費の1/2相当額は国庫補助)許可生物由来製品製造販売業者等からの拠出金(事務費の1/2相当額は国の補助金)

登録販売者は、制度の対象(いつ以降の使用か、適正使用が前提であること)と判定の仕組みを押さえておくと、健康被害の相談を受けたときに総合機構の相談窓口等を適切に紹介できます。

この問題の根拠
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条e-Govで原文を読む
条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅲ-1)「医薬品副作用被害救済制度」(生物由来製品感染等被害救済制度の関連記述)・第1章Ⅳ-2)「医薬品による副作用等にかかる主な訴訟」(HIV訴訟・CJD訴訟)/PMDA「生物由来製品感染等被害救済制度の概要」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。