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電気設備技術基準とは?省令と解釈の構成・条番号の読み方電験三種 法規

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

電気設備技術基準(電技省令)と電気設備の技術基準の解釈の構成を、章・節と条の範囲の表で整理します。解釈の見出しにある「(省令第○条)」の読み方、省令と解釈で同じ番号でも別の規定になる例、第17条第2項第二号ロのような条・項・号・イロハの読み方を、e-Govと経済産業省の原文で説明します。

目次
  1. 電気設備技術基準の2層構造:省令と解釈
  2. 電技省令の構成:3章と節・款
  3. 電技解釈の構成:8章と別表
  4. 見出しの「(省令第○条)」の読み方
  5. 同じ番号でも別の規定:省令と解釈の取り違え
  6. 条・項・号・イロハの読み方(第17条第2項第二号ロの例)
  7. 条文を探す手順
  8. 電験三種の法規で、解釈をどう扱うか
  9. まとめ
結論:電気設備技術基準は2層でできています。上の層が経済産業省令の「電気設備に関する技術基準を定める省令」(電技省令・第1条〜第78条)、下の層が、その省令に適合するとされる具体的な内容を示した「電気設備の技術基準の解釈」(電技解釈・第1条〜第234条と別表)です。省令は3章、解釈は8章に分かれ、解釈の各条の見出しには「(省令第○条)」と、対応する省令の条が書かれています。省令と解釈は条番号が別々なので、同じ番号でも別の規定です。
文書役割条番号の例
電気設備に関する技術基準を定める省令(電技省令)電気設備が満たすべき技術的要件を定める経済産業省令第22条(低圧電線路の絶縁性能)、第58条(低圧の電路の絶縁性能)
電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)省令の技術的要件を満たすものと認められる技術的内容を、できるだけ具体的に示したもの第17条(接地工事の種類及び施設方法)、第15条(高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能)

省令と解釈の位置づけや、法規の出題分野と計算問題は、電験三種 法規の範囲・計算問題・勉強法で扱っています。この記事は、条文を引くときに迷わないための「地図」として、構成と条番号の読み方に絞ります。

条文の出典は、省令が e-Gov 法令検索の現行条文(電気設備に関する技術基準を定める省令・2026-10-08 時点)、解釈が経済産業省の電気設備の技術基準の解釈(PDF)です。

電気設備の技術基準の解釈の制定と最終改正:制定は平成25年3月14日付け、最後の改正は令和7年11月20日付け(20251104保局第2号)。最終確認日:2026-10-08。出典:経済産業省 電気設備の技術基準の解釈(PDF)冒頭の制定・改正履歴。

電気設備技術基準の2層構造:省令と解釈

解釈の前文は、解釈を「省令に定める技術的要件を満たすものと認められる技術的内容をできるだけ具体的に示したもの」と説明し、続けて、省令に適合する内容は「この解釈に限定されるものではなく」、十分な保安水準の確保が達成できる技術的根拠があれば省令に適合すると判断する、と書いています。

もう一つ、前文には読み方の決まりがあります。「性能を規定しているものと規格を規定しているものとを併記して記載しているものは、いずれかの要件を満たすことにより、省令を満足することを示したもの」です。また、解釈第15条は、高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能について「次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること」と書き、第一号と第二号のどちらか一方を満たせばよい形になっています。これに対して第17条は「A種接地工事は、次の各号によること。」と書き、各号の定めに従う形です。条の文末が「次の各号によること」か「次の各号のいずれかに適合する」かで、各号の定めに従うのか、どれか1つに適合すればよいのかが分かれます。

電技省令の構成:3章と節・款

省令は第1条から第78条まで(第15条の2・第27条の2を含む)で、次の3章からなります(見出しは e-Gov の現行条文)。

章条の範囲節(括弧内は条の範囲)
第一章 総則第1条〜第19条定義(第1条・第2条)、適用除外(第3条)、保安原則(第4条〜第18条)、公害等の防止(第19条)
第二章 電気の供給のための電気設備の施設第20条〜第55条感電、火災等の防止(第20条〜第27条の2)、他の電線、他の工作物等への危険の防止(第28条〜第31条)、支持物の倒壊による危険の防止(第32条)、高圧ガス等による危険の防止(第33条〜第35条)、危険な施設の禁止(第36条〜第41条)、電気的、磁気的障害の防止(第42条・第43条)、供給支障の防止(第44条〜第51条)、電気鉄道に電気を供給するための電気設備の施設(第52条〜第55条)
第三章 電気使用場所の施設第56条〜第78条感電、火災等の防止(第56条〜第61条)、他の配線、他の工作物等への危険の防止(第62条)、異常時の保護対策(第63条〜第66条)、電気的、磁気的障害の防止(第67条)、特殊場所における施設制限(第68条〜第73条)、特殊機器の施設(第74条〜第78条)

第一章の「保安原則」は、さらに款に分かれています(感電、火災等の防止=第4条〜第11条、異常の予防及び保護対策=第12条〜第15条の2、電気的、磁気的障害の防止=第16条・第17条、供給支障の防止=第18条)。

省令第2条第1項は、電圧を低圧・高圧・特別高圧の3種に分けています。解釈の条も、この区分で書かれています。

種別省令第2条第1項の区分
低圧直流は750V以下、交流は600V以下
高圧直流は750Vを、交流は600Vを超え、7,000V以下
特別高圧7,000Vを超えるもの

電技解釈の構成:8章と別表

解釈は、第1条から第234条までと別表からなります。目次は次のとおりです(解釈の目次の見出しのとおり)。

章節と条の範囲
第1章 総則第1節 通則(第1条・第2条)/第2節 電線(第3条―第12条)/第3節 電路の絶縁及び接地(第13条―第19条)/第4節 電気機械器具の保安原則(第20条―第32条)/第5節 過電流、地絡及び異常電圧に対する保護対策(第33条―第37条の2)
第2章 発電所、蓄電所並びに変電所、開閉所及びこれらに準ずる場所の施設第38条―第48条
第3章 電線路第1節 電線路の通則(第49条・第50条)/第2節 架空電線路の通則(第51条―第63条)/第3節 低圧及び高圧の架空電線路(第64条―第82条)/第4節 特別高圧架空電線路(第83条―第109条)/第5節 屋側電線路、屋上電線路、架空引込線及び連接引込線(第110条―第119条)/第6節 地中電線路(第120条―第125条)/第7節 特殊場所の電線路(第126条―第133条)
第4章 電力保安通信設備第134条―第141条
第5章 電気使用場所の施設及び小規模発電設備第1節 電気使用場所の施設及び小規模発電設備の通則(第142条―第155条)/第2節 配線等の施設(第156条―第174条)/第3節 特殊場所の施設(第175条―第180条)/第4節 特殊機器等の施設(第181条―第199条の2)/第5節 小規模発電設備(第200条)
第6章 電気鉄道等第201条―第217条
第7章 国際規格の取り入れ第218条・第219条
第8章 分散型電源の系統連系設備第220条―第234条
別表本文の後ろにまとめて付く表(別表第1は銅線、別表第2はアルミ線)

章の見当をつけるときの手がかりが2つあります。1つ目は、章の名前が設備の場所や種類で分かれていることです。接地工事・絶縁性能は第1章第3節(第13条〜第19条)、電線路は第3章、屋内配線は第5章第2節(第156条〜第174条)、系統連系は第8章(第220条〜第234条)です。2つ目は、多くの章で、章の最初の条がその章で使う用語の定義になっていることです。第1章の第1条【用語の定義】のほか、第3章の第49条【電線路に係る用語の定義】、第4章の第134条【電力保安通信設備に係る用語の定義】、第5章の第142条【電気使用場所の施設及び小規模発電設備に係る用語の定義】、第6章の第201条【電気鉄道等に係る用語の定義】、第8章の第220条【分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義】がそうです。第2章の第38条【発電所等への取扱者以外の者の立入の防止】と第7章の第218条【IEC 60364規格の適用】は、用語の定義の条ではありません。

見出しの「(省令第○条)」の読み方

解釈の各条には、見出しが【 】で付き、その後ろの括弧書きに対応する省令の条が書かれています。例を挙げます(解釈の見出しのとおり)。

解釈の条と見出し括弧書き(対応する省令の条)
第13条 【電路の絶縁】省令第5条第1項
第14条 【低圧電路の絶縁性能】省令第5条第2項、第58条
第15条 【高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能】省令第5条第2項
第17条 【接地工事の種類及び施設方法】省令第11条
第37条の2 【サイバーセキュリティの確保】省令第15条の2
第218条 【IEC 60364規格の適用】省令第4条
第220条 【分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義】省令第1条

対応は1対1ではありません。省令第5条(電路の絶縁)は、解釈では第13条〜第16条の電路の絶縁と絶縁性能の規定だけでなく、第5条(絶縁電線)や第10条(高圧ケーブル)の見出しにも「省令第5条第2項」として出てきます。反対に、解釈の第5条の見出しは「省令第5条第2項、第6条、第21条、第57条第1項」の4つの条を挙げています。省令の条に対応する解釈の条を探すときは、解釈の見出しの括弧書きを手がかりにします。

解釈の本文でも、省令の条を引くときは「省令第58条によること」のように「省令」を付けて書き、解釈の中の条は「第13条各号」のように「省令」を付けずに書き分けています(解釈第14条)。

同じ番号でも別の規定:省令と解釈の取り違え

省令と解釈は別々に番号が振られているため、同じ条番号が別の内容になっています。

条番号省令の条の見出し解釈の条の見出し
第5条電路の絶縁絶縁電線
第17条高周波利用設備への障害の防止接地工事の種類及び施設方法
第22条低圧電線路の絶縁性能特別高圧の機械器具の施設
第58条低圧の電路の絶縁性能架空電線路の強度検討に用いる荷重

省令第17条(高周波利用設備への障害の防止)は、解釈では第30条(見出し「高周波利用設備の障害の防止」・括弧書きは省令第17条)が対応しています。省令第22条や第58条の条番号を覚えるときは、「電技」(省令)か「解釈」かを必ずセットにします。

省令の e-Gov の条文は「第二十二条」のように漢数字で書かれ、解釈のPDFは「第22条」のように算用数字で書かれています。表記が違うので、どちらを読んでいるかの手がかりにもなります。

条・項・号・イロハの読み方(第17条第2項第二号ロの例)

解釈の条は、条→項→号→イロハ→(イ)(ロ)の順に枝分かれします。第17条で確かめます。

単位解釈での書き方第17条の例
条「第17条」。見出しは条の前に【 】で付く第17条 A種接地工事は、次の各号によること。
項第17条では、第1項には番号が付いておらず、第2項以降は段落の頭に算用数字(2、3…)が付いている「2 B種接地工事は、次の各号によること。」
号一、二、三…(漢数字)「二 17-1表における1線地絡電流Ig は、次のいずれかによること。」
号の細目イ、ロ、ハ…、さらに(イ)(ロ)「ロ 高圧電路においては、17-2表に規定する計算式により計算した値。」

「第17条第2項第二号ロ」は、第17条の第2項(B種接地工事の規定)の第二号(1線地絡電流Igの求め方)のロです。原文は次のとおりです。

ロ 高圧電路においては、17-2表に規定する計算式により計算した値。ただし、計算結果は、小数点以下を切り上げ、2A未満となる場合は2Aとする。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第17条第2項第二号ロ(経済産業省)

ただし書の「2A未満となる場合は2A」は、このロに付いています。第17条第2項第二号のイ(実測値)には付いていません。条の途中で号や細目が変わると、ただし書や条件のかかる範囲も変わるので、数値を覚えるときは、その数値が何項何号の何に書かれているかまでを確かめます。A種〜D種の接地抵抗値を数値と条件の表にした例は、電験三種 法規の記事の例題4にあります。

条番号の付き方にも決まりがあります。「第37条の2」「第199条の2」の「の2」は、第37条・第199条のすぐ後ろに置かれた条を表します(目次では第5節が「第33条―第37条の2」、第4節が「第181条―第199条の2」までです。省令にも「第15条の2」「第27条の2」があります)。

表の名前は、「15-1表」「17-1表」「156-1表」のように「条の番号-連番」で、その条の中に置かれます。条を探すときは、表の名前の前半の数字が、表の置かれている条番号です。

条文を探す手順

解釈の中から目的の規定を探す手順は、次の5段階にまとめられます。

  • ① 主題から章を決める:接地・絶縁なら第1章、電線路なら第3章、屋内配線なら第5章、系統連系なら第8章(目次の表)
  • ② 省令か解釈かを決める:問題文が「電気設備技術基準」と「電気設備技術基準の解釈」のどちらに基づいているかを確かめます。見出しの括弧書き(省令第○条)で相互に行き来できます
  • ③ 節で絞る:目次の節の条の範囲に、探している条が入るかを見ます
  • ④ 条から項・号へ進む:条の見出しを読み、「次の各号によること」「いずれかに適合する」などの文末で、各号の定めに従うのか、どれか1つに適合すればよいのかを確かめます
  • ⑤ 表と別表を確かめる:数値は条文の中ではなく、15-1表や別表第1のような表に書かれていることがあります

解釈の前文は、引用している規格のうち民間規格評価機関が承認した規格については、その機関がホームページに掲載するリストを参照するよう書いています。解釈の条文に規格名が出てきたときは、本文とあわせて確認が必要になる場合があります。

電験三種の法規で、解釈をどう扱うか

電気技術者試験センターの令和8年度上期の受験案内は、「試験科目とその範囲及び解答数」の備考に、次のように書いています。

法規科目には「電気設備の技術基準の解釈について」(経済産業省の定める省令の解釈)に関するものを含みます。
出典:電気技術者試験センター 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 受験案内(PDF 8ページ・試験科目とその範囲及び解答数の備考)

つまり、解釈は法規の試験範囲に含まれると、センターが明記しています。使い方としては、勉強で間違えた問題の根拠を、この記事の地図で「章→節→条→項→号」の順に引き直し、数値と条件を自分の表にしていく方法が組み立てやすいです。条番号の暗記を優先するか、数値と条件の中身を優先するかについては、法規の記事の暗記の優先度で、収録問題の集計を示しています。勉強全体の順序は電験三種の独学ロードマップ、科目ごとの合格の仕組みは科目合格の記事にあります。

まとめ

  • 電気設備技術基準は、省令(第1条〜第78条・3章)と、その解釈(第1条〜第234条と別表・8章)の2層です
  • 解釈の各条の見出しにある「(省令第○条)」が、省令との対応表の役割をします。対応は1対1ではありません
  • 省令と解釈の条番号は別々です。第5条・第17条・第22条・第58条のように、同じ番号で別の規定になる例があります
  • 条は、項(2、3…)→号(一、二…)→イロハ→(イ)(ロ)の順に絞って読みます。ただし書や条件は、どの項・号・細目にかかっているかまで確かめます
  • 「第37条の2」は第37条のすぐ後ろに置かれた条、「17-1表」は第17条の中の表、「別表第1」は本文の後ろの別表です

よくある質問

Q省令と解釈で、同じ条番号なら同じ内容ですか?

違います。省令と解釈は別の文書で、条番号は別々に振られています。たとえば省令第5条は「電路の絶縁」、解釈第5条は「絶縁電線」です。省令第17条は高周波利用設備への障害の防止、解釈第17条は接地工事の種類及び施設方法で、省令第17条を括弧書きに挙げる解釈の条のひとつは第30条です。条番号だけを見て、どちらの文書の条かを取り違えないようにします。

Q解釈の見出しにある「(省令第5条第2項、第58条)」は、何を示していますか?

解釈の各条の見出しの後ろに付く括弧書きで、その条が省令のどの条を具体的に示したものかを表しています。解釈第14条の見出しは「低圧電路の絶縁性能」(省令第5条第2項、第58条)で、解釈の第14条第1項は、電気使用場所における使用電圧が低圧の電路(同項のかっこ書で除かれるものを除く)について、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、省令第58条によること(第一号)か、絶縁抵抗測定が困難な場合に、使用電圧が加わった状態における漏えい電流が1mA以下であること(第二号)のいずれかに適合することを定めています。

Q解釈の「第17条第2項第二号ロ」は、どう読みますか?

第17条の第2項(項の頭に「2」とある部分。B種接地工事の規定)の中の、第二号(「二」で始まる号)の、ロ(号の中の細目)です。この箇所には、高圧電路の1線地絡電流Igを17-2表の計算式で求める場合の規定があり、「計算結果は、小数点以下を切り上げ、2A未満となる場合は2Aとする」と書かれています。条・項・号・イロハの順に、1つずつ絞り込んで読みます。

Q解釈の最終改正日は、どこで確かめられますか?

解釈のPDFの冒頭に、制定と改正の履歴が一覧で載っています。経済産業省が公開しているPDFでは、最後の改正は令和7年11月20日付けです(20251104保局第2号)。勉強に使っている版の改正日と、経済産業省のPDFの冒頭にある最新の改正日が同じかどうかを、見比べておくと確実です。

Q「15-1表」や「別表第1」は、どこに書かれていますか?

「15-1表」のような表は、第15条の本文のすぐ後ろ(第15条の中)に置かれた表で、「条の番号-連番」で名前が付いています(第17条には17-1表・17-2表・17-3表があります)。「別表第1」「別表第2」などは、本文の後ろにまとめて付いている別表で、別表第1は銅線、別表第2はアルミ線の表です。

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