宅建士

宅建の免許とは宅建業免許の欠格事由・有効期間・免許換えと宅建士登録との違い

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

宅建の「免許」は宅建業を営む会社・個人事業主が受けるもので、宅建士個人の「登録」とは別の制度です。大臣免許と知事免許、欠格事由15号、有効期間5年と更新、免許換え・届出の期限、免許番号と業者の検索方法を2026年4月施行の条文で整理し、論点別問題へつなげます。

目次
  1. 宅建業の「免許」と宅建士の「登録」の違い(比較表)
  2. 免許が必要な人・いらない人(宅建業とは)
  3. 大臣免許と知事免許:事務所の数え方と申請先
  4. 免許の欠格事由(5条1項)一覧
  5. 有効期間5年と更新の手続
  6. 免許換え・変更の届出・廃業等の届出
  7. 免許番号の見方と、宅建業者の検索方法
  8. 免許の取消し:取り消さなければならない場合と、取り消すことができる場合
  9. 宅建士バッジ(宅建士バッチ)は法律で決まっているか:宅建士証と従業者証明書
  10. 宅建士の独立・開業:資格とは別に免許・営業保証金・専任の宅建士が要る
  11. 試験での問われ方と、令和8年度試験の法令基準
  12. まとめ
結論:宅建の「免許」は、宅地建物取引業(宅建業)を営む会社や個人事業主が受けるものです。事務所が2以上の都道府県にあれば国土交通大臣、1つの都道府県内だけならその都道府県知事の免許で(宅建業法3条1項)、有効期間は5年です(3条2項)。欠格事由(5条1項1号〜15号)に1つでも当たると免許を受けられません。宅建士の資格は、個人が試験に合格して受ける「登録」(18条)と宅建士証の制度で、免許とは別のものです。

合格ナビの宅建の論点別問題360問(宅建業法140問)のうち、小分類「宅建業の意味と免許」が15問、「宅建士の登録」が10問です(2026-10-02 集計)。これは当サイトの問題データの内訳で、本試験の出題数ではありません。

条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-02 時点の現行条文。宅地建物取引業法・同法施行令・同法施行規則)。3つとも2026年4月1日施行の改正を反映した版で、e-Gov 上、それより後に施行される改正版は登録されていません(2026-10-02 時点)。

「宅建士バッジ」と「宅建士の独立・開業」を調べている人向けに、前者は「宅建士バッジ(宅建士バッチ)は法律で決まっているか」、後者は「宅建士の独立・開業」の見出しに、条文で言えることだけをまとめています。結論だけ先に書くと、バッジという語は宅建業法の条文になく、独立・開業には資格とは別に免許・営業保証金(または保証協会への加入)・専任の宅建士が要ります。

宅建業の「免許」と宅建士の「登録」の違い(比較表)

「宅建の免許」と言うとき、法律上の免許は宅建業者が受けるものだけです。宅建士は「登録」を受け、宅建士証の交付を受けた人を指します(2条4号)。試験で取り違えやすいので、先に並べておきます。

比べる点宅建業の免許宅建士の登録
受ける人宅建業を営もうとする者(法人・個人)(3条1項)試験に合格し、2年以上の実務経験または登録実務講習の修了などの要件を満たす個人(18条1項、施行規則13条の15・13条の16)
与える人国土交通大臣、または事務所の所在地の都道府県知事(3条1項)試験を行った都道府県知事(18条1項)
有効期間5年。続けるには更新(3条2項・3項)18条に有効期間の定めはない。5年の有効期間があるのは宅建士証(22条の2第3項)
欠格事由5条1項1号〜15号18条1項1号〜12号
未成年者営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、法定代理人が欠格事由に当たるときに免許を受けられない(5条1項11号)宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、それだけで登録を受けられない(18条1項1号)
管轄が変わるとき免許換え。新しい免許権者の免許を受けると、従前の免許は効力を失う(7条1項)登録の移転。他の都道府県の業者の事務所で働くとき、申請することが「できる」(19条の2)
内容が変わったとき商号・役員・事務所・専任の宅建士の氏名などは30日以内に届出(9条1項)遅滞なく変更の登録を申請(20条)
廃業・死亡など30日以内に廃業等の届出(11条1項)30日以内に死亡等の届出(21条)
監督処分指示・業務停止(65条)、免許取消し(66条)指示・事務禁止(68条)、登録消除(68条の2)

宅建士の資格を持っていても、免許がなければ宅建業を営むことはできません(12条1項)。反対に、免許の要件に「本人が宅建士であること」はありませんが、事務所ごとに成年者である専任の宅建士を置く必要があり、これを欠く者は免許を受けられません(5条1項15号・31条の3)。宅建士個人の仕事と専任の宅建士の人数の数え方は「宅建で何ができる?独占業務と専任の宅建士」で扱っています。

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免許が必要な人・いらない人(宅建業とは)

免許が要るのは「宅地建物取引業」を営む者です。宅建業法2条2号は、宅建業を「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」と定めています。

取引の形自ら当事者として代理・媒介として
売買宅建業に当たる宅建業に当たる
交換宅建業に当たる宅建業に当たる
貸借当たらない(2条2号に入っていない)宅建業に当たる

自分のマンションを自ら貸すだけなら、2条2号の行為に入らないため免許は要りません。どこからが「業として」に当たるかの数の基準は、条文には書かれていません。

「宅地」には、建物の敷地に使われる土地のほか、都市計画法の用途地域内の土地(道路・公園・河川と、政令で定める広場・水路の用に供されているものを除く)も含まれます(2条1号、施行令1条)。

免許の規定が適用されない者もいます。

  • 国と地方公共団体には宅建業法の規定が適用されません(78条1項)
  • 信託業法の免許を受けた信託会社(政令で定めるものを除く)には3条〜7条などの免許の規定が適用されません。宅建業を営もうとするときは国土交通大臣に届け出る必要があり、国土交通大臣の免許を受けた宅建業者とみなされます(77条1項〜3項)

免許を受けずに宅建業を営むこと(12条1項)、免許を受けた業者が自分の名義で他人に宅建業を営ませること(13条1項)、不正の手段で免許を受けることは、どれも「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金」またはその併科の対象です(79条1号〜3号)。無免許の者は、宅建業を営む旨の表示や広告もしてはいけません(12条2項)。

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大臣免許と知事免許:事務所の数え方と申請先

免許権者は事務所の所在で決まります。

事務所の置き方免許権者根拠
2以上の都道府県の区域内に事務所を設置国土交通大臣3条1項
1の都道府県の区域内にのみ事務所を設置その事務所の所在地を管轄する都道府県知事3条1項

ここでいう「事務所」は、施行令1条の2が定めています。

  • 本店または支店(商人以外の者は、主たる事務所または従たる事務所)
  • 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くもの

3条1項は事務所の所在で免許権者を分けているだけで、取引できる地域を限る規定はありません。知事免許の業者が他の都道府県の物件を扱うこと自体は、3条の問題ではありません。

免許申請書は、3条1項と同じ区分で国土交通大臣か都道府県知事に提出します(4条1項)。申請書には商号、役員と政令で定める使用人(事務所の代表者である使用人。施行令2条の2)の氏名、事務所の名称と所在地、事務所ごとの専任の宅建士の氏名などを書き(4条1項1号〜6号)、「事務所を使用する権原に関する書面」なども添付します(施行規則1条の2第1項3号)。国土交通省の案内では、申請は紙の郵送か、国土交通省の手続システム eMLIT からのオンライン提出で、窓口で受け付ける免許行政庁もあります(国土交通省 宅地建物取引業の免許について)。

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免許の欠格事由(5条1項)一覧

国土交通大臣または都道府県知事は、申請者が次のいずれかに当たる場合、または申請書・添付書類の重要な事項に虚偽の記載があり、もしくは「重要な事実の記載が欠けている場合」は、免許をしてはなりません(5条1項柱書)。

号欠格事由(要約)期間
1号破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者復権まで
2号不正の手段による免許取得、業務停止の事由に当たり情状が特に重いこと、業務停止処分への違反(66条1項8号・9号)で免許を取り消された者。法人のときは、聴聞の期日・場所の公示の日前60日以内に役員だった者を含む取消しの日から5年
3号2号の取消処分の聴聞の公示後、処分の日(または処分しないと決める日)までに解散・廃業の届出をした者(相当の理由がある者を除く)届出の日から5年
4号3号の期間内に合併で消滅した法人、または解散・廃業の届出をした法人(相当の理由がある法人を除く)の、公示の日前60日以内の役員消滅・届出の日から5年
5号拘禁刑以上の刑に処せられた者刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年
6号宅建業法・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(一部の規定を除く)の違反、または刑法204条・206条・208条・208条の2・222条・247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪で罰金の刑に処せられた者刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年
7号暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(暴力団員等)5年
8号免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者申請前5年以内の行為
9号宅建業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者―
10号心身の故障により宅建業を適正に営むことができない者として省令で定めるもの―
11号営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人(法人のときはその役員を含む)が1号〜10号に当たるもの―
12号法人で、役員または政令で定める使用人に1号〜10号に当たる者がいるもの―
13号個人で、政令で定める使用人に1号〜10号に当たる者がいるもの―
14号暴力団員等がその事業活動を支配する者―
15号事務所について31条の3(専任の宅建士の設置)の要件を欠く者―

読むときの注意点は3つです。

  • ① 罰金で欠格になるのは6号に挙げた法律・罪だけです。拘禁刑以上なら罪の種類を問いません(5号)
  • ② 10号の省令は「精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」です(施行規則3条の2)。成年被後見人であることなどの身分そのものは、号に挙がっていません
  • ③ 免許を取り消されたこと自体を理由に「取消しの日から5年」の欠格期間がつくのは、2号の「66条1項8号・9号に該当することにより」取り消された場合だけです。ほかの理由で取り消された場合は、その原因(たとえば5号の拘禁刑)が今も欠格事由に当たるかどうかで判断します

免許の欠格事由と、登録の欠格事由の違い

宅建士の登録(18条1項)にも、破産者で復権を得ない者・拘禁刑以上の刑から5年・特定の罰金刑から5年・暴力団員等・心身の故障などの欠格事由があり、免許とよく似ています。違いは次のとおりです。

欠格事由免許(5条1項)登録(18条1項)
未成年者法定代理人が欠格のときだけ(11号)営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、それだけで欠格(1号)
申請前5年以内の不正・著しく不当な行為あり(8号)なし
不正・不誠実な行為のおそれが明らかあり(9号)なし
暴力団員等による事業活動の支配・事務所の要件あり(14号・15号)なし
登録消除の処分から5年などなしあり(9号〜11号)

免許と登録の号の対応表、5つの箱に分ける覚え方、執行猶予がついたときの読み方は、宅建の欠格事由の覚え方|免許(5条)と登録(18条)の号の対応・執行猶予・5年の数え方で整理しています。

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有効期間5年と更新の手続

項目内容根拠
有効期間5年3条2項
更新が必要な人有効期間の満了後も引き続き宅建業を営もうとする者3条3項
更新の申請期間有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出施行規則3条
満了日までに処分がないとき従前の免許は、満了後も処分がされるまでの間は効力を有する3条4項
更新後の有効期間従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算3条5項

免許には、宅建業の適正な運営と取引の公正を確保するため必要な最小限度の条件を付けることができ(3条の2)、条件に違反すると免許を取り消すことができます(66条2項)。

国土交通大臣の免許の新規は登録免許税(登録免許税法 別表第一 第百四十七号)、更新は政令の手数料(施行令2条)を納めます(3条6項)。都道府県知事の免許の手数料は、各都道府県の条例で定められています。

国土交通大臣免許の登録免許税・更新手数料:新規の登録免許税9万円、更新の手数料3万3千円(eMLIT によるオンライン申請は2万6千5百円)。都道府県知事免許は各都道府県の条例による。最終確認日:2026-10-02。出典:国土交通省 宅地建物取引業の免許について(R8.1.1現在)。
国土交通大臣免許の標準処理期間:新規・更新とも、おおむね90日程度。最終確認日:2026-10-02。出典:国土交通省 宅地建物取引業の免許について。

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免許換え・変更の届出・廃業等の届出

事業の形が変わったときの手続と期限を、条文ごとにまとめます。

場面すること期限・効果根拠
大臣免許の業者が1の都道府県内にのみ事務所を有することになった免許換え(その知事の免許を受ける)新しい免許を受けると従前の免許は効力を失う7条1項1号
知事免許の業者がその県の事務所を廃止し、他の1の都道府県に事務所を設置する免許換え(移転先の知事の免許)同上7条1項2号
知事免許の業者が2以上の都道府県に事務所を有することになった免許換え(国土交通大臣の免許)同上7条1項3号
商号、役員・政令使用人の氏名、事務所の名称・所在地、専任の宅建士の氏名が変わった変更の届出30日以内9条1項(4条1項1号〜5号)
免許証の記載事項が変わった免許証の書換え交付の申請変更の届出と併せて施行規則4条の2
業者が死亡した相続人が届出死亡の事実を知った日から30日以内11条1項1号
法人が合併で消滅したその法人を代表する役員であった者が届出30日以内11条1項2号
破産手続開始の決定があった破産管財人が届出30日以内。届出で免許は効力を失う11条1項3号・2項
合併・破産以外の理由で法人が解散した清算人が届出30日以内。届出で免許は効力を失う11条1項4号・2項
宅建業を廃止した個人、または法人を代表する役員が届出30日以内。届出で免許は効力を失う11条1項5号・2項

免許換えの申請中に従前の免許の満了日が来ても、新しい免許の処分があるまでは従前の免許が効力を有します(7条2項で3条4項を準用)。4条1項6号の「他に行っている事業の種類」は、9条の届出の対象に入っていません。

免許換えをしたとき、廃業等の届出をするとき、免許を取り消されたときは、免許証を返納します(施行規則4条の4)。有効期間の満了、廃業等による失効、死亡・合併による消滅、免許の取消しのあとも、業者であった者やその一般承継人は、その業者が結んだ契約に基づく取引を結了する目的の範囲内では、なお宅建業者とみなされます(76条)。

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免許番号の見方と、宅建業者の検索方法

国土交通省と都道府県は宅建業者名簿を備え、免許証番号と免許の年月日、商号、役員の氏名、事務所の名称・所在地、過去の指示・業務停止の処分の年月日と内容などを登載します(8条1項・2項)。名簿は一般の閲覧に供されます(10条、施行規則5条)。

宅建業者は、事務所ごとに公衆の見やすい場所に標識(業者票)を掲げなければなりません(50条1項。事務所の標識の様式は施行規則19条2項1号の別記様式第九号)。東京都の手引に載っている業者票の例では、免許証番号の欄は「国土交通大臣・知事( )第 号」の形で、免許権者・括弧内の数字・番号を書くようになっています(東京都 宅地建物取引業免許申請の手引 37ページ)。

免許換えをすると、免許証番号は変わります。東京都の手引は、免許換えについて「免許証番号は、新しい番号となります(括弧内更新数字も1となります。)。」と案内しています(東京都 宅地建物取引業免許申請の手引 14ページ)。

業者の免許を確かめるときは、国土交通省の「宅地建物取引業者 検索」が使えます。商号または名称(カナ・漢字)、免許番号(免許行政庁と番号)、所在地で検索でき、国土交通大臣が免許をした業者と都道府県知事が免許をした業者の情報が掲載されています。

免許証番号は、宅建士の側にも関係します。宅建業者の業務に従事する宅建士は、資格登録簿に勤務先の「宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号」が登載され(施行規則14条の2の2第1項5号)、変わったときは遅滞なく変更の登録を申請します(20条)。また、クーリングオフ(37条の2)を告げる書面には、売主である宅建業者の免許証番号を書きます(施行規則16条の6第2号。詳しくは「宅建の8種制限」)。

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免許の取消し:取り消さなければならない場合と、取り消すことができる場合

区分主な事由根拠
取り消さなければならない業者が欠格事由(5条1項1号・5号〜7号・10号・14号)に当たるに至った/未成年者の法定代理人、法人の役員・政令使用人、個人の政令使用人が欠格事由(1号〜7号・10号)に当たるに至った66条1項1号〜4号
取り消さなければならない免許換えが必要なのに免許を受けていないことが判明66条1項5号
取り消さなければならない免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、または引き続いて1年以上事業を休止した66条1項6号
取り消さなければならない廃業等の届出がなく、破産・解散・廃止の事実が判明66条1項7号
取り消さなければならない不正の手段で免許を受けた/業務停止の事由に当たり情状が特に重い、または業務停止処分に違反した66条1項8号・9号
取り消すことができる免許に付けた条件に違反した66条2項
取り消すことができる事務所の所在地や業者の所在を確知できず、官報または公報で公告して30日を経過しても申出がない67条1項

66条1項8号・9号で取り消されたときだけ、取消しの日から5年は免許を受けられません(5条1項2号)。67条1項の取消しには、行政手続法第3章の規定は適用されません(67条2項)。

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宅建士バッジ(宅建士バッチ)は法律で決まっているか:宅建士証と従業者証明書

「宅建士バッジ」「宅建士バッチ」と調べる人の多くは、宅建士であることを示す記章が法律で決まっているのか、付けなければならないのかを知りたいのだと思います。法令の定めは次のとおりです。

  • 宅建業法・同施行令・同施行規則の本文(2026-10-04 時点の現行条文。出典は e-Gov 法令検索)には、「バッジ」「バッチ」「徽章」「記章」「襟章」の語は出てきません
  • 法律が定める身分の証明は、次の2つです
比べる点宅建士証従業者証明書
持つ人登録を受け、宅建士証の交付を受けた宅建士(2条4号)宅建業者の従業者(宅建士に限らない)
根拠22条の2(交付の申請。有効期間5年・同条3項)48条1項(業者が従業者に携帯させる)
提示するとき取引の関係者から請求があったとき(22条の4)。重要事項の説明のときは請求がなくても(35条4項)取引の関係者から請求があったとき(48条2項)
示すもの宅建士であること(2条4号は、宅建士証の交付を受けた者を宅建士と定める)従業者であること。事務所ごとの従業者名簿に証明書の番号を記載(48条3項)

つまり、重要事項の説明のときに提示しなければならないのは宅建士証で(35条4項)、バッジを付けていても省略できません。宅建業法・施行令・施行規則には、バッジの着用を定めた規定はありません(ほかの法令や勤務先の社内ルールは、このページでは扱いません)。バッジという名前の記章を販売・配布している団体や商品については、法令とは別の民間の話なので、このページでは取り上げません。

宅建士証の提示を省略できない点は、試験でも「提示の相手」「提示のタイミング」「返納」の形でよく問われます。

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宅建士の独立・開業:資格とは別に免許・営業保証金・専任の宅建士が要る

「宅建 独立」「宅建士 開業」「宅建士 起業」「宅建 いきなり独立」は、宅建士の資格を取ったあとに自分で不動産の取引を仕事にできるのか、何が必要なのかを知りたい検索です。収入や成功談は扱わず、法令で決まっている手続だけを順に並べます。

結論として、宅建士は資格、宅建業は免許で営む事業で、別の制度です。免許を受けずに業として宅建業を営むことは12条1項で禁止され、違反は「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金」またはその併科の対象です(79条)。

開業までに法令で必要な段階

順すること根拠・ポイント
①試験に合格し、登録を受ける18条1項。実務経験が2年に満たなくても登録実務講習の修了で要件を満たせる(詳しくは宅建の合格後の流れ)
②宅建士証の交付を受ける22条の2。宅建士とは宅建士証の交付を受けた者(2条4号)
③事務所を用意する本店・支店などの「事務所」の定義は施行令1条の2(前掲の「大臣免許と知事免許」の節)
④専任の宅建士を置く事務所は業務に従事する者の5分の1以上(31条の3、施行規則15条の5の3)。免許を受ける人本人(法人は役員)が宅建士で、自ら主として業務に従事する事務所では、その人が専任の宅建士とみなされる(31条の3第2項)。人数の数え方は専任の宅地建物取引士とは
⑤免許を申請する3条1項・4条。欠格事由に当たらないこと(5条1項。事務所が31条の3を満たさない場合も免許を受けられない・同項15号)
⑥営業保証金を供託して届け出る、または保証協会に加入する下の表

5条1項の15号には、宅建業の実務経験年数や、本人が宅建士であることを免許の要件にする号はありません(本人の欠格事由は宅建の欠格事由の覚え方)。ただし④のとおり、事務所ごとに専任の宅建士を置けなければ免許を受けられず、その専任の宅建士は宅建士証の交付を受けた者(2条4号)です。「いきなり独立」と言っても、実際には①②か、宅建士を雇って④を満たすかのどちらかが必要になります。

営業保証金と保証協会:どちらかで備える

宅建業者は、取引の相手方の損害に備える制度として、営業保証金の供託(25条)か、宅地建物取引業保証協会への加入(64条の9など)のどちらかを選びます。

比べる点営業保証金保証協会に加入
内容主たる事務所のもよりの供託所に供託する(25条1項)弁済業務保証金分担金を保証協会に納付する(64条の9第1項)
額主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円(施行令2条の4)主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円(施行令7条)
事業の開始供託して、供託書の写しを添えて免許権者に届け出たあとでなければ、事業を開始できない(25条4項・5項)弁済業務開始日以後は、社員は営業保証金を供託することを要しない(64条の13)
届出を怠ったとき・加入をやめたとき免許の日から3か月以内に届出がなければ催告され、催告の到達から1か月以内に届け出ないときは免許を取り消すことができる(25条6項・7項)社員の地位を失ったときは、失った日から1週間以内に営業保証金を供託する(64条の15)

保証協会は、一般社団法人で、宅建業者のみを社員とするもののうち、国土交通大臣が指定したものです(64条の2第1項)。どの協会に入るか、入会の手続や協会が別に定める費用は、各協会の案内で確認してください。

例(本店1か所と支店1か所で開業する場合):営業保証金 = 1,000万円 + 500万円 × 1か所 = 1,500万円。保証協会の分担金 = 60万円 + 30万円 × 1か所 = 90万円。検算:本店のみなら1,000万円と60万円なので、支店1か所を足した差は500万円と30万円で、施行令の「その他の事務所」の額に一致します。

営業保証金・弁済業務保証金分担金の額:営業保証金は主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円。弁済業務保証金分担金は主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円。最終確認日:2026-10-04。出典:宅地建物取引業法施行令 2条の4・7条(e-Gov 法令検索)。

免許の申請手数料・登録免許税は、前掲の「有効期間5年と更新の手続」の節にあります。

個人で開業するか、法人を作るか(起業)

宅建業は、個人でも法人でも営めます。法人で起業する場合は、免許の審査で法人の役員と政令で定める使用人(事務所の代表者である使用人)が欠格事由(1号〜10号)に当たらないことが見られます(5条1項12号)。個人の場合も、政令で定める使用人が欠格事由に当たるときは免許を受けられません(同項13号)。免許のあと役員や専任の宅建士が変わったときは、30日以内の変更の届出が必要です(9条1項)。専任の宅建士が欠けたときは、2週間以内に補充しなければなりません(31条の3第3項)。

法人の設立や税務の手続は宅建業法の外にあるため、このページでは扱いません。

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試験での問われ方と、令和8年度試験の法令基準

宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構 試験概要)。令和8年度試験は2026年4月1日現在の法令で出題されるため、この記事も同日施行の版の条文で書いています。

令和8年度 宅建試験の試験日:2026年10月18日(日)13時〜15時(登録講習修了者は13時10分〜15時)。最終確認日:2026-10-02。出典:不動産適正取引推進機構 宅建試験のスケジュール。

免許の問題は、数字や主語を少し変えた肢で正誤を判断させる形が中心です。たとえば「有効期間3年」「更新は60日前まで」「死亡の日から30日以内」「合併後の存続法人が届け出る」「免許取消しは理由を問わず5年」のような肢は、この記事の表の条文と照らすと誤りと分かります。免許と登録の比較表、欠格事由の表、届出の期限表を言えるようにしてから問題に進むと、肢の切り分けが速くなります。

当サイトの問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説と根拠条文がついています。

まとめ

  • 宅建の「免許」は宅建業者が受けるもの。宅建士個人は「登録」と宅建士証
  • 事務所が2以上の都道府県なら国土交通大臣、1つの都道府県内だけなら知事の免許(3条1項)
  • 有効期間は5年。更新は満了の90日前から30日前までに申請(3条2項、施行規則3条)
  • 欠格事由は5条1項の15号。拘禁刑以上・特定の罰金刑は執行終了等から5年、66条1項8号・9号の取消しは取消しから5年
  • 免許換え(7条)・変更の届出(9条・30日以内)・廃業等の届出(11条・30日以内)の主語と期限を区別する
  • 免許番号は名簿の登載事項で、国土交通省の検索で業者を確かめられる

よくある質問

Q宅建士の資格を持っていなくても、宅建業の免許は受けられますか?

免許を受ける本人(法人の役員を含む)が宅建士であることは、宅建業法の免許の要件にはありません。ただし、事務所ごとに国土交通省令で定める数(事務所では業務に従事する者の5分の1以上)の成年者である専任の宅建士を置く必要があり(31条の3第1項、施行規則15条の5の3)、事務所がこの要件を欠く者は免許を受けられません(5条1項15号)。

Q知事免許の宅建業者は、ほかの都道府県の物件を扱えますか?

宅建業法3条1項は、事務所をどこに置くかで免許権者(国土交通大臣か都道府県知事か)を分けており、取引できる地域を限る規定はありません。ほかの都道府県に事務所を設置することになったときは、国土交通大臣の免許への免許換えが必要です(7条1項3号)。

Q免許の更新を忘れて有効期間が過ぎたら、どうなりますか?

有効期間の満了後も引き続き宅建業を営むには免許の更新を受けなければなりません(3条3項)。更新を申請していれば満了後も処分があるまで従前の免許が有効ですが(3条4項)、申請していなければ免許がない状態になり、免許を受けない者は宅建業を営めません(12条1項)。満了前に結んだ契約に基づく取引を終えるための範囲に限り、なお宅建業者とみなされます(76条)。

Q法人の役員が交代したときは、何をすればよいですか?

役員の氏名は免許申請書の記載事項(4条1項2号)なので、変更から30日以内に免許権者へ変更の届出をします(9条1項)。新しい役員が欠格事由(5条1項1号〜7号・10号)に当たると、法人の免許は取り消されます(66条1項3号)。

Q宅建士バッジを付けていれば、宅建士証を見せなくてもよいですか?

いいえ。宅建業法の本則・施行令・施行規則(2026-10-04 取得の現行条文)に「バッジ」「徽章」などの語はなく、法律が提示を義務づけているのは宅建士証です(22条の4、重要事項の説明のときは請求がなくても提示・35条4項)。バッジを付けていても、宅建士証の提示は省略できません。

Q宅建士の資格だけで、すぐに独立・開業できますか?

できません。宅建業を営むには、資格とは別に国土交通大臣または都道府県知事の免許が必要です(3条1項・12条1項)。免許を受けたあとも、営業保証金を供託して届け出るか、保証協会に加入するかの手続(25条・64条の9)と、事務所ごとに専任の宅建士を置くこと(31条の3)が必要です。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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