基本情報で600点以上なのに不合格になる理由を、IPAの試験要綱と統計で解説。合格基準は科目A・科目Bそれぞれ600点以上で合算しない、600点ちょうどの扱い、IRTで公表されていること、点数と合否の確認方法、休止前に再受験できる日付まで整理します。
目次
結論:基本情報技術者試験(FE)の合格基準は、科目Aと科目Bの評価点が「それぞれ」600点以上(各1,000点満点)であることです。2科目の点数は合算も平均もしないので、たとえば科目Aが700点でも科目Bが595点なら不合格です。600点ちょうどは基準点「以上」なので満たします。IPAの統計から計算すると、令和8年9月の受験者のうち、科目Bが600点以上だったのに合格者に入らなかった人は708人いました。
| 確認すること | IPAの資料で分かること |
|---|---|
| 合格基準 | 科目A・科目Bそれぞれ600点以上(各1,000点満点) |
| 600点ちょうど | 基準点「以上」なので基準を満たす |
| 2科目の合算 | しない(各科目の評価点が「全て基準点以上」で合格) |
| 何問正解で600点か | 示されていない(IRTで評価点を算出し、配点割合はない) |
| 点数の確認 | 試験終了後の画面と、終了から2〜3時間後以降のマイページ |
| 合否の確認 | 受験月の翌月中旬〜下旬の合格発表(IPAのページ・マイページ)、後日官報に公示 |
出典:試験要綱 Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)、試験の申込み窓口である基本情報技術者試験(FE)試験概要ページ(いずれも2026-10-02時点)。
合格ナビには、IPAが公表した基本情報技術者試験の過去問を520問収録しています(科目Aの形式の問題120問と旧形式の午前問題400問・2026-10-02 集計)。科目Bの問題はまだ掲載していません。
600点以上でも不合格になるのは、どんなときか
IPAの資料に照らすと、「600点以上なのに不合格」になるのは次のどれかです。
- ① 片方の科目が600点に届いていない:合格には科目A・科目Bの両方で600点以上が必要です。科目Aが高得点でも、科目Bが600点未満なら不合格です(逆も同じ)
- ② 2科目を足して考えている:「合計1,200点以上」「平均600点以上」という基準はありません。各科目が1,000点満点で、それぞれに600点の基準点があります
- ③ ITパスポートの基準と混同している:ITパスポート試験は「総合600点以上」に加えて「3分野それぞれ300点以上」が必要で、基本情報とは基準の形が違います(下の「ITパスポートとの違い」)
- ④ 答案が採点されない・無効になった:受験者規約では、係員の指示に従わない、メモ用紙を持ち出すなどの不正行為、端末の電源を切るなどに当たる場合、答案は採点されず受験済みの科目は無効になります
④について、IPA試験の受験者規約は「次の事項に該当する者の答案は、採点されません。受験済みの科目は無効になります。残る科目の受験もできません。」としています。法律上も、情報処理の促進に関する法律第26条3項が準用する第9条1項で、不正の行為に関係のある者の試験を「無効とすることができる」と定めています(条文はe-Gov法令検索で確認(2026-10-02時点の現行条文):情報処理の促進に関する法律)。
①に当てはまる人が実際にどれくらいいるかは、下の「数字で見る」でIPAの統計から確認します。
合格基準を原文で確認:600点ちょうどは基準を満たす
試験要綱は、合格基準を次のように定めています。
「基本情報技術者試験では,各科目(次表の科目A 試験,科目B 試験)の評価点が全て基準点以上の場合に合格とする。」
出典:試験要綱 Ver.5.6「4. 採点方式・配点・合格基準」(独立行政法人情報処理推進機構)
| 科目 | 試験時間・出題数 | 配点 | 基準点 |
|---|---|---|---|
| 科目A | 90分・60問(評価は56問) | 1,000点満点 | 600点 |
| 科目B | 100分・20問(評価は19問) | 1,000点満点 | 600点 |
出典:試験要綱 Ver.5.6。
「基準点以上」なので、600点ちょうどは基準を満たします。2科目とも600点ちょうどでも、合格基準を満たします。
同じ要綱には、基本情報には当てはまらない規定も並んでいるので、読み違えないよう注意してください。
- 「試験結果に問題の難易差が認められた場合には,応用情報技術者試験,高度試験及び支援士試験では基準点の変更を行うことがある。」:対象に基本情報技術者試験は挙がっていません
- 「多段階選抜方式」(科目Aが基準点に達しない場合に科目Bを採点せずに不合格とする方式):応用情報技術者試験・高度試験・支援士試験の規定で、基本情報技術者試験は挙がっていません
基本情報技術者試験の合格基準:科目A・科目Bの評価点がそれぞれ600点以上(各1,000点満点)。採点はIRTに基づく。試験要綱Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6。
IRTとは:IPAが公表していること・していないこと
基本情報技術者試験の採点は、IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づく方式です。要綱は「IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出する。」と書き、配点表には「IRT に基づいて解答結果から評価点を算出することから,配点割合はない。」と注記しています。IPAが公表している範囲と、公表していない範囲を分けると次のとおりです。
| IPAが公表していること | IPAが公表していないこと |
|---|---|
| 評価点はIRTに基づいて解答結果から算出する | 正答数から評価点への換算表 |
| 1問ごとの配点割合はない | 問題ごとの難しさなどの値 |
| 科目Aは60問中56問、科目Bは20問中19問で評価する | 評価に使われない問題(科目A 4問・科目B 1問)がどれか |
| 各科目1,000点満点・基準点600点 | 「何点なら安全」という目安 |
出典:試験要綱 Ver.5.6の「3. 試験時間・出題形式・出題数・解答数」の注記と「4. 採点方式・配点・合格基準」。
ここから言えるのは、「正答率60%なら600点」とは限らないこと、そして評価に使われない問題が分からない以上、全問を同じように解くしかないことです。「難しい問題ほど点が高い」「600点前後は点数が細かく出る」といった説明を見かけることがありますが、IPAの要綱にはそうした記述はありません。点数の仕組みを推測で詰めるより、両方の科目で600点を安定して超える力をつけるほうが確実です。
点数の確認方法:試験直後の画面からマイページ、合格発表まで
基本情報技術者試験はCBT方式(試験会場のコンピュータで解く方式)で、点数と合否は次の順に確認できます。
- ① 試験終了後:画面に成績が表示され、科目A・科目Bごとの科目評価点を確認できる
- ② 試験終了から2〜3時間後以降:受験者マイページで点数を確認できる
- ③ 受験月の翌月中旬〜下旬:合格発表。IPAのページに合格者の受験番号が掲載され(発表時刻は正午の予定)、マイページでも合否を確認できる
- ④ 後日:合格者の受験番号が官報に公示される
- ⑤ 合格者には、経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付される
出典:①②③④⑤は申込み窓口 FE試験概要ページ、③の掲載時刻と掲載期間はIPA 受験申込み(SG・FE)。
合格者受験番号一覧は、試験実施月から半年間で掲載が終わります。合格証書の発送日もIPAのページに載ります。
基本情報技術者試験の合格発表日:令和8年9月受験は10月21日に発表済み(合格証書発送は11月9日予定)、令和8年10月受験は11月20日(予定)。令和8年8月受験は9月28日に発表済み(合格証書は10月15日に発送済み)。最終確認日:2026-10-29。出典:IPA 受験申込み 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験。
数字で見る:科目Bは600点以上でも合格しなかった人が708人(令和8年9月)
IPAは月ごとの評価点分布と、月ごとの受験者数・合格者数を公表しています。令和8年9月の数字を組み合わせると、次のことが分かります。
| 令和8年9月 | 人数 |
|---|---|
| 受験者 | 11,315人 |
| 合格者 | 4,744人 |
| 科目Bの評価点が600点以上 | 5,452人 |
| 科目Bが600点以上なのに合格者に入らなかった人(当サイト算出) | 708人 |
| 科目Bが550〜599点 | 1,819人 |
| 科目Aが550〜599点 | 1,657人(科目Aの評価点がある10,373人中) |
出典:IPA 評価点分布(令和8年9月分)、IPA 統計資料(令和8年9月分)の推移表。
計算の考え方は次のとおりです。9月の受験者数(11,315人)は、評価点分布の科目Bの合計(11,315人)と同じです。合格者4,744人は、合格基準から全員が科目B 600点以上です。したがって、科目Bが600点以上の5,452人から合格者4,744人を引いた708人は、科目Bでは基準点を超えたのに合格しなかった人です。合格基準に照らすと、この人たちは科目Aの評価点が600点未満だったなど、科目B以外の理由で基準を満たさなかったことになります(内訳は統計にありません)。
令和8年9月の評価点と合否:受験者11,315人・合格者4,744人。科目B 600点以上5,452人、うち合格者に入らなかった人708人(当サイト算出)。最終確認日:2026-10-29。出典:IPA 基本情報技術者試験 評価点分布(令和8年9月分)。
また、550〜599点という「あと一歩」の人が、科目Bで1,819人、科目Aで1,657人いました。点数帯ごとの全体の表と、科目A・科目Bで600点以上だった人の割合の比較は基本情報技術者試験の難易度にまとめています。
科目Bで点数が伸びない場合は、プログラムの動きを1行ずつ追う練習が要ります。当サイトの科目Aの問題にも、科目Bと同じ考え方を使う問題があります。
科目Bの出題形式と解き方の手順は科目Bの対策、科目Aの範囲と出題の内訳は科目Aの解説で扱っています。
不合格だったら:再受験は「30日を超えた日」以降、休止前の日程に注意
一度受験した基本情報技術者試験に申し込み直すとき、受験日に指定できるのは「前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降」です。前回を欠席した場合、この規定は適用されません(IPA リテイクポリシーの公開)。
受験日の翌日を1日目として数えると、30日目は受験日の30日後で、「30日を超えた日」は受験日の31日後です。
| 前回の受験日 | 1日目 | 30日目 | 受験日に指定できる最初の日 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 10月2日 | 10月31日 | 11月1日 |
| 2026年11月26日 | 11月27日 | 12月26日 | 12月27日 |
| 2026年11月27日 | 11月28日 | 12月27日 | 12月28日 |
検算として、10月1日の例を暦で数えると、10月2日から10月31日までがちょうど30日で、その翌日が11月1日です。
いまのCBT試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、9月1日以降の新規申込みで選べるのは12月27日までの試験日です。つまり、日付の上で休止前にもう1回受けられるのは、2026年11月26日までに受験した場合に限られます。ただし会場によっては12月27日より前に休止となり、空席がない場合もあるので、申込み画面で選べる日を確かめてください。
再受験と休止の日程:再受験は前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降。CBT試験は2026年12月28日以降に休止予定、9月1日以降の新規申込みは12月27日までの試験日から選択。再開時期は未定。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA CBT方式で実施する3試験区分における2026年5月以降の試験実施について。
休止のあと、IPAは2027年度春頃から新しい試験制度で基本情報技術者試験を続ける予定です(科目A 90分・60問、科目B 100分・20問)。試験日の組み方は基本情報技術者試験の勉強時間、制度の変わり方は基本情報技術者は意味ない?で扱っています。科目Aを受けずに済む制度は、点数の持ち越しではなく認定講座を使う科目A免除だけです。
ITパスポートとの違い:ITパスは総合600点でも不合格になることがある
「ITパスポートは600点以上でも不合格になる?」という疑問も、基準の形の違いで説明できます。
| 項目 | ITパスポート試験 | 基本情報技術者試験 |
|---|---|---|
| 点数の種類 | 総合評価点と、3分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)の分野別評価点 | 科目Aの評価点と科目Bの評価点 |
| 基準点 | 総合600点以上、分野別はそれぞれ300点以上 | 科目A・科目Bそれぞれ600点以上 |
| 600点以上でも不合格になる例 | 総合600点以上でも、1分野が300点未満 | 片方の科目が600点以上でも、もう片方が600点未満 |
ITパスポート試験のよくある質問は、分野別評価点のうち一つでも300点未満があると合格基準を満たさないと答えています。どちらの試験も、「総合点」や「片方の科目」だけで合否は決まりません。
まとめ:600点以上でも、両方の科目で基準を満たして初めて合格
- 合格基準は科目A・科目Bそれぞれ600点以上(各1,000点満点)。合算も平均もしない
- 600点ちょうどは基準点「以上」なので満たす
- IRTの換算表や評価に使わない問題の番号は公表されていない。全問を同じように解く
- 点数は試験直後の画面とマイページ、合否は翌月中旬〜下旬の合格発表で確認する
- 令和8年9月は、科目Bが600点以上でも合格しなかった人が708人(当サイト算出)
- 再受験は30日を超えた日以降。休止前にもう1回受けられるのは、日付の上では2026年11月26日までの受験
よくある質問
Q科目Aだけ600点以上だった場合、次は科目Bだけ受ければよいですか?
いいえ。試験要綱は、科目Aと科目Bの評価点が全て基準点以上の場合に合格とすると定めていて、科目Aの点数を次の受験に持ち越す仕組みは書かれていません。科目Aを受けずに済むのは、IPAが認定した講座を受講し、修了試験に合格して修了認定を受けた人が申請する「科目A免除制度」だけです(免除の有効期間は1年間)。
Q科目Aが600点に届かなくても、科目Bは採点されますか?
試験要綱の「多段階選抜方式」(科目Aが基準点に達しない場合に科目Bを採点せずに不合格とする方式)は、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験の規定で、基本情報技術者試験は対象に挙がっていません。試験の申込み窓口の案内では、試験終了後の画面で科目A・科目Bそれぞれの評価点を確認できるとされています。
Q合格者の受験番号は、いつまでIPAのページで見られますか?
IPAの申込みページによると、合格者受験番号一覧は試験実施月から半年間で掲載を終了します。受験者マイページでも合否を確認できます。
Q何点取れば安全に合格できますか?
IPAが示している数字は、科目A・科目Bそれぞれの基準点600点(各1,000点満点)だけです。IRTで評価点を算出するため、何問正解すれば何点になるかの換算や、「何点なら安全」という目安は公表されていません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

