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宅建の5問免除とは範囲・条件・合格率を公式データで解説

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

宅建の5問免除(登録講習)を、宅建業法16条3項と施行規則の条文、不動産適正取引推進機構の公表データで整理。免除される問46〜50の範囲、受けられる条件と3年の期限、免除者と一般受験者の合格率・合格基準点の差を表にし、「ずるい」「落ちる」の疑問に数字で答えます。

目次
  1. 5問免除とは:免除の根拠と、免除される範囲
  2. 5問免除の条件:誰が受けられて、いつまで使えるか
  3. 登録講習の中身と「1日コース」「修了試験は難しい?」の見方
  4. 合格率:登録講習修了者と一般受験者の差(公式データ)
  5. 合格基準点は過去10年、修了者の欄がある回はすべて5点差
  6. 「5問免除はずるい」のか:数字で見る
  7. 5問免除でも落ちる:45問の配分と勉強の優先順位
  8. 令和8年度試験の日程と、法令の基準日
  9. まとめ
結論:宅建の5問免除は、宅建業に従事する人が国土交通大臣の登録を受けた機関の「登録講習」を修了し、その修了試験に合格した日から3年以内の宅建試験で、問46〜50の5問が免除される制度です(宅建業法16条3項・同法施行規則10条の14)。試験は45問・1時間50分になり、合格基準点は過去10年、修了者の基準点が示された回はすべて一般受験者よりちょうど5点低くなっています。令和7年度の合格率は、登録講習修了者が24.2%、それ以外の受験者が17.2%でした(不動産適正取引推進機構の公表値と、そこから当サイトが算出した値)。

合格ナビの宅建の論点別問題360問のうち、5問免除の範囲(統計・住宅金融支援機構・景品表示法など)を扱う問題は4問、登録講習の制度そのものを扱う問題は1問です(いずれも税・その他の科目60問の内数、2026-10-02 集計)。土地・建物の分野の問題は、現在の問題データにはありません。これは当サイトの問題データの内訳で、本試験の出題数ではありません。

比べる点一般の受験者登録講習修了者(5問免除)
解く問題問1〜問50(50問)問1〜問45(45問)
試験時間13時〜15時(2時間)13時10分〜15時(1時間50分)
令和7年度の合格基準点50問中33点45問中28点
令和7年度の合格率17.2%(修了者を除いて算出)24.2%
受けるための条件なし(日本国内に居住していれば誰でも)宅建業の従業者が登録講習を修了し、修了試験の合格から3年以内

出典は不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要・同 試験結果の概要(令和7年度)。条文の出典は e-Gov 法令検索です(宅地建物取引業法は2026-09-13取得、同法施行規則は2026-09-30取得の現行条文)。

5問免除とは:免除の根拠と、免除される範囲

根拠は宅建業法16条3項です。同項は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習(登録講習)について「課程を修了した者については、国土交通省令で定めるところにより、試験の一部を免除する」と定めています。

どこが免除されるかは省令(宅建業法施行規則)が決めています。施行規則8条は試験の内容を1号〜7号に分けており、10条の14が「登録講習修了試験に合格した日から三年以内に行われる試験について、第八条に掲げる試験すべき事項のうち同条第一号及び第五号に掲げるものを免除する」としています。

施行規則8条試験すべき事項5問免除
1号土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別免除
2号土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令免除されない
3号土地及び建物についての法令上の制限免除されない
4号宅地及び建物についての税に関する法令免除されない
5号宅地及び建物の需給に関する法令及び実務免除
6号宅地及び建物の価格の評定免除されない
7号宅地建物取引業法及び同法の関係法令免除されない

実際の試験では、この1号・5号の部分が問46〜50にあたります。機構の問題及び正解番号表は、平成16年度以降の登録講習修了者の試験問題を「各年度の問1から問45までの45問」と説明しています。

問46〜50の分野(令和6年度・令和7年度)

機構が公開している試験問題で、問46〜50の分野は両年度とも同じ並びでした。

問分野(令和6年度・令和7年度)
問46独立行政法人住宅金融支援機構
問47不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む)による広告
問48統計(地価公示・建築着工統計など)
問49土地(地形・地盤、擁壁など)
問50建物の構造(令和7年度は構造と材料)

出典:令和7年度 試験問題・令和6年度 試験問題(いずれも不動産適正取引推進機構)。分野は当サイトが各問の書き出しから分類したもので、問題文は掲載していません。

この論点の問題を解く

5問免除の条件:誰が受けられて、いつまで使えるか

5問免除を受けるには、次の3つがそろう必要があります。

  • ① 宅建業に従事していること:登録講習は「宅地建物取引業に従事している方(従業者証明書(業法第48条第1項)をお持ちの方)のみ受講することができます。一般の方は受講できません」とされています(機構 登録講習について)。施行規則10条の5第1号も、登録講習は「宅地建物取引業に従事する者に対して」行うと定めています
  • ② 登録講習を修了し、修了試験に合格すること:施行規則10条の5第6号で、修了試験に合格した者が「登録講習修了者」とされています
  • ③ 修了試験の合格から3年以内の試験であること:施行規則10条の14の「登録講習修了試験に合格した日から三年以内に行われる試験」です

申込みの順番にも決まりがあります。講習を受講している途中では、登録講習修了者として宅建試験に申し込めません。機構は、受講申込みから修了まで2か月以上かかるため早めに受講申込みをするよう案内しています。

「5問免除の裏ワザ」という言い方を見かけますが、これは法律と省令に定められた正規の制度で、利用できるのは宅建業の従業者に限られます。従業者でない人が使える別の方法はありません。

この論点の問題を解く

登録講習の中身と「1日コース」「修了試験は難しい?」の見方

登録講習の基準は施行規則10条の5にあります。講義について「講義時間の合計はおおむね五十時間」とする一方、「国土交通大臣の定めるところにより登録講習の一部を通信の方法により行う場合はこの限りでない」としています。「1日コース」などの日程・形式・費用は講習機関ごとに違うため、国土交通省の登録講習機関一覧から各機関に確認してください。

登録講習機関の数:国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関は24機関(令和8年8月12日現在の一覧)。最終確認日:2026-10-02。出典:国土交通省 登録講習の登録講習機関一覧。

修了試験は登録講習機関が行うもので(施行規則10条の5第6号)、不動産適正取引推進機構と国土交通省の公式ページには修了試験の合格率は掲載されていません。「修了試験は難しいか」は公式の数字では答えられないため、この記事では難易度を書きません。

合格率:登録講習修了者と一般受験者の差(公式データ)

機構は毎年の試験結果の概要で、受験者数・合格者数・合格率の「うち、登録講習修了者」の数を公表しています。全体から修了者を引くと、修了者以外の受験者の合格率が出せます。

年度区分受験者数合格者数合格率
令和7年度全体245,462人45,821人18.7%
令和7年度うち登録講習修了者50,920人12,316人24.2%
令和7年度修了者以外(算出)194,542人33,505人17.2%
令和6年度全体241,436人44,992人18.6%
令和6年度うち登録講習修了者49,337人10,822人21.9%
令和6年度修了者以外(算出)192,099人34,170人17.8%

出典:令和7年度 宅地建物取引士資格試験結果の概要・令和6年度 宅地建物取引士資格試験結果の概要(不動産適正取引推進機構)。「修了者以外」の行は、全体から登録講習修了者を引いて当サイトが計算した値です。

令和7年度 登録講習修了者の合格率:24.2%(受験者50,920人・合格者12,316人。全体は18.7%)。最終確認日:2026-10-02。出典:不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要。

差は令和7年度で7.0ポイント、令和6年度で4.1ポイントでした。受験率(申込者のうち実際に受験した人の割合)も、令和7年度は全体80.2%に対して登録講習修了者89.5%と高くなっています。試験全体の合格率の推移は宅建の合格率の分析で扱っています。

合格基準点は過去10年、修了者の欄がある回はすべて5点差

機構の試験実施概況には、一般受験者と登録講習修了者の合格基準点が並んでいます。

年度一般受験者登録講習修了者
令和7年度50問中33点45問中28点
令和6年度50問中37点45問中32点
令和5年度50問中36点45問中31点
令和4年度50問中36点45問中31点
令和3年度(10月)50問中34点45問中29点
令和3年度(12月)50問中34点掲載なし(「-」)
令和2年度(10月)50問中38点45問中33点
令和2年度(12月)50問中36点45問中31点
令和元年度50問中35点45問中30点
平成30年度50問中37点45問中32点
平成29年度50問中35点45問中30点
平成28年度50問中35点45問中30点

出典:不動産適正取引推進機構 試験実施概況(令和7年度以前10年間)。

令和7年度の合格基準点:一般受験者は50問中33点、登録講習修了者は45問中28点。最終確認日:2026-10-02。出典:不動産適正取引推進機構 試験実施概況(令和7年度以前10年間)。

基準点の差が5点ということは、数字の上では、一般受験者が問46〜50を5問とも正解した場合と同じ水準の点を、問1〜45で取ることが求められているということです。問1〜45は一般受験者と同じ問題で、試験時間は10分短い1時間50分です(1問あたりに換算すると、一般受験者の2時間・50問とほぼ同じです)。

「5問免除はずるい」のか:数字で見る

5問免除が有利かどうかは、感じ方ではなく公表値で確認できます。令和7年度の数字は次のとおりです。

  • ① 合格率:登録講習修了者24.2%、修了者以外17.2%で、修了者のほうが7.0ポイント高い
  • ② 人数の比率:受験者に占める修了者は20.7%、合格者に占める修了者は26.9%(いずれも公表値から算出)
  • ③ 不合格者:修了者50,920人のうち38,604人(75.8%)は不合格(受験者数から合格者数を引いて算出)

制度の側から見ると、免除は誰でも選べる受け方ではなく、宅建業の従業者が登録講習(講義はおおむね50時間が基準)を修了し、修了試験に合格したうえで、3年以内の試験に限って受けられるものです。残る45問は一般受験者と同じ問題で、合格基準点も5問分だけ下がる設定です。有利かどうかの判断は、上の数字とこの条件を合わせて見るのが正確です。

5問免除でも落ちる:45問の配分と勉強の優先順位

5問免除で受験しても、令和7年度は修了者の4人に3人が不合格でした。免除されるのは問46〜50だけで、権利関係・法令上の制限・宅建業法・税などの問1〜45は一般受験者と共通です。

令和7年度の基準点は45問中28点で、問1〜45の6割強の正解が必要でした。勉強時間を数字で示した公式資料はないため、この記事では時間の目安は書きません。配分を考えるときは、45問のどこで得点するかを科目ごとに決めるのが現実的です。

科目の攻略は宅建業法の攻略、試験全体の流れは宅建士になるには(流れと費用)にまとめています。

令和8年度試験の日程と、法令の基準日

宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(機構 宅建試験の概要)。令和8年度試験は2026年4月1日現在の法令で出題されます。

令和8年度 宅建試験の試験日時:2026年10月18日(日)13時〜15時(登録講習修了者は13時10分〜15時)。合格発表は2026年11月25日(水)。最終確認日:2026-10-02。出典:不動産適正取引推進機構 宅建試験のスケジュール。
宅建試験の受験手数料:8,200円。最終確認日:2026-10-02。出典:不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要。

当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。

まとめ

  • 5問免除は宅建業法16条3項・施行規則10条の14に基づく制度で、施行規則8条1号・5号(問46〜50)が免除される
  • 受けられるのは宅建業の従業者で、登録講習を修了し修了試験に合格した日から3年以内の試験に限られる。講習の受講中は修了者として申し込めない
  • 試験は問1〜45の45問、13時10分〜15時の1時間50分
  • 合格基準点は過去10年、修了者の欄がある回はすべて一般受験者より5点低い
  • 令和7年度の合格率は修了者24.2%、修了者以外17.2%。一方で修了者の75.8%は不合格だった

よくある質問

Q登録講習を受講している途中でも、5問免除で宅建試験に申し込めますか?

申し込めません。不動産適正取引推進機構は「試験の申込み時に、講習を受講中の方は、登録講習修了者として申し込むことはできません」としています。登録講習修了試験に合格し、修了者のデータが登録講習機関から機構に送られた後に申し込みます。受講申込みから修了まで2か月以上かかるため、早めの受講申込みが案内されています。

Q宅建業の会社に勤めていない人でも登録講習を受けられますか?

受けられません。登録講習を受講できるのは、宅地建物取引業に従事していて従業者証明書(宅建業法48条1項)を持っている人だけで、機構は「一般の方は受講できません」と明記しています。施行規則10条の5第1号も、登録講習は宅地建物取引業に従事する者に対して行うと定めています。

Q5問免除は登録講習の修了試験に合格してから何年使えますか?

修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験です(宅建業法施行規則10条の14)。3年を過ぎた後の試験は免除の対象にならず、50問で受験します。申込みの前に、修了試験の合格年月日が試験日前3年以内かを確認するよう機構のFAQでも案内されています。

Q5問免除の受験者は、試験問題のどこからどこまでを解きますか?

問1から問45までの45問です。機構の問題・正解番号表のページは、登録講習修了者の試験問題は「各年度の問1から問45までの45問」と説明しています。問題冊子にも、問46から問50までは登録講習修了者は解答しないよう注記されています。

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