電験三種

log e 1とは?答えは0自然対数・常用対数と電験三種での使い方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

log e 1(自然対数の1)の答えは0です。対数の意味、10のマイナス3乗などの指数、ln・log・eの値、対数の公式を表と数値例で整理し、電験三種のデシベル・過渡現象・ボード線図での使いどころと、関数電卓が使えない試験での値の扱いをまとめます。

目次
  1. log e 1 の答えは 0:対数の意味
  2. 10のn乗と指数の読み方(マイナス乗・0乗)
  3. 自然対数 ln・常用対数 log と e の値
  4. 対数の公式(足し算・引き算・累乗・底の変換)
  5. 電験三種での使いどころ:デシベル・過渡現象・ボード線図
  6. 電験三種での出題の型と、電卓が使えない試験での値の扱い
  7. 間違えやすいポイント
  8. まとめ
結論:log e 1(自然対数の1)の答えは 0 です。対数 log a x は「aを何乗するとxになるか」を表す数で、aを0乗すると1になるため、log a 1 は底aが何であっても0になります。底がe(約2.718)の対数を自然対数(ln)、底が10の対数を常用対数(log₁₀)と呼びます。電験三種では、デシベル(20log₁₀)、過渡現象の e^(−t/τ)、ボード線図の対数軸、接地抵抗の式の ln で対数・指数が出てきます。試験で使える電卓は四則演算と開平計算(√)のものだけで、関数電卓は使えません。

log e 1 の答えは 0:対数の意味

対数は、指数の「逆」の計算です。

  • 指数:2³=8(2を3回掛けると8)
  • 対数:log₂ 8=3(2を何乗すると8になるか → 3乗)

一般に、a^y=x のとき y=log a x と書きます。aを「底(てい)」、xを「真数(しんすう)」と呼びます。

log e 1 を、この定義で読みます。「eを何乗すると1になるか」を探すと、e⁰=1 なので答えは0です。

式読み方答え理由
log e 1(ln 1)eを何乗すると1か0e⁰=1
log₁₀ 110を何乗すると1か010⁰=1
log₂ 12を何乗すると1か02⁰=1
log e e(ln e)eを何乗するとeか1e¹=e
log₁₀ 1010を何乗すると10か110¹=10
log₁₀ 100010を何乗すると1000か310³=1000
log₁₀ 0.00110を何乗すると0.001か−310⁻³=0.001

真数は正の数でなければなりません。log 0 や、マイナスの数の対数は、実数の範囲では値が決まりません。たとえば「eを何乗しても0にはならない」ためです。

10のn乗と指数の読み方(マイナス乗・0乗)

対数の前提になる指数を、表で整理します。電気の単位(ミリ・キロなど)も、同じ10の累乗です。

10のn乗値読み方単位の接頭語(SI)
10⁶1,000,00010の6乗M(メガ)
10³1,00010の3乗k(キロ)
10²10010の2乗
10¹1010の1乗
10⁰110の0乗
10⁻¹0.110のマイナス1乗
10⁻²0.0110のマイナス2乗
10⁻³0.00110のマイナス3乗m(ミリ)
10⁻⁶0.00000110のマイナス6乗μ(マイクロ)
10⁻⁹0.00000000110のマイナス9乗n(ナノ)
10⁻¹²0.00000000000110のマイナス12乗p(ピコ)

規則は3つです。

  • 0乗は1:どんな数も a⁰=1
  • マイナス乗は逆数:10⁻ⁿ=1÷10ⁿ(10⁻³=1÷1000=0.001)
  • 掛け算は指数の足し算、割り算は引き算:10²×10³=10⁵、10⁶÷10³=10³

例(当サイトの計算):コンデンサの静電容量 C=100 μF=100×10⁻⁶ F、抵抗 R=10 kΩ=10×10³ Ω のとき、RC=(10×100)×(10³×10⁻⁶)=1000×10⁻³=1 と、数と指数を分けて計算できます(単位は秒)。検算:10 kΩ×100 μF=10,000 Ω×0.0001 F=1 s で一致します。

なお、「10の階乗」という検索は、10の「n乗」ではなく 10!(階乗) のことがあります。階乗は 10×9×8×…×1 のことで、10!=3,628,800 です。10の累乗(10ⁿ)とは別の計算です。

自然対数 ln・常用対数 log と e の値

底がどの数かで、対数の呼び方と書き方が変わります。

名前底書き方主な使いどころ
自然対数e(約2.718)ln x、log e x指数関数 e^x の逆、過渡現象
常用対数10log₁₀ xデシベル、桁の見積もり
二進対数2log₂ x情報量(ビット数)

式を読むときは、ln(底e)か log₁₀(底10)かを先に確かめます。

eの値:e=2.71828…(約2.718)です。電験三種の過渡現象の問題では、「自然対数の底は2.718とする」のように、値が問題文に示される形があります(出題の例は後の節にあります)。

主な値を表にまとめます(当サイトの計算。小数第4位まで)。

真数xln xlog₁₀ x
100
20.69310.3010
31.09860.4771
51.60940.6990
102.30261
e(2.718…)10.4343
1004.60522

検算(1):ln 10=2.3026 で、10 をeの2.3026乗として戻すと、e^2.3026≒10 になります(e²=7.389、e^0.3026≒1.353、7.389×1.353≒10.0)。検算(2):ln 100=2×ln 10=2×2.3026=4.6052 で、表の値と一致します。

対数の公式(足し算・引き算・累乗・底の変換)

「ログ 公式」「logの足し算」で調べられる内容を、表と数値例で示します(M、N は正の数)。

公式数値例(当サイトの計算)
log a (M×N)=log a M+log a Nlog₁₀ 6=log₁₀ 2+log₁₀ 3=0.3010+0.4771=0.7781
log a (M÷N)=log a M − log a Nlog₁₀ 5=log₁₀(10÷2)=1 − 0.3010=0.6990
log a (Mᵏ)=k×log a Mlog₁₀ 8=log₁₀ 2³=3×0.3010=0.9030
log a a=1、log a 1=0log₁₀ 10=1、log₁₀ 1=0
底の変換 log a x=ln x÷ln alog₂ 8=ln 8÷ln 2=(3×0.6931)÷0.6931=3
逆数 log a (1÷N)=− log a Nln(1÷e)=− ln e=−1

検算(1):log₁₀ 6 の実際の値は0.7782(小数第4位)で、0.7781 は2と3の値を小数第4位で丸めた結果の差です。検算(2):log₁₀ 8 は、10^0.9030≒8.00 に戻して確かめられます(10^0.9=7.943、10^0.003≒1.007、7.943×1.007≒8.0)。

足し算を掛け算にまとめられるのは、底が同じときだけです。log₁₀ 2+ln 3 のように底が違う対数は、底を同じにそろえてから計算します。

電験三種での使いどころ:デシベル・過渡現象・ボード線図

電験三種で対数・指数が出てくる主な場面を、表にまとめます。

場面式何を表すか
デシベル(電圧・電流の利得)20log₁₀(出力÷入力) [dB]増幅度の対数表示
デシベル(電力の利得)10log₁₀(出力電力÷入力電力) [dB]電力比の対数表示
過渡現象e^(−t/τ)(τ=RC または L÷R)放電・充電の進み具合
ボード線図横軸が角周波数の対数軸、傾き ○○ dB/dec周波数特性のグラフ
接地抵抗の式式の中の自然対数 ln棒状接地極の接地抵抗

デシベル(dB)の計算

電圧や電流の利得は 20log₁₀(出力÷入力)、電力の利得は 10log₁₀(出力÷入力) です。電力は電圧の2乗に比例するため、log の係数が2倍の20になります。

比電圧比の dB(20log₁₀)電力比の dB(10log₁₀)
10倍20 dB10 dB
100倍40 dB20 dB
1000倍60 dB30 dB
2倍6.02 dB3.01 dB
√2倍(約1.414倍)3.01 dB1.505 dB
1倍0 dB0 dB
0.1倍−20 dB−10 dB

例題(当サイトの作例):増幅度が10の増幅器と、増幅度が20の増幅器を縦続接続したときの全体の利得は何dBか。

  • 解き方1(積を先に):全体の増幅度は10×20=200 倍。200=100×2 なので、20log₁₀ 200=20log₁₀ 100+20log₁₀ 2=40+6.02=46.02 dB
  • 解き方2(dBを足す):増幅器1は20 dB、増幅器2は 20log₁₀ 20=20log₁₀ 10+20log₁₀ 2=20+6.02=26.02 dB。足すと 20+26.02=46.02 dB

2通りの結果が一致します。縦続接続の利得は、増幅度を掛ける代わりに dBを足す ことができる、というのがデシベルを使う利点です。

過渡現象の e^(−t/τ)

コンデンサの放電や、コイルを流れる電流の立ち上がりは、指数関数 e^(−t/τ) で進みます。τ(タウ)は時定数で、RC回路では τ=RC [s]、RL回路では τ=L÷R [s] です。

放電する電圧は v=E×e^(−t/τ) で、時間がτだけ進むごとに、e⁻¹=1÷2.718≒0.368 倍になります。

経過時間e^(−t/τ)放電の残り(最初を100%)充電の到達(最終値を100%)
τ0.36836.8%63.2%
2τ0.13513.5%86.5%
3τ0.04985.0%95.0%
4τ0.01831.8%98.2%
5τ0.00670.7%99.3%

例題(当サイトの作例):R=10 kΩ、C=100 μF の回路で、100 Vに充電したコンデンサを放電させる。

  • 時定数 τ=RC=10×10³×100×10⁻⁶=1 s
  • 2 s後の電圧:100×e⁻²=100×0.1353=13.5 V(2.718で計算するなら 0.368×0.368=0.1354 で同じ)
  • 電圧が50 Vになるまでの時間:100×e^(−t)=50 → e^(−t)=0.5 → t=ln 2=0.693 s(検算:e^(−0.693)=0.500)
  • 電圧が10 Vになるまでの時間:e^(−t)=0.1 → t=ln 10=2.303 s(検算:e^(−2.303)=1÷10=0.1)

RL回路で電流が立ち上がる場合は、i=(E÷R)×(1−e^(−t/τ)) です。E=10 V、R=5 Ω、L=0.5 H なら、τ=L÷R=0.1 s、最終値は 10÷5=2 A で、t=0.1 s のときの電流は 2×(1−0.368)=1.264 A(2×0.632=1.264 でも同じ)です。

時定数や過渡現象の式は、電験3種の公式一覧にもまとめています。

ボード線図と接地抵抗の式

制御の分野(機械科目)のボード線図は、横軸が角周波数の対数軸で、縦軸のゲインが dB で表されます。「20 dB/dec」は、角周波数が10倍(1 dec)になるごとにゲインが20 dB変わる傾きです。20log₁₀ 10=20 なので、10倍で20 dB変化する、という意味になります。

法規の接地工事の分野では、棒状の接地極の接地抵抗を表す式に自然対数 ln が出てきます。式の中の ln は、底がeの自然対数です。

電験三種での出題の型と、電卓が使えない試験での値の扱い

電気技術者試験センターの試験概要によると、試験で使える電卓は四則演算、開平計算(√)を行うための電卓です。数式が記憶できる電卓、関数電卓、印字機能を有する電卓は使用できません。このため、log や ln を電卓のキーで出す前提にはなっていません。

公表された問題冊子から、対数・指数が関わる出題の例を、問題文の引用は避けて整理します。

型内容出題の例(問題冊子)
過渡現象の記述問題文に「自然対数の底は2.718とする」と示され、RC回路の放電、RL回路でスイッチを閉じた後の電流・電圧の記述の正誤を選ぶ理論 令和5年度下期 問10(RC回路)、令和8年度上期 問10(RL回路)
増幅回路の利得増幅度と入出力電圧から、増幅器の電圧利得を dB で求める理論 令和5年度下期 問13
ボード線図周波数伝達関数のゲイン特性(dB、dB/dec)から、正しいグラフを選ぶ機械 令和4年度下期・令和5年度下期・令和7年度下期
接地抵抗の式式に自然対数 ln が含まれ、数値を代入して計算する法規 令和7年度下期 問11

出典:令和5年度下期 理論、令和8年度上期 理論、令和4年度下期 機械、令和5年度下期 機械、令和7年度下期 機械、令和7年度下期 法規(電気技術者試験センター)。

関数電卓が使えないため、自分で覚えておくと使いやすい値は次のとおりです。

  • e=2.718、e⁻¹=0.368、e⁻²=0.135(これらは e=2.718 を使い、割り算は四則演算でできる)
  • log₁₀ 2=0.301、log₁₀ 3=0.477(ここから 4・5・6・8・9 の値も組み立てられる)
  • 20log₁₀ 10=20 dB、20log₁₀ 2=6 dB、20log₁₀ √2=3 dB

また、電卓にない計算は、次のように「10の何乗か」に直せば、手計算で処理できる場合があります。

  • 利得 40 dB の増幅度:20log₁₀ A=40 → log₁₀ A=2 → A=10²=100 倍
  • 利得 26 dB の増幅度:26=20+6 → 10倍×2倍=約20倍(6 dB が約2倍)

電験三種の数学の範囲全体(sin・cos・平方根・連立方程式・2進数など)は、電験三種の数学レベルで整理しています。

間違えやすいポイント

  • log₁₀ 1 や ln 1 を1と答える:どの底でも log a 1 は0です。1になるのは log a a(底と真数が同じ)のほうです。
  • 対数の足し算を、真数の足し算にしてしまう:log 2+log 3 は log 5 ではなく、log(2×3)=log 6 です。log(2+3) は log 2+log 3 とは別の数になります。
  • 電圧の dB と電力の dB を取り違える:電圧・電流は 20log₁₀、電力は 10log₁₀ です。「2倍で 6 dB」は電圧の話で、電力の2倍は 3 dB です。
  • 10⁻³ を −1000 と読む:10⁻³=1÷1000=0.001 で、マイナスは「逆数」を表し、負の数ではありません。
  • e^(−t/τ) の t/τ を t×τ にする:指数は「時間÷時定数」です。t=τ のときの指数が−1(≒0.368倍)になる、と確かめると取り違えに気づけます。
  • 「10の階乗」と「10の累乗」を混同する:10!(階乗)は3,628,800、10ⁿ は10をn回掛けた数です。
  • ln と log の底を取り違える:ln は底e、log₁₀ は底10です。同じ数でも、ln 10=2.3026、log₁₀ 10=1 と値が違います。

まとめ

  • log e 1=0:eを0乗すると1になるからです。底が何でも log a 1 は0で、log a a は1です
  • 10のマイナス乗は逆数、0乗は1。10⁻³=0.001 は電気の「ミリ」にあたります
  • 自然対数 ln は底e(約2.718)、常用対数 log₁₀ は底10。換算は ln x=2.3026×log₁₀ x です
  • 対数の足し算は真数の掛け算、引き算は割り算、係数は累乗。ただし底が同じときだけです
  • 電験三種では、デシベル(電圧・電流は20log₁₀、電力は10log₁₀)、過渡現象の e^(−t/τ)、ボード線図の dB/dec、接地抵抗の式の ln で出てきます
  • 関数電卓は使えないので、問題で与えられる値と、手で出せる値(e⁻¹≒0.368、log₁₀ 2≒0.301、2倍=6 dB)を使い分けます

交流の sin・cos と角度の考え方は、電験三種の三角関数・単位円の記事で、交流の要素は電験3種の交流の基本で整理しています。

よくある質問

Qlog e 1 はなぜ 0 になるのですか?

log e 1 は「eを何乗すると1になるか」を表します。どんな正の数も0乗すると1になる(e⁰=1)ので、答えは0です。底がeでも10でも2でも同じで、log₁₀ 1=0、log₂ 1=0 です。逆に log e e は「eを何乗するとeになるか」なので1になります。

Qln と log はどう違いますか?

ln x は底がe(約2.718)の自然対数 log e x の別の書き方です。log₁₀ x は底が10の常用対数です。式を読むときは、底がeか10か(ln か log₁₀ か)を先に確かめます。換算は ln x=2.3026×log₁₀ x、log₁₀ x=0.4343×ln x です(当サイトの計算)。

Q10の−3乗はいくつですか?

10⁻³=1÷10³=1÷1000=0.001です。電気ではミリ(m)にあたり、5 mA=5×10⁻³ A=0.005 A です。マイナス乗は「逆数にする」と覚えると、10⁻¹=0.1、10⁻²=0.01 も同じ考え方で出せます。

Qlogの足し算はどう計算しますか?

同じ底の対数の足し算は、中の数の掛け算にまとめられます。log₁₀ 2+log₁₀ 5=log₁₀(2×5)=log₁₀ 10=1 です。引き算は割り算、係数は累乗にできます(引き算 log a − log b=log(a÷b)、係数 k log a=log aᵏ)。底が違う対数どうしはそのままでは足せません。

Q電験三種では対数の値を電卓で計算できますか?

電気技術者試験センターの試験概要では、使える電卓は四則演算と開平計算(√)を行うためのもので、関数電卓は使用できません。このため、対数の値そのものを電卓で出す前提の試験ではなく、問題文で「自然対数の底は2.718とする」のように値が示される問題や、dBの計算のように 10 の何乗かで考える問題があります。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要。

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