高卒・中卒・高校生でも行政書士試験は受験できます。学歴・年齢の条件がないことを試験案内で確認し、行政書士になるための登録では未成年者が欠格事由になる点を条文で整理。10歳代以下の受験者数・合格者数も公表データで示します。
目次
結論:行政書士試験は、年齢・学歴・国籍に関係なく、高卒・中卒・高校生でも受験できます(行政書士試験研究センターの試験案内)。ただし「行政書士になる」ためには、試験に合格したうえで、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録が必要です。登録の段階では、未成年者は欠格事由(行政書士法第2条の2第1号)に当たるため、行政書士として登録できるのは成年(18歳・民法第4条)に達してからです。学歴は、受験にも登録にも条件になっていません。
この記事の条文の出典は、e-Gov 法令検索の行政書士法です(2026-10-03 時点の現行条文。2026-05-21 施行の版)。
高卒・中卒・高校生の早見表:受験・資格・登録
| あなたの状況 | 試験を受けられる? | 登録(行政書士になる)は? | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 高校卒業(高卒) | 受験できる | 学歴は条件ではない。成年であり、欠格事由に当たらなければ登録を申請できる | 試験案内/行政書士法第2条・第2条の2・第6条の2 |
| 中学校卒業(中卒) | 受験できる | 高卒と同じ(学歴は条件ではない) | 同上 |
| 高校生(18歳未満) | 受験できる | 未成年者は欠格事由(第2条の2第1号)。成年に達してから | 試験案内/行政書士法第2条の2第1号・民法第4条 |
| 18歳以上の高校生 | 受験できる | 成年。欠格事由(行政書士法第2条の2)に当たらなければ登録を申請できる | 同上 |
行政書士試験の受験資格:年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できる(令和8年度)。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。
受験資格:年齢・学歴の条件はない
行政書士試験研究センターの試験案内、「試験の概要」、FAQのいずれにも、受験資格として「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。」と書かれています(令和8年度行政書士試験のご案内・試験の概要・FAQ)。
令和8年度の試験の骨格は次のとおりです(試験案内)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 令和8年11月8日(日)午後1時から午後4時まで |
| 受験手数料 | 10,400円(インターネット申込みは別にシステム手数料370円、郵送申込みは払込みに要する費用が申込者の負担) |
| 出題 | 法令等46題・基礎知識14題 |
| 合格基準 | 法令等が満点の50%以上、基礎知識が満点の40%以上、試験全体が満点の60%以上(3つとも満たすこと) |
| 合格発表 | 令和9年1月27日(水) |
令和8年度 行政書士試験の試験日・受験手数料:試験日 令和8年11月8日(日)午後1時〜午後4時、受験手数料 10,400円(インターネット申込みはシステム手数料370円が別)。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。
試験の内容や配点は行政書士の試験内容、合格率や難しさの数字は行政書士の難易度と合格率にまとめています。
高卒の場合:学歴は登録の条件にならない
試験に合格した人が行政書士になるまでには、条文上、次の2つの段階があります。
- ①資格:行政書士法第2条第1号は、「行政書士試験に合格した者」を行政書士となる資格を有する者の一つとしています。
- ②登録:第6条第1項は、行政書士となる資格を有する者が行政書士となるには、行政書士名簿に登録を受けなければならないと定めています。登録の申請は、事務所の所在地の都道府県の行政書士会を経由して日本行政書士会連合会に行い(第6条の2第1項)、連合会は、申請者が資格を有し、かつ第2項の各号(心身の故障により業務を行うことができない者など)に該当しないと認めたときに登録します。
第2条(資格)、第2条の2(欠格事由)、第6条・第6条の2(登録)のどこにも、「高等学校を卒業した者」のような学歴の要件はありません。高卒でも、学歴を理由に登録が拒まれるという条文上の根拠はありません。登録で問われるのは、資格の有無と、欠格事由・登録拒否事由に当たるかどうかです。欠格事由の全体は行政書士の特認制度とは?の表にまとめています。
高卒の学歴が条文に出てくる場所:特認の17年
学歴が条文に出てくるのは、試験を受けずに資格を得る「特認」(第2条第6号)の年数です。公務員として行政事務を担当した期間が通算20年以上であることが原則ですが、括弧書きで「学校教育法による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者」は17年以上とされています。高卒の人は、試験ルートでも特認ルートでも、学歴で不利にはなりません。特認の数え方は、同じ記事の「公務員から行政書士になるには」で説明しています。
中卒の場合:受験も登録も学歴は問われない
中学校卒業の人も、受験資格の扱いは高卒と同じです。試験案内は学歴を条件にしていません。登録の条文にも学歴の要件がないことは、前の項目のとおりです。
特認の年数については、条文の読み方に注意が必要です。第2条第6号の17年の括弧書きは「学校教育法による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者」で、学校教育法第90条第1項は、大学に入学することのできる者として、高等学校・中等教育学校を卒業した者、通常の課程による12年の学校教育を修了した者、または文部科学大臣の定めるところにより同等以上の学力があると認められた者を挙げています。中学校卒業のみの人が、この括弧書きの17年に当たるのか、原則の20年なのかは、条文だけでは個別に断定できません。特認を考える場合は、申請先の都道府県の行政書士会に事前確認をしてください。
試験ルートで資格を得る場合は、この年数の話は関係しません。
高校生・未成年の場合:受験はできるが、行政書士になれるのは成年から
受験は、年齢に関係なくできる
試験案内に年齢の条件はありません。令和7年度の試験では、合格者の最年少は13歳、受験を申し込んだ人の最年少は9歳でした(行政書士試験研究センター 令和7年度実施結果の概要)。年齢別の合格率を3年分並べた表は行政書士の最年少合格は13歳?にまとめています。
登録できるのは成年になってから
行政書士法第2条の2は、次の各号のいずれかに該当する者は「前条の規定にかかわらず、行政書士となる資格を有しない」と定めており、その第1号が「未成年者」です。民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする。」と定めています。つまり、18歳未満の人は、試験に合格しても、その間は行政書士となる資格を有しない者として扱われ、行政書士として登録して働くことはできません。
条文の組み立ては次のとおりです。
| 段階 | 条文 | 18歳未満の人 |
|---|---|---|
| 試験に合格する | 行政書士法第2条第1号(行政書士となる資格) | 受験・合格はできる |
| 欠格事由に当たらない | 行政書士法第2条の2第1号(未成年者) | 当たる(資格を有しない) |
| 名簿に登録する | 行政書士法第6条・第6条の2 | 成年に達してから申請する |
試験に合格した未成年者が、成年に達したあとの登録をどう扱うかなど、具体的な手続や時期は、この記事で引用した条文には書かれていません。日本行政書士会連合会や都道府県の行政書士会に事前に確認してください(日本行政書士会連合会 行政書士になるにはに、第2条・第2条の2の条文と登録の案内があります)。
申込みで高校生が詰まりやすい点
試験案内には、インターネット申込みの受験手数料について「申込者本人名義のクレジットカード、又はコンビニエンスストアで払い込んでください」と書かれています。クレジットカードがなくても、コンビニエンスストアでの払込みが使えます。郵送申込みの場合は、試験案内(郵送用)の専用の振替払込用紙で、郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口で払い込みます。試験案内には、未成年者の申込みに保護者の同意などを求める記載はありません。申込みはインターネットと郵送の2つの方法があり、インターネット申込みでは外部サイトに進むため、そのサイト側の申込み条件は、申込み前に画面で確認してください(外部サイトの条件はこの記事では扱いません)。
年齢別の受験者数・合格者数:10歳代以下の実績
センターは、最近3年間の受験者・合格者の属性(年齢区分・性別)を公表しています(受験者・合格者の属性)。「10歳代以下」の区分は次のとおりです。
| 年度 | 10歳代以下の受験者 | 10歳代以下の合格者 | 合格率(当サイト計算) | 全体の合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 723人 | 66人 | 9.13% | 14.54% |
| 令和6年度 | 715人 | 76人 | 10.63% | 12.90% |
| 令和5年度 | 573人 | 47人 | 8.20% | 13.98% |
| 3年合計 | 2,011人 | 189人 | 9.40% | 13.82% |
出典:行政書士試験研究センター 受験者・合格者の属性(人数)。合格率は合格者数÷受験者数で当サイトが計算。全体の3年合計は、受験者144,939人・合格者20,028人。
3年とも、10歳代以下の受験者は573〜723人で、合格者は47〜76人でした。令和7年度の10歳代以下は、受験者全体(50,163人)の約1.4%です。「10歳代以下」は区分の名前で、高校生だけの数字ではありません。この表は、十代でも実際に受験し、合格している人がいることを示す数字です。合格率は全体より低いものの、この差が学習時間や学校の違いによるものかは、公表資料からは分かりません。
学歴別の合格率は公表されていない
センターの結果概要・属性・推移・合否判定基準には、学歴別・職業別・学習方法別の集計がありません(2026-10-03に確認)。そのため、「高卒は合格しにくい」「大卒のほうが有利」という数字は、公式には存在しません。高卒・中卒で受験する人にとって公式に言えるのは、次の3点です。
- 受験資格に学歴の条件はない(試験案内)
- 合格基準は3つの点数だけで、学歴は審査されない(令和7年度合否判定基準)
- 登録の条文にも学歴の要件はない(行政書士法)
行政書士試験の合格基準点:令和7年度は法令等122点以上・基礎知識24点以上・全体180点以上。令和8年度の合格基準点は令和9年1月27日に公表予定。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度合否判定基準・令和8年度行政書士試験のご案内。
法律が初めての人の勉強の入口
学歴や年齢に条件がない代わりに、試験の範囲は法令の名前で決まっています。法令等の範囲は、憲法、行政法(行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法を中心とする)、民法、商法、基礎法学で、令和8年度は令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題されます(試験案内)。
合格ナビの行政書士の問題は493問で、すべて当サイトが過去の出題論点をもとに作った問題です(2026-10-02集計)。法律に初めて触れる人は、法の分類や公法と私法といった基本を基礎法学の問題で確認できます。民法の未成年者の論点は、未成年者の契約などを扱う問題で確認できます。
勉強の進め方は行政書士の勉強法(配点と合格基準から科目別に決める)、独学でできるかは行政書士は独学で合格できる?にまとめています。
まとめ
- 行政書士試験は、年齢・学歴・国籍に関係なく、高卒・中卒・高校生でも受験できます(試験案内)。
- 登録では、学歴は条件になりません。未成年者は欠格事由(第2条の2第1号)なので、行政書士として登録できるのは成年(18歳)に達してからです。
- 10歳代以下でも、令和7年度に66人が合格しています。学歴別の合格率は公表されていません。
- 登録の具体的な手続や時期は、事務所の所在地の行政書士会に事前に確認してください。
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よくある質問
Q高校生でも行政書士試験を受験できますか?
受験できます。行政書士試験研究センターの令和8年度の試験案内には、受験資格として「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。」と書かれています(出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内)。ただし、試験に合格しても、行政書士となるには登録が必要で、未成年者は行政書士法第2条の2第1号により「行政書士となる資格を有しない」とされています。
Q試験に合格した未成年者は、いつ行政書士になれますか?
民法第4条は18歳をもって成年と定め、行政書士法第2条の2第1号は未成年者を欠格事由としています。そのため、行政書士として登録を受けられるのは、成年に達して欠格事由に当たらなくなってからです。登録の申請と審査は、事務所の所在地の都道府県の行政書士会を経由して日本行政書士会連合会が行うため(同法第6条の2)、具体的な手続や時期は、行政書士会に事前に確認してください。
Q高卒と大卒で、行政書士試験の合格しやすさは違いますか?
公式の統計では分かりません。行政書士試験研究センターが公表している受験者・合格者の属性は年齢と性別の区分までで、学歴別の集計は載っていません(2026年10月3日に結果概要・属性・推移・合否判定基準を確認)。学歴別の合格率として出回っている数字を見かけたら、出典を確かめてください。
Q中卒だと行政書士の登録が難しくなりますか?
行政書士法の第2条(資格)、第2条の2(欠格事由)、第6条・第6条の2(登録)には、学歴を要件とする規定がありません(e-Gov の現行条文。2026年10月3日時点)。試験に合格した人の登録では、学歴は条件になりません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

