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宅建の欠格事由の覚え方免許(5条)と登録(18条)の号の対応・執行猶予・5年の数え方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

宅建業法5条1項(免許)と18条1項(登録)の欠格事由を、令和8年4月1日施行版の現行条文で整理。5年がつく号とつかない号、免許だけ・登録だけの号、拘禁刑以上と罰金の違い、執行猶予の読み方を、自作の対応表で確かめられます。

目次
  1. 欠格事由は免許(5条)と登録(18条)の2つ:号の対応表
  2. 欠格事由の覚え方:5つの箱に分ける(自作)
  3. 刑罰の欠格事由:拘禁刑以上と罰金の違い
  4. 執行猶予がついたとき:条文の文言と刑法から読み取れること
  5. 免許だけにある号・登録だけにある号:連動と事務所
  6. 欠格事由に当たることになったとき:取消し・消除と届出
  7. 出題パターンと自作の例題
  8. まとめ
結論:宅建の欠格事由は、宅建業の免許(宅建業法5条1項・15号)と宅建士の登録(18条1項・12号)の2つの条文に分かれ、号の番号がずれています。たとえば、拘禁刑以上の刑は免許が5号、登録が6号です。刑・暴力団・処分歴・破産は両方に共通し、免許だけにあるのは「申請前5年以内の不正行為」「おそれ」「他人(役員・使用人など)への連動」「専任の宅建士の要件」、登録だけにあるのは「登録消除の処分から5年」などです。本記事は、令和8年4月1日施行版の現行条文で、この対応を自作の表で整理します。

合格ナビの宅建の論点別問題360問のうち、欠格事由を主題にする宅建業法の問題は4問(免許:問4・問5、登録:問19、免許取消後の欠格期間:問133)です(2026-10-04集計)。これは当サイトの問題数で、本試験の出題数ではありません。

宅建業法5条1項・18条1項の条文:令和8年4月1日施行版(law_revision_id 327AC1000000176_20260401_507AC0000000068)。刑罰の語は「拘禁刑」(2025年6月1日から。禁錮・懲役の置き換え)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法。

条文は、e-Gov法令検索の2026-10-04時点の現行条文です。令和8年度(2026年度)の宅建試験は、出題の根拠となる法令を「試験を実施する年度の4月1日現在施行されているもの」とされています(RETIO 宅建試験の概要)。

欠格事由は免許(5条)と登録(18条)の2つ:号の対応表

「欠格事由」は、そこに当たると免許や登録を受けられない事由です。免許は宅建業を営む者(会社・個人事業主)が受け、登録は宅建士個人が受けます。この違いは宅建の免許とはで整理しています。ここでは、号の対応だけを表にします。

内容免許(5条1項)登録(18条1項)
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者1号2号
不正の手段による免許取得など(66条1項8号・9号)で免許を取り消され、5年を経過しない者2号3号
上の取消処分の聴聞の公示後、処分の前に廃業等を届け出た者(5年)3号4号
上の期間内に合併で消滅した法人などの役員だった者(5年)4号5号(5条1項4号を引用)
拘禁刑以上の刑に処せられた者(5年)5号6号
特定の罪・法律違反で罰金の刑に処せられた者(5年)6号7号
暴力団員等(暴力団員でなくなって5年を経過しない者を含む)7号8号
心身の故障(省令で定めるもの)10号12号
未成年者11号(営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人が欠格のとき)1号(宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、それだけで欠格)
申請前5年以内に宅建業に関し不正・著しく不当な行為をした者8号なし
宅建業に関し不正・不誠実な行為をするおそれが明らかな者9号なし
役員・政令で定める使用人(法人)/政令で定める使用人(個人)に欠格者がいる12号・13号なし
暴力団員等が事業活動を支配する者14号なし
事務所について専任の宅建士の要件(31条の3)を欠く者15号なし
登録消除の処分から5年を経過しない者(68条の2の事由)なし9号・10号
事務禁止の処分の期間中に本人の申請で登録を消除され、期間が満了していない者なし11号

表の根拠は、e-Gov法令検索の宅建業法5条1項と18条1項の条文です。表の「内容」は条文の要約で、当サイトが整理した表です。

号の数は、免許が15、登録が12です。同じ内容でも、免許の5号は登録の6号、免許の6号は登録の7号、免許の7号は登録の8号、というように1つずれます。免許の1号から4号までは登録の2号から5号に対応し、未成年者が登録では先頭の1号に出てくるためです。心身の故障だけは、免許が10号、登録が12号と、ずれが2つに広がります。

この論点の問題を解く

欠格事由の覚え方:5つの箱に分ける(自作)

号の順番どおりに覚えると、免許と登録でずれて混乱します。当サイトでは、条文の中身を5つの箱に分けて、箱ごとに「期間」と「免許と登録で同じか」を覚える方法をすすめます。この箱の名前は当サイトが付けたもので、条文の用語ではありません。

箱中身期間免許と登録
①本人の状態破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者/心身の故障(省令)/未成年者破産は復権まで。心身の故障は該当する間。未成年者は営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない間破産・心身の故障は共通。未成年者だけ扱いが違う
②刑罰拘禁刑以上/罰金(限定された罪・法律のみ)刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年共通(号がずれる)
③暴力団暴力団員等(暴力団員でなくなった日から5年を含む)5年共通。免許には「事業活動を支配する者」(14号)もある
④処分歴免許の取消し(66条1項8号・9号)/登録の消除(68条の2)/処分前の廃業・消除申請処分の日(届出の日・消除された日)から5年免許の取消しは共通。登録消除の号は登録だけ
⑤つながり・事務所法定代理人・役員・使用人の欠格/専任の宅建士の要件連動する人が欠格である間、または要件を欠く間免許だけ

箱①の「5年がつかない」ものを先に押さえると整理しやすくなります。破産は「復権を得ない者」、心身の故障は省令の定める状態、未成年者は行為能力の有無で決まり、いずれも「○年を経過しない」という期間の定めがありません。一方、箱②〜④は、基本的に「5年を経過しない」の形です。免許の8号(申請前5年以内の不正・著しく不当な行為)は、「5年を経過しない」ではなく、申請の前5年以内にした行為が対象になる点が違います。

刑罰の欠格事由:拘禁刑以上と罰金の違い

拘禁刑以上は罪の種類を問わない

免許の5号は、「拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者」と定めています。登録の6号も同じ文言です。罪の種類は限定されていないので、宅建業と関係のない罪でも、拘禁刑以上の刑なら欠格事由になります。

条文の「拘禁刑」は、2025年6月1日に、禁錮と懲役が拘禁刑に一本化されたことによる語です(刑法12条)。5条1項5号・18条1項6号は、この日付の施行後の版で「拘禁刑以上」と書かれています。条文の置き換えが宅建業法の本則でほかにどこに及んだかは、宅建の法改正(令和8年度)で整理しています。

罰金は条文に挙がった罪・法律だけ

免許の6号、登録の7号は、罰金の刑で欠格になる場合を限っています。対象は、次のとおりです。

  • ①宅建業法の規定に違反したこと
  • ②暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(32条の3第7項・32条の11第1項を除く)に違反したこと
  • ③刑法の次の罪を犯したこと:傷害(204条)、現場助勢(206条)、暴行(208条)、凶器準備集合及び結集(208条の2)、脅迫(222条)、背任(247条)
  • ④暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したこと

これらで罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者が欠格になります。たとえば、速度超過の罰金のように、挙がっていない罪での罰金は、この号では欠格事由になりません。拘禁刑以上なら罪を問わず欠格、罰金なら挙がった罪だけ、と対比すると覚えられます。

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執行猶予がついたとき:条文の文言と刑法から読み取れること

「宅建 欠格事由 執行猶予」の疑問に、条文で確かめられる範囲だけ答えます。

5条1項5号・18条1項6号の文言は、「拘禁刑以上の刑に処せられ」と書いていて、執行猶予には触れていません。e-Govの現行条文で、5条・18条の本文を探しても、「執行猶予」という語は出てきません。国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日施行版・PDF)にも、執行猶予を取り扱った箇所はありません。

執行猶予そのものは、刑法が定めています。刑法25条1項は、前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者など同項各号に当たる者が、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の言渡しを受けたときに、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができると定めます。そして27条1項は、「刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う」と定めています(e-Gov 法令検索 刑法・2026-10-04時点の現行条文。27条2項・3項には、猶予期間中に犯した別の罪の公訴が提起されている場合の例外の規定があります)。

この2つの条文から、当サイトは次のように整理します。

場面条文から読み取れること
猶予期間中拘禁刑の言渡しを受けている状態。5号・6号の「処せられ」に当たるかどうかが問題になる
猶予期間を取り消されずに経過した後刑法27条1項により、刑の言渡しは効力を失う。「処せられ」という状態が続いているとは言いにくくなる
国の資料で確かめられていない点猶予期間の満了後に5年の起算がどうなるか、満了の日をどう扱うかなどの細部

上の表の最後の行(満了後の取扱い)は、この記事では断定しません。実際に免許や登録を申請する場合は、免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)や、登録をする都道府県知事に確認してください。

試験の問題文に執行猶予が出てきたら、まず、①拘禁刑以上か罰金か、②罰金なら挙がった罪・法律か、③猶予期間の中か、取り消されずに経過した後か、を読み分けるのが手順です。

免許だけにある号・登録だけにある号:連動と事務所

免許だけにある号:他人の欠格に連動する

免許の5条1項には、本人以外の欠格が自分に及ぶ号があります。

  • 11号:営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人(法人のときはその役員を含む)が1号から10号までのいずれかに当たるもの
  • 12号:法人で、その役員または政令で定める使用人に、1号から10号までのいずれかに当たる者がいるもの
  • 13号:個人で、政令で定める使用人に、1号から10号までのいずれかに当たる者がいるもの
  • 14号:暴力団員等がその事業活動を支配する者
  • 15号:事務所について31条の3に規定する要件を欠く者

「政令で定める使用人」は、宅建業法施行令2条の2が、宅建業者の使用人で、宅建業に関し事務所の代表者であるものと定めています(e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法施行令・2026-10-04時点の現行条文)。12号・13号が引いているのは「1号から10号まで」で、11号から15号は含まれていない点に注意してください。

15号は、専任の宅建士を置く義務(31条の3)を欠く事務所があると、免許を受けられないという号です。専任の宅建士の設置の中身は、専任の宅地建物取引士とはで整理しています。

登録だけにある号:登録消除と事務禁止

登録の18条1項には、免許にない号があります。

  • 9号:68条の2第1項2号から4号まで、または同条2項2号・3号のいずれかに当たることにより登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過しない者
  • 10号:上と同じ事由に当たるとして登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から、処分をする日(または処分をしないことを決定する日)までの間に、登録の消除の申請をした者(申請について相当の理由がある者を除く)で、登録が消除された日から5年を経過しないもの
  • 11号:68条2項・4項の禁止の処分を受け、その禁止の期間中に、22条1号(本人の申請)により登録が消除され、まだその期間が満了しない者

10号は、処分を逃れるための自主消除に5年を課す号です。11号は、事務禁止の期間中に自分で登録を消除しても、その期間が終わるまでは登録を受けられないという号です。免許にも、取消し(2号)と、取消処分の聴聞後の廃業等の届出(3号)という、処分とそれを逃れる届出の形の号があります。11号に当たる号は、免許にはありません。

登録の欠格事由に、勤め先の宅建業者の欠格に連動する号はありません。宅建士の名義貸しの処分と、そのあとの欠格期間は、宅建の名義貸しで整理しています。

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欠格事由に当たることになったとき:取消し・消除と届出

申請のときに当たれば、免許も登録も受けられません。免許や登録を受けたあとに当たることになった場合は、条文が別に定めています。

場面条文内容
免許を受けた業者が、後から欠格事由に当たった66条1項1号5条1項の1号・5号・6号・7号・10号・14号のいずれかに当たるに至ったときは、免許を取り消さなければならない
業者の法定代理人・役員・政令で定める使用人が、後から当たった66条1項2号〜4号1号から7号まで、または10号に当たる者があるに至ったときは、免許を取り消さなければならない
登録を受けた宅建士が、後から欠格事由に当たった68条の2第1項1号18条1項の1号から8号まで、または12号のいずれかに当たるに至ったときは、登録を消除しなければならない
宅建士が、当たることになったことの届出21条2号・3号1号から8号までの場合は本人が、12号の場合は本人またはその法定代理人若しくは同居の親族が、30日以内に登録をしている都道府県知事に届け出る

条文の「後から当たったとき」の号は、申請のときの号より少なくなっています。たとえば、登録を受けたあとに、18条1項9号〜11号(登録消除の処分歴など)に当たること自体は、68条の2第1項1号の列挙には入っていません。本記事では、号の番号と条文の文言を示すにとどめ、列挙に入っていない号の扱いを推測して書くことはしません。

免許を取り消された場合の欠格期間は、5条1項2号の「取消しの日から5年」です。66条1項8号・9号による取消しだけが、この5年の対象になります。取消しの理由によって5年の欠格が付くかどうかは、宅建の免許とはの「免許の欠格事由」の節と、問133で確認できます。

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出題パターンと自作の例題

欠格事由の問題は、次のような形が中心です。

  • 年数の入れ替え:「2年」「3年」など、5年以外の数字にして誤りを作る
  • 免許と登録の取り違え:登録にない号(勤め先の欠格への連動など)を、登録の欠格事由に含めてしまう
  • 罪の種類の取り違え:罰金の刑が、挙がっていない罪でも欠格になると言い切る
  • 成年被後見人であること自体を欠格事由にしてしまう(号に挙がっていない)

当サイトで作成した例題(自作問題で、実在の試験問題の写しではありません)です。

  • 例題1:宅建業法違反で罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から4年を経過した者は、宅建士の登録を受けることができない。
  • 例題2:法人の役員のうちに、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者がいる場合、その法人は免許を受けることができない。
  • 例題3:宅建士の登録の申請者は、勤め先の宅建業者の役員に欠格事由に当たる者がいることを理由に、登録を受けることができない。

答えは、例題1が正(18条1項7号・5年)、例題2が正(5条1項12号・1号)、例題3が誤り(18条1項には、勤め先の欠格に連動する号がない)です。

まとめ

  • 欠格事由は、免許(5条1項・15号)と登録(18条1項・12号)の2つで、同じ内容でも号がずれる(拘禁刑以上は免許5号・登録6号)
  • 箱に分けて覚える:①本人の状態(破産・心身の故障・未成年者)、②刑罰、③暴力団、④処分歴、⑤つながり・事務所。期間は基本的に5年だが、破産などには期間の定めがない
  • 拘禁刑以上は罪を問わず、罰金は挙がった罪・法律だけ(免許6号・登録7号)
  • 勤め先などへの連動(11号〜15号)は免許だけ。登録にはない
  • 執行猶予は、条文(5条1項5号・18条1項6号)に書かれていない。刑法27条1項から読み取れる範囲と、国土交通省の解釈・運用の考え方に記載がない点を分け、個別の判断は免許権者・登録先に確認する
  • 後から欠格事由に当たったときは、免許は66条1項、登録は68条の2が定める。届出は法21条(30日以内)

よくある質問

Q成年被後見人や被保佐人は、宅建業の免許や宅建士の登録を受けられませんか?

5条1項と18条1項の号には、「成年被後見人」「被保佐人」という語は挙がっていません(e-Govの現行条文で確認)。関係するのは心身の故障の号です。省令(施行規則3条の2・14条の2)は、精神の機能の障害により、免許は宅建業を適正に営むに当たって、登録は宅建士の事務を適正に行うに当たって、必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者を定めています。

Q欠格事由に当たると、すぐに免許や登録はなくなりますか?

申請のときは、当たれば免許も登録も受けられません。すでに受けている人が後から当たった場合は、免許は国土交通大臣または都道府県知事が取り消さなければならず(66条1項1〜4号)、登録は都道府県知事が消除しなければなりません(68条の2)。取消しや消除の対象になる号は、申請のときの号より少ない点に注意してください。

Q宅建士の登録の欠格事由は、勤め先の宅建業者の欠格事由とつながりますか?

つながりません。免許の5条1項には、法人の役員や政令で定める使用人が欠格事由に当たるとその法人も欠格になる号(12号・13号)がありますが、18条1項の登録には、他人の欠格に連動する号は挙がっていません。

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