問題
定期健康診断(安衛則第44条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはオです。事業者は健康診断の結果に基づき健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません(安衛則第51条)。3年間ではありません。3年保存は委員会の記録(安衛則第23条第4項)・産業医の勧告の記録(安衛則第14条の3第2項)であり、健康診断の記録と混同しやすい点です。
ア(1年以内ごとに1回)、イ(腹囲は大臣基準に基づき医師が不要と認めれば省略可)、ウ(結果を遅滞なく本人に通知)、エ(常時50人以上は所轄労働基準監督署長への報告義務)はいずれも正しい記述です。健康診断関連の記録保存期間は「5年」と確実に覚えることが重要です。
定期健康診断の実施・記録・報告に関する規定:
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 安衛則第44条第1項により、常時使用する労働者(第45条第1項の特定業務従事者を除く)に対して1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行わなければなりません。
- イ(正): 安衛則第44条第2項により、第1項第3号(身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査)、第4号、第6号〜第9号、第11号の項目は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは省略できます。腹囲は第3号の項目なので省略の対象に含まれます。
- ウ(正): 安衛法第66条の6と安衛則第51条の4により、事業者は健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく結果を通知しなければなりません。
- エ(正): 安衛則第52条第1項により、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期の健康診断(第44条・第45条)を行ったときは、遅滞なく、電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。
- オ(誤): 安衛則第51条により、健康診断個人票の保存期間は5年間です。3年ではありません。委員会の記録(3年)・産業医の勧告の記録(3年)との混同に注意が必要です。
【理論的背景】
定期健康診断(安衛則第44条)は、常時使用する労働者に1年以内ごとに1回、11項目について医師による健康診断を行う制度です。深夜業などの特定業務に常時従事する労働者は第44条の対象から除かれ、配置替えの際と6月以内ごとに1回、同じ項目の健康診断を行います(安衛則第45条第1項。胸部エックス線検査・喀痰検査は1年以内ごとに1回で足りる)。
【実務・条文構造】
定期健康診断の11項目(安衛則第44条第1項各号):
1. 既往歴及び業務歴の調査
2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
5. 血圧の測定
6. 貧血検査
7. 肝機能検査
8. 血中脂質検査
9. 血糖検査
10. 尿検査
11. 心電図検査
省略・代替の規定(安衛則第44条):
- 第2項: 第3号・第4号・第6号〜第9号・第11号の項目は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは省略できる。第1号(既往歴・業務歴)、第2号(自覚・他覚症状)、第5号(血圧)、第10号(尿検査)は省略の対象に挙げられていない
- 第3項: 雇入時の健康診断(第43条)等を受けた者は、その実施日から1年間に限り、相当する項目を省略できる
- 第4項: 聴力の検査は、45歳未満の者(35歳及び40歳の者を除く)について、医師が適当と認める聴力の検査(1,000Hz・4,000Hzの音に係るものを除く)で代えることができる
記録保存・報告義務の整理:
| 事項 | 規定内容 |
|---|---|
| 記録の保存期間 | 健康診断個人票を作成し5年保存(安衛則第51条) |
| 結果の本人通知 | 遅滞なく(安衛法第66条の6・安衛則第51条の4) |
| 結果報告 | 常時50人以上の事業場は、定期の健康診断(第44条・第45条)を行ったとき遅滞なく電子情報処理組織で所轄労働基準監督署長へ(安衛則第52条第1項) |
| 医師の意見 | 健康診断個人票に記載・5年保存(安衛則第51条・第51条の2) |
| 医師意見聴取 | 健診実施日から3か月以内(安衛則第51条の2) |
保存期間の分類:
- 5年保存: 健康診断個人票(安衛則第51条)・長時間労働者の面接指導結果の記録(安衛則第52条の6)・労働者の同意を得て提供を受けたストレスチェック結果の記録(安衛則第52条の13第2項)
- 3年保存: 委員会の記録(安衛則第23条第4項)・産業医の勧告の記録(安衛則第14条の3第2項)
- 30年保存: 特別管理物質を製造し、又は取り扱う業務に常時従事し、又は従事した労働者に係る特定化学物質健康診断個人票(特化則第40条第2項)
【試験での位置づけ】
定期健診関連では「項目の省略」「保存期間5年」「常時50人以上の報告義務」「本人通知義務」が頻出です。特に保存期間「5年」は「3年」との混同が多い誤りパターンであり、本問でも正答の根拠となっています。聴力検査の代替(45歳未満、ただし35歳・40歳を除く)も出題されます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第45条第1項の特定業務従事者は第44条の対象から除かれ、6月以内ごとに1回の健康診断(第45条)を受けます。
- イ: 省略の要件は「厚生労働大臣が定める基準に基づき」かつ「医師が必要でないと認めるとき」です。本人の希望だけで省略できるわけではありません。血圧の測定や尿検査は第2項の省略対象に挙げられていません。
- ウ: 通知の対象は定期健康診断に限らず、第43条(雇入時)・第44条・第45条〜第48条の健康診断などを受けた労働者です(安衛則第51条の4)。
- エ: 報告事項には、健康診断を受けた労働者の数、項目ごとの受診者数と異常所見者数、異常所見があると診断された労働者の数と医師による指示のあった労働者の数、産業医の氏名などが含まれます(安衛則第52条第1項)。
- オ: 一般の健康診断個人票は5年保存ですが、特化則の特別管理物質に係る特定化学物質健康診断個人票は30年保存です(特化則第40条第2項)。
【根拠法令】労働安全衛生法 第66条(健康診断実施義務)・第66条の6(結果通知義務)、労働安全衛生規則 第44条(定期健診の項目・省略)・第45条(特定業務従事者)・第51条(記録の5年保存)・第51条の2(医師からの意見聴取)・第51条の4(結果の通知)・第52条(常時50人以上の報告義務)
【補足】健康診断個人票の保存は5年(3年ではない)。常時50人以上は所轄労働基準監督署長への報告義務あり。項目省略は「厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が不要と認めるとき」が要件。
- 労働安全衛生規則第44条・第51条・第23条・第14条の3・第51条の4・第52条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第66条の6・第66条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第40条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第66条・第66条の6(健康診断・結果通知)、労働安全衛生規則(安衛則)第44条(定期健康診断の項目・省略)・第51条(健康診断個人票の5年保存)・第51条の4(結果の通知)・第52条(健康診断結果報告)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

