問題
次の記述のうち,障害者福祉を支える理念や概念の説明として,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題19(精神保健福祉の原理)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 4
エンパワメントとは、差別や抑圧によって力を奪われた(無力化された)人々が、本来持っている力を取り戻し、自分たちを苦しめている状況を客観的に見つめて、主体的に変えていこうとすることです。選択肢4はこの説明として正しい内容です。
ほかの選択肢は、用語と説明が入れ替わっています。2はハームリダクション、3はレジリエンスの説明です。1と5の説明も、ソーシャルロールバロリゼーション(社会的に価値ある役割を得ること)やレジリエンスの意味とは異なります。
なぜ正解か
正解は 4。エンパワメントは、社会的な差別や抑圧によってパワーを奪われた人々が、本来持っている力を取り戻し、抑圧的な状況を批判的に捉え、主体的に変革を目指す過程を指す。ソロモンが黒人コミュニティの研究からソーシャルワークに導入した考え方として知られる。
ほかの選択肢
- 1:ソーシャルロールバロリゼーション(SRV)は、社会から価値を下げられた人が、社会的に価値ある役割を得られるようにする考え方(ヴォルフェンスベルガー)。「人間らしく生きる権利の回復」はリハビリテーション(全人間的復権)の説明に近い。
- 2:健康・社会・経済上の悪影響を減らすことを主目的とするのは、ハームリダクションの説明。
- 3:重大な逆境に遭っても前向きに生きる復元力は、レジリエンスの説明。
- 5:レジリエンスは復元力のことで、ラベルによる社会的不利の軽減を意味しない。
覚えるポイント
この種の問題は、5つの用語の説明を入れ替えて作られることが多い。各説明が本来どの用語の説明かを当てはめていくと、確実に正答を絞り込める。
正解の位置づけ
正解は 4。エンパワメントの要点は、①無力さは個人の欠陥ではなく、差別や抑圧という社会構造によって生み出されたものと捉える、②本人はもともと力を持っており、それを取り戻すことができる、③抑圧的な状況を批判的に意識化し、個人だけでなく集団や社会の変革へと向かう、の3点である。②と③の要素がそろっている選択肢4が正しい。批判的意識化の考え方には、教育学者フレイレ(Freire, P.)の思想の影響も指摘される。
誤りの肢の論点
- 1:SRVは、価値を下げられた人々が、社会的に価値ある役割を獲得・維持できるよう支援する考え方。「人間らしく生きる権利の回復」は、リハビリテーションの本来の意味(全人間的復権)の説明にあたる。
- 2:人権擁護と公衆衛生の観点から、薬物使用などに伴う健康・社会・経済上の悪影響を減らすことを主目的とするのはハームリダクション。使用の中止を唯一の目標とせず、害を減らすことを重視する点が特徴。リハビリテーションは、障害のある人が身体的・精神的・社会的に最も適した機能水準を達成し、生活の再建を図ることを目指すものである。
- 3:バリアフリーは、障害のある人などが社会生活を送るうえでの障壁(物理的・制度的・文化情報面・意識上の障壁)を取り除くこと。選択肢3の説明はレジリエンスの意味である。
- 5:レジリエンスは、逆境やストレスにさらされても、しなやかに適応し回復する力。精神保健では、発病や再発を防ぐ要因、リカバリーを支える要因として注目される。ラベルによる社会的不利を軽減するという説明は、スティグマの軽減に関わる取り組みの方向に近い。
関連論点
- ストレングス視点との関係:本人や環境の強みに注目する点でエンパワメントと重なる。ストレングスモデルはラップらが精神障害者のケースマネジメントとして体系化した。
- リカバリー:病気や障害があっても、本人が希望をもち、自分らしい人生を主体的に歩む過程。エンパワメントは、リカバリーを支える条件の一つとされる。
- この種の問題は、5つの用語の説明が互いに入れ替えられて作られることが多い。各選択肢の説明が他のどの用語に当てはまるかを確かめると、確実に正答を絞り込める。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題19(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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