問題
定格値が一次電圧66 kV,二次電圧6.6 kV,容量30 MV・Aの三相変圧器がある。一次側に換算した漏れリアクタンスの値が14.5 Ωのとき,百分率リアクタンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
変圧器の漏れリアクタンスから百分率リアクタンス(%X)を求める計算問題(令和4年度下期 問6)。正答は(3)です。
一次電圧V=66 kV、容量P=30 MV・A、一次側換算の漏れリアクタンスX=14.5 Ωのとき、%X=X・P/V²×100で求めます。V²=(66×10³)²=4.356×10⁹、X・P=14.5×30×10⁶=4.35×10⁸なので、%X=4.35×10⁸/4.356×10⁹×100≒9.98%、最も近い(3)10.0が正答です。
百分率インピーダンス(%Z、リアクタンスだけなら%X)は、「定格電流を流したときにそのインピーダンスで生じる電圧降下が、定格電圧の何%になるか」を表す指標で、三相の場合%X=X・P/(10・V²)(Xは[Ω]、Pは[kVA]、Vは[kV])、あるいはSI単位のまま%X=X・P/V²×100(Pは[VA]、Vは[V])で計算できます。
本問では一次電圧V=66 kV=66,000 V、容量P=30 MV・A=30,000,000 VA、一次側に換算した漏れリアクタンスX=14.5 Ωが与えられています。これを式に代入すると、
%X=(14.5×30,000,000)/(66,000)²×100
=435,000,000/4,356,000,000×100
≒0.0998×100
≒9.98%
となり、選択肢の中で最も近いのは(3)10.0です。
この計算では二次電圧6.6 kVは使いません(一次側に換算済みのXと一次電圧66 kVが対応しているため)。他の選択肢は、三相の扱いで3や√3を余分に掛けたり割ったりした値に対応しています。9.98÷3≒3.3(1)、9.98÷√3≒5.8(2)、9.98×√3≒17.3(4)、9.98×3≒29.9(5)です。また二次電圧6.6 kVを使うと約999%となり、明らかに不合理な値になります。単位の整合(Ω×VA÷V²が無次元の%になること)を確認しながら計算することが、この種の問題を確実に解く鍵です。
百分率インピーダンスという指標が使われる理由は、変圧器の容量・電圧が異なっていても、インピーダンスの大小を電圧降下の割合という共通の尺度で比較できるようにするためです。本問のように、実際のΩ値で与えられた漏れリアクタンスを%X(%単位)に変換することで、他の変圧器との並行運転の可否判定(%Zが等しいことが条件の一つ)や、短絡電流の計算(Is=In×100/%Z)に直接使えるようになります。
%Xの式%X=X・P/V²×100は、次のように導くことができます。変圧器の定格電流In=P/(√3・V)(三相の場合)とすると、漏れリアクタンスXによる定格電流時の電圧降下(相電圧基準でおおよそIn・X)が、相電圧(V/√3)に対してどれだけの割合かを百分率で表したものが%Xです。具体的に展開すると、%X=(In・X)/(V/√3)×100=(P/(√3V)・X)/(V/√3)×100=X・P/V²×100という形になり、途中の√3が約分されて消えるため、三相でも単相と同じ簡潔な式で計算できます。
実務では、この%Xを使って系統の短絡電流を見積もったり、複数の変圧器を並行運転する際の負荷分担(各変圧器の容量に比例し、自己容量基準の%Zに反比例する)を設計したりします。本問のような「Ωで与えられた値を%に変換する」計算は、この後の短絡電流計算や並行運転条件の判定問題につながる基礎的なステップとして位置づけられます。
本問の数値で確かめてみます。一次側の定格電流はIn=30×10⁶/(√3×66×10³)≒262 Aです。変圧器のリアクタンスだけで電流が制限されるとすると、一次側の三相短絡電流はIn×100/%X=262×100/9.98≒2.63 kAとなります。Ω値から直接求めても、相電圧66×10³/√3≒38.1 kVを14.5 Ωで割って約2.63 kAとなり一致します。また二次側に換算したリアクタンスは14.5×(6.6/66)²=0.145 Ωで、これを二次電圧6.6 kVで計算しても%X=0.145×30×10⁶/(6.6×10³)²×100≒9.98%と同じ値になります。%Xはどちら側から見ても変わらないという性質が、百分率で表す利点の一つです。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

