log e 1(自然対数の1)の答えは0です。対数の意味、10のマイナス3乗などの指数、ln・log・eの値、対数の公式を表と数値例で整理し、電験三種のデシベル・過渡現象・ボード線図での使いどころと、関数電卓が使えない試験での値の扱いをまとめます。
目次
結論:log e 1(自然対数の1)の答えは 0 です。対数 log a x は「aを何乗するとxになるか」を表す数で、aを0乗すると1になるため、log a 1 は底aが何であっても0になります。底がe(約2.718)の対数を自然対数(ln)、底が10の対数を常用対数(log₁₀)と呼びます。電験三種では、デシベル(20log₁₀)、過渡現象の e^(−t/τ)、ボード線図の対数軸、接地抵抗の式の ln で対数・指数が出てきます。試験で使える電卓は四則演算と開平計算(√)のものだけで、関数電卓は使えません。
log e 1 の答えは 0:対数の意味
対数は、指数の「逆」の計算です。
- 指数:2³=8(2を3回掛けると8)
- 対数:log₂ 8=3(2を何乗すると8になるか → 3乗)
一般に、a^y=x のとき y=log a x と書きます。aを「底(てい)」、xを「真数(しんすう)」と呼びます。
log e 1 を、この定義で読みます。「eを何乗すると1になるか」を探すと、e⁰=1 なので答えは0です。
| 式 | 読み方 | 答え | 理由 |
|---|---|---|---|
| log e 1(ln 1) | eを何乗すると1か | 0 | e⁰=1 |
| log₁₀ 1 | 10を何乗すると1か | 0 | 10⁰=1 |
| log₂ 1 | 2を何乗すると1か | 0 | 2⁰=1 |
| log e e(ln e) | eを何乗するとeか | 1 | e¹=e |
| log₁₀ 10 | 10を何乗すると10か | 1 | 10¹=10 |
| log₁₀ 1000 | 10を何乗すると1000か | 3 | 10³=1000 |
| log₁₀ 0.001 | 10を何乗すると0.001か | −3 | 10⁻³=0.001 |
真数は正の数でなければなりません。log 0 や、マイナスの数の対数は、実数の範囲では値が決まりません。たとえば「eを何乗しても0にはならない」ためです。
10のn乗と指数の読み方(マイナス乗・0乗)
対数の前提になる指数を、表で整理します。電気の単位(ミリ・キロなど)も、同じ10の累乗です。
| 10のn乗 | 値 | 読み方 | 単位の接頭語(SI) |
|---|---|---|---|
| 10⁶ | 1,000,000 | 10の6乗 | M(メガ) |
| 10³ | 1,000 | 10の3乗 | k(キロ) |
| 10² | 100 | 10の2乗 | |
| 10¹ | 10 | 10の1乗 | |
| 10⁰ | 1 | 10の0乗 | |
| 10⁻¹ | 0.1 | 10のマイナス1乗 | |
| 10⁻² | 0.01 | 10のマイナス2乗 | |
| 10⁻³ | 0.001 | 10のマイナス3乗 | m(ミリ) |
| 10⁻⁶ | 0.000001 | 10のマイナス6乗 | μ(マイクロ) |
| 10⁻⁹ | 0.000000001 | 10のマイナス9乗 | n(ナノ) |
| 10⁻¹² | 0.000000000001 | 10のマイナス12乗 | p(ピコ) |
規則は3つです。
- 0乗は1:どんな数も a⁰=1
- マイナス乗は逆数:10⁻ⁿ=1÷10ⁿ(10⁻³=1÷1000=0.001)
- 掛け算は指数の足し算、割り算は引き算:10²×10³=10⁵、10⁶÷10³=10³
例(当サイトの計算):コンデンサの静電容量 C=100 μF=100×10⁻⁶ F、抵抗 R=10 kΩ=10×10³ Ω のとき、RC=(10×100)×(10³×10⁻⁶)=1000×10⁻³=1 と、数と指数を分けて計算できます(単位は秒)。検算:10 kΩ×100 μF=10,000 Ω×0.0001 F=1 s で一致します。
なお、「10の階乗」という検索は、10の「n乗」ではなく 10!(階乗) のことがあります。階乗は 10×9×8×…×1 のことで、10!=3,628,800 です。10の累乗(10ⁿ)とは別の計算です。
自然対数 ln・常用対数 log と e の値
底がどの数かで、対数の呼び方と書き方が変わります。
| 名前 | 底 | 書き方 | 主な使いどころ |
|---|---|---|---|
| 自然対数 | e(約2.718) | ln x、log e x | 指数関数 e^x の逆、過渡現象 |
| 常用対数 | 10 | log₁₀ x | デシベル、桁の見積もり |
| 二進対数 | 2 | log₂ x | 情報量(ビット数) |
式を読むときは、ln(底e)か log₁₀(底10)かを先に確かめます。
eの値:e=2.71828…(約2.718)です。電験三種の過渡現象の問題では、「自然対数の底は2.718とする」のように、値が問題文に示される形があります(出題の例は後の節にあります)。
主な値を表にまとめます(当サイトの計算。小数第4位まで)。
| 真数x | ln x | log₁₀ x |
|---|---|---|
| 1 | 0 | 0 |
| 2 | 0.6931 | 0.3010 |
| 3 | 1.0986 | 0.4771 |
| 5 | 1.6094 | 0.6990 |
| 10 | 2.3026 | 1 |
| e(2.718…) | 1 | 0.4343 |
| 100 | 4.6052 | 2 |
検算(1):ln 10=2.3026 で、10 をeの2.3026乗として戻すと、e^2.3026≒10 になります(e²=7.389、e^0.3026≒1.353、7.389×1.353≒10.0)。検算(2):ln 100=2×ln 10=2×2.3026=4.6052 で、表の値と一致します。
対数の公式(足し算・引き算・累乗・底の変換)
「ログ 公式」「logの足し算」で調べられる内容を、表と数値例で示します(M、N は正の数)。
| 公式 | 数値例(当サイトの計算) |
|---|---|
| log a (M×N)=log a M+log a N | log₁₀ 6=log₁₀ 2+log₁₀ 3=0.3010+0.4771=0.7781 |
| log a (M÷N)=log a M − log a N | log₁₀ 5=log₁₀(10÷2)=1 − 0.3010=0.6990 |
| log a (Mᵏ)=k×log a M | log₁₀ 8=log₁₀ 2³=3×0.3010=0.9030 |
| log a a=1、log a 1=0 | log₁₀ 10=1、log₁₀ 1=0 |
| 底の変換 log a x=ln x÷ln a | log₂ 8=ln 8÷ln 2=(3×0.6931)÷0.6931=3 |
| 逆数 log a (1÷N)=− log a N | ln(1÷e)=− ln e=−1 |
検算(1):log₁₀ 6 の実際の値は0.7782(小数第4位)で、0.7781 は2と3の値を小数第4位で丸めた結果の差です。検算(2):log₁₀ 8 は、10^0.9030≒8.00 に戻して確かめられます(10^0.9=7.943、10^0.003≒1.007、7.943×1.007≒8.0)。
足し算を掛け算にまとめられるのは、底が同じときだけです。log₁₀ 2+ln 3 のように底が違う対数は、底を同じにそろえてから計算します。
電験三種での使いどころ:デシベル・過渡現象・ボード線図
電験三種で対数・指数が出てくる主な場面を、表にまとめます。
| 場面 | 式 | 何を表すか |
|---|---|---|
| デシベル(電圧・電流の利得) | 20log₁₀(出力÷入力) [dB] | 増幅度の対数表示 |
| デシベル(電力の利得) | 10log₁₀(出力電力÷入力電力) [dB] | 電力比の対数表示 |
| 過渡現象 | e^(−t/τ)(τ=RC または L÷R) | 放電・充電の進み具合 |
| ボード線図 | 横軸が角周波数の対数軸、傾き ○○ dB/dec | 周波数特性のグラフ |
| 接地抵抗の式 | 式の中の自然対数 ln | 棒状接地極の接地抵抗 |
デシベル(dB)の計算
電圧や電流の利得は 20log₁₀(出力÷入力)、電力の利得は 10log₁₀(出力÷入力) です。電力は電圧の2乗に比例するため、log の係数が2倍の20になります。
| 比 | 電圧比の dB(20log₁₀) | 電力比の dB(10log₁₀) |
|---|---|---|
| 10倍 | 20 dB | 10 dB |
| 100倍 | 40 dB | 20 dB |
| 1000倍 | 60 dB | 30 dB |
| 2倍 | 6.02 dB | 3.01 dB |
| √2倍(約1.414倍) | 3.01 dB | 1.505 dB |
| 1倍 | 0 dB | 0 dB |
| 0.1倍 | −20 dB | −10 dB |
例題(当サイトの作例):増幅度が10の増幅器と、増幅度が20の増幅器を縦続接続したときの全体の利得は何dBか。
- 解き方1(積を先に):全体の増幅度は10×20=200 倍。200=100×2 なので、20log₁₀ 200=20log₁₀ 100+20log₁₀ 2=40+6.02=46.02 dB
- 解き方2(dBを足す):増幅器1は20 dB、増幅器2は 20log₁₀ 20=20log₁₀ 10+20log₁₀ 2=20+6.02=26.02 dB。足すと 20+26.02=46.02 dB
2通りの結果が一致します。縦続接続の利得は、増幅度を掛ける代わりに dBを足す ことができる、というのがデシベルを使う利点です。
過渡現象の e^(−t/τ)
コンデンサの放電や、コイルを流れる電流の立ち上がりは、指数関数 e^(−t/τ) で進みます。τ(タウ)は時定数で、RC回路では τ=RC [s]、RL回路では τ=L÷R [s] です。
放電する電圧は v=E×e^(−t/τ) で、時間がτだけ進むごとに、e⁻¹=1÷2.718≒0.368 倍になります。
| 経過時間 | e^(−t/τ) | 放電の残り(最初を100%) | 充電の到達(最終値を100%) |
|---|---|---|---|
| τ | 0.368 | 36.8% | 63.2% |
| 2τ | 0.135 | 13.5% | 86.5% |
| 3τ | 0.0498 | 5.0% | 95.0% |
| 4τ | 0.0183 | 1.8% | 98.2% |
| 5τ | 0.0067 | 0.7% | 99.3% |
例題(当サイトの作例):R=10 kΩ、C=100 μF の回路で、100 Vに充電したコンデンサを放電させる。
- 時定数 τ=RC=10×10³×100×10⁻⁶=1 s
- 2 s後の電圧:100×e⁻²=100×0.1353=13.5 V(2.718で計算するなら 0.368×0.368=0.1354 で同じ)
- 電圧が50 Vになるまでの時間:100×e^(−t)=50 → e^(−t)=0.5 → t=ln 2=0.693 s(検算:e^(−0.693)=0.500)
- 電圧が10 Vになるまでの時間:e^(−t)=0.1 → t=ln 10=2.303 s(検算:e^(−2.303)=1÷10=0.1)
RL回路で電流が立ち上がる場合は、i=(E÷R)×(1−e^(−t/τ)) です。E=10 V、R=5 Ω、L=0.5 H なら、τ=L÷R=0.1 s、最終値は 10÷5=2 A で、t=0.1 s のときの電流は 2×(1−0.368)=1.264 A(2×0.632=1.264 でも同じ)です。
時定数や過渡現象の式は、電験3種の公式一覧にもまとめています。
ボード線図と接地抵抗の式
制御の分野(機械科目)のボード線図は、横軸が角周波数の対数軸で、縦軸のゲインが dB で表されます。「20 dB/dec」は、角周波数が10倍(1 dec)になるごとにゲインが20 dB変わる傾きです。20log₁₀ 10=20 なので、10倍で20 dB変化する、という意味になります。
法規の接地工事の分野では、棒状の接地極の接地抵抗を表す式に自然対数 ln が出てきます。式の中の ln は、底がeの自然対数です。
電験三種での出題の型と、電卓が使えない試験での値の扱い
電気技術者試験センターの試験概要によると、試験で使える電卓は四則演算、開平計算(√)を行うための電卓です。数式が記憶できる電卓、関数電卓、印字機能を有する電卓は使用できません。このため、log や ln を電卓のキーで出す前提にはなっていません。
公表された問題冊子から、対数・指数が関わる出題の例を、問題文の引用は避けて整理します。
| 型 | 内容 | 出題の例(問題冊子) |
|---|---|---|
| 過渡現象の記述 | 問題文に「自然対数の底は2.718とする」と示され、RC回路の放電、RL回路でスイッチを閉じた後の電流・電圧の記述の正誤を選ぶ | 理論 令和5年度下期 問10(RC回路)、令和8年度上期 問10(RL回路) |
| 増幅回路の利得 | 増幅度と入出力電圧から、増幅器の電圧利得を dB で求める | 理論 令和5年度下期 問13 |
| ボード線図 | 周波数伝達関数のゲイン特性(dB、dB/dec)から、正しいグラフを選ぶ | 機械 令和4年度下期・令和5年度下期・令和7年度下期 |
| 接地抵抗の式 | 式に自然対数 ln が含まれ、数値を代入して計算する | 法規 令和7年度下期 問11 |
出典:令和5年度下期 理論、令和8年度上期 理論、令和4年度下期 機械、令和5年度下期 機械、令和7年度下期 機械、令和7年度下期 法規(電気技術者試験センター)。
関数電卓が使えないため、自分で覚えておくと使いやすい値は次のとおりです。
- e=2.718、e⁻¹=0.368、e⁻²=0.135(これらは e=2.718 を使い、割り算は四則演算でできる)
- log₁₀ 2=0.301、log₁₀ 3=0.477(ここから 4・5・6・8・9 の値も組み立てられる)
- 20log₁₀ 10=20 dB、20log₁₀ 2=6 dB、20log₁₀ √2=3 dB
また、電卓にない計算は、次のように「10の何乗か」に直せば、手計算で処理できる場合があります。
- 利得 40 dB の増幅度:20log₁₀ A=40 → log₁₀ A=2 → A=10²=100 倍
- 利得 26 dB の増幅度:26=20+6 → 10倍×2倍=約20倍(6 dB が約2倍)
電験三種の数学の範囲全体(sin・cos・平方根・連立方程式・2進数など)は、電験三種の数学レベルで整理しています。
間違えやすいポイント
- log₁₀ 1 や ln 1 を1と答える:どの底でも log a 1 は0です。1になるのは log a a(底と真数が同じ)のほうです。
- 対数の足し算を、真数の足し算にしてしまう:log 2+log 3 は log 5 ではなく、log(2×3)=log 6 です。log(2+3) は log 2+log 3 とは別の数になります。
- 電圧の dB と電力の dB を取り違える:電圧・電流は 20log₁₀、電力は 10log₁₀ です。「2倍で 6 dB」は電圧の話で、電力の2倍は 3 dB です。
- 10⁻³ を −1000 と読む:10⁻³=1÷1000=0.001 で、マイナスは「逆数」を表し、負の数ではありません。
- e^(−t/τ) の t/τ を t×τ にする:指数は「時間÷時定数」です。t=τ のときの指数が−1(≒0.368倍)になる、と確かめると取り違えに気づけます。
- 「10の階乗」と「10の累乗」を混同する:10!(階乗)は3,628,800、10ⁿ は10をn回掛けた数です。
- ln と log の底を取り違える:ln は底e、log₁₀ は底10です。同じ数でも、ln 10=2.3026、log₁₀ 10=1 と値が違います。
まとめ
- log e 1=0:eを0乗すると1になるからです。底が何でも log a 1 は0で、log a a は1です
- 10のマイナス乗は逆数、0乗は1。10⁻³=0.001 は電気の「ミリ」にあたります
- 自然対数 ln は底e(約2.718)、常用対数 log₁₀ は底10。換算は ln x=2.3026×log₁₀ x です
- 対数の足し算は真数の掛け算、引き算は割り算、係数は累乗。ただし底が同じときだけです
- 電験三種では、デシベル(電圧・電流は20log₁₀、電力は10log₁₀)、過渡現象の e^(−t/τ)、ボード線図の dB/dec、接地抵抗の式の ln で出てきます
- 関数電卓は使えないので、問題で与えられる値と、手で出せる値(e⁻¹≒0.368、log₁₀ 2≒0.301、2倍=6 dB)を使い分けます
交流の sin・cos と角度の考え方は、電験三種の三角関数・単位円の記事で、交流の要素は電験3種の交流の基本で整理しています。
よくある質問
Qlog e 1 はなぜ 0 になるのですか?
log e 1 は「eを何乗すると1になるか」を表します。どんな正の数も0乗すると1になる(e⁰=1)ので、答えは0です。底がeでも10でも2でも同じで、log₁₀ 1=0、log₂ 1=0 です。逆に log e e は「eを何乗するとeになるか」なので1になります。
Qln と log はどう違いますか?
ln x は底がe(約2.718)の自然対数 log e x の別の書き方です。log₁₀ x は底が10の常用対数です。式を読むときは、底がeか10か(ln か log₁₀ か)を先に確かめます。換算は ln x=2.3026×log₁₀ x、log₁₀ x=0.4343×ln x です(当サイトの計算)。
Q10の−3乗はいくつですか?
10⁻³=1÷10³=1÷1000=0.001です。電気ではミリ(m)にあたり、5 mA=5×10⁻³ A=0.005 A です。マイナス乗は「逆数にする」と覚えると、10⁻¹=0.1、10⁻²=0.01 も同じ考え方で出せます。
Qlogの足し算はどう計算しますか?
同じ底の対数の足し算は、中の数の掛け算にまとめられます。log₁₀ 2+log₁₀ 5=log₁₀(2×5)=log₁₀ 10=1 です。引き算は割り算、係数は累乗にできます(引き算 log a − log b=log(a÷b)、係数 k log a=log aᵏ)。底が違う対数どうしはそのままでは足せません。
Q電験三種では対数の値を電卓で計算できますか?
電気技術者試験センターの試験概要では、使える電卓は四則演算と開平計算(√)を行うためのもので、関数電卓は使用できません。このため、対数の値そのものを電卓で出す前提の試験ではなく、問題文で「自然対数の底は2.718とする」のように値が示される問題や、dBの計算のように 10 の何乗かで考える問題があります。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

