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保育士試験「保育実習理論」の範囲と学び方実技試験との違いと8つの教科目

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この記事でわかること

保育士試験の筆記9科目のうち「保育実習理論」が何を扱うかを、全国保育士養成協議会の出題範囲に沿って整理しました。範囲になっている8つの教科目、保育所保育指針の「保育の計画及び評価」、児童福祉法の保育士の規定、実技試験(音楽・造形・言語)との違いを、確認日つきで紹介します。

目次
  1. 「保育実習理論」は筆記試験の科目で、実技試験とは別です
  2. 出題の基本方針と、範囲になっている8つの教科目
  3. 保育内容の3つの教科目:5領域・養護と教育・遊びと環境
  4. 保育の計画と評価:計画・実践・記録・省察・評価・改善
  5. 保育者論:保育士の制度的位置付けと倫理
  6. 保育実習Ⅰ・保育実習指導Ⅰ・保育実践演習:実習の内容と振り返り
  7. 学び方:範囲を文書と問題にひもづける
  8. まとめ・次にやること
結論:「保育実習理論」は、保育士試験の筆記9科目のうち9科目目で、音楽・造形・言語を実演する実技試験とは別の、筆記の科目です。令和8年後期は、10月25日(日)の15:30〜16:30に行われ、満点は100点です。協議会の出題範囲では、養成課程の8つの教科目(保育内容の理解と方法・保育内容総論・保育内容演習・保育実習Ⅰ・保育実習指導Ⅰ・保育実践演習・保育者論・保育の計画と評価)の内容とされています。この記事は、その8つが何を扱い、どの公的文書とつながるかを整理したものです。

「保育実習理論」は筆記試験の科目で、実技試験とは別です

名前に「実習」が入り、実技試験の区分の名前(保育実習実技)とも似ているため、取り違えやすい科目です。協議会の案内で、2つの試験を並べると、次のようになります。

筆記試験の「保育実習理論」実技試験
形式マークシート方式音楽・造形・言語に関する技術から、必ず2分野を選択
点数と合格満点100点。満点の6割以上で科目合格(100×0.6=60点)各分野50点満点。選択した2分野ともに満点の6割以上で合格
受ける人筆記試験の受験者(免除になる人を除く)筆記試験の全科目合格者(実技の免除者を除く)
令和8年後期の日10月25日(日)12月13日(日)
令和8年後期の筆記試験での保育実習理論:満点100点。令和8年10月25日(日)の9科目目で、入室時間は15:20、試験時間は15:30〜16:30。筆記試験はマークシート方式で、各科目で満点の6割以上得点した人を合格とする。最終確認日:2026-10-12。出典:全国保育士養成協議会 筆記試験(後期)概要。
保育実習理論の問題数:20問。令和8年前期・地域限定の筆記試験の正答表で、保育実習理論の正答が20問分並んでいることを確認。最終確認日:2026-10-12。出典:全国保育士養成協議会 令和8年筆記試験(前期・地域限定)問題・正答。
令和8年後期の実技試験:令和8年12月13日(日)。音楽・造形・言語に関する技術から必ず2分野を選択し、全て50点満点。選択した2分野ともに満点の6割以上得点した人が合格。筆記試験の全科目合格者のみが受ける(幼稚園教諭免許所有者等の実技試験免除者を除く)。最終確認日:2026-10-12。出典:全国保育士養成協議会 実技試験(後期)概要。

2026-10-12 時点で、保育実習理論を受ける10月25日まで13日です。実技試験の分野の選び方や課題は保育士試験の実技試験に、科目ごとの配点と免除は筆記9科目と科目免除に、合格基準は保育士試験の合格率・合格基準にまとめています。

出題の基本方針と、範囲になっている8つの教科目

協議会の「保育士試験出題範囲」は、科目「保育実習(保育実習理論及び保育実習実技)」の出題の基本方針を、次のように書いています。

  • 「保育に関する教科目全体の知識・技術を基礎とし、子どもの保育及び保護者への支援について総合的に理解し、実践する応用力を問うことを基本とする。」
  • 保育実習理論については、「保育所を含む児童福祉施設の役割や機能について、また、保育士の職業倫理、資質の向上等について具体的に理解しているかという点のほか、保育実践に係る計画及びその評価並びに児童福祉施設における子どもの生活及び援助活動に関しても配慮が必要である。」

出題範囲のA 保育実習理論は、「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」(平成15年12月9日付け雇児発第1209001号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)別紙3「教科目の教授内容」の、次の8つの教科目の内容とされています。協議会が公開している抜粋(PDF)と、教授内容の全文(PDF)で、内容を確かめられます。

教科目抜粋に書かれている内容の見出し
保育内容の理解と方法子どもの生活と遊びにおける体験と保育の環境を捉え、他者との関係、環境の構成と保育の展開、遊具・用具・素材・教材の活用や作成に必要な知識及び技術を学ぶ
保育内容総論保育の全体構造と保育内容、保育の基本を踏まえた保育内容の展開、保育の多様な展開
保育内容演習養護と、教育(乳児保育の3つの視点、1歳以上の保育の5つの領域)の視点から、保育を展開する方法や技術
保育実習Ⅰ保育所実習と、保育所以外の児童福祉施設等における実習の内容
保育実習指導Ⅰ実習の意義、内容と課題の明確化、留意事項、計画と記録、事後指導
保育実践演習学びの振り返り、保育に関する現代的課題の分析に基づく探究、自己の課題の把握
保育者論保育者の役割と倫理、保育士の制度的位置付け、専門性、連携・協働、資質向上とキャリア形成
保育の計画と評価保育の計画と評価の基本、保育所における保育の計画、保育所における保育の評価

出題上の留意事項として、協議会は、保育実習の科目について4点を挙げています。内容にかかわる3点は次のとおりで、4点目は、保育実習実技の受験者が多い場合に、多人数が同一条件のもとに受験できるよう配慮するというものです。次の3点は、科目「保育実習(保育実習理論及び保育実習実技)」の見出しの下に、理論と実技を分けずに書かれていて、両方にかかる書き方と読めます。いずれも出題全体の方針で、個々の問題の内容は示していません。

  • 「保育に関する知識及び技術並びに受験者の思考力及び創意工夫が総合的に把握されやすい内容を選択する。」
  • 「子どもの保育の実際において、必要度及び活用度の高い内容を重視する。」
  • 「子どもの遊びを豊かに展開するための技術及びその応用力についても考慮する。」

他の科目の出題範囲には、改正前の範囲を前提とする経過措置の項目が書かれているものがあります。保育実習については、出題範囲の資料に、経過措置の記載がありません(2026-10-12 時点)。

保育内容の3つの教科目:5領域・養護と教育・遊びと環境

「保育内容の理解と方法」「保育内容総論」「保育内容演習」は、保育所保育指針に示される保育の内容を、子どもの生活と遊びの側から学ぶ教科目です。指針そのものの全体像は保育所保育指針の全体像で扱い、ここでは3つの教科目が抜粋で何を挙げているかを整理します。

保育内容演習の抜粋は、保育を「養護」と「教育」の2つの視点で整理しています。養護について、指針は次のように書いています(第1章 2 養護に関する基本的事項)。

  • 「保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである。」

教育の側は、抜粋が、乳児保育の3つの視点と、1歳以上3歳未満児及び3歳以上児の5つの領域を、次のように挙げています。

区分抜粋に書かれている名称と趣旨
乳児保育の3つの視点「健やかに伸び伸びと育つ」(健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力の基盤を培う)/「身近な人と気持ちが通じ合う」(受容的・応答的な関わりの下で、何かを伝えようとする意欲や身近な大人との信頼関係を育て、人と関わる力の基盤を培う)/「身近なものと関わり感性が育つ」(身近な環境に興味や好奇心をもって関わり、感じたことや考えたことを表現する力の基盤を培う)
5つの領域「健康」(健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う)/「人間関係」(他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う)/「環境」(周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う)/「言葉」(経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う)/「表現」(感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする)

保育内容総論は、「保育の基本を踏まえた保育内容の展開」として、次の考え方を挙げています。

  • 「養護及び教育が一体的に展開する保育」
  • 「子どもの主体性を尊重する保育」
  • 「環境を通して行う保育」
  • 「生活や遊びによる総合的な保育」
  • 「個と集団の発達を踏まえた保育」
  • 「家庭や地域、小学校等との連携を踏まえた保育」

さらに「保育の多様な展開」として、長時間の保育、特別な配慮を要する子どもの保育、多文化共生の保育が挙げられています。

保育内容の理解と方法は、子どもの生活と遊びにおける体験の例として、次の4つを挙げています。

  • 「見立てやごっこ遊び、劇遊び、運動遊び等における体験」
  • 「身近な自然やものの音や音色、人の声や音楽等に親しむ体験」
  • 「身近な自然やものの色や形、感触やイメージ等に親しむ体験」
  • 「子ども自らが児童文化財(絵本、紙芝居、人形劇、ストーリーテリング等)に親しむ体験」

教授内容の全文では、この教科目の目標の一つが「保育における教材等の活用及び作成と、保育の環境の構成及び具体的展開のための技術を実践的に習得する。」とされています。

ここで押さえておきたいのは、音楽・造形・言語の3分野の区分が、実技試験(B 保育実習実技)の側の書き方だという点です。筆記の側の抜粋では、音楽・造形・言語に近い内容は、上の「体験の例」や5領域の「言葉」「表現」として、子どもの体験と保育の環境という形で出てきます。

保育の計画と評価:計画・実践・記録・省察・評価・改善

教授内容の全文は、「保育の計画と評価」の目標の一つを、次のように書いています。

  • 「子どもの理解に基づく保育の過程(計画・実践・記録・省察・評価・改善)について、その全体構造を捉え、理解する。」

内容は、「保育の計画と評価の基本」(カリキュラムの基礎理論など)、「保育所における保育の計画」(保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の内容及び社会的背景、全体的な計画と指導計画の関係など)、「保育所における保育の評価」(保育の記録及び省察、自己評価、改善の取組、保育所児童保育要録)の3本立てです。

保育所保育指針の第1章「3 保育の計画及び評価」

保育所の側の根拠は、保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)の第1章 3 です。計画から評価、改善までが、次の順で書かれています。

項目指針の言葉(抜粋)
(1) 全体的な計画の作成「全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない」
(2) 指導計画の作成「全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない」。3歳未満児については「一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること」
(3) 指導計画の展開「子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること」
(4) 保育内容等の評価保育士等の自己評価は、「保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない」。保育所の自己評価は、「保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない」
(5) 評価を踏まえた計画の改善「保育の計画に基づく保育、保育の内容の評価及びこれに基づく改善という一連の取組により、保育の質の向上が図られるよう、全職員が共通理解をもって取り組むことに留意すること」
保育所保育指針と自己評価ガイドラインの現行版:こども家庭庁の保育のページに掲載されている現行版は、「保育所保育指針(平成30年度~)」と「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」。自己評価ガイドラインの表紙は「厚生労働省 2020年(令和2)年3月」。最終確認日:2026-10-12。出典:こども家庭庁 保育。

自己評価ガイドライン(2020年改訂版)と保育所児童保育要録

「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」は、保育所保育指針に基づく保育内容等の評価の進め方を示した厚生労働省の文書です。構成は、次の5つの章です。

1. 保育内容等の評価の基本的な考え方

2. 保育士等による保育内容等の自己評価

3. 保育所による保育内容等の自己評価

4. 保育所における保育内容等の自己評価の展開

5. 保育所における保育内容等の自己評価に関する結果の公表

保育所児童保育要録は、教授内容の「生活と発達の連続性を踏まえた保育所児童保育要録」に当たります。厚生労働省の通知「保育所保育指針の適用に際しての留意事項について」(平成30年3月30日 子保発0330第2号)は、取扱いの注意として、次の点を示しています。

  • 「保育所児童保育要録は、最終年度の子どもについて作成すること。作成に当たっては、施設長の責任の下、担当の保育士が記載すること。」
  • 「子どもの就学に際して、作成した保育所児童保育要録の抄本又は写しを就学先の小学校の校長に送付すること。」

通知の別添1(記載する事項)には、記載の際の留意として、子どもの発達の姿を「他の子どもとの比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないことに留意すること」、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」について「これらが到達すべき目標ではないことに留意し」と書かれています。

保育所児童保育要録に関する通知:「保育所保育指針の適用に際しての留意事項について」(平成30年3月30日 子保発0330第2号)。こども家庭庁の保育のページに、「保育所児童保育要録関係」として、この通知と別添1が掲載されている。最終確認日:2026-10-12。出典:こども家庭庁 通知(PDF)・別添1(PDF)。

保育者論:保育士の制度的位置付けと倫理

「保育者論」の内容は、次の5つの柱で書かれています。

  • 保育者の役割と倫理(役割・職務内容、倫理)
  • 保育士の制度的位置付け(児童福祉法における保育士の定義、資格・要件、欠格事由、信用失墜行為及び秘密保持義務等)
  • 保育士の専門性(資質・能力、養護及び教育の一体的展開、家庭との連携と保護者に対する支援、計画に基づく保育の実践と省察・評価、保育の質の向上)
  • 保育者の連携・協働(職員間、専門職間及び専門機関との連携・協働、地域における自治体や関係機関等との連携・協働)
  • 保育者の資質向上とキャリア形成(組織的取組、専門性の向上、組織とリーダーシップ)

このうち「制度的位置付け」の根拠は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)の保育士の規定です。

条条文の言葉(抜粋)
第18条の4(保育士の定義)「保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」
第18条の5「次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。」(欠格となる場合を列挙)
第18条の6「次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。」(第2号は「保育士試験に合格した者」)
第18条の21(信用失墜行為の禁止)「保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」
第18条の22(秘密保持義務)「保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなつた後においても、同様とする。」
第18条の23(名称の独占)「保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。」
児童福祉法の保育士の規定の版:第18条の4・第18条の5・第18条の6・第18条の21・第18条の22・第18条の23の文言は、試験の法令基準日にあたる令和8年4月1日時点の条文(児童福祉法等の一部を改正する法律〔令和7年法律第29号〕による改正後の版)と、現行の条文(令和8年10月1日施行の版)で同じ。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 児童福祉法。

協議会の案内は、令和8年後期の筆記試験の法令・保育所保育指針等について、令和8年4月1日以前に施行されたものに基づいて出題するとしています。条文を確かめるときは、e-Gov法令検索で施行日を指定して、基準日時点の条文を開きます。資格の取り方や登録は保育士の資格の取り方と受験資格にまとめています。

倫理:指針と解説に書かれていること

「倫理」の側の公的文書は、保育所保育指針の第1章の保育所の役割です。指針は、保育所における保育士について、次のように書いています。

  • 「倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない」

こども家庭庁が掲載する「保育所保育指針解説」は、第5章(職員の資質向上)の説明で、保育所の職員は言動が子どもや保護者に大きな影響を与える存在であることから「特に高い倫理観が求められる」とし、保育士については、全国保育士会が定めた倫理綱領があることを述べています。解説によると、この倫理綱領は、子どもの最善の利益の尊重、プライバシーの保護、子どもの立場に立って言葉にできない思いやニーズを的確に代弁することなどの、保育士の行動の指針を示しています。倫理綱領の本文そのものは、この記事では取り上げていません。

保育実習Ⅰ・保育実習指導Ⅰ・保育実践演習:実習の内容と振り返り

実習に関わる3つの教科目について、抜粋には、実習の内容、実習の目的と留意点、記録と振り返りが書かれています。

保育実習の目標

協議会が掲載している教授内容には、保育実習Ⅰと保育実習指導Ⅰの目標が、それぞれ5つ書かれています。

教科目目標(要約)
保育実習Ⅰ①保育所、児童福祉施設等の役割や機能を具体的に理解する ②観察や子どもとの関わりを通して子どもへの理解を深める ③既習の教科目の内容を踏まえ、子どもの保育及び保護者への支援について総合的に理解する ④保育の計画・観察・記録及び自己評価等について具体的に理解する ⑤保育士の業務内容や職業倫理について具体的に理解する
保育実習指導Ⅰ①保育実習の意義・目的を理解する ②実習の内容を理解し、自らの実習の課題を明確にする ③実習施設における子どもの人権と最善の利益の考慮、プライバシーの保護と守秘義務等について理解する ④実習の計画・実践・観察・記録・評価の方法や内容について具体的に理解する ⑤実習の事後指導を通して、実習の総括と自己評価を行い、今後の学習に向けた課題や目標を明確にする
保育実習の目標の出典:保育実習Ⅰ(実習・4単位:保育所実習2単位・施設実習2単位)と保育実習指導Ⅰ(演習・2単位)の目標は、それぞれ5つ。最終確認日:2026-10-14。出典:協議会 教科目の教授内容(PDF)。

協議会の出題範囲は、教科目の「内容」とすると定めています。目標は、次に見る内容の見出しが何をめざす項目かを読むときの手がかりになります。

保育実習Ⅰは、保育所での実習と、保育所以外の児童福祉施設等での実習の2本立てです。内容の見出しは、保育所の側が次の5つです。

  • 保育所の役割と機能
  • 子どもの理解
  • 保育内容・保育環境
  • 保育の計画・観察・記録
  • 専門職としての保育士の役割と職業倫理

保育所以外の施設の側も、「施設の役割と機能」「子どもの理解」「施設における子どもの生活と環境」「計画と記録」「専門職としての保育士の役割と倫理」の5つで書かれています。協議会の出題の基本方針にある「保育所を含む児童福祉施設の役割や機能」は、この2本立てに対応すると読めます。

保育実習指導Ⅰの内容には、「実習に際しての留意事項」として、次の3つが挙げられています。

  • 「子どもの人権と最善の利益の考慮」
  • 「プライバシーの保護と守秘義務」
  • 「実習生としての心構え」

ほかに、実習の意義、実習の内容と課題の明確化、実習の計画と記録(観察、記録及び評価)、事後指導における実習の総括と課題の明確化があります。

実習の記録に関する教授内容の項目:保育実習Ⅰは、保育所実習の内容に「子どもの観察とその記録による理解」「記録に基づく省察・自己評価」、保育所以外の施設の実習の内容に「子どもの観察とその記録」「記録に基づく省察・自己評価」を挙げる。保育実習指導Ⅰは「実習における観察、記録及び評価」を挙げる。記録の書式や書き方を定めた記載は、協議会の出題範囲と教授内容に見当たらない。最終確認日:2026-10-14。出典:協議会 教科目の教授内容(PDF)・協議会 保育士試験出題範囲(抜粋・PDF)。

保育実践演習は、「学びの振り返り」と「保育に関する現代的課題の分析に基づく探究」を中心にした教科目です。振り返りの観点として、「保育士の意義や役割、職務内容、子どもに対する責任、倫理」「社会性、対人関係能力」「子どもやその家庭の理解、職員間の連携、関係機関との連携」「保育や子育て家庭に対する支援の展開」の4つが挙げられています。

守秘義務や子どもの人権は、保育者論で見た児童福祉法の規定や、保育所保育指針の第1章 1 (5)「保育所の社会的責任」(子どもの人権への配慮、個人情報の取扱いなど)ともつながる内容です。

学び方:範囲を文書と問題にひもづける

8つの教科目を、根拠になる文書と、当サイトのページに対応させると、次の表になります。この対応は当サイトの整理で、協議会の出題範囲の資料に、教科目ごとの根拠文書の指定はありません(2026-10-12 時点)。

範囲確かめる文書当サイトのページ
保育内容の理解と方法・保育内容総論・保育内容演習協議会の抜粋(range09)、保育所保育指針 第1章・第2章保育実習理論の問題
保育の計画と評価保育所保育指針 第1章 3、保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)、保育所児童保育要録に関する通知同上
保育者論児童福祉法 第18条の4〜第18条の6・第18条の21〜第18条の23、保育所保育指針 第1章 1同上
保育実習Ⅰ・保育実習指導Ⅰ・保育実践演習協議会の抜粋と教授内容(content)同上

協議会は、実施済みの筆記試験の問題と正答を、「過去の試験問題」のページで公開しています(全国保育士養成協議会 過去の試験問題)。当サイトの問題は、これとは別に、保育所保育指針・関係法令・公的文書と、試験の出題範囲に基づいて、合格ナビが作ったオリジナル問題で、協議会とは関係がありません。演習では科目を選んで解き、その場で採点と3段階(初級・標準・上級)の解説を確認できます。模擬試験では、科目ごとの出題数・制限時間・合格基準(6割)にそろえて解けます。科目の出題範囲の一覧は出題内訳と合格基準にもあります。

筆記試験の勉強の組み立て方は保育士試験の独学の勉強法に、科目の免除は筆記9科目と科目免除にあります。保育実習理論は、幼稚園教諭免許状の所有者が特例制度の実務経験の要件を満たすときに免除になる科目の一つです。免除の条件は協議会のQ&Aと科目免除の記事で確かめてください。

まとめ・次にやること

  • 「保育実習理論」は、筆記試験の9科目目で、100点満点・マークシート方式。実技試験(音楽・造形・言語から2分野)とは別の試験
  • 令和8年後期は10月25日(日)の15:30〜16:30。満点の6割以上(100点満点なら60点)で科目合格
  • 範囲は、保育内容の理解と方法・保育内容総論・保育内容演習・保育実習Ⅰ・保育実習指導Ⅰ・保育実践演習・保育者論・保育の計画と評価の、8つの教科目の内容
  • 根拠になる公的文書は、保育所保育指針(特に第1章 3「保育の計画及び評価」)、保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)、保育所児童保育要録に関する通知、児童福祉法の保育士の規定
  • 法令・保育所保育指針等は、令和8年4月1日以前に施行されたものに基づいて出題される

次にやることは、①上の表で、自分が手薄だと感じる教科目を1つ選ぶ、②その教科目の根拠文書(指針の第1章 3、児童福祉法の条文など)を原文で読む、③保育実習理論の問題を解いて、解説で根拠を確かめる、の3つです。実技試験を受ける予定の人は、保育士試験の実技試験で、筆記試験とは別に必要な準備を確認してください。

よくある質問

Q「保育実習理論」は、実技試験のことですか?

いいえ。保育実習理論は、筆記試験の9科目目で、マークシート方式で解く科目です。音楽・造形・言語の3分野から2分野を選ぶ試験は、別の「実技試験」です。協議会の出題範囲の抜粋では、1つの項目「保育実習」の中に、A 保育実習理論とB 保育実習実技が並べて書かれています。実技試験の課題や決まりは、保育士試験の実技試験にまとめています。

Q保育実習理論の範囲に、楽器の弾き方や絵の描き方は含まれますか?

協議会の抜粋では、楽器の演奏や絵画の制作などの技術そのものは、B 保育実習実技の「音楽に関する技術」「造形に関する技術」の側に書かれています。A 保育実習理論の側では、教科目「保育内容の理解と方法」が、子どもの生活と遊びにおける体験の例として「身近な自然やものの音や音色、人の声や音楽等に親しむ体験」「身近な自然やものの色や形、感触やイメージ等に親しむ体験」を挙げ、遊具や用具、素材や教材等の特性の理解と、それらの活用や作成に必要となる知識及び技術を学ぶとしています。Aの教科目の内容に、楽譜の読み方や曲名、描画の技法を個別に挙げた項目はありません(2026-10-12 時点)。

Q「保育の計画と評価」を学ぶとき、確かめる公的文書は何ですか?

協議会の教科目の内容が、保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の内容を挙げているため、保育所の側では保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)の第1章「3 保育の計画及び評価」が軸になります。あわせて、こども家庭庁の保育のページに掲載されている「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」と、保育所児童保育要録に関する通知があります。

Q保育士の秘密保持義務は、保育士でなくなったあとも続きますか?

児童福祉法第18条の22は、保育士は正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定め、「保育士でなくなつた後においても、同様とする。」と書いています。これは試験科目「保育者論」の「信用失墜行為及び秘密保持義務等」に当たる条文です。個別の事案で守秘の範囲を判断するときは、園の方針や専門家に確認してください。

Q保育実習理論で、音楽に関する問題は捨ててもよいですか?

協議会の資料に、特定の分野の問題を除いてよいという記載はありません(2026-10-14 時点)。合否は、保育実習理論という1科目(満点100点)で満点の6割以上を得点したかで決まり、出題範囲は8つの教科目の内容全体です。音楽にかかわる体験は教科目「保育内容の理解と方法」の体験の例(音や音色、人の声や音楽等に親しむ体験)に挙がっていて、「保育内容演習」には5領域の一つ「表現」も含まれます。範囲全体を学ぶ前提で計画を立ててください。音楽・造形・言語から2分野を選ぶのは実技試験の側で、その選び方は保育士試験の実技試験にあります。

Q保育実習の記録は、どう書くものですか。決まった書式はありますか?

協議会の出題範囲と教授内容に、実習記録の書式や書き方を定めた記載は見当たりません(2026-10-14 時点)。教授内容にあるのは、保育実習Ⅰの「子どもの観察とその記録による理解」「記録に基づく省察・自己評価」と、保育実習指導Ⅰの「実習における観察、記録及び評価」といった項目です。保育所保育指針の第1章 3 (3) も、子どもの実態や状況の変化に即して保育の過程を記録し、保育の内容の見直しと改善を図ることを求めています。実際の書式は、実習先や養成施設の指示に従います。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月14日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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