問題
低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)では,給電線である複数の特別高圧配電線路から,ネットワーク変圧器を経て,低圧配電線路に電力が供給される。低圧ネットワーク方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
低圧ネットワーク方式についての正誤問題(令和4年度下期 問13)。誤っているものは(3)です。
低圧ネットワーク方式は、複数の特別高圧給電線からネットワーク変圧器を経て、低圧配電線路を格子状につないで電力を供給する方式です。一つの給電線に事故が起きても、ネットワーク変圧器二次側のネットワークプロテクタが逆電力を検知して自動的に事故側だけを切り離すため、停電せずに他の給電線から供給が継続されます。選択肢3は「他の健全な給電線に切り替える間,低圧配電線路が停電する」としていますが、実際にはこの切替中も停電しないのが低圧ネットワーク方式の最大の特長であり、誤りです。他の選択肢(ネットワークプロテクタの役割、格子状配電、電圧変動・損失の低減、建設費と適用地域)はすべて正しい記述です。
低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式)は、複数の特別高圧給電線のそれぞれにネットワーク変圧器を接続し、各変圧器の二次側を低圧配電線路に格子状につなぎ合わせた配電方式です。一般にネットワーク変圧器二次側にはネットワークプロテクタ(遮断器とリレーを組み合わせた保護装置)が設置され、ネットワーク変圧器一次側の遮断器やヒューズを省略できます。
給電線のうち一つに事故が発生すると、健全な給電線から低圧ネットワークを経由し、事故給電線につながるネットワーク変圧器を通って事故点の方へ、通常とは逆方向(低圧側から給電線側へ)に電流が流れ込みます。ネットワークプロテクタはこの逆電力を検知して、事故が起きた給電線に接続するネットワーク変圧器だけを瞬時に自動的に系統から切り離します。他の健全な給電線からは引き続き電力が供給されているため、低圧配電線路は格子状に接続されたまま、停電せずに電力供給を継続できます。選択肢3は「他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する」としていますが、ネットワークプロテクタの自動切離しによって切替中も停電しないという点が低圧ネットワーク方式の核心であり、この記述は誤りです。
他の選択肢を確認すると、選択肢1(ネットワークプロテクタの設置により一次側遮断器・ヒューズを省略できる)、選択肢2(低圧配電線路を格子状に接続)、選択肢4(樹枝状配電線路と比べて電圧変動・電力損失が小さい=複数方向から給電されるため)、選択肢5(建設費が高いため大都市のような需要家の多い地域に用いられる)はいずれも低圧ネットワーク方式の標準的な特徴として正しい記述です。
低圧ネットワーク方式が高い信頼度を持つ理由は、「格子状の接続」と「ネットワークプロテクタによる自動切離し」の2つの仕組みが組み合わさっている点にあります。格子状接続により、ある1本の給電線が停止しても、他の給電線から格子を経由して低圧配電線路の各地点に電力を届けるルートが残ります。ネットワークプロテクタは、この構成を安全に保つために、事故が起きた給電線からの逆電力(健全な低圧系統から事故側へ電流が流れ込む状態)を検知し、人の操作を介さず自動的に事故区間を切り離します。この自動化・高速化によって、樹枝状配電線路のように手動または遠隔操作で開閉器を切り替える時間帯の停電が発生しません。
この方式は建設費(ネットワーク変圧器・ネットワークプロテクタ・格子状の配線を複数経路分用意するコスト)が樹枝状配電方式より高くなるため、停電による経済的損失が大きい大都市の中心部やオフィス・商業ビル密集地域など、需要家が密集し高い信頼度が求められる地域に限って採用されます。
本問のように「切替中は停電する」という誤った記述は、低圧ネットワーク方式を樹枝状配電線路の障害対応(開閉器を手動・遠隔で切り替えて迂回する方式、この場合は切替中に一時停電が生じる)と混同させる典型的な誤答パターンです。「格子状配電+自動切離し=無停電」というこの方式の本質を覚えておけば、言い回しを変えた出題にも対応できます。
ネットワークプロテクタが一次側の遮断器・ヒューズを省略できるという選択肢1の記述も、この方式の経済性に関わる重要な特徴です。通常の樹枝状配電線路では変圧器の一次側にも保護装置を設けますが、低圧ネットワーク方式では二次側のネットワークプロテクタが事故区間の切離しを一括して担うため、各ネットワーク変圧器の一次側には簡易な設備で済ませられる場合があります。建設費が高くなるという選択肢5の記述と、このような部分的な設備の簡略化は矛盾するものではなく、全体としては複数経路の確保にコストがかかる一方、個々の保護装置では簡略化できる部分もあるという、この方式特有のコスト構造を表しています。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

