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媒介契約とは(宅建)一般・専任・専属専任の比較表と、報告・レインズ登録・期間を条文で整理

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

宅建業法34条の2の媒介契約を、e-Govの条文と施行規則15条の7〜15条の13で整理。一般・専任・専属専任の違いを比較表にし、定期報告(2週間・1週間)、指定流通機構への登録(7日・5日)、有効期間3か月と更新、書面の記載事項、法に反する特約が無効になる範囲まで確かめられます。

目次
  1. 媒介契約の3種類(一般・専任・専属専任)と比較表
  2. 契約の違い(報告義務・登録義務)
  3. 期間と更新
  4. 媒介契約書面に書くこと
  5. 価額の意見と、法に反する特約
  6. 出題パターンと、当サイトの例題
  7. まとめ
結論:媒介契約は、宅建業法34条の2が定めます。依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することを禁じるのが専任媒介契約(3項)、そのうち「業者が探索した相手方以外とは契約できない」特約を含むものが専属専任媒介契約(施行規則15条の9第2号)、重ねて依頼できるのが一般媒介契約です。専任と専属専任には、有効期間は3か月以内(3項)、指定流通機構(レインズ)への登録は契約の締結の日から7日以内で専属専任は5日以内(5項・規則15条の10)、業務処理状況の報告は2週間に1回以上で専属専任は1週間に1回以上(9項)、という規定があります。一般媒介契約には、この登録義務と定期報告の規定がありません。本記事は、条文の文言と、国の解釈・運用の考え方に沿って整理します。報酬の計算は扱いません。
媒介契約の条文:宅地建物取引業法34条の2・34条の3、施行規則15条の7〜15条の13。e-Govの現行版(宅建業法は law_revision_id 327AC1000000176_20260401_507AC0000000068)で確認。国の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は令和8年4月1日施行版。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法、e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法施行規則、国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行)。

条文は、e-Gov法令検索の2026-10-04時点の現行条文です。標準媒介契約約款の内容は、国の解釈・運用の考え方が述べている範囲だけを書いています。

合格ナビの宅建の論点別問題360問のうち、宅建業法140問の小分類「媒介契約」は14問(問36〜問49)です(2026-10-04集計)。これは当サイトの問題数で、本試験の出題数ではありません。

媒介契約の3種類(一般・専任・専属専任)と比較表

宅建業法34条の2第1項は、「宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約」を媒介契約と呼びます。対象は売買と交換で、貸借の媒介は条文の文言にありません。同条は、売買又は交換の代理を依頼する契約にも準用されます(34条の3)。

3種類の名前のうち、条文に出てくるのは「専任媒介契約」だけです。専任媒介契約は、「依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約」と定義されています(34条の2第3項)。「専属専任媒介契約」は、施行規則15条の9第2号が、依頼者が、売買又は交換の媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約、と書いています。一般媒介契約は、この2つに当たらない媒介契約です。

一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他の業者に重ねて依頼できる(ただし許否と、許す場合に他の業者を明示する義務の有無は書面の記載事項。34条の2第1項3号)できない(3項)できない(専任の一種)
自分で見つけた相手方との契約制限の規定なし条文上は禁じられていないできない(探索した相手方以外と契約できない旨の特約。規則15条の9第2号)
有効期間法律上の上限の規定なし。標準媒介契約約款は3か月以内(解釈・運用の考え方)3か月以内(3項)3か月以内(3項)
指定流通機構への登録5項の義務は専任のみ契約の締結の日から7日以内(5項・規則15条の10)5日以内(規則15条の10)
業務処理状況の報告9項の定期報告の規定なし2週間に1回以上(9項)1週間に1回以上(9項かっこ書)
申込みがあったときの報告遅滞なく報告(8項。媒介契約すべて)同左同左

専任媒介契約の定義が「重ねて依頼することの禁止」だけで、自分で見つけた相手方との契約の禁止は専属専任の特約に入っている、という点が、問題で聞かれる境目です。

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契約の違い(報告義務・登録義務)

指定流通機構(レインズ)への登録

専任媒介契約(専属専任を含む)を締結した業者は、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、その物件を指定流通機構に登録しなければなりません(34条の2第5項)。登録の周辺は、条文で次のように決まっています。

  • 期間:専任媒介契約の締結の日から7日、専属専任媒介契約は5日。休業日数は算入しない(規則15条の10)
  • 登録事項:所在・規模・形質・売買すべき価額(5項)、主要な法令上の制限、取引の申込みの受付の状況、交換の場合の評価額、専属専任媒介契約である旨(規則15条の11)
  • 登録先:物件の所在地を含む地域を対象に業務を行っている指定流通機構(規則15条の12)
  • 登録を証する書面:登録をした業者は、指定流通機構が発行する書面(50条の6)を、遅滞なく依頼者に引き渡す(6項)
  • 契約成立の通知:登録した物件の売買・交換の契約が成立したときは、遅滞なく、指定流通機構に通知する。通知事項は登録番号、取引価格、契約の成立年月日(7項・規則15条の13)

国の解釈・運用の考え方は、登録期間の起算について、「媒介契約締結の日」は媒介契約の締結の意思の合致のあった日であり、書面の交付の日ではないこと、契約を締結した当日は民法の初日不算入の原則により登録期間に含まれないことを示しています。

業務処理状況の報告と、申込みの報告

2種類の報告があります。

  • 申込みの報告(8項):媒介契約を締結した業者は、売買又は交換の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告する。一般媒介契約にも適用される。解釈・運用の考え方は、希望条件を満たさない申込みでも都度報告が必要としている
  • 業務処理状況の定期報告(9項):専任媒介契約を締結した業者は、2週間に1回以上、報告する。専属専任の特約を含む専任媒介契約では、1週間に1回以上

定期報告の方法(書面か口頭か)は、34条の2の条文には書かれていません。

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期間と更新

専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、その期間は3月とされます(34条の2第3項)。契約全体が無効になるのではなく、期間が3月に縮まる、という書き方です。

更新については、4項が、有効期間は依頼者の申出により更新することができ、更新の時から3月を超えることができない、と定めています。国の解釈・運用の考え方は、更新の申出は有効期間満了の都度行われるべきもので、あらかじめ更新することを約定することは許されない、依頼者の申出があっても業者が更新に同意しないときは更新されない、としています。

一般媒介契約には、有効期間の上限を定める法律の規定がありません。解釈・運用の考え方は、標準媒介契約約款が実情を踏まえて3月以内と定めている、と説明しています。「法律で決まっているのか、約款で決まっているのか」の区別が、一般媒介契約の期間の問題の要点です。

法律(34条の2)の規定
専任・専属専任の有効期間3月以内。長い期間を定めると3月(3項)
更新依頼者の申出が必要。更新の時から3月以内(4項)
一般媒介の有効期間上限の規定なし(約款は3か月以内)

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媒介契約書面に書くこと

媒介契約を締結したときは、遅滞なく、次の事項を書いた書面を作成して記名押印し、依頼者に交付します(34条の2第1項)。条文に「宅地建物取引業者は…記名押印し」とあり、記名押印をするのは業者です。

号記載事項
1号物件を特定するために必要な表示
2号売買すべき価額又はその評価額
3号依頼者が他の業者に重ねて依頼することの許否と、許す場合の他の業者を明示する義務の存否
4号既存の建物であるときは、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項
5号媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
6号指定流通機構への登録に関する事項
7号報酬に関する事項
8号国土交通省令・内閣府令で定める事項

8号に当たる施行規則15条の9の事項は、次の4つです。

1. 専任媒介契約:依頼者が他の業者の媒介又は代理によって契約を成立させたときの措置

2. 専属専任媒介契約:依頼者が探索した相手方以外の者と契約を締結したときの措置

3. 重ねて依頼を許し、他の業者を明示する義務がある媒介契約:依頼者が明示していない他の業者の媒介又は代理によって契約を成立させたときの措置

4. 国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づく契約かどうかの別

書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、電磁的方法で事項を提供することもできます(11項)。この場合、業者は書面に記名押印して交付したものとみなされます。

1項の書面の交付と、後述の価額の意見の根拠(2項)に違反した業者は、業務停止処分の対象に挙がっています(65条2項2号、1年以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止)。

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価額の意見と、法に反する特約

価額の意見は根拠を明らかにする

書面に書く「売買すべき価額又はその評価額」(1項2号)について業者が意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません(2項)。意見を述べること自体が禁じられているわけではなく、述べるなら根拠を示す、という規定です。

3項〜6項と8項・9項に反する特約は無効

10項は、3項から6項まで、及び前二項(8項・9項)の規定に反する特約を無効としています。

項内容これに反する特約
3項専任の有効期間は3月以内無効
4項更新は依頼者の申出、更新の時から3月以内無効
5項専任の指定流通機構への登録無効
6項登録を証する書面の引渡し無効
8項申込みがあったときの報告無効
9項専任の定期報告(2週間・1週間)無効

2項(価額の意見の根拠)や7項(契約成立の通知)は、10項の列挙に入っていません。条文の列挙どおりに覚えます。

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出題パターンと、当サイトの例題

当サイトの小分類「媒介契約」の14問は、おおむね次の型です。

  • 3種類の違い(重ねて依頼できるか、自分で見つけた相手方と契約できるか)
  • 数字の取り違え(登録7日と5日、報告2週間と1週間、有効期間3か月)
  • どの契約に何の義務があるか(一般媒介に登録義務・定期報告があるか)
  • 書面の記載事項と、交付のタイミング・電磁的方法
  • 法の規定か、標準媒介契約約款の定めかの区別

数字は、専任と専属専任で「7日と5日」「2週間と1週間」のように、専属専任の方が短いと覚えると、取り違えを減らせます。専属専任は依頼者の自由度が最も低い分、業者の義務が最も重い、という並びです。

当サイトで作成した例題(自作問題で、実在の試験問題の写しではありません)です。

  • 例題1:専任媒介契約を締結した宅建業者は、契約の締結の日から7日以内に指定流通機構に登録しなければならず、この期間の計算に、休業日数は算入しない。
  • 例題2:専任媒介契約の有効期間を6か月と定めた場合、その契約は無効となる。
  • 例題3:一般媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者に対し、2週間に1回以上、業務の処理状況を報告しなければならない。

答えは、例題1が正(5項・規則15条の10)、例題2が誤り(契約が無効になるのではなく、有効期間が3月になる。3項)、例題3が誤り(2週間に1回以上の定期報告は専任媒介契約の規定。9項。一般媒介契約にも申込みがあったときの報告義務(8項)はある)です。

報酬の額と計算は、宅建の報酬計算で整理しています。業務に関する禁止事項は、宅建業法47条の禁止事項で条文を整理しています。

まとめ

  • 媒介契約は34条の2。対象は売買と交換の媒介で、代理契約には34条の3で準用される
  • 専任媒介契約は、他の業者への重ねての依頼を禁じる契約(3項)。専属専任は、探索した相手方以外と契約できない旨の特約を含む専任媒介契約(規則15条の9第2号)
  • 専任・専属専任:有効期間3か月以内、更新は依頼者の申出で更新の時から3か月以内(3項・4項)。登録は締結の日から7日以内、専属専任は5日以内、休業日は算入しない(5項・規則15条の10)。定期報告は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上(9項)
  • 一般媒介契約:有効期間の法律上の上限と、登録・定期報告の規定はない。標準媒介契約約款は3か月以内。申込みの報告(8項)は媒介契約すべてにある
  • 10項は、3項〜6項と8項・9項に反する特約を無効とする
  • 書面は遅滞なく作成して記名押印し、交付する(1項)。価額の意見には根拠を示す(2項)

よくある質問

Q専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは何ですか?

条文の上では、依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することを禁じる契約が専任媒介契約です(宅建業法34条の2第3項)。そのうち、依頼者が、依頼した業者が探索した相手方以外の者と契約を締結することができない旨の特約を含むものを、施行規則15条の9第2号が専属専任媒介契約と呼んでいます。違いは、自分で見つけた相手方との契約の可否、指定流通機構への登録期間(7日と5日)、業務処理状況の報告の頻度(2週間に1回と1週間に1回)に出ます。

Q一般媒介契約でも、指定流通機構(レインズ)への登録は義務ですか?

宅建業法34条の2第5項が登録を義務づけているのは、専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)を締結したときです。一般媒介契約について、同項の登録義務や、同条9項の定期的な報告義務は置かれていません。ただし、媒介契約を締結した業者に、売買などの申込みがあったときの依頼者への報告義務(同条8項)は、一般媒介契約にもあります。

Q専任媒介契約の有効期間を6か月と定めたら、契約は無効になりますか?

契約全体が無効になるのではなく、有効期間が3か月になります。宅建業法34条の2第3項は、専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、その期間は3月とする、と定めています。

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