問題
Lさん(79 歳,男性,要介護2 )は,介護老人保健施設に入所して1 か月が経過した。睡眠中に大きないびきをかいていることが多く,いびきの音が途切れることもある。夜間に目を覚ましていたり,起床時にだるそうにしている様子もしばしば見られている。 介護福祉職がLさんについて収集すべき情報として,最も優先度の高いものを1つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題101
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは5「睡眠中の呼吸状態」です。
Lさんは大きないびきに加えて、いびきの音が途切れることがあり、夜間に目を覚ましたり、朝だるそうにしたりしています。これは、睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸」が疑われる症状です。まずは睡眠中の呼吸の様子をしっかり観察することが優先されます。
たとえるなら、大きないびきの途切れは、体からの「呼吸が止まっているかもしれない」というサインなので、そこを最優先で確認するイメージです。
👉 覚え方:いびき+途切れ+夜間覚醒+日中の倦怠感=睡眠中の呼吸状態を優先して確認。
ほかの選択肢:1枕の高さ・2マットレスの硬さ・3掛け布団の重さは睡眠環境の確認として有用だが、今回の症状(いびきの途切れ=無呼吸)に対しては呼吸状態の確認がより優先される/4睡眠中の足の動きは周期性四肢運動障害等の確認に関わるが、今回の症状パターン(いびき・無呼吸様の症状)とは合致度が低い。
なぜこれが正解か
正解は5。大きないびきに加え、いびきの音が途切れる、夜間の覚醒、起床時の倦怠感といったLさんの症状は、睡眠時無呼吸症候群を強く疑わせる典型的な所見であり、これらの症状の背景にある睡眠中の呼吸状態(無呼吸の有無、頻度、持続時間等)を優先的に情報収集することが、適切なアセスメントと医療的対応(医師への報告、専門的な検査の検討)につなげるために最も重要である。
各選択肢の解説
- 1 枕の高さは、いびきに影響を与える要因の一つではあるが、今回のような「いびきの途切れ」を伴う症状パターンでは、より根本的な呼吸状態の確認が優先される。
- 2 マットレスの硬さも寝心地・体位保持に関わる要因ではあるが、無呼吸を疑わせる症状への直接的な対応としては優先度が低い。
- 3 掛け布団の重さは、体への圧迫感等に関わる要因だが、今回の症状の主要な原因を説明するものではない。
- 4 睡眠中の足の動きは、周期性四肢運動障害(第37回 問28)等の鑑別に関わる情報だが、今回の症状(いびきの途切れ、夜間覚醒、起床時の倦怠感)のパターンからは、呼吸状態の確認がより直接的かつ優先度の高い情報収集項目である。
覚え方・ひっかけ注意
「大きないびき」「いびきの音の途切れ」「夜間の覚醒」「起床時の倦怠感」という4つの症状が揃ったら、睡眠時無呼吸症候群を第一に疑い、呼吸状態の観察を最優先するという臨床推論のパターンを押さえておく。
理論的背景
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に気道が閉塞する(閉塞性)、または呼吸中枢からの指令が一時的に停止する(中枢性)ことにより、無呼吸・低呼吸が繰り返し生じる疾患で、大きないびきとその途切れ(無呼吸の間はいびき音が止まる)が特徴的な所見である。無呼吸により血中酸素飽和度が低下し、これに反応して脳が覚醒することで、深い睡眠が妨げられ、夜間の中途覚醒や、日中の強い眠気・起床時の頭重感・倦怠感(睡眠の質の低下による)が生じる。高齢者では、肥満だけでなく、加齢による筋緊張の低下(上気道を支える筋肉の緩み)も無呼吸の要因となりうる。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧・心疾患・脳血管疾患のリスク因子としても重要視されており、疑わしい症状がみられた場合は、医師への報告と専門的な検査(終夜睡眠ポリグラフ検査等)につなげることが求められる。
試験での位置づけ
睡眠時無呼吸症候群の症状パターン(いびき・無呼吸・夜間覚醒・日中の眠気)は、生活支援技術領域・こころとからだのしくみ領域を横断する重要テーマ。第36回 問28(眠りが浅くなる原因)、37-28(周期性四肢運動障害の鑑別)とあわせて、高齢者の睡眠障害を総合的に理解しておくことが、事例問題全般への対応力を高める。
選択肢の発展補足
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、介護福祉職は日々の観察(いびきの様子、呼吸の停止時間、体位による変化等)を記録し、看護職員・医師への報告を通じて、専門的な診断・治療(CPAP療法:持続陽圧呼吸療法等)につなげる橋渡し役を担う。
上位資格・発展
睡眠医学の分野では、無呼吸低呼吸指数(AHI)による重症度分類や、CPAP療法の導入・管理、口腔内装置(マウスピース)による治療選択がより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題101です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

