第二種電気工事士のリングスリーブ(E形)は、電線の太さと本数でサイズと圧着マーク(刻印)が決まります。センターの技能試験資料(JIS C 2806準拠)の組合せ表を全部載せ、1.6mmで2・3・5・7本、2.0mmで2・3・5本、2.6mmで2・3本という境目の覚え方と、学科の問われ方を整理します。
目次
結論:リングスリーブ(E形)は、電線の太さと本数でサイズが決まります。同じ太さだけを接続するときの境目は、1.6mmが2本(○)・3〜4本(小)・5〜6本(中)・7本(大)、2.0mmが2本(小)・3〜4本(中)・5本(大)、2.6mmが2本(中)・3本(大)です。太い電線ほど、少ない本数で次のサイズに上がります。混在の組合せは、センターの技能試験資料(JIS C 2806準拠)の表で決まっています。この記事に、電線の組合せと圧着マークをすべて載せています(当サイトの整理。表の値は出典どおり)。
リングスリーブは、第二種電気工事士の技能試験で全員が使う材料で、学科でも写真・配線図の問題で問われます。覚えることが多く見えますが、表の中の数字には規則性があるので、規則から先に覚えると、表が楽に読めます。
試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して内容を紹介しています。製品名やメーカーは扱いません。
組合せ表の版:リングスリーブ(E形)の組合せ表は、センターが公表した令和8年3月版の「技能試験の概要と注意すべきポイント」(JIS C 2806準拠)の記載です。試験の回で変わる可能性があるので、受験する回の資料も確認してください。最終確認日:2026-10-28。出典:技能試験の概要と注意すべきポイント(PDF)。
先に覚える規則:同じ太さなら、太いほど少ない本数で上がる
まず、同じ太さの電線だけを接続する場合です。次の表は、センターの組合せ表から、同じ太さだけの行を取り出したものです。
| 電線の太さ | 本数 | サイズ | 圧着マーク(刻印) |
|---|---|---|---|
| 1.6mm | 2本 | 小 | ○ |
| 1.6mm | 3〜4本 | 小 | 小 |
| 1.6mm | 5〜6本 | 中 | 中 |
| 1.6mm | 7本 | 大 | 大 |
| 2.0mm | 2本 | 小 | 小 |
| 2.0mm | 3〜4本 | 中 | 中 |
| 2.0mm | 5本 | 大 | 大 |
| 2.6mm | 2本 | 中 | 中 |
| 2.6mm | 3本 | 大 | 大 |
出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」(JIS C 2806に準拠したリングスリーブ(E形)の組合せ表)。出典の表の見出しでは、1.6mmは2.0mm²のより線、2.0mmは3.5mm²、2.6mmは5.5mm²と同じ扱いで、呼び・最大使用電流の欄もあります(この記事では省略しています)。
この表を、サイズが上がる本数の境目で並べ直すと、次のようになります(当サイトの整理)。
| 電線の太さ | ○ | 小 | 中 | 大 |
|---|---|---|---|---|
| 1.6mm | 2本 | 3〜4本 | 5〜6本 | 7本 |
| 2.0mm | なし | 2本 | 3〜4本 | 5本 |
| 2.6mm | なし | なし | 2本 | 3本 |
覚え方の要点は、次の3つです。
1. 1.6mmは「2・3・5・7」と覚えます。 2本で○、3本から小、5本から中、7本で大です。小は3〜4本、中は5〜6本と、2本ずつ幅があります。
2. 2.0mmは、1.6mmより1段階上から数え始めます。 1.6mmが○から始まるのに対して、2.0mmは小から始まり(2本)、3本で中、5本で大です。
3. 2.6mmは、さらに1段階上から数え始めます。 2本で中、3本で大です。
どの太さも、「太くなると、同じ本数でも1段階上のサイズになる」という並びになっています。1.6mmの3本は小、2.0mmの3本は中、2.6mmの3本は大、というように、本数を3本にそろえて比べると、段階の違いが分かります。
小スリーブには刻印が2種類ある
小スリーブの圧着マークは、「○」と「小」の2通りです。この違いが、いちばん間違えやすい点です。
- ○:1.6mmの2本を接続するとき。1.6mmを1本と0.75mm²を1本、1.6mmを2本と0.75mm²を1本、という組合せもこの行にあります
- 小:1.6mmの3〜4本、2.0mmの2本、2.0mmを1本と1.6mmを1〜2本のとき
中スリーブの刻印は「中」、大スリーブの刻印は「大」です。「中スリーブ・刻印小」という組合せは、表にありません。2.0mmの2本や、1.6mmの4本を、中スリーブとする選択肢は、学科で不適切なものとして出ています(次の章)。
混在の組合せ(2.0mmや2.6mmが入る場合)
太さの違う電線を一緒に接続する場合は、次の表のとおりです(出典の表から、混在の行を整理)。1.6mm・2.0mm・2.6mmは電線の直径、0.75mm²は断面積です。
| サイズ・圧着マーク | 組合せ |
|---|---|
| 小・○ | 1.6mm×2本/1.6mm×1本+0.75mm²×1本/1.6mm×2本+0.75mm²×1本 |
| 小・小 | 2.0mm×1本+1.6mm×1〜2本 |
| 中・中 | 2.0mm×1本+1.6mm×3〜5本/2.0mm×2本+1.6mm×1〜3本/2.0mm×3本+1.6mm×1本/2.6mm×1本+1.6mm×1〜3本/2.6mm×1本+2.0mm×1〜2本/2.6mm×2本+1.6mm×1本/2.6mm×1本+2.0mm×1本+1.6mm×1〜2本 |
| 大・大 | 2.0mm×1本+1.6mm×6本/2.0mm×2本+1.6mm×4本/2.0mm×3本+1.6mm×2本/2.0mm×4本+1.6mm×1本/2.6mm×1本+2.0mm×3本/2.6mm×2本+1.6mm×2本/2.6mm×2本+2.0mm×1本/2.6mm×1本+2.0mm×2本+1.6mm×1本 |
出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」。同じ太さだけの行は、前の章の表に載せています。
混在の表で、2.0mmと1.6mmの組合せだけを取り出すと、次の並びになります(当サイトの整理)。
| 2.0mmの本数 | 小 | 中 | 大 |
|---|---|---|---|
| 1本 | 1.6mm×1〜2本 | 1.6mm×3〜5本 | 1.6mm×6本 |
| 2本 | (表に単独の行なし) | 1.6mm×1〜3本 | 1.6mm×4本 |
| 3本 | なし | 1.6mm×1本 | 1.6mm×2本 |
| 4本 | なし | なし | 1.6mm×1本 |
2.0mmが増えるほど、組み合わせられる1.6mmの本数が減っていく並びで、表の全体を丸暗記しなくても、「2.0mmが1本のとき、1.6mmは2本までが小、5本までが中、6本で大」という1本の行を先に覚え、残りは表で確かめる、という進め方ができます(当サイトの提案)。
学科試験での問われ方
センターが公表した学科試験問題(令和4年度上期〜令和8年度下期)のうち、リングスリーブのサイズ・刻印を問う問題は、次の2つの型で出ています(当サイトの整理。選択肢の全文は、各回の出典PDFで確認してください)。
型1:一般問題(問19)。サイズと刻印の組合せを選ぶ
| 回・問 | センターの解答 | 見るところ |
|---|---|---|
| 令和5年度上期(午後)問19 | ハ | 不適切なものを選ぶ。1.6mmを4本、中スリーブ・刻印中とした選択肢が不適切 |
| 令和6年度上期 問19 | ロ | 不適切なものを選ぶ。1.6mm×2本+2.0mm×1本と、1.6mm×4本を、いずれも中スリーブ・刻印中とした2つが不適切 |
| 令和7年度下期 問19 | ハ | 不適切なものを選ぶ。2.0mmを2本、中スリーブ・刻印中とした選択肢が不適切 |
| 令和8年度下期 問19 | イ | 適切なものを選ぶ。1.6mm×1本+2.0mm×1本を小スリーブ・刻印小とした選択肢が適切。2.0mm×2本を小スリーブ・刻印○、1.6mm×4本を中スリーブ・刻印中、1.6mm×2本+2.0mm×1本を中スリーブ・刻印中とした選択肢は不適切 |
出典:センター公表の学科試験問題と解答。令和5年度上期(午後)、令和6年度上期、令和7年度下期、令和8年度下期(解答:令和8年度下期)。
4回とも、小スリーブが正しい組合せを中スリーブとした選択肢が、誤りとして出ています。令和8年度下期は、2.0mmの2本を小スリーブとしたうえで、刻印を○とした選択肢も不適切でした。「1.6mmの4本は、小スリーブ・刻印小」「2.0mmの2本は、小スリーブ・刻印小」「1.6mm×2本+2.0mm×1本は、小スリーブ・刻印小」と、本記事の表で確かめられます。
型2:配線図問題。ボックス内の接続をすべて圧着接続する場合の、リングスリーブの種類・個数・刻印の組合せ
| 回 | 問番号とセンターの解答 | 型 |
|---|---|---|
| 令和4年度上期(午前) | 問45はハ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和4年度上期(午後) | 問45はロ | 種類と最少個数の組合せ |
| 令和4年度下期(午前) | 問42はニ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和4年度下期(午後) | 問42はロ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和5年度上期(午前) | 問47はイ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和5年度上期(午後) | 問44はハ、問45はハ | 問44は種類と最少個数の組合せ、問45は種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和5年度下期(午前) | 問41はニ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和5年度下期(午後) | 問41はロ、問43はイ | 問41は種類・個数・刻印の組合せ、問43は種類と最少個数の組合せ |
| 令和6年度上期 | 問48はロ、問49はイ | 問48は種類と最少個数の組合せ(接地線の配線も含む条件)、問49は種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和6年度下期 | 問42はハ | 種類と最少個数の組合せ |
| 令和7年度上期 | 問42はロ | 種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和7年度下期 | 問46はイ、問47はニ | 問46は種類・個数・刻印の組合せ、問47は種類と最少個数の組合せ |
| 令和8年度上期 | 問41はニ、問47はハ | 問41は種類と最少個数の組合せ、問47は種類・個数・刻印の組合せ |
| 令和8年度下期 | 問43はハ、問45はニ | 問43は種類と最少個数の組合せ、問45は種類・個数・刻印の組合せ |
出典:センター公表の学科試験問題と解答。令和4年度上期(午前)・令和4年度上期(午後)・令和4年度下期(午前)・令和4年度下期(午後)・令和5年度上期(午前)・令和5年度上期(午後)・令和5年度下期(午前)・令和5年度下期(午後)・令和6年度上期・令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期・令和8年度下期。表の各問は、リングスリーブの問いとして確認した問題です。選択肢の全文は、各回の問題PDFで確認してください。
令和5年度下期(午後)の問41は、⑪のボックス内の接続をすべて圧着接続した場合の、リングスリーブの種類、個数及び圧着接続後の刻印の組合せを問う形で、「使用する電線はすべてVVF1.6」と指定されていました。センターの解答は、小スリーブ4個のうち2個が刻印○、2個が刻印小の組合せ(ロ)でした。このように、配線図の問題では、サイズだけでなく、刻印が○か小かまで答えることになります。なお、電線の本数の数え方は、複線図の書き方の記事で扱っています。
この章の問題は、当サイトの問題ページで、3段階の解説つきで解けます。
令和7年度下期 問19(リングスリーブのサイズと刻印の組合せ)
技能試験で気をつける点
技能試験では、圧着する電線の本数と太さで、リングスリーブのサイズと刻印が決まります。センターの資料には、次の記載があります(出典:技能試験の概要と注意すべきポイント)。
- 圧着工具は、JIS C 9711(1982・1990・1997)の適合品で、握りが黄色のものを示し、刻印の「○」「小」「中」「大」が明確に出るものとしています
- 圧着端子用の工具で、数字の刻印が付いた場合は欠陥と判断されます
- リングスリーブで接続したあとの絶縁処理(テープ巻きなど)は、技能試験では省略してよいと、資料に書かれています
欠陥の判断基準(リングスリーブの圧着マーク・圧着の位置・電線の挿入など)は、技能試験の欠陥の記事で整理しています。刻印のつけ間違いに気づいたときの扱いは、技能試験対策の記事の「リングスリーブ」の項にあります。
学科では、リングスリーブで接続したあとの絶縁処理を問う問題も出ています。令和5年度下期(午後)の問19は、リングスリーブにより接続し、接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた、とする選択肢が不適切で、センターの解答はハでした。サイズと刻印とは別の論点です。
覚える順番のまとめ
次の順で、表を足していくと、負担が少なくなります(当サイトの提案)。
1. 1.6mmの境目「2・3〜4・5〜6・7」と、2本だけ刻印が○であること
2. 小スリーブは、刻印が○と小の2つあること(中スリーブに「小」は付かない)
3. 2.0mmの境目「2(小)・3〜4(中)・5(大)」、2.6mmの境目「2(中)・3(大)」
4. 2.0mmが1本のとき、1.6mmは2本まで小、5本まで中、6本で大
5. 残りの混在は、表で確かめる
覚えたら、1.6mmの「3本・4本・5本・7本」や、2.0mmの「2本・3本」を、紙に書いて、表を隠して答えると、定着を確かめられます。
間違えやすいポイント
- 小スリーブには、刻印が○と小の2種類があります。 1.6mmの2本だけが○で、3本以上や2.0mmの2本は小です
- 「中スリーブ・刻印小」は、組合せ表にありません。 学科では、小スリーブが正しい組合せを中スリーブとした選択肢が、不適切として出ています
- 1.6mmの4本は、小スリーブです(中ではありません)。 5本から中になります
- 2.0mmの2本は、小スリーブ・刻印小です。 3本から中になります
- 圧着端子用の工具を使うと、数字の刻印が付き、欠陥と判断されます
まとめ
- リングスリーブは、電線の太さと本数でサイズと刻印が決まる(センターの技能試験資料、JIS C 2806準拠)
- 同じ太さだけなら、1.6mmは2本(○)・3〜4本(小)・5〜6本(中)・7本(大)。2.0mmは2本(小)・3〜4本(中)・5本(大)。2.6mmは2本(中)・3本(大)
- 小スリーブの刻印は○と小の2通りで、中スリーブに「小」の刻印が付く組合せはない
- 学科は、一般問題(問19)で「不適切な組合せ」、配線図問題で「種類・個数・刻印の組合せ」が問われる
- 受験する回の技能試験資料で、組合せ表の版を確認する
よくある質問
Q小スリーブなのに、刻印が「○」のものと「小」のものがあるのはなぜですか?
センターの技能試験資料の組合せ表では、小スリーブの圧着マークが「○」と「小」の2通りに分かれています。1.6mmを2本接続するときが「○」、1.6mmを3〜4本、2.0mmを2本などのときが「小」です(出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」、JIS C 2806に準拠)。スリーブの大きさが同じでも、圧着の強さ(使うダイスの位置)が違うので、マークで区別していると読めます(当サイトの整理)。学科では、小スリーブ・刻印○、小スリーブ・刻印小のどちらも選択肢に出ます。
Q中スリーブに「小」の刻印が付く組合せはありますか?
組合せ表に、その組合せはありません。圧着マークは、小スリーブが「○」か「小」、中スリーブが「中」、大スリーブが「大」です(出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」)。令和7年度下期の問19は、2.0mmを2本接続する組合せを中スリーブ・刻印中とした選択肢が不適切で、センターの解答はハでした。2.0mmの2本は小スリーブ・刻印小です。出典:令和7年度下期 問題・解答。
Q試験では、1.6mmの組合せだけ覚えれば足りますか?
足りるとは言い切れません。令和5年度下期(午後)の問41・問43は「使用する電線はすべてVVF1.6」と指定されていますが、令和7年度下期の問19は2.0mm、令和6年度上期の問19は1.6mmと2.0mmの混在を含む組合せを問うています(出典:センター公表の学科試験問題)。1.6mmの境目(2・3〜4・5〜6・7本)を先に覚え、2.0mmと2.6mmの境目と混在の表を、あとから足す順で覚えると、負担が少なくなります(当サイトの提案)。
Q圧着工具は、どんなものを使えばよいですか?
センターの技能試験資料は、リングスリーブ用の圧着工具として、JIS C 9711(1982・1990・1997)の適合品で、握りが黄色のものを示しています。圧着マークの「○」「小」「中」「大」が明確に刻印できるものとされ、圧着端子用の工具で数字の刻印が付いた場合は欠陥と判断される、と書かれています(出典:電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

