電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度下期 電力 問3|発電(火力発電)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

次のa)~e)の文章は,汽力発電所の保護装置に関する記述である。 これらの文章の内容について,適切なものと不適切なものの組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると,自動的に蒸気止弁を閉じて,タービンを停止する非常調速機が設置されている。 b) ボイラ水の循環が円滑に行われないとき,水管の焼損事故を防止するため,燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断弁が設置されている。 c) 負荷の緊急遮断等によって,ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき,蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため,蒸気加減弁が設置されている。 d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき,タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。 e) 発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために,比率差動継電器が設置されている。

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正解は 4
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解説

電験三種「電力」発電(火力)分野の正誤組合せ問題(令和7年度下期 問3)。正答は(4)です。

a・b・d・eは汽力発電所に実在する保護装置の説明として正しく,cのみ装置名が誤りです。ボイラ内の蒸気圧力が限度を超えたとき蒸気を逃がして機器破損を防ぐのは「安全弁」であり,「蒸気加減弁」はタービンに送る蒸気量を調節して出力を制御するための弁で,圧力超過時の保護装置ではありません。したがって適切・適切・不適切・適切・適切の(4)が正答です。

汽力発電所の保護装置a〜eの適否を問う組合せ問題(令和7年度下期 問3)。一つずつ検討する。

a) 蒸気タービンの回転速度が定格を超えて上昇すると蒸気止弁を自動的に閉じて停止させる「非常調速機」は,タービンの過速度(オーバースピード)保護として実在する装置であり適切。

b) ボイラ水の循環不良は水管の過熱・焼損を招くため,燃料を遮断しバーナを消火させる「燃料遮断弁(燃料しゃ断弁)」が設置される。これは実際のボイラ保護として適切。

c) 負荷の緊急遮断などでボイラ内の蒸気圧力が限度を超えたとき,余剰蒸気を外部へ放出して機器破損を防ぐのは「安全弁」の役割である。「蒸気加減弁」はタービンへ送る蒸気流量を調節し出力・速度を制御するための弁であり,圧力超過時に蒸気を放出する保護装置ではないため不適切。

d) 蒸気タービンの軸受油圧が異常に低下すると,軸受の焼き付きを防ぐためタービンを緊急停止させる「トリップ装置」が設置される。適切。

e) 発電機固定子巻線の内部短絡(相間短絡など)を検出・保護するために「比率差動継電器」が広く用いられる。適切。

以上よりa適切・b適切・c不適切・d適切・e適切の組合せとなり,選択肢(4)と一致する。正答は(4)。

本問は電験三種「電力」科目の発電分野から,汽力発電所における主要な保護装置を名称と機能の対応で問う正誤組合せ問題(令和7年度下期 問3)。

【タービン・ボイラ系の保護装置(a・b・d)】

蒸気タービンは回転速度が定格を大きく超えると遠心力でブレードや軸系に重大な損傷を与える危険があるため,速度検出器が規定値超過を検知すると蒸気止弁(主蒸気弁)を自動的に閉じてタービンへの蒸気供給を止める非常調速機が設けられる。また,ボイラでは水循環が不十分になると,火炎に直接さらされる水管内で水が沸騰しきってしまい,管壁を冷却できず過熱・焼損に至る危険があるため,このような異常時には燃料遮断弁でバーナへの燃料供給を止め,火炎を消火して水管を保護する。タービンの回転軸を支える軸受は,常に油膜で潤滑・冷却されている必要があり,油圧が異常に低下すると焼き付きなど重大な損傷につながるため,油圧低下を検知してタービンを緊急停止させるトリップ装置が備えられる。

【cの誤りの核心:安全弁と蒸気加減弁の違い】

蒸気加減弁(ガバナ弁)は,負荷変動に応じてタービンに流入する蒸気量を調節し,タービンの回転速度(周波数)や出力を制御するための弁であり,通常運転時に連続的に開閉制御される「流量制御用」の弁である。これに対し,ボイラ内の蒸気圧力が異常上昇した際に,圧力を逃がして缶体やタービンの破損を防ぐ役割を担うのは「安全弁」であり,設定圧力に達すると自動的に開いて蒸気を大気または排気系に放出する「圧力保護用」の弁である。両者は設置目的(流量制御か圧力保護か)も動作条件も異なるため,cのように負荷の緊急遮断時の圧力超過保護を「蒸気加減弁」と記述するのは誤りであり,正しくは「安全弁」である。

【発電機保護(e)との対比】

比率差動継電器は,発電機固定子巻線の両端(中性点側と端子側)の電流を比較し,内部短絡時に生じる電流の不平衡(差電流)を検出して遮断器を動作させる保護継電器である。外部短絡や貫通電流に対しては誤動作しにくいよう,差電流と通過電流の比(比率)で動作を判定する点が特徴で,変圧器や発電機など内部故障検出の主力保護方式として広く用いられる。

【出題のねらい】

本問のように,似た役割を持つ複数の弁・装置(安全弁/蒸気加減弁,非常調速機/トリップ装置など)を並べて,名称と機能の対応関係を正確に把握しているかを問う形式である。本問ではcだけが不適切なので,cを「不適切」とし,かつ残り四つをすべて「適切」とする組合せは(4)しかない。a・b・d・eはいずれも実在する装置の正しい説明であり,(1)〜(3)・(5)はそのうちのどれかを「不適切」としている点で誤った組合せである。

この問題の根拠出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。