問題
次の記述のうち,精神保健福祉士法成立の社会的背景として,適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「障害者権利条約」とは,「障害者の権利に関する条約」のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題23(精神保健福祉の原理)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3
精神保健福祉士法ができた背景には、日本では諸外国と比べて精神科病院に入院している人の割合が高く、入院期間も長いという問題がありました。長く入院している人の退院と社会復帰を進めるために、それを支える専門職として精神保健福祉士の国家資格が作られました。精神保健福祉士法は1997年(平成9年)に公布されました。
自殺者の増加、DPAT、障害者権利条約の批准、「入院医療中心から地域生活中心へ」の改革ビジョンは、いずれも法律ができた後の時期の動きです。
なぜ正解か
正解は 3。精神保健福祉士法(平成9年法律第131号、1997年12月公布)は、日本の精神科医療が入院中心で、諸外国に比べて入院患者の割合が高く入院期間も長いこと、いわゆる社会的入院の解消と社会復帰の促進が課題となっていたことを背景に制定された。精神科病院などで社会復帰に関する相談援助を担う専門職を国家資格として位置づけた。
ほかの選択肢
- 1:年間の自殺者数が3万人を超える状態が続き社会問題化したのは、精神保健福祉士法の成立より後の時期の出来事で、自殺対策の取組につながった。
- 2:災害派遣精神医療チーム(DPAT)は、法の成立より後に整備された仕組みで、法成立の背景ではない。
- 4:「障害者権利条約」の批准に向けた国内法の整備は、障害者基本法の改正や障害者差別解消法の制定などにつながったもので、精神保健福祉士法成立の背景ではない。
- 5:「精神保健医療福祉の改革ビジョン」は、精神保健福祉士法の成立後に示された国の方針である。
正解の位置づけ
正解は 3。精神保健福祉士法は平成9年法律第131号として1997年12月19日に公布された。精神保健福祉士は、同法第2条により、「精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、若しくは精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援…の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談又は精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと」を業とする者と定義されている。定義の中心に「社会復帰に関する相談」が置かれていることが、法成立の背景を端的に示している。
成立当時の日本の精神科医療は、精神病床の多さと入院期間の長さが国際的に際立っており、症状が落ち着いても受け皿がないために退院できない社会的入院が大きな課題だった。精神科医療機関などで退院・社会復帰の支援を担う人材は以前から存在したが、資格としての裏付けがなかったため、国家資格化によって専門職としての質と配置の確保を図った。
誤りの肢の論点
- 1:自殺者数の高止まりは、自殺対策基本法の制定など自殺対策の流れにつながった。精神保健福祉士の役割と無関係ではないが、法成立の背景ではない。
- 2:DPATは、大規模災害時に被災地で精神科医療や精神保健活動の支援を行う専門チームで、法成立より後に整備された。
- 4:障害者権利条約の批准に向けて、障害者基本法の改正、障害者総合支援法の制定、障害者差別解消法の制定などの国内法整備が進められた。
- 5:「精神保健医療福祉の改革ビジョン」は「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的方策を示した国の方針である。法成立の背景ではなく、成立した資格の活躍が期待された後の政策である。
関連論点
- 精神保健福祉士の定義は、その後の改正で「地域相談支援の利用に関する相談」が加わり、さらに2024年4月施行の改正では「精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談」が加わるなど、対象と役割が広がっている。
- 名称独占の資格であり、秘密保持義務(第40条)、信用失墜行為の禁止(第39条)、連携等(第41条:関係者等との連携の保持など)、資質向上の責務(第41条の2)などの義務規定もあわせて出題される。
- 精神保健福祉士法e-Govで原文を読む
- 障害者基本法e-Govで原文を読む
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律e-Govで原文を読む
- 自殺対策基本法e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題23(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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