宅建業法の攻略法を、令和7年度の問題冊子の問26〜45(20問)を論点ごとに数えた表と、合格ナビの宅建業法140問の論点別の件数で示します。免許・宅建士・保証金から、媒介・重要事項の説明・37条書面、8種制限・報酬・業務上の規制・監督処分まで、覚える順番と要点の数字を条文で整理しています。
目次
結論:宅建業法は、令和7年度の問題冊子で数えると問26〜45の20問で、重要事項の説明と業務上の規制が3問ずつと最も多く出ました。免許・宅建士・保証金で業者の仕組みを固め、媒介から37条書面までを取引の流れで覚え、8種制限と報酬の数字は表で覚えると、論点どうしのつながりで覚えられます。
「宅建法」と呼ばれるのも、この宅地建物取引業法(宅建業法)のことです。このページは、出る論点の数と覚える順番をまとめ、各論点は要点の数字と条文だけに絞っています。
宅建業法はどう攻略するか:20問の論点と、点を取る順番
令和7年度の20問では、重要事項の説明と業務上の規制が3問ずつと最も多く、免許・37条書面・8種制限が2問ずつでした。
令和7年度の問題冊子で、問26から問45までの20問を、主な論点で分けました。問題文は載せず、論点だけを数えています。RETIO は科目別の問題数を公表していないので、これは合格ナビが冊子から数えた値です。
合格ナビの問題データ(宅建業法・140問・集計日 2026-10-29)も、同じ論点で並べました。左が「令和7年度に出た数」、右が「合格ナビで練習できる数」です。
| 論点 | 令和7年度の主な論点の数 | 問題番号 | 合格ナビの問題数 |
|---|---|---|---|
| 免許 | 2問 | 問34・問41 | 15問 |
| 宅建士の登録・宅建士証 | 1問 | 問42 | 10問 |
| 営業保証金・弁済業務保証金 | 1問 | 問35 | 11問 |
| 媒介契約 | 1問 | 問39 | 14問 |
| 重要事項の説明(35条) | 3問 | 問27・問37・問43 | 15問 |
| 37条書面(35条との比較を含む) | 2問 | 問29・問33 | 15問 |
| 8種制限 | 2問 | 問32・問40 | 14問 |
| 業務上の規制(広告・勧誘・従業者など) | 3問 | 問31・問36・問38 | 16問 |
| 報酬額の制限 | 1問 | 問26 | 15問 |
| 監督処分・罰則 | 0問(問28・問38の選択肢の中で出た) | — | 15問 |
| 複数の論点にまたがる | 2問 | 問28・問30 | — |
| 関係法令(犯罪収益移転防止法・住宅瑕疵担保履行法) | 2問 | 問44・問45 | 合格ナビの宅建業法の区分にはない |
| 合計 | 20問 | 問26〜問45 | 140問 |
出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)『令和7年度 宅地建物取引士資格試験 問題』、合格ナビの問題データ(宅建・本番の問題データベースを集計・2026-10-29)。論点の分け方は合格ナビによるもので、1問は主な論点1つに数えています。
1年分の数なので、毎年同じ配分になるとは限りません。表から言えるのは、重要事項の説明・37条書面・媒介を合わせると6問になり、取引の流れに沿った論点だけで20問の3割を占めたことです。
覚える順番は、宅建業者の仕事の流れにたとえると整理できます。
1. 開業まで:免許を受け、宅建士を置き、保証金を供託するか保証協会に入る
2. 取引:媒介契約を結び、契約の前に重要事項を説明し、契約の後に37条書面を交付する
3. 自ら売主になるとき:8種制限と手付金等の保全措置
4. お金と行為のルール:報酬の上限、広告・勧誘の規制、違反したときの監督処分
問28・問30のように1問で複数の論点を問う問題もあるので、流れの前後をつなげて覚えておくと選択肢を切り分けやすくなります。
法令の基準日:宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているもの(令和8年度試験は2026年4月1日現在)。宅建業法と施行令は、2026-10-29の時点で2026年4月1日の版が現行版です。最終確認日:2026-10-29。出典:RETIO 宅建試験の概要、e-Gov法令検索 宅地建物取引業法。
免許と宅建士:開業までに覚える数字
宅建業を営むには、免許が要ります(3条1項)。免許は、事務所を置く範囲で免許権者が決まります。
| 論点 | 条文 | 要点 |
|---|---|---|
| 免許権者 | 3条1項 | 2以上の都道府県に事務所を置くときは国土交通大臣、1つの都道府県だけに置くときはその都道府県知事 |
| 有効期間と更新 | 3条2項、施行規則3条 | 有効期間は5年。更新の申請は、有効期間の満了の日の90日前から30日前までの間 |
| 廃業等の届出 | 11条1項 | その日(死亡は相続人が事実を知った日)から30日以内に、免許権者に届け出る |
| 専任の宅建士 | 31条の3、施行規則15条の5の3 | 事務所は業務に従事する者の5分の1以上、契約を結ぶか申込みを受ける案内所などは1以上の、成年者である専任の宅建士を置く。足りなくなったら2週間以内に必要な措置を執る |
| 宅建士の登録 | 18条1項 | 試験に合格し、国土交通省令で定める期間以上の実務の経験がある者などは、試験を行った都道府県知事の登録を受けられる |
| 宅建士証 | 2条4号、22条の2 | 宅建士とは、宅建士証の交付を受けた者。宅建士証の有効期間は5年 |
宅建士は、合格しただけでは名乗れません。合格、登録、宅建士証の交付の3段階を経て、宅建士になります(2条4号)。
欠格事由や免許換えは宅建の免許、専任の宅建士の数え方は専任の宅建士、登録の手続は宅建士の登録申請で扱っています。
営業保証金と保証協会:2つの制度の金額
宅建業者は、営業保証金を供託するか、宅建業保証協会の社員になって弁済業務保証金分担金を納めます。どちらも、取引の相手方が損害を受けたときの弁済の原資です。
| 制度 | 納付・供託先 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 営業保証金 | 主たる事務所のもよりの供託所に供託 | 主たる事務所1,000万円、その他の事務所ごとに500万円 | 25条1項、施行令2条の4 |
| 弁済業務保証金分担金 | 宅建業保証協会に納付(協会に加入しようとする日までに) | 主たる事務所60万円、その他の事務所ごとに30万円 | 64条の9第1項、施行令7条 |
- 営業保証金の例:主たる事務所と支店3か所なら、1,000万円+500万円×3=2,500万円です
- 営業保証金を供託したら、免許権者に届け出ます。その届出をした後でなければ、事業を開始できません(25条4項・5項)
- 保証協会の社員が新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に分担金を納付します(64条の9第2項)
営業保証金・弁済業務保証金分担金の額:営業保証金は主たる事務所1,000万円・その他の事務所ごとに500万円、分担金は主たる事務所60万円・その他の事務所ごとに30万円。最終確認日:2026-10-29。出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行令2条の4・7条。
取戻しや還付の手続は、宅建の営業保証金で条文ごとに整理しています。
媒介契約・重要事項の説明・37条書面:取引の流れで覚える
取引は、媒介契約、重要事項の説明、契約の成立、37条書面の交付の順に進みます。令和7年度は、この3つの論点で6問が出ました。
媒介契約の3種類(34条の2)
| 種類 | 有効期間 | 他の業者への依頼 | 自己発見取引 | 指定流通機構への登録 | 業務の報告 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 法律上の上限なし | できる | できる | 法律上の義務なし | 法律上の定期報告の義務なし |
| 専任媒介 | 3か月以内 | できない | できる | 契約締結の日から7日以内 | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | 3か月以内 | できない | できない | 契約締結の日から5日以内 | 1週間に1回以上 |
- 3か月より長い期間を定めたときは、その期間は3か月になります(34条の2第3項)
- 登録の期間には、休業日数を算入しません(施行規則15条の10)
- 売買等の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告します(34条の2第8項)。一般媒介契約にも当てはまります
35条と37条:契約の前と後
重要事項の説明は、契約が成立するまでの間に、宅建士が宅建士証を示して行います(35条1項・4項)。37条書面は、契約が成立したときに遅滞なく交付する書面です(37条1項)。どちらの書面にも宅建士が記名します(35条5項・37条3項)。
記載事項の比べ方は宅建業法35条・37条書面の違い、媒介契約の書面と特約は媒介契約とは(宅建)で扱っています。
- 業務処理状況の報告義務(問38)
- 指定流通機構への登録義務と期限(問39)
- 媒介契約の有効期間と更新(問40)
- 重要事項の説明のタイミングと方法(問52)
- 35条書面の記載事項・物件に関する事項(問53)
- 建物の貸借の35条書面(問58)
- 37条書面の交付義務(問66)
- 35条書面と37条書面の比較(問71)
8種制限と手付金等の保全措置:自ら売主のときの数字
8種制限は、宅建業者が自ら売主になり、宅建業者でない買主と契約するときの制限です。宅建業者どうしの取引には適用されません(78条2項)。8つの制限の一覧と要件は、宅建の8種制限にまとめています。
数字で問われやすいのが、手付金等の保全措置です。
| 物件 | 保全措置が不要となる場合 | 保全の方法 |
|---|---|---|
| 工事完了前(未完成物件) | 受領しようとする手付金等(すでに受領した分を含む)が、代金の5%以下で、かつ1,000万円以下(41条1項ただし書) | 銀行等の連帯保証、保険事業者の保証保険のいずれか(41条1項各号) |
| 工事完了後(完成物件) | 受領しようとする手付金等が、代金の10%以下で、かつ1,000万円以下(41条の2第1項ただし書) | 銀行等の連帯保証・保証保険のいずれか、または、指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約をいずれも講じる(41条の2第1項) |
買主への所有権移転の登記がされたときなども、保全措置は要りません(各条のただし書)。保全措置を講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができます(41条4項・41条の2第5項)。
手付金等の保全措置が不要となる政令の額:1,000万円。最終確認日:2026-10-29。出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行令3条の5。
報酬・業務上の規制・監督処分:業者の行為のルール
業者の行為のルールは、報酬の上限(46条)、広告や勧誘などの業務上の規制(32条〜48条)、違反したときの監督処分(65条・66条・68条)の3つです。
報酬の上限(46条・報酬告示)
宅建業者が代理・媒介で受け取れる報酬の額は、国土交通大臣の定めによります(46条1項)。その額を超えて受け取ってはなりません(同2項)。
報酬告示は、課税事業者の売買の媒介について、消費税等相当額を含む上限を次の率で定めています。代金の額は、消費税等相当額を含まない額で計算します。
| 売買代金(消費税等相当額を含まない額) | 依頼者の一方から受けられる上限 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5.5% |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4.4% |
| 400万円超の部分 | 3.3% |
- 例:3,000万円の売買の媒介。200万円×5.5%=11万円、200万円×4.4%=8万8,000円、2,600万円×3.3%=85万8,000円で、合計105万6,000円
- 検算:400万円を超える部分を同じ率と見て、3,000万円×3.3%=99万円に、差額の6万6,000円を足しても105万6,000円
- 代理は、媒介の計算で出した額の2倍以内です。売買の相手方からも報酬を受けるときは、代理の依頼者から受ける額との合計が2倍以内です(告示第三)
貸借の媒介は、依頼者の双方から受ける合計が、借賃の1か月分の1.1倍以内です(告示第四)。居住用建物の賃貸借の媒介では、依頼者の承諾がなければ、一方から受ける額は1か月分の0.55倍以内です。低廉な空家等の特例など、詳しい計算は宅建の報酬計算にまとめています。
報酬告示:令和6年6月21日国土交通省告示第949号による改正(令和6年7月1日施行)が現行版。最終確認日:2026-10-29。出典:国土交通省 報酬告示(令和6年7月1日以降の版)。
業務上の規制(32条〜48条)
| 規制 | 条文 | 要点 |
|---|---|---|
| 誇大広告等の禁止 | 32条 | 所在・規模・形質や利用の制限などについて、著しく事実に相違する表示などをしてはならない |
| 広告の開始時期の制限 | 33条 | 工事の完了前は、開発許可・建築確認などの処分があった後でなければ広告できない |
| 取引態様の明示 | 34条 | 広告をするときと、注文を受けたときに、自ら当事者か、代理か、媒介かを明らかにする |
| 業務に関する禁止事項 | 47条・47条の2 | 重要な事項の不告知・不実告知や、勧誘のときの禁止行為 |
| 従業者証明書・従業者名簿 | 48条 | 従業者に証明書を携帯させ、取引の関係者の請求があれば提示する。事務所ごとに従業者名簿を備える |
47条の3つの禁止は、宅建業法47条とはで扱っています。
監督処分(65条・66条・68条)
違反したときの処分は、軽い順に3段階です。
| 処分 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 指示処分 | 65条1項 | 免許権者が、必要な指示をする |
| 業務停止処分 | 65条2項 | 1年以内の期間を定めて、業務の全部または一部の停止を命ずる |
| 免許の取消し | 66条 | 66条1項に当たるときは、取り消さなければならない |
業務を行った都道府県の知事も、他の免許権者の免許を受けた業者に、指示や業務停止を命ずることができます(65条3項・4項)。ただし、免許を取り消せるのは免許をした大臣または知事だけです(66条)。
宅建士には、登録をしている都道府県知事が、必要な指示をしたり、1年以内の期間を定めて宅建士としての事務を禁止したりできます(68条1項・2項)。他の都道府県知事の登録を受けた宅建士が、その都道府県の区域内で同じ行為をしたときは、その区域の知事も指示や事務の禁止ができます(68条3項・4項)。
- 媒介報酬の計算・告示第二(問98)
- 賃貸借の媒介の報酬(問97)
- 売買の媒介の報酬の計算(問103)
- 広告の規制(問111)
- 取引態様の明示(問112)
- 従業者証明書と従業者名簿(問125)
- 業務停止処分(問127)
- 免許取消処分の事由(問128)
宅建業法は、取引の流れの順に問題で確かめよう
宅建業法の20問は、免許・宅建士・保証金、媒介から37条書面まで、8種制限と報酬、業務上の規制と監督処分の順に覚えると、論点どうしがつながります。令和7年度に3問ずつ出た重要事項の説明と業務上の規制から始めるのもよい方法です。合格ナビの論点別問題で、条文の数字を1問ずつ確かめましょう。
参考:e-Gov法令検索『宅地建物取引業法』『宅地建物取引業法施行令』『宅地建物取引業法施行規則』(いずれも2026-10-29の現行版)
参考:不動産適正取引推進機構『宅建試験の概要』『令和7年度 宅地建物取引士資格試験 問題』
参考:国土交通省『宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額』
合格ナビは、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)とは関係ありません。掲載している問題は、過去の出題論点をもとに合格ナビが作成した問題で、公式の試験問題ではありません。
よくある質問
Q「宅建法」という法律はありますか?
「宅建法」という名前の法律は、e-Gov 法令検索に載っていません。一般には、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。e-Gov の略称は宅建業法)を指して使われる言い方です。宅地建物取引士(宅建士)に関する規定も、この法律の中にあります。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

