保育士

保育士資格とは正式名称・登録制の資格・「免許」との違い・保母からの切り替え・履歴書の書き方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

保育士資格の正式名称と法的な位置づけを、児童福祉法の現行条文で整理します。保育士の定義(第18条の4)、資格と登録の違い、名称独占、信用失墜行為の禁止と秘密保持、保母から保育士への切り替え、履歴書に書くときの考え方まで、出典と確認日つきで解説します。

目次
  1. 保育士の正式名称と、法律上の定義
  2. 「資格」と「登録」は別:免許ではなく登録制の資格
  3. 名称独占:登録を受けていない人は「保育士」を名乗れません
  4. 保育士に課される義務:信用失墜行為の禁止と秘密保持
  5. 「保母」から「保育士」へ:切り替わった時期
  6. 履歴書に保育士資格を書くときの考え方
  7. まとめ:保育士資格の仕組みを、順に確認する
結論:保育士の正式名称は「保育士」です。児童福祉法第18条の4は、保育士を、保育士登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって児童の保育と保護者への保育に関する指導を行うことを業とする者と定めています。教員の「免許」のような仕組みではなく、まず「保育士となる資格」を得て(第18条の6)、そのうえで保育士登録簿への登録を受ける(第18条の18)、という二段階の登録制の資格です。登録を受けていない人は、「保育士」又は紛らわしい名称を使えません(第18条の23)。

保育士資格は、検索では「保育士免許」「保育士 国家資格」「保育士 正式名称」など、さまざまな言い方で調べられています。この記事では、法令の言葉で整理します。根拠は、e-Gov 法令検索の児童福祉法・児童福祉法施行規則・児童福祉法施行令の現行条文と、登録事務処理センターの案内です。条文の確認日は 2026年10月12日で、確認した児童福祉法は令和8年10月1日施行の版です。合格ナビは、協議会や行政機関とは関係のないサイトです。

保育士の正式名称と、法律上の定義

法令上の名称は「保育士」です。定義は、児童福祉法第18条の4が置いています。

条文は、保育士を、保育士登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育と、児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者と定めています(児童福祉法第18条の4・e-Gov 法令検索の現行条文・2026年10月12日確認)。

この定義から、2つのことが分かります。

  • 保育士になる条件に、登録を受けることが入っています。条文は、保育士登録を受けた者を保育士と定義しています。
  • 仕事の内容は、児童の保育と、保護者に対する保育に関する指導です。

なお、地域限定保育士という資格も法令にあります。地域限定保育士の仕組みは、地域限定保育士の記事にまとめています。

「資格」と「登録」は別:免許ではなく登録制の資格

児童福祉法には、資格を得ることと、保育士になることを分ける2つの条文があります。

段階条文内容
① 資格を得る第18条の6次のいずれかに当たる者は、保育士となる資格を有する。1号:都道府県知事の指定する保育士を養成する学校その他の施設(指定保育士養成施設)を卒業した者、2号:保育士試験に合格した者、3号:地域限定保育士登録を受けた日から3年を経過し、かつ、内閣府令で定める期間以上、地域限定保育士の業務に従事した者
② 登録を受ける第18条の18保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他内閣府令で定める事項の登録を受けなければならない。保育士登録簿は都道府県に備える。登録をしたときは、都道府県知事が保育士登録証を交付する

「免許」という語は、児童福祉法の現行条文にありません(2026年10月12日時点・e-Gov 法令検索で全条文を確認)。登録の仕組みを説明する登録事務処理センターのページも、「保育士登録」「保育士登録証(保育士証)」という言葉を使っています。

そのため、「保育士免許」は検索で使われる言い方で、法令に出てくる言葉は「保育士資格」と「保育士登録」です。試験に合格する、養成施設を卒業する、という方法で得るのは「資格」です。「保育士」という名称で働くためには、そのあとに登録が必要です。

登録の手続き(郵送での申請、費用、時期)は、保育士登録の手続きの記事で説明しています。

名称独占:登録を受けていない人は「保育士」を名乗れません

児童福祉法第18条の23は、次のように定めています。

保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。(児童福祉法第18条の23・2026年10月12日確認)

このように、資格のない人がその名称を使うことを禁じる仕組みを、名称独占と呼びます。禁止されているのは「名称」の使用です。どの施設にどんな資格の職員を置くかは、施設ごとの基準が別に定めており、この記事では扱いません。

罰則は、次のとおりです。

名称独占に違反した場合の罰則:児童福祉法第18条の23の規定に違反した者は、同法第62条第2項第2号により、30万円以下の罰金に処せられる。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov 法令検索 児童福祉法。

保育士の名称の使用の停止を命じられた者が、その期間中に保育士の名称を使って業務に就いた場合にも、同じく30万円以下の罰金が定められています(同条第2項第1号)。

保育士に課される義務:信用失墜行為の禁止と秘密保持

登録を受けて保育士になると、次の2つの義務が条文で定められます。

  • 第18条の21(信用失墜行為の禁止):保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
  • 第18条の22(秘密保持義務):保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなった後においても、同様とする。

どちらかに違反した場合の扱いは、次のとおりです。

義務違反の扱い:保育士が第18条の21又は第18条の22に違反したときは、都道府県知事は、保育士登録を取り消し、又は期間を定めて保育士の名称の使用の停止を命ずることができる(第18条の19第2項)。第18条の22(秘密保持義務)に違反した者は、第61条の2により、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov 法令検索 児童福祉法。

登録できない場合(欠格事由)は、第18条の5が定めています。心身の故障により保育士の業務を適正に行えない者として内閣府令で定めるもの、拘禁刑以上の刑に処せられた者などが挙げられていますので、全体は条文で確認してください。

これらの条文は、筆記試験「保育実習理論」の出題範囲に含まれる教科目「保育者論」の「信用失墜行為及び秘密保持義務等」に当たります。科目の範囲は、保育実習理論の記事で、協議会の出題範囲に沿って整理しています。

「保母」から「保育士」へ:切り替わった時期

保育士の前の呼び名は「保母」でした。条文の附則、登録事務処理センターとこども家庭庁のページに書かれている事実を、時期ごとに整理します。

保母から保育士への切り替えに関する年月日:児童福祉法施行規則の附則に「保母試験は、昭和二十三年度から、これを行う。」とある。平成10年2月18日政令第24号の附則は、児童福祉法施行令第13条の改正規定を平成11年4月1日から施行するとし、その際に旧令の保母として児童の保育に従事している者は、新令の保育士として児童の保育に従事している者とみなすと定める。平成10年2月18日厚生省令第16号の附則は、施行日を平成11年4月1日とし、施行前に保母試験に関する規定に違反した者の処分について「保母試験」を「保育士試験」と読み替えると定める。児童福祉法の改正により、平成15年11月29日から保育士の定義が変わった(登録事務処理センター)。この改正に伴う児童福祉法施行令の改正(平成14年政令第256号)の附則も、施行日を平成15年11月29日と定める。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov 法令検索 児童福祉法施行規則・e-Gov 法令検索 児童福祉法施行令・登録事務処理センター 保育士の定義・こども家庭庁 保育士登録の案内(PDF)。

読み取れることは、次の3点です。

1. 「保母」という呼び名は、平成11年4月1日に「保育士」に改められました。児童福祉法施行令の改正政令(平成10年政令第24号)の附則は、この日に施行令第13条の改正規定を施行し、そのとき保母として児童の保育に従事している者を、保育士として従事している者とみなしています。試験の名称も、施行規則の改正省令(平成10年厚生省令第16号)の附則が、この日の施行に伴う経過措置の中で「保母試験」を「保育士試験」と読み替えていることから、同じ日に改められたと読めます。

2. 保育士の定義は、平成15年11月29日に変わりました。こども家庭庁のページに掲載されている保育士登録の案内(PDF)も、この日から従来の保育士(保母)資格証明書では保育士として業務を行うことができなくなったと書いています。登録事務処理センターは、改正前は児童福祉施設で児童の保育に従事する者を保育士といい(児童福祉法施行令第13条第1項)、改正後は保育士登録を受けた者を保育士と定める(児童福祉法第18条の4)という対比を示しています。

3. 改正前は、保育士(保母)資格証明書を持っていれば児童福祉施設で保育士として働けましたが、改正後は、保育士として働く前に登録申請をして保育士証の交付を受けることが必要になりました。

注意したいのは、保母から保育士への切り替えと、登録は別の話だということです。登録事務処理センターは、保育士登録の手続きは「保母」から「保育士」への名称変更ではないと注意書きをしています。「保母」の資格を持っていた人が名前を保育士に変えるための手続きではなく、新しい制度のもとで保育士として働くための登録です。

また、改正法(平成13年法律第135号)の附則には経過措置があります。改正法の施行の際、すでに保育士として必要な知識・技能を有する者として政令で定める者は、保育士となる資格を有する者とみなされました(附則第4条)。その者で登録を受けていないものには、名称独占の規定(第18条の23)は、施行後3年間は適用されませんでした(附則第5条)。

履歴書に保育士資格を書くときの考え方

履歴書の資格欄の書き方を定めた記載は、協議会、こども家庭庁の保育士のページ、登録事務処理センターのページにはありません(2026年10月12日時点)。ここからは、法令の用語に基づいた整理です。書き方の決まりではなく、考え方の例として読んでください。

1. 資格名は、法令の用語である「保育士」にそろえる

履歴書の欄の見出しが「免許・資格」となっていても、保育士は法令上は免許ではなく、登録制の資格です。欄の中には「保育士」「保育士登録」のように、法令の言葉で書くと、意味がぶれません。「保育士免許」と書くかどうかを定めた記載も、上の3つのページにはありません(2026年10月12日時点)。ただ、「免許」は児童福祉法の用語ではありません。

2. 資格を得たことと、登録を受けたことを、区別する

保育士となる資格を得る日と、保育士登録を受ける日は別です。次の表のように、手元の書類で日付と名称を確かめられます。

できごと手元の書類根拠
保育士試験に合格した保育士試験合格通知書児童福祉法第18条の6第2号
指定保育士養成施設を卒業した指定保育士養成施設卒業証明書児童福祉法第18条の6第1号・施行規則第6条の6
保育士登録を受けた保育士登録証(保育士証)児童福祉法第18条の18

合格通知書や卒業証明書は、保育士となる資格を証明する書類で、登録証とは別の書類です。履歴書に書く日付や名称は、手元の書類の記載どおりにします。登録した日付や記載の内容は、お手元の保育士登録証で確認してください。

3. 登録がまだのときの扱いは、法令に書き方がない

第18条の23は、「保育士でない者」が保育士又は紛らわしい名称を使うことを禁じています。条文は、履歴書の書き方には触れていません。登録を受けていない段階で、履歴書にどう書くのが適切かは、法令からは決まりません。判断に迷うときは、登録事務処理センターや、登録を受ける都道府県に確認するのが確実です。

なお、登録事務処理センターは、保育士として業務に就く予定のない方は、必ずしも登録申請手続きを行う必要はなく、手続きを行わなくても保育士となる資格を失うことはないと案内しています。

まとめ:保育士資格の仕組みを、順に確認する

  • 正式名称は「保育士」(児童福祉法第18条の4)。「免許」ではなく、資格を得たうえで登録を受ける仕組みです。
  • 資格を得る方法は、指定保育士養成施設の卒業、保育士試験の合格などです(第18条の6)。
  • 保育士として働くには、保育士登録を受けます(第18条の18)。登録を受けていない人は、「保育士」又は紛らわしい名称を使えません(第18条の23)。
  • 保育士には、信用失墜行為の禁止(第18条の21)と、秘密保持義務(第18条の22)があります。
  • 「保母」から「保育士」へは、平成11年4月1日に施行令の改正で呼び名が改められ、平成15年11月29日に定義が変わり、登録制になりました。保育士登録は、保母の名称変更の手続きではありません。
  • 履歴書の資格欄の書き方を定めた記載は、協議会・こども家庭庁の保育士のページ・登録事務処理センターにありません。考え方の例として、法令の用語に合わせ、資格と登録の日付は手元の書類にそろえる方法があります。

資格を得る主な方法は2つです。学校を卒業する方法は指定保育士養成施設の記事で、試験を受ける方法は保育士資格の取り方と受験資格・登録の記事と試験の日程・申込み・合格発表の記事で説明しています。

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よくある質問

Q「保育士免許」と「保育士資格」は、同じものですか?

児童福祉法の現行条文(e-Gov 法令検索・2026年10月12日確認)には、「免許」という語がありません。条文にあるのは「保育士となる資格」(第18条の6)と「保育士登録」(第18条の18)です。教員のように免許状が授与される仕組みではなく、資格を得たうえで都道府県の保育士登録簿に登録を受ける仕組みです。検索では「保育士免許」という言い方も使われますが、法令上の用語は「保育士資格」と「保育士登録」です。

Q「保母」の資格証明書を持っています。いまも、そのまま保育士として働けますか?

登録事務処理センターの「保育士の定義」のページによると、児童福祉法の改正前は、保育士(保母)資格証明書を持っていれば、保育士として児童福祉施設で働くことができました。改正後は、資格を証明する書類を持っているだけでは「保育士」として働くことはできず、業務に就く前に都道府県知事への登録申請を行い、保育士証の交付を受ける必要があります(2026年10月12日確認)。手続きの窓口や必要書類は、登録事務処理センターに確認してください。

Q「保育士証」と「保育士登録証」は、別の書類ですか?

児童福祉法第18条の18第3項は、登録をしたときに都道府県知事が交付する書類を「保育士登録証」と呼んでいます。登録事務処理センターのサイトでは、この書類を「保育士登録証(保育士証)」と表記しています。一方、合格通知書や指定保育士養成施設卒業証明書は、保育士となる資格を証明する書類で、登録証とは別のものです(e-Gov 法令検索・登録事務処理センター・2026年10月12日確認)。

Q保育士でない人が「保育士」と名乗ると、罰則はありますか?

児童福祉法第18条の23は、保育士でない者が保育士又はこれに紛らわしい名称を使用することを禁じています。違反した者は、同法第62条第2項第2号により、30万円以下の罰金に処せられます(e-Gov 法令検索の現行条文・2026年10月12日確認)。金額は法改正で変わることがあるので、条文で確認してください。

Q履歴書の資格欄に書く「保育士」の書き方は、決まっていますか?

協議会(全国保育士養成協議会)、こども家庭庁、登録事務処理センターのページには、履歴書の資格欄の書き方を定めた記載がありません(2026年10月12日時点)。資格名は、法令の用語と登録証の記載にそろえて「保育士」と書く、取得の日付は手元の合格通知書・卒業証明書・保育士登録証の記載どおりに書く、という考え方を、この記事の本文で整理しています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月12日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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