宅建の登録講習を、宅建業法16条3項・施行規則10条の5・10条の14と機構・国土交通省の公表資料で整理。受講できる人(宅建業の従業者)、講習と修了試験の基準、免除の有効期間(修了試験合格から3年以内)、試験の申込みとの関係、登録実務講習との違いを解説します。
目次
結論:宅建の登録講習は、宅建業に従事している人(従業者証明書を持つ人)だけが受けられる、国土交通大臣の登録を受けた機関の講習です。講習を修了して修了試験に合格すると、その合格日から3年以内に行われる宅建試験で、5問が免除されます(宅建業法16条3項・同法施行規則10条の14)。試験の申込み時に講習を受講中の人は、登録講習修了者として申し込めません。修了試験に合格し、修了者のデータが機構に届いてから申し込みます。
この記事は、宅建試験を実施する一般財団法人 不動産適正取引推進機構(以下「機構」)の登録講習のページ・宅建試験の概要・FAQ・令和8年度 インターネット申込試験案内(以下「試験案内」)、国土交通省の講習体系の図・登録講習機関一覧、e-Gov法令検索の宅地建物取引業法と同法施行規則だけをもとに、登録講習のしくみを整理したものです。免除される問題の範囲や、免除者の合格率・合格基準点は宅建の5問免除で扱っているため、この記事では登録講習そのものと、試験の申込みとのつながりに絞ります。本サイトは機構・国土交通省とは関係がなく、講習機関の紹介や比較は行いません。
登録講習とは:5問免除の根拠になる講習
登録講習は、宅建業法16条3項に基づく講習です。同項は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習(登録講習)の課程を修了した者について、国土交通省令の定めるところにより試験の一部を免除すると定めています。
免除の内容は、宅建業法施行規則10条の14が決めています。登録講習修了者については、登録講習修了試験に合格した日から三年以内に行われる試験について、同規則8条に掲げる試験すべき事項のうち1号(土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別)と5号(宅地及び建物の需給に関する法令及び実務)が免除されます。出題数でいえば、50問のうち5問が免除され、45問になります(試験案内 第3)。
国土交通省の講習体系の図では、登録講習は「宅建業に従事している者」が受け、「講習修了後3年以内の受験者」の宅建士資格試験の一部免除につながる位置に描かれています。試験に合格してからの手続とは、別の流れです。
登録講習を受けられる人:宅建業の従業者だけ
宅建 登録講習の受講資格:宅地建物取引業に従事している人(従業者証明書(宅建業法48条1項)を持つ人)のみが受講できる。一般の人は受講できない。最終確認日:2026-10-07。出典:不動産適正取引推進機構 登録講習について。
機構は、登録講習を「宅地建物取引業に従事している方(従業者証明書(業法第48条第1項)をお持ちの方)のみ受講することができます。一般の方は受講できません」と案内しています。施行規則10条の5第1号も、登録講習は宅地建物取引業に従事する者に対して行うと定めています。
従業者証明書は、宅建業法48条1項で、宅建業者が従業者に携帯させなければ、その人を業務に従事させてはならないとされている証明書です。宅建業者の従業者として働いているかどうかが、受講できるかどうかの分かれ目になります。
講習と修了試験の基準:施行規則10条の5
登録講習機関が守る実施基準は、施行規則10条の5に並んでいます。受講する側に関わる部分は次のとおりです。
| 内容 | 施行規則10条の5の定め |
|---|---|
| 受講の対象 | 宅地建物取引業に従事する者に対して行う(1号) |
| 実施の頻度 | 登録講習を毎年1回以上行う(2号) |
| 講義 | 講義により行い、講義時間の合計はおおむね50時間。国土交通大臣の定めるところにより、一部を通信の方法で行う場合はこの限りでない(3号) |
| 教材 | 国土交通大臣が定める事項を含む適切な内容の教材を使う(4号) |
| 質問への対応 | 講師は、受講者の質問に講習中に適切に答える(5号) |
| 修了試験 | 国土交通大臣の定めるところにより登録講習修了試験を行い、合格した者(登録講習修了者)に、登録番号・登録講習修了試験に合格した年月日・修了番号を通知する(6号) |
| 修了者の情報の通知 | 修了者の氏名・生年月日と、上の登録番号・合格年月日・修了番号を、国土交通大臣の定めるところにより、都道府県知事(試験事務を指定試験機関が行う場合は指定試験機関)に通知する(7号) |
| 不正な受講の防止 | 不正な受講を防止する措置を講じる(8号) |
修了試験は登録講習機関が行うもので、機構の宅建試験とは別です。講習の日程、受講申込みの時期、費用、通信での受講の可否は、講習機関ごとに違います。国土交通省の登録講習機関一覧には、法16条3項に基づき国土交通大臣の登録を受けた機関が並んでおり、「講習の実施日時、受講申込方法等は、それぞれの登録講習機関にお問い合わせください」と案内されています。
登録講習の受講から修了までの期間:受講申込みから登録講習修了まで2か月以上かかるため、登録講習の受講申込みは早めに行うよう機構が案内している。最終確認日:2026-10-07。出典:不動産適正取引推進機構 登録講習について。
免除はいつまで有効か:修了試験の合格から3年以内
免除が使える試験は、登録講習修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験です(施行規則10条の14)。「講習を受けた日」や「修了証が発行された日」ではなく、修了試験に合格した年月日から数えます。
宅建 令和8年度試験での登録講習の有効期間:令和8年10月18日の試験で登録講習修了者として申し込むには、修了試験合格年月日が試験実施日前3年以内、つまり令和5年10月19日以降であること。最終確認日:2026-10-07。出典:不動産適正取引推進機構 令和8年度 インターネット申込試験案内(第10)。
| 修了試験の合格年月日 | 令和8年10月18日の試験での扱い |
|---|---|
| 令和5年10月19日以降 | 5問免除(登録講習修了者)で申込みできる |
| 令和5年10月18日以前 | 試験実施日前3年以内ではなく、免除の対象にならない |
この例は、試験案内に書かれた令和8年度の基準日です。令和9年度の試験の基準日は、試験日が公表されたあとに、試験日の3年前の日を機構の案内で確認します(機構のFAQ Q2-5でも、修了試験の合格年月日が試験実施日前3年以内かを、まず確認するよう案内されています)。
試験の申込みとの関係:修了者データと入力項目
登録講習と宅建試験の申込みは、次のようにつながっています。
1. 登録講習を受講し、修了試験に合格する
2. 登録講習機関が、修了者のデータを機構に送る
3. 修了者が、宅建試験の申込みで修了試験合格年月日・修了番号・登録講習機関の登録番号を入力する
4. 機構が、登録講習機関から届いたデータと申込者の入力内容を照合し、一致すれば登録講習修了者として申し込める
機構の登録講習のページは、インターネットで登録講習修了者として申し込むには、登録講習を修了していることと、修了者のデータが登録講習機関から機構へ、インターネット申込みの手続までに送られていることが必要だとしています。そのため、各講習日程でインターネット申込みが可能になる時期は、各登録講習機関に確認するよう案内されています。郵送申込みでは、申込書に書いた講習修了の事項が修了者データと一致しなければ、5問免除の申込みは受理されません。
宅建 登録講習修了者としての申込み:令和8年度の試験案内では、申込画面に修了試験合格年月日・修了番号・登録講習機関の登録番号の一部でも入力がないと5問免除にならず一般申込者となる。申込後に登録講習修了者へ変更することはできず、受験手数料も返還されない。講習を受講中の人は、修了の通知を受けてからでないと登録講習修了者として申し込めない。最終確認日:2026-10-07。出典:不動産適正取引推進機構 令和8年度 インターネット申込試験案内(第10)。
申込みの期間・手数料・写真などの手順は宅建の申し込み方法で整理しています。令和8年度の申込みは終了しており、令和9年度の日程は機構が公表した時点で確認します。
登録講習・登録実務講習・法定講習の違い
名前が似ている講習が3つあります。受ける時期と対象で見分けます。
| 講習 | 受ける人 | 受ける時期 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 登録講習 | 宅建業に従事している人 | 宅建試験の前 | 修了試験に合格すると、試験の一部(5問)が免除される |
| 登録実務講習 | 宅建試験に合格した人(実務経験が2年に満たない人) | 試験の合格後、資格登録の前 | 2年以上の実務経験と同等以上の能力を持つと認められ、資格登録の要件を満たす |
| 法定講習 | 宅建士証の交付を受ける人 | 資格登録の後。合格後1年を超えて交付を受ける新規の場合と、5年ごとの更新の場合 | 宅地建物取引士証の交付・更新に必要な講習 |
登録実務講習について、機構は「宅地建物取引士資格試験に合格した方を対象として実施するもので、試験に合格していない方は受講することができません」と案内しています。資格登録ができる人の条件は、宅建業法18条1項と機構の宅地建物取引士資格登録等の手続についてにあります。合格後の流れは、宅建士になるには(流れと費用)で全体を確認できます。
登録講習を受ける前に確認すること
- 自分が宅建業者の従業者として、従業者証明書を持っているか
- 受験する年度の試験日から数えて、修了試験の合格が3年以内に収まるか
- 受講申込みから修了まで2か月以上かかることを見込んだ日程になっているか。インターネット申込みの時期までに、修了者のデータが機構に届くかを講習機関に確認する
- 修了試験合格年月日・修了番号・登録講習機関の登録番号を、修了後に控えているか
- 氏名が変わっている場合は、登録講習修了時の氏名と申込み時の氏名の両方と、同一人であることを示す公的書類を用意できるか
免除されるのは5問だけで、残りの45問は一般の受験者と同じ範囲です。免除を受けるかどうかにかかわらず、権利関係・法令上の制限・宅建業法・税の対策は必要です。
当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題で、各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。
まとめ
- 登録講習は、宅建業法16条3項に基づく、国土交通大臣の登録を受けた機関の講習。修了試験に合格すると、5問(施行規則8条1号・5号)が免除される
- 受講できるのは、宅建業に従事している人(従業者証明書を持つ人)だけ
- 講習は、おおむね50時間の講義と修了試験が基準(施行規則10条の5)。日程・費用・方式は講習機関ごとに違い、受講申込みから修了まで2か月以上かかる
- 免除が使えるのは、修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験。令和8年10月18日の試験では、令和5年10月19日以降の合格が対象だった
- 試験の申込みでは、修了試験合格年月日・修了番号・登録番号を入力する。一部でも欠けると一般申込者になり、変更できない
- 登録実務講習は、試験に合格した人が資格登録のために受ける別の講習
本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構・国土交通省とは関係ありません。掲載している問題は、機構が公表する出題範囲を参照して合格ナビが作成した論点別問題です。登録講習の受講条件・申込みの手順は、必ず機構・国土交通省の公式発表と、受講する登録講習機関の案内で確認してください。
よくある質問
Q登録講習の修了試験に合格した日や修了番号が分からなくなったら、どうしますか?
令和8年度の試験案内(第10)では、修了試験合格年月日・修了番号・登録講習機関の登録番号が分からなくなったときは、受講した登録講習機関に連絡して確認するとされています。この3つは宅建試験の申込画面で入力する項目で、一部でも入力がないと5問免除にならず、一般申込者になります。
Q結婚などで氏名が変わった場合、登録講習修了者として申し込めますか?
申し込めます。機構の試験案内(令和8年度・第10)とFAQ(Q2-5)では、婚姻による改姓などで、申込み時の氏名が登録講習修了時の氏名と異なるときは、申込画面の「修了時の氏」「修了時の名」の欄に修了時の氏名を入力し、同一人であることを証明する公的書類の画像をアップロードするとされています。旧氏名と新氏名の両方と変更の経過が分かる戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)・運転免許証(表面と裏面)・住民票の写しのいずれかが例示されています。以前の申込みで公的書類を出している人も、改めて提出が必要です。
Q登録講習と登録実務講習は、同じ講習ですか?
別の講習です。登録講習は、宅建業に従事している人が試験の前に受け、修了試験に合格すると宅建試験の5問が免除されます(宅建業法16条3項)。登録実務講習は、宅建試験に合格した人が、宅建士の資格登録の要件を満たすために受ける講習で、試験に合格していない人は受講できません。実務経験が2年に満たない人が、2年以上の実務経験と同等以上の能力を持つと認められるための講習です(機構の「宅地建物取引士資格登録等の手続について」のページ)。
Q登録講習は、毎年開かれていますか?
登録講習機関は、登録講習を毎年1回以上行うことが基準とされています(宅建業法施行規則10条の5第2号)。ただし、日程・受講申込みの時期・費用は講習機関ごとに違うため、国土交通省の登録講習機関一覧から各機関に確認します。機構は、受講申込みから修了まで2か月以上かかるため、早めに受講申込みをするよう案内しています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

