応用情報技術者試験(AP)と基本情報技術者試験(FE)の違いを、試験要綱Ver.5.6とIPA統計で比較。試験時間・出題形式・合格基準、令和7年度の合格率、基本情報なしで受験できるか、令和8年度の応用情報の日程まで整理します。
目次
結論:基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)は、IPAの試験要綱で技術レベルが1段階違います(FEはレベル2、APはレベル3)。FEは科目A(90分・60問)と科目Bを同日に受け、各1,000点満点・600点以上で合格します。APは科目A(150分・80問)と科目B(150分・記述式11問から5問)を別日に受け、各100点満点・60点以上で合格します。令和7年度の合格率はFEが38.3%、APが23.4%でした。受験資格はどちらも「どなたでも」で、FEに合格していなくてもAPを受験できます。
| 項目 | 基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) |
|---|---|---|
| 技術レベル(要綱) | レベル2 | レベル3 |
| 科目A | 90分・60問(評価56問)・四肢択一 | 150分・80問・四肢択一 |
| 科目B | 100分・20問(評価19問)・多肢選択式 | 150分・記述式11問から5問を解答 |
| 科目A・Bの実施 | 同日(間に最長10分の休憩) | 別日 |
| 合格基準 | 科目A・科目Bとも600点以上(各1,000点満点・IRT) | 科目A・科目Bとも60点以上(各100点満点) |
| 実施時期 | 随時(2026年12月28日以降は休止予定) | 前期・後期(令和8年度はCBT方式) |
| 受験手数料 | 7,500円(消費税込み) | 7,500円(消費税込み) |
| 令和7年度の合格率 | 38.3% | 23.4% |
| 受験資格 | どなたでも | どなたでも |
出典:試験要綱 Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)、IPA 応用情報技術者試験、IPA 令和8年度 応用情報技術者試験などの申込受付期間及び試験実施期間、申込み窓口 基本情報技術者試験(FE)、申込み窓口 令和8年度前期 応用情報技術者試験など、IPA 推移表。
合格ナビには、IPAが公表した基本情報技術者試験の過去問を520問収録しています(科目Aの形式の問題120問と、旧形式の午前問題400問・2026-10-03 時点)。応用情報技術者試験の問題は、この記事では扱いません。
試験構成の違い:時間・問題数・採点方式
要綱の「試験時間・出題形式・出題数・解答数」を並べると、構成の違いは次の4点です。
- ① 実施日:FEは科目Aと科目Bを同日に実施し、コンピュータで受ける場合は間に最長10分の休憩があります。APは科目Aと科目Bを別日に実施します
- ② 量:FEは科目A 90分と科目B 100分、APは科目A 150分と科目B 150分です
- ③ 科目Bの形式:FEは20問すべてに解答する多肢選択式、APは11問のうち5問を選んで答える記述式です
- ④ 採点:FEはIRT(項目応答理論)で評価点を出し、1問ごとの配点割合はありません。APは素点方式で、科目Aは80問が各1.25点です
出典:試験要綱 Ver.5.6の「3. 試験時間・出題形式・出題数・解答数」「4. 採点方式・配点・合格基準」。
APの科目Bは、問1の情報セキュリティが必須(20点)で、問2〜11から4問を選びます(各20点・合計100点満点)。要綱の別紙によると、問2〜11の分野は経営戦略、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング(アルゴリズム)、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査です。FEの科目Bのように全問に解答するのではなく、得意な分野を選べる点が違います。
もう一つ、APだけにある規定があります。要綱は「多段階選抜方式」として、「科目A 試験の得点が基準点に達しない場合には,科目B 試験の採点を行わずに不合格とする。」と定めています。FEは、この規定の対象に挙がっていません。
応用情報技術者試験の試験構成と合格基準:科目A 150分・80問(四肢択一)、科目B 150分・記述式11問から5問解答。科目A・科目Bとも100点満点中60点以上で合格。科目Aが基準点に満たない場合は科目Bを採点しない。試験要綱Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6、IPA 応用情報技術者試験。
難易度の違い:技術レベルと合格率
IPAの要綱は、FEをレベル2、APをレベル3としています。要綱が示す対象者像も違います。FEは「上位者の指導の下に」役割を果たす人、APは「独力で」役割を果たす人で、APの対象者像は「高度IT人材としての方向性を確立した者」とされています。
合格率は、IPAの推移表で次のとおりです。
| 年度 | FEの合格率 | APの受験者 | APの合格者 | APの合格率 | APの受験率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 47.1% | 70,103人 | 17,558人 | 25.0% | 66.4% |
| 令和6年度 | 40.8% | 80,973人 | 21,290人 | 26.3% | 66.8% |
| 令和7年度 | 38.3% | 82,668人 | 19,319人 | 23.4% | 66.1% |
出典:IPA 推移表(平成21年度春期以降)(令和8年4月21日現在)の年度合計。受験率は受験者数÷応募者数です。
令和7年度の応募者は、FEが172,217人、APが125,041人でした。受験率を見ると、FEは85.5%、APは66.1%で、APは応募した人の3人に1人が受験していません。
比較するときの注意点が2つあります。1つ目は、申込み窓口の案内に「令和5年度~令和7年度に実施した筆記方式によるAP・高度・SCの申込み」とあるように、この表の応用情報は筆記方式の年度の数字だということです。令和8年度はCBT方式に変わり、科目名も従来の「午前」「午後」から「科目A」「科目B」になりました。表の合格率は、令和8年度の合格率の予測には使えません。2つ目は、合格率の高低だけでは「どちらがどれだけ難しいか」は言えないことです。受験者の層が違うので、数字は目安として見てください。
基本情報・応用情報の合格率:令和7年度 FE 38.3%(受験者147,186人・合格者56,370人)、AP 23.4%(受験者82,668人・合格者19,319人)。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 推移表(平成21年度春期以降)。
FEの合格率の推移と評価点の分布は基本情報技術者試験の難易度にまとめています。情報セキュリティマネジメント試験との違いは情報セキュリティマネジメントと基本情報の違いで整理しています。
科目Aの出題範囲:同じ分野で、求められる深さが違う
要綱は、科目Aの出題範囲を、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・高度試験などを1枚にまとめた「試験区分別出題分野一覧表」で示しています。この表では、FEとAPは同じ中分類(基礎理論からビジネスインダストリ・法務まで)が出題範囲として挙がり、違いは技術レベルです。要綱の注記は「2,3,4 は技術レベルを表し,4 が最も高度で,上位は下位を包含する」と書いています。FEがレベル2、APがレベル3です。
重点分野(◎)を見ると、FEとAPに共通する中分類は「セキュリティ」です。FEは◎2、APは◎3で、同じ分野をより深いレベルで問われます。当サイトの基本情報の問題で、セキュリティを扱うものを挙げます。
- HTTPとHTTPSを比較した特徴(令和7年度 科目A 問8)
- 暗号の危殆化に該当するもの(令和7年度 科目A 問9)
- WAFの説明(令和7年度 科目A 問10)
- ペネトレーションテストに該当するもの(令和6年度 科目A 問9)
- SQLインジェクションの対策(令和6年度 科目A 問10)
- ドライブバイダウンロード攻撃に該当するもの(令和5年度 科目A 問9)
勉強時間の違い:IPAは公表していない
「基本情報 応用情報 勉強時間」を調べる人は多いのですが、IPAの試験要綱や試験案内には、どちらの試験についても学習時間の記載がありません(2026-10-03 時点)。学習時間の数字は、一次資料で確かめられるものではありません。
時間数の代わりに、確かめられる差を挙げます。
- 試験時間は、FEが科目A・Bの合計190分、APが科目A・Bの合計300分で、APのほうが長い
- 科目Bの形式が、FEは選択式、APは記述式で、解答を文章や式で書く練習が要る
- 技術レベルが1段階上で、セキュリティなどの重点分野をより深く問われる
学習計画は、自分の得点の状況から逆算するのが確実です。FEの学習計画の例は独学ロードマップにあります。
取る順番:基本情報から受けるべきか、いきなり応用でもよいか
結論から言うと、FEに合格していなくてもAPは受験できます。IPAと申込み窓口の案内は、FE・APとも受験資格を「どなたでも受験可能」としていて、FEの合格を条件にしていません。反対に、FEに合格してもAPの科目は免除されません。IPAのよくある質問は、APに免除制度がないと明記しています。
つまり、順番は制度上の縛りではなく、自分の状況で決めます(以下は当サイトの整理です)。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| ITの学習が初めて、またはITパスポートまで | FEから始める。FEとAPは技術レベルが1段階違い、APは科目Bが記述式で合格率も低いため、土台を作る順番になる |
| 開発・運用などの実務があり、科目Aの範囲を一通り説明できる | APから受けることも制度上は可能。科目Aの過去問で、自分の得点を先に確かめる |
| 高度試験や情報処理安全確保支援士試験が目標 | APに合格すると、その後2年間、高度試験・支援士試験の科目A-1の免除を申請できる(IPAのよくある質問)。FEの合格は条件に入らない |
| 他の資格の免除や就職で、FEの合格が必要 | 応募先・免除の条件で確認する。この記事の範囲外 |
ITパスポートからFEへ進む場合の差分はITパスポートと基本情報技術者の違いで扱っています。
応用情報技術者試験の免除:応用情報技術者試験に合格すると、その後2年間、高度試験・情報処理安全確保支援士試験の科目A-1の免除を申請できる。応用情報技術者試験自体の免除制度はない。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 試験に関するよくある質問。
令和8年度の応用情報の日程と申込み
APは前期・後期の年2回で、令和8年度はどちらもCBT方式です。科目Aと科目Bは別の期間に受けます。
| 区分 | 申込受付期間 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|---|
| 前期 | 2026年10月6日10時〜11月7日17時 | 2026年10月28日〜11月10日 | 2026年11月24日〜12月6日 |
| 後期 | 2027年1月27日〜2月16日 | 2027年2月6日〜2月19日 | 2027年3月3日〜3月15日 |
出典:IPA 令和8年度 応用情報技術者試験などの申込受付期間及び試験実施期間(最終更新2026年9月17日)。
科目Aの得点は試験終了後に試験画面に表示されますが、科目Bの得点は画面には表示されず、マイページでの成績照会は前期が2027年1月頃の予定です。合格発表は前期が2027年2月頃、後期が2027年6月頃の予定です。前期試験の申込みは1回のみで、科目Aと科目Bは同時に予約します(申込み窓口の案内)。
令和8年度 応用情報技術者試験の日程と手数料:前期 申込2026年10月6日〜11月7日・科目A 10月28日〜11月10日・科目B 11月24日〜12月6日、後期 申込2027年1月27日〜2月16日・科目A 2月6日〜19日・科目B 3月3日〜15日。受験手数料7,500円(消費税込み)。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 令和8年度 応用情報技術者試験などの申込受付期間及び試験実施期間。
基本情報技術者試験は通年で受けられますが、2026年12月28日以降はCBT試験の休止が予定されています。基本情報と応用情報の両方を受ける場合は、基本情報の休止予定(12月28日以降)と、応用情報の前期・後期の日程を並べて確認してください(IPA 受験申込み(SG・FE))。
基本情報から応用へ進む判断
進むかどうかは、次の3点で自分の状況を確かめます(当サイトの整理です)。
- ① FEの科目Aを、時間を測って通して解き、分野ごとの得点を確認する。落とした分野が絞れないうちは、APの範囲に広げない
- ② 科目Bで、擬似言語の問題を最後まで時間内に追えるかを確認する。APの科目Bは記述式で、選ぶ分野を決める必要がある
- ③ 目的を決める。高度試験の科目A-1の免除が目的なら、APの合格が条件になる。就職・昇給の条件は、応募先の規定で確認する
FEの科目Bの対策は科目Bの対策、科目Aの範囲は科目Aの解説で扱っています。FEそのものの価値は基本情報技術者は意味ない?で、IPAの資料から確かめています。
まとめ:違いは「レベル」「科目Bの形式」「実施の仕方」
- 技術レベルはFEがレベル2、APがレベル3(要綱)
- FEは科目A・Bを同日に受け各600点以上、APは別日に受け各60点以上。APは科目Aが基準点に満たないと科目Bが採点されない
- 令和7年度の合格率はFE 38.3%、AP 23.4%。ただしAPの令和5〜7年度は筆記方式の数字で、令和8年度はCBT方式
- 受験資格はどちらも「どなたでも」。FEに合格してもAPの免除はない
- APに合格すると、高度試験などの科目A-1が2年間免除される
- 学習時間はIPAが公表していない。自分の科目Aの得点から逆算する
よくある質問
Q基本情報技術者試験に合格すると、応用情報技術者試験の一部が免除されますか?
免除されません。IPAの「試験に関するよくある質問」は、「情報セキュリティマネジメント試験(SG)、応用情報技術者試験(AP)における免除制度はありません」としています。免除制度があるのは、基本情報技術者試験の科目A(認定講座の修了者)と、高度試験・情報処理安全確保支援士試験の科目A-1などです。
Q応用情報技術者試験に合格すると、何が免除されますか?
IPAのよくある質問によると、応用情報技術者試験に合格すると、その後2年間、高度試験と情報処理安全確保支援士試験の科目A-1試験の免除を申請できます。応用情報技術者試験そのものの科目が免除されるわけではありません。
Q基本情報技術者試験と応用情報技術者試験を同じ年度に両方申し込めますか?
試験要綱とIPA・申込み窓口の案内に、両方の申込みを禁じる記載はありません。日程は試験ごとに違います。基本情報技術者試験は通年(2026年12月28日以降は休止予定)、応用情報技術者試験は前期・後期の2回で、令和8年度前期の科目Aは2026年10月28日〜11月10日、科目Bは11月24日〜12月6日です。
Q応用情報技術者試験は、前期と後期の両方を受けられますか?
申込みの窓口の案内には、前期試験の申込みは1回のみで、前期に複数の試験区分や複数回の申込みはできないと書かれています。前期と後期の両方に申し込めるかどうかは、後期の申込み案内で確認してください(令和8年度後期の申込受付は2027年1月27日〜2月16日)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

