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宅建業法47条とは?業務に関する禁止事項(不告知・不実告知、高額報酬の要求、手付の貸付け)を条文で整理

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

宅建業法47条(業務に関する禁止事項)の3つの禁止行為を、条文と国土交通省の解釈・運用の考え方で整理します。重要な事項の不告知・不実告知、不当に高額の報酬の要求、手付の貸付け等による契約締結の誘引、47条の2との違い、罰則・両罰規定、解き方の手順まで。

目次
  1. 47条の早見表:3つの禁止行為
  2. 1号:重要な事項の不告知・不実告知
  3. 2号:不当に高額の報酬を要求する行為
  4. 3号:手付の貸付け等による契約締結の誘引
  5. 47条の2・47条の3との違い
  6. 違反したときの罰則と監督処分
  7. 解き方の手順(自作の例)
  8. まとめ
結論:宅建業法47条(業務に関する禁止事項)は、宅建業者が相手方等に対してしてはならない行為を3つ定めています。①契約の勧誘などの際に、重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為、②不当に高額の報酬を要求する行為、③手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為です。罰則は号ごとに違い、①が2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(79条の2)、②が1年以下または100万円以下(80条)、③が6月以下または100万円以下(81条2号)です(2026-10-04 時点の現行条文)。

条文の出典は e-Gov 法令検索です(宅地建物取引業法。2026-10-04 時点の現行条文・2026-04-01 施行の版)。解釈の説明には、国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)を使います。これは通達であり、条文そのものではありません。年収・求人・資格手当の話はしません。

47条の早見表:3つの禁止行為

号禁止される行為故意の要否(条文の書き方)罰則
1号契約の勧誘などの際に、重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる「故意に」と条文にある79条の2
2号不当に高額の報酬を要求する条文に故意の語はない80条
3号手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する条文に故意の語はない81条2号

47条の主語は宅建業者です。禁止されている相手は「宅地建物取引業者の相手方等」で、売買等の相手方・代理を依頼した者・媒介に係る各当事者を指します(35条1項の定義)。

1号:重要な事項の不告知・不実告知

1号は、次の3つの目的・場面で、列挙された事項について「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」を禁止しています。人の死の告知(事故物件)の判断基準は、事故物件の告知義務の記事で整理しています。

  • 売買・交換・貸借の契約の締結について勧誘をするに際して
  • 契約の申込みの撤回または解除を妨げるため
  • 宅建業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため

対象になる事項は、イからニまでの4つです。

区分対象事項
イ35条1項各号・2項各号の事項(重要事項説明の事項)
ロ35条の2各号の事項(供託所等に関する説明の事項)
ハ37条1項各号・2項各号(第1号を除く)の事項(契約書面の記載事項)
ニ上記のほか、宅地・建物の所在、規模、形質、現在・将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金・借賃等の額・支払方法その他の取引条件、宅建業者や取引の関係者の資力・信用に関する事項で、相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの

国土交通省の解釈・運用の考え方は、47条1号の「債権の行使を妨げるため」について、「例えば、当該目的物の契約不適合が発覚した場合や、契約の目的物となる宅地又は建物に関連して宅地建物取引業者に不法行為が発生した場合の修補の請求や損害賠償の請求の権利の行使を妨げることを目的として行う場合が該当する」と説明しています。また、45条の解説で、47条は「取引の関係者に対して取引上重要なことであれば真実を言う義務があることを示したもの」と述べています。

35条・37条の書面の内容そのものは、35条書面と37条書面の違いにまとめています。35条の説明をしなかったことと、47条1号の「故意に事実を告げなかった」ことは、条文が別です。

この論点の問題を解く

2号:不当に高額の報酬を要求する行為

2号は「不当に高額の報酬を要求する行為」を禁止しています。報酬の額について定めているのは46条で、額は国土交通大臣が定めて告示します(46条1項・3項)。

条文内容罰則
46条1項・2項報酬の額は国土交通大臣の定めるところによる。宅建業者はその額を超えて報酬を受けてはならない82条2号(100万円以下の罰金)
47条2号不当に高額の報酬を要求する行為80条(1年以下の拘禁刑・100万円以下の罰金・併科)

条文の書き方の違いは、「受けてはならない」(46条2項)と「要求する」(47条2号)です。47条2号の条文は、要求する行為そのものを禁止しています。報酬の上限額の計算は、宅建の報酬計算で扱っています。

3号:手付の貸付け等による契約締結の誘引

3号は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為を禁止しています。国土交通省の解釈・運用の考え方(第47条第3号関係)は、「信用の供与」を次のように説明しています。

  • 手付としての約束手形の受領等の行為
  • 手付予約をした場合における、宅建業者による依頼者の予約債務の保証行為等
  • 手付の分割受領(「手付の分割受領も本号にいう「信用の供与」に該当する」)

3号は、宅建業者が自ら売主になる取引(8種制限)に限った規定ではありません。47条の柱書は、相手方等を「宅地建物取引業者に該当する者を除く」としていません(35条の2にはその括弧書きがあります)。8種制限は宅建の8種制限で整理しています。

この論点の問題を解く

合格ナビの宅建の論点別問題360問のうち、宅建業法で47条の禁止事項そのものを扱う問題は2問です(問114・問132。2026-10-04 時点の問題データのタグによる集計で、本試験の出題数ではありません)。

47条の2・47条の3との違い

47条の「業務に関する禁止事項」と似た条文が続くため、混同されやすい点を整理します。

条文内容主語故意の要否
47条1号重要な事項の不告知・不実告知宅建業者「故意に」と条文にある
47条の2第1項利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断の提供宅建業者・代理人・使用人その他の従業者解釈・運用の考え方は「故意であることを要しない」とする
47条の2第2項契約の締結をさせ、または申込みの撤回・解除を妨げるための威迫同上条文に故意の語はない
47条の3個人の宅建業者(未成年者を除く)が業務に関して行った行為は、行為能力の制限によっては取り消せない宅建業者(個人)禁止規定ではなく、取消しの制限

国土交通省の解釈・運用の考え方(第47条の2第1項関係)は、断定的判断の例として、「2~3年後には、物件価格の上昇が確実である」「この物件を購入したら、一定期間、確実に収入が得られる。損はしない」と告げることを挙げています。威迫(同2項関係)は、「相手方に恐怖心を生じさせるまでは要しないが、相手方に不安の念を抱かせる行為」とされています。

罰則の条文で「第四十七条」を挙げているのは79条の2・80条・81条で、47条の2を挙げた罰則条文は、宅建業法の本則にはありません。47条の2違反は、業務停止の事由には挙がっています(65条2項2号)。

違反したときの罰則と監督処分

罰則は、47条の号ごとに違います。

47条違反の罰則:1号は2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科(79条の2)。2号は1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその併科(80条)。3号は6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその併科(81条2号)。法人には、1号の違反行為について1億円以下の罰金刑(84条1号)、2号・3号については各本条の罰金刑(84条2号)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法 79条の2〜84条。

84条は、法人の代表者や、法人・人の代理人、使用人その他の従業者がその業務に関して違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、法人にも罰金刑を科す(両罰規定)と定めています。従業員が違反行為をしたときも、法人は処罰の対象になります。

監督処分では、47条の違反は、免許権者による業務停止(1年以内)の事由として挙がっています(65条2項2号)。取引の公正を害する行為は、指示の事由(65条1項2号)です。業務停止の事由に当たり、情状が特に重いときは、免許の取消しの対象になります(66条1項9号)。

解き方の手順(自作の例)

次の3つは、当サイトで作成した例です。47条の禁止事項かどうかを判定する手順を確認してください(前提は単純化しています)。

例判定理由
宅建業者Aが、勧誘の際「今買えば2年後に必ず値上がりする」と告げた47条の2第1項の断定的判断に当たりうる将来の利益が確実であると誤解させる断定的判断。事実と違う根拠を告げた場合などに47条1号にも当たるかは、条文と解釈・運用の考え方からは一律に決まらない
宅建業者Aが、買主に手付金の一部を貸し付けて契約を結ばせた47条3号に当たると考えられる手付について貸付けをして契約締結を誘引している(解釈・運用の考え方は、手付の分割受領も「信用の供与」に当たるとする)
宅建業者Aが、上限を超える報酬を依頼者に求めたが、受け取る前に断られた47条2号に当たりうる条文は「要求する行為」を禁止している。受け取れば46条2項の問題にもなる

手順は次のとおりです。

  • ① 何をした行為かを、「告げなかった(不実を告げた)」「報酬を要求した」「手付に信用を供与した」「断定的判断・威迫をした」のどれに当たるかで分ける
  • ② 「告げなかった(不実を告げた)」なら、故意か、勧誘・撤回解除妨害・債権行使妨害のいずれの場面か、対象事項がイ〜ニのどれかを確認する
  • ③ 「断定的判断・威迫」なら47条の2、「手付への信用供与」なら47条3号、と条文を切り分ける
  • ④ 罰則を聞かれたら、号ごとの刑の上限と、法人に1億円以下の罰金刑が科される場合(1号)を確認する

当サイトの問題で、罰則と両罰規定は問132、手付の信用供与と適用範囲は問114で確認できます。

まとめ

  • 47条は、宅建業者が相手方等にしてはならない3つの行為(1号の不告知・不実告知、2号の不当に高額な報酬の要求、3号の手付への信用供与)を定める
  • 1号は「故意に」と条文にあり、勧誘・申込みの撤回解除の妨害・債権行使の妨害の場面で、イ〜ニの事項について問われる
  • 3号の「信用の供与」には、手付の分割受領や約束手形の受領も含まれるとされる(国土交通省の解釈・運用の考え方)
  • 断定的判断・威迫は47条ではなく47条の2。47条の3は取消しの制限で、禁止規定ではない
  • 罰則は号ごとに2年以下・1年以下・6月以下の拘禁刑等で、1号の違反は法人に1億円以下の罰金刑(84条1号)

当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。

よくある質問

Q47条1号の不告知・不実告知は、うっかり告げ忘れた場合も対象ですか?

47条1号の条文は「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」と定めています。故意であることが構成要件に入っています。一方、47条の2第1項の断定的判断の提供について、国土交通省の解釈・運用の考え方は「本規定は、故意であることを要しない」としており、同じ禁止事項でも故意の要否が違います。

Q手付金を分割で受け取ることは、47条3号に当たりますか?

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第47条第3号関係)は、「手付の分割受領も本号にいう「信用の供与」に該当する」としています。手付としての約束手形の受領や、手付予約をした場合の宅建業者による依頼者の予約債務の保証も、信用の供与に該当するとされています。

Q47条の禁止事項は、相手方が宅建業者の場合にも適用されますか?

47条の柱書は「宅地建物取引業者の相手方等に対し」と定めています。35条の2は相手方等から「宅地建物取引業者に該当する者を除く」と明記していますが、47条には同じ括弧書きがありません。条文の書き方としては、相手方が宅建業者の場合を除外していません。

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