精神保健福祉士

精神保健福祉士 第27回 問題25|精神保健福祉の原理

問題

精神保健福祉士 | 第27回(令和6年度) | 令和7年2月1日(土)・2日(日)実施・精神保健福祉の原理

次の事例を読んで,問題25 から問題27 までについて答えなさい。

〔事 例〕

会社を定年退職したAさん(60 代後半)は,昨年妻を事故で亡くし,一人息子(30代)と二人で暮らしている。息子は仕事でのトラブル等が重なり,自宅にひきこもって3 年になる。Aさんは息子を一度強く叱責し拒絶されてからは話し掛けることもできなくなり,息子を心配しながら一人で家事を担い,日々を過ごしていた。最近Aさんは生活の中で年齢を感じることが増え,自分に何かあったら息子はどうなるだろうとの思いから,県のホームページで見付けたひきこもり地域支援センター(以下「センター」という。)に電話をかけた。息子とうまく関係を築けず拒絶されているように感じること,3 年もひきこもっている息子の将来についての心配などをAさんはしっかりした口調で話した。電話を受けたB精神保健福祉士はその話を傾聴し,Aさんをねぎらい,センターとして関わりたいことを伝え,情報を整理した。(問題25)センターの対応に安堵(あんど)したAさんは,B精神保健福祉士とであれば息子のことについて進展を得られるように感じ,時折センターに出向くようになった。そのうちAさんは,いつまでこの状態が続くのか,自分の息子だけなぜこうなのかなど,悩みを具体的に語るようになった。そこでB精神保健福祉士は,センターで行われている「ひきこもり家族の会」(以下「家族会」という。)への参加をAさんに勧めた。(問題26)家族会に参加したAさんは,そこでの学びからセンターに行った感想を添えたメッセージや「名刺の人が話をしてみたいそうだ」とB精神保健福祉士の名刺を添えたセンターのチラシを台所のテーブルに置くようになった。息子はそれらを夜中に台所で読んでいるようだった。 ある日,B精神保健福祉士のところに電話がかかってきた。B精神保健福祉士は,その名前からAさんの息子からであることに気付いた。Aさんの息子は,仕事も続かず,職場でも家でも誰ともうまくやれないこと,学生時代もそうだったことなどを語った。(問題27)

次のうち,この電話相談においてB精神保健福祉士が優先的に評価すべきこととして,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題25(精神保健福祉の原理)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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正解は 1
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1

Aさんからの最初の電話で、B精神保健福祉士がまず見立てるべきなのは「息子の精神的健康」です。

息子は仕事のトラブルが重なってから3年間ひきこもり、父親とも話せない状態です。ひきこもりの背景には、うつ状態や不安など、医療につなぐ必要のある精神的な不調が隠れていることがあります。支援の順番や急ぎ具合を決めるには、まずそこを見立てることが欠かせません。

就労能力や経済状況、Aさんの家事負担なども大切ですが、本人の心の状態を確かめないまま就労や生活の話を進めると、かえって本人を追い詰めるおそれがあります。

なぜ正解か

正解は 1。ひきこもりは診断名ではなく状態像であり、その背景に精神疾患や心理的な不調が含まれている場合がある。仕事上のトラブルを契機に3年間ひきこもり、父親の叱責後は会話も途絶えているという情報から、まず息子の精神的健康(医療の必要性や危機の有無を含む)を評価することが、支援の優先順位と緊急度を決める前提になる。Aさんは「しっかりした口調」で話しており、相談者であるAさん自身の危機は差し迫っていない。

ほかの選択肢

  • 2:就労能力の評価は、本人と関係ができ、心身の状態が分かった後の段階。初回の家族相談で優先する事項ではない。
  • 3:経済状況は生活の見通しに関わるが、この時点で困窮の訴えはなく、優先度は低い。
  • 4:Aさんの家事負担は家族支援の論点にはなるが、相談の主訴は息子の状態と将来である。
  • 5:Aさんの発達課題(老年期の課題など)は背景理解に役立つが、初回の電話で優先して評価すべきものではない。

正解の根拠

正解は 1。この問題は「家族からの初回相談で、まだ会えていない本人について何を最優先に見立てるか」を問うている。

ひきこもりは、学校や仕事に行かず家庭にとどまり続ける「状態」を指す言葉で、特定の病名ではない。その中には、うつ病や不安症などの精神疾患が背景にある人、発達特性による生きづらさを抱える人、精神疾患とは言えない人などが含まれる。したがって初期の評価では、精神医学的な問題があるか、医療的な支援を急ぐ必要があるか、生命にかかわる危険がないかといった本人の精神的健康を見立てることが、その後の支援の道筋(医療につなぐのか、家族支援を中心に時間をかけるのか)を決める出発点になる。本人と直接会えない段階では、家族の語りを通じた間接的な評価になる点も押さえておきたい。

誤りの肢の論点

  • 2 就労能力:事例では仕事でのトラブルが契機になっている。いきなり就労の話を進めることは、本人にとって同じ傷を繰り返す負担になりかねない。就労の評価は本人との関係形成と心身の安定の後に来る。
  • 3 経済状況:父親は定年退職しているが、困窮を示す情報はない。経済面は将来設計(「自分に何かあったら」)の段階で扱う論点である。
  • 4 Aさんの家事負担:妻を亡くした後に一人で家事を担う負担は事実だが、Aさん自身が相談したいのは息子のことであり、まずは主訴に沿って評価する。
  • 5 Aさんの発達課題:配偶者の死や加齢という老年期の課題は、Aさんの不安の背景として理解しておく価値がある。ただし評価の優先順位としては、まだ見えていない本人の状態把握が先になる。

関連論点

  • 連続事例では、次の問で家族会への参加(家族自身の支え)、さらに本人からの電話(本人との関係づくり)へと場面が進む。家族支援→本人支援という流れを意識すると、各問の「この時点で」の判断がしやすい。
  • 家族を通じて本人の状態を評価するときも、家族の話だけで決めつけず、本人と会えたときに改めて見立て直す姿勢が求められる。
  • B精神保健福祉士が最初に行った「傾聴・ねぎらい・関わる意思の表明・情報の整理」は、初回面接(インテーク)の基本動作として押さえておきたい。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題25(精神保健福祉の原理)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題25(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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