問題
高圧ケーブルの電力損失として,該当しないものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
高圧ケーブル(CVケーブルなど)で生じる電力損失は、導体の抵抗に電流が流れて生じる「抵抗損」、絶縁体に電圧が加わって生じる「誘電損」、金属の遮へい層やシースに電流が誘導されて生じる「シース損」の3つです。「鉄損」は、変圧器や電動機の鉄心で生じる損失で、鉄心を持たないケーブルには当てはまりません。正答はエです。
【ケーブルの3つの損失】
・ア 抵抗損:導体の抵抗Rに負荷電流Iが流れて生じる損失(I²R)。負荷電流の2乗に比例し、ケーブルの損失の大部分を占める。
・イ 誘電損:絶縁体(架橋ポリエチレンなど)に交流電圧が加わることで生じる損失。電圧の2乗と周波数に比例し、負荷電流には関係しない。
・ウ シース損:導体の電流がつくる磁界によって、金属遮へい層や金属シースに誘導される電流で生じる損失。遮へい層の両端を接地して電流が循環する「シース回路損」と、遮へい層の中を渦状に流れる「シース渦電流損」がある。
【当てはまらないもの】
・エ 鉄損:鉄心の中で生じるヒステリシス損とうず電流損の合計。変圧器や電動機など、鉄心を磁束が通る機器の損失。
ケーブルの損失のうち、抵抗損とシース損は電流で決まる損失、誘電損は電圧で決まる損失です。正答はエです。
ケーブルの損失は、送れる電流の大きさ(許容電流)を決める発熱の原因であり、劣化の診断にも関係します。
【抵抗損】導体の抵抗は温度が上がると大きくなり、交流では表皮効果や近接効果で直流のときより少し大きくなります。負荷電流の2乗に比例するので、ケーブルを太くして抵抗を下げることが、損失を減らす基本の方法です。
【誘電損】絶縁体を一種のコンデンサとみると、1相あたりの誘電損は W=ω×C×E²×tanδ(ω:角周波数、C:静電容量、E:対地電圧、tanδ:誘電正接)で表されます。架橋ポリエチレンはtanδが小さいので、CVケーブルの誘電損は小さく抑えられています。絶縁体が水トリーなどで劣化するとtanδが大きくなるため、tanδの測定は高圧ケーブルの劣化診断に使われます。誘電損は負荷がなくても電圧が加わっていれば生じる点で、変圧器の鉄損と似た性格を持ちます。
【シース損】単心ケーブルを3本並べて使い、遮へい層の両端を接地すると、遮へい層・大地を通る閉回路ができ、導体電流の磁界によって循環電流が流れます(シース回路損)。単心ケーブルどうしの間隔が広いほど打ち消し合いが弱くなり、損失が大きくなります。対策として、遮へい層を片端だけで接地したり、長い特別高圧線路では区間ごとに遮へい層を入れ換えて接続(クロスボンド)したりします。3心をより合わせたCVTケーブルでは、3相の電流がつくる磁界が互いに打ち消し合うので、シース損は小さくなります。
【鉄損との区別】鉄損は、交番磁束が鉄心の中を通ることで生じる損失(ヒステリシス損+うず電流損)です。ケーブルには磁束を集める鉄心がないので、鉄損という損失はありません。ただし、ケーブルを鉄製の管などに1相ずつ別々に通すと、管の中に磁束が生じて発熱することがあります。交流回路の電線を金属管に収めるときに、同じ回路の電線を1本の管にまとめて収めるのはこのためです。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問18(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

