情報セキュリティマネジメント試験(SG)と基本情報技術者試験(FE)の違いを、IPAの試験要綱・統計で比較します。試験時間・出題数・合格基準、出題範囲の重なり、令和5〜7年度の合格率と、目的別の選び方をまとめました。
目次
結論:情報セキュリティマネジメント試験(SG)と基本情報技術者試験(FE)は、どちらもIPAが実施するレベル2の試験ですが、人材像が違います。SGは「情報システムの利用部門で情報セキュリティを管理する人」、FEは「ITを活用したシステムやソフトウェアを作る人」です。合格率は、令和7年度でSGが70.0%、FEが38.3%(IPAの推移表)ですが、受験者層と出題範囲が違うため、この数字だけで難しさは決められません。
この記事でわかること(30秒サマリ)
| 比べる点 | 情報セキュリティマネジメント(SG) | 基本情報技術者(FE) |
|---|---|---|
| 人材像 | 情報システムの利用部門で、情報セキュリティを確保し、維持・改善する人 | ITを活用したサービス・製品・システム・ソフトウェアを作る人材に必要な知識・技能をもつ人 |
| 試験時間 | 120分(科目Aと科目Bをまとめて実施) | 科目A 90分・科目B 100分(同日に実施・休憩は最長10分) |
| 出題数 | 60問(科目A 48問・科目B 12問) | 科目A 60問・科目B 20問 |
| 合格基準 | 総合評価点が600点以上(1,000点満点) | 科目Aと科目Bの評価点が、どちらも600点以上(各1,000点満点) |
| 科目Bで問うこと | 情報セキュリティマネジメントの計画・運用に関すること | プログラミング全般(擬似言語) |
| 受験手数料 | 7,500円(消費税込み) | 7,500円(消費税込み) |
| 一部免除制度 | なし | 科目Aに一部免除制度あり |
試験の構成・合格基準・手数料:情報セキュリティマネジメント試験は120分・60問(科目A 48問・科目B 12問、評価は54問)、総合評価点600点以上で合格。基本情報技術者試験は科目A 90分・60問(評価56問)、科目B 100分・20問(評価19問)、科目A・科目Bの評価点がそれぞれ600点以上で合格。受験手数料はどちらも7,500円(消費税込み)。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6、IPA スケジュール、手数料など、申込み窓口 情報セキュリティマネジメント試験。
基本情報と情報セキュリティマネジメントの違い(人材像・試験の形式)
人材像と技術水準
IPAの試験要綱は、どちらの試験も共通キャリア・スキルフレームワークのレベル2に相当すると位置づけています。同じレベルでも、想定している人材像は別です。
- 情報セキュリティマネジメント試験:「情報システムの利用部門にあって,情報セキュリティリーダーとして」、情報セキュリティ対策や組織の諸規程の目的・内容を理解し、情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する人
- 基本情報技術者試験:「ITを活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能」をもち、実践的な活用能力を身に付けた人。業務では上位者の指導の下に、企画・要件定義、設計・開発、運用のいずれかを担う
出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6の「試験の概要」。
試験時間・出題数・合格基準
- 試験時間:SGは科目Aと科目Bを、一つの試験時間(120分)の中でまとめて実施します。FEは科目Aを90分、科目Bを100分で、同日に連続して実施し、間に最長10分の休憩があります。SGに、科目ごとの別々の試験時間はありません。
- 出題数:SGの60問は、科目A 48問と科目B 12問の内訳です。このうち評価に使われるのは54問で、残りの6問は今後出題する問題を評価するために使われます。FEは科目Aが60問のうち評価56問、科目Bが20問のうち評価19問です。
- 採点:どちらもIRT(項目応答理論)で、解答結果から評価点を算出します。
- 合格基準:SGは、科目Aと科目Bを合わせた総合評価点が600点以上であれば合格です。FEは科目Aと科目Bの評価点を別々に見て、両方が600点以上でなければ合格になりません。
この合格基準の違いは、学習の組み立てに影響します。FEは、科目Aが得意でも、科目Bで600点に届かなければ合格できません。SGは、科目Aと科目Bの合計で評価されます。
出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6の「試験時間・出題形式・出題数・解答数」と「採点方式・配点・合格基準」、申込み窓口 情報セキュリティマネジメント試験。
免除制度・受験資格
どちらも受験資格に制限はなく、どなたでも受験できます(試験の申込み窓口の案内)。免除制度は、SGにはなく、FEには科目Aの一部免除制度があります(IPA 試験に関するよくある質問)。FEの科目A免除は、基本情報 科目A免除制度の記事で扱っています。
出題範囲の重なり(どこまで同じか)
IPAは、科目Aの出題範囲を、試験区分ごとに示しています。
科目A:SGの範囲は、FEの範囲の一部
SGの科目Aの出題範囲は、シラバスの中分類で数えると11分野です。IPAは、SGの科目Aについて「技術的な項目は除外している」と明記しています。
| 分野 | SGの科目A | FEの科目A |
|---|---|---|
| セキュリティ(SGもFEも重点分野) | ○ | ○ |
| 法務(SGの重点分野) | ○ | ○ |
| システム構成要素・データベース・ネットワーク | ○ | ○ |
| プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査 | ○ | ○ |
| システム戦略・システム企画・企業活動 | ○ | ○ |
| 基礎理論・アルゴリズムとプログラミング | 範囲に含まれない | ○ |
| コンピュータ構成要素・ソフトウェア・ハードウェア | 範囲に含まれない | ○ |
| ユーザーインタフェース・情報メディア | 範囲に含まれない | ○ |
| システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術 | 範囲に含まれない | ○ |
| 経営戦略マネジメント・技術戦略マネジメント・ビジネスインダストリ | 範囲に含まれない | ○ |
FEの科目Aは、シラバスの中分類23分野のすべてが範囲です。SGの範囲に入る分野でも、知識項目の幅と深さはFEと同じとは限りません(SGは技術的な項目を除外)。同じ分野名でも、問題が同じ難しさとは言えない点に注意してください。
出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6の「7. 出題範囲」(科目Aの出題範囲)。
科目B:問う内容が別
- SGの科目B:情報セキュリティマネジメントの計画・情報セキュリティ要求事項に関すること(情報資産管理の計画、リスクアセスメント及びリスク対応など)と、運用・継続的改善に関すること(情報資産の管理、外部委託、インシデント管理、意識向上など)
- FEの科目B:プログラミング全般に関すること(プログラムの要求仕様の把握、既存のプログラムの解読、処理の流れや変数の変化の想定、デバッグなど)。プログラム言語は、擬似言語を扱います。分野別の出題数は、アルゴリズムとプログラミング分野が16問、情報セキュリティ分野が4問です。
つまり、科目Bは、SGが「組織での情報セキュリティの管理」、FEが「プログラムを読んで動きを追う技能」を問います。FEの科目Bにも情報セキュリティ分野が4問ありますが、残りの16問はアルゴリズムとプログラミングです。
出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6の「7. 出題範囲」(科目B)、「3. 試験時間・出題形式・出題数・解答数」。
難易度の比較(統計):令和5〜7年度の合格率
IPAが公表する推移表で、令和5〜7年度の年度合計を比べます。合格率は、合格者数を受験者数で割った値です。
| 年度 | 試験 | 応募者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | SG | 50,226 | 45,924 | 32,141 | 70.0% |
| 令和7年度 | FE | 172,217 | 147,186 | 56,370 | 38.3% |
| 令和6年度 | SG | 45,481 | 41,657 | 28,731 | 69.0% |
| 令和6年度 | FE | 157,259 | 133,732 | 54,501 | 40.8% |
| 令和5年度 | SG | 39,824 | 36,362 | 26,398 | 72.6% |
| 令和5年度 | FE | 140,774 | 121,611 | 57,278 | 47.1% |
合格率の最新値:令和7年度の年度合計は、情報セキュリティマネジメント試験が受験者45,924人・合格者32,141人・合格率70.0%、基本情報技術者試験が受験者147,186人・合格者56,370人・合格率38.3%。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA 推移表(令和8年4月21日現在)。
検算として、令和7年度の合格率は、SGが 32,141 ÷ 45,924 = 0.6999…(70.0%)、FEが 56,370 ÷ 147,186 = 0.3830…(38.3%)で、IPAの表と一致します。受験者数は、SGは応募者の91.4%(45,924 ÷ 50,226)、FEは85.5%(147,186 ÷ 172,217)です。
令和2年度以降の数値は、各年度内のCBT方式の応募者数、受験者数、合格者数を含みます(IPAの表の注記)。基本情報の合格率の推移は、基本情報 合格率・難易度統計にまとめています。
情報セキュリティマネジメントと基本情報はどっちが難しいか
結論から言うと、「どちらが難しいか」は、この統計だけでは決められません。IPAの数字から言えることと、言えないことを分けます。
数字から言えること
- 令和5〜7年度のいずれの年度も、合格率は、SGのほうが高く、FEのほうが低い(上の表)
- 合格基準が違う:SGは総合評価点600点以上、FEは科目Aと科目Bがそれぞれ600点以上
- 出題範囲が違う:FEは、アルゴリズムとプログラミングなど、SGの科目Aに含まれない分野を問い、科目Bはプログラミングの技能を問う
数字から言えないこと
- 受験者層の違い:両方の試験は、受験資格に制限がなく、誰でも受験できます。合格率は、誰が受けているかで変わるため、同じ人が両方を受けたときの難しさを示す数字ではありません
- 個人にとっての難しさ:プログラミングの経験がある人にはFEの科目Bが取り組みやすく、情報セキュリティの管理業務の経験がある人にはSGの科目Bが取り組みやすい、といったことは、人によって変わります
「情報セキュリティマネジメント 基本情報 難易度」を検索する人は、どちらを先に受けるかを決めたいことが多いはずです。次の「選び方」を参考に、目的から決めてください。
どっちを受けるか:目的別の選び方
IPAは、受験の順番や、どちらを受けるべきかを示していません。ここでは、試験要綱に書かれた人材像と範囲から、判断の材料を整理します(これは当サイトの整理で、IPAの推奨ではありません)。
| 目的や状況 | 合いやすい試験 | 理由(要綱から) |
|---|---|---|
| 職場で、情報セキュリティの管理(ルール・リスク・インシデント)に関わる | SG | 人材像が「情報システムの利用部門で情報セキュリティを確保し,維持・改善する者」 |
| ITを使ってシステムやソフトウェアを作る仕事に就きたい | FE | 人材像が「ITを活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作る人材」 |
| プログラミングの基礎を学んだことを示したい | FE | 科目Bがプログラミング全般(擬似言語)を問う |
| 範囲を絞って、短い試験時間で受けたい | SG | 120分・60問で、科目Aの技術的な項目は除外 |
| ITパスポートの次に、段階を踏んで進みたい | どちらも選択肢 | IPAは受験の順番を示していません。ITパスポートから基本情報への進み方はITパスポートと基本情報技術者の違いにまとめています |
CBT試験の休止予定:情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験のCBT試験は、2026年12月28日以降に休止予定。2026年9月1日以降の新規申込みで選べる試験開催日は2026年12月27日まで。2027年1月以降の実施は2026年秋頃にIPAが案内する予定。最終確認日:2026-10-03。出典:IPA CBT方式で実施する3試験区分における2026年5月以降の試験実施について。
当サイトは、基本情報技術者試験のIPA公開問題を収録しており、情報セキュリティマネジメント試験の問題は扱っていません。受験を検討するときは、IPAの過去問題のページに、令和5年度以降の情報セキュリティマネジメント試験の公開問題(問題冊子・解答例)が掲載されています。試験の概要は、IPA 情報セキュリティマネジメント試験で確認してください。
両方に効く:基本情報で情報セキュリティを学ぶ
情報セキュリティは、SGの重点分野(科目Aのセキュリティと法務)であり、FEの科目Aでも重点分野、科目Bでも4問が出題されます。FEの学習で、セキュリティの基本を固めるときの問題を挙げます(いずれも、IPAが公開した基本情報技術者試験の問題です)。
この論点の問題を解く
- SQLインジェクションの対策の問題(令和6年度 問10)
- SQLインジェクション攻撃による被害を防ぐ方法の問題(2022サンプル 問36)
- ハッシュ関数の特徴の問題(平成25年度春期 問38)
- ディジタル署名の問題(平成31年度・令和元年度春期 問38)
- ファイアウォールとDMZの問題(平成31年度・令和元年度春期 問42)
- ペネトレーションテストの問題(令和6年度 問9)
セキュリティの用語は、基本情報 用語集の「ネットワークとセキュリティ」の表で確認できます。FEの科目A・科目Bの全体像は、科目Aの攻略と科目Bの対策にまとめています。
まとめ
1. SGとFEは、どちらもレベル2のIPAの試験だが、人材像が違う。SGは情報システムの利用部門で情報セキュリティを管理する人、FEはITを活用したシステムやソフトウェアを作る人。
2. 試験の形式が違う。SGは120分・60問をまとめて実施し、総合評価点600点以上で合格。FEは科目A 90分・科目B 100分で、両方600点以上が必要。
3. SGの科目Aの範囲は、FEの科目Aの範囲(23分野)のうち11分野で、技術的な項目は除外。科目Bは、SGが情報セキュリティマネジメント、FEがプログラミングを問う。
4. 令和7年度の合格率は、SGが70.0%、FEが38.3%。ただし、受験者層と範囲が違うため、これだけで難しさは決められない。
5. どちらを受けるかは、業務の目的で決める。IPAは受験の順番を推奨していない。
一次ソース
- IPA 試験要綱 Ver.5.6
- IPA 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表
- IPA 試験に関するよくある質問
- IPA スケジュール、手数料など
- IPA 情報セキュリティマネジメント試験
- IPA 基本情報技術者試験
- 申込み窓口 情報セキュリティマネジメント試験
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よくある質問
Q情報セキュリティマネジメント試験に合格すると、基本情報技術者試験の一部が免除されますか?
されません。IPAは「情報セキュリティマネジメント試験(SG)、応用情報技術者試験(AP)における免除制度はありません」と案内しています(IPA 試験に関するよくある質問)。基本情報技術者試験の科目A試験の一部免除は、別の条件を満たした場合の制度です。
Q情報セキュリティマネジメント試験は、プログラミングができなくても受けられますか?
受験資格に制限はなく、どなたでも受験できます(試験の申込み窓口の案内)。出題範囲の面では、情報セキュリティマネジメント試験の科目Aは、IPAが「技術的な項目は除外している」と明記しており、基本情報のようなアルゴリズムとプログラミングの分野は出題範囲に含まれていません(IPA 試験要綱 Ver.5.6)。
Q先に情報セキュリティマネジメント試験を受けてから、基本情報を受ける順番は有効ですか?
有効かどうかは、受験の目的によります。両方の試験は、情報セキュリティの分野を共通して問います。ただし、基本情報の科目Bはプログラミングの技能を問うため、情報セキュリティマネジメントの学習だけでは、科目Bの対策にはなりません。受験の順番や、受験する数を、IPAは推奨していません。
Q情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験の受験手数料は違いますか?
どちらも7,500円(消費税込み)です(IPA スケジュール、手数料など)。受験手数料は変更されることがあるため、申込みの前にIPAのページで確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

