電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度下期 電力 問2|発電(水力発電)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

水力発電所の水圧管内における単位体積当たりの水が保有している運動エネルギー[J/m³]を表す式として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,水の速度は水圧管の同一断面において管路方向に均一とする。また,ρ は水の密度[kg/m³],v は水の速度[m/s]を表す。

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正解は 1
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自信の3択

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解説

電験三種「電力」の「発電(水力発電)」に関する問題(令和7年度下期 問2)。正答は(1)です。

質量 m [kg] の物体が速度 v [m/s] で動いているときの運動エネルギーは (1/2)mv² [J] です。体積 1 m³ の水の質量は密度 ρ [kg/m³] の値そのもの(ρ×1 m³)なので、m に ρ を入れると、単位体積当たりの運動エネルギーは (1/2)ρv² [J/m³] になります。単位も kg/m³ × (m/s)² = (kg·m²/s²)/m³ = J/m³ と一致します。

【論点】水の運動エネルギーを単位体積当たりで表す(令和7年度下期 問2)

【導き方】

質量 m の運動エネルギー:(1/2)mv² [J]

体積 V [m³] の水の質量:m = ρV [kg]

→ 運動エネルギー = (1/2)ρVv² [J]

→ 単位体積当たり(V で割る)= (1/2)ρv² [J/m³]

【単位による確認】

(1) (1/2)ρv²:kg/m³ × m²/s² = kg/(m·s²) = J/m³(1 J = 1 kg·m²/s²)。題意の単位と一致する。

(2) (1/2)ρ²v:kg²/m⁶ × m/s = kg²/(m⁵·s)。J/m³ にならない。

(3) 2ρv:kg/m³ × m/s = kg/(m²·s)。これは単位体積当たりの運動量(ρv)の2倍の形で、エネルギーではない。

(4) √(2ρv):単位は kg/(m²·s) の平方根で、エネルギーの単位にならない。

(5) (1/2)ρ²v²:kg²/(m⁴·s²)。ρ が2乗になっており J/m³ にならない。

【ベルヌーイの定理とのつながり】

管路内の水について、圧力 p、位置 h、速度 v の間に p + ρgh + (1/2)ρv² = 一定 が成り立つ。各項はどれも単位体積当たりのエネルギー[J/m³](= 圧力[Pa])で、(1/2)ρv² はその「運動エネルギーの項」にあたる。よって正答は(1)。

【核心論点】単位体積当たりの運動エネルギー (1/2)ρv² は、ベルヌーイの定理の「動圧」の項そのもの(令和7年度下期 問2)。正答は(1)です。

【3通りの表し方】

ベルヌーイの定理は、同じ内容を次の3つの形で書ける。

・単位体積当たり(圧力の形):p + ρgh + (1/2)ρv² = 一定 [J/m³ = Pa]

・単位重量当たり(水頭の形):p/(ρg) + h + v²/(2g) = 一定 [m]

・単位質量当たり:p/ρ + gh + v²/2 = 一定 [J/kg]

本問は単位体積当たりなので (1/2)ρv²。水頭の形の速度水頭 v²/(2g) は、(1/2)ρv² を ρg で割ったものである。両者を取り違えないよう、求められている「単位」から逆算する習慣をつけるとよい。

【数値例】

ρ = 1 000 kg/m³、v = 4 m/s のとき、(1/2)ρv² = 0.5 × 1 000 × 16 = 8 000 J/m³(= 8 kPa)。速度水頭に直すと v²/(2g) = 16/(2×9.8) ≒ 0.82 m となる。有効落差が数十〜数百 m ある発電所では、水圧管内の運動エネルギーは位置エネルギーや圧力エネルギーに比べて小さいことがわかる。

【誤りの選択肢のつくり】

(2)(5)は ρ を2乗しており、密度を2回掛ける物理的な根拠がない。(3)の 2ρv は単位体積当たりの運動量 ρv を2倍しただけの形で、エネルギーではない。(4)の √(2ρv) は、ノズルの噴出速度 v = √(2gH)(トリチェリの定理)と形を似せたもので、記号を入れ替えただけでは意味を持たない。いずれも単位を確かめれば J/m³ にならないので、単位の確認だけで(1)に絞れる。

【水車との関係】

衝動水車(ペルトン水車)は、圧力エネルギーをノズルで速度エネルギーに変え、噴流の運動エネルギーでランナを回す。落差 H の水がすべて速度に変わると v = √(2gH) となり、このときの単位体積当たりの運動エネルギー (1/2)ρv² は ρgH に等しい。反動水車(フランシス水車・プロペラ水車)は圧力エネルギーと運動エネルギーの両方をランナで受け取る。水力発電の出力 P = ρgQHη(= 9.8QHη [kW])も、単位体積当たりのエネルギー ρgH に流量 Q を掛けたものとして同じ筋で理解できる。

この問題の根拠出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。