電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 電力 問14|変電(変圧器・変電所・保護)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

六ふっ化硫黄(SF₆)ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

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正解は 2
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解説

電験三種「電力」変電分野のSF₆ガスに関する正誤問題(令和7年度上期 問14)。正答は(2)です。

SF₆ガス(六ふっ化硫黄)は化学的に安定な不燃性ガスで空気より重いですが,実際には無色・無臭のガスです。(2)は「特有の臭いがある」としていますが,これは誤りで,SF₆ガス自体に臭いはありません(アーク放電で分解すると分解生成物に刺激臭が生じることはありますが,ガス自体の性質ではありません)。よって正答は(2)です。

六ふっ化硫黄(SF₆)ガスに関する正誤問題(令和7年度上期 問14)。選択肢を順に検討する。

(1) SF₆ガスはアーク放電の消弧能力(アークを消す能力)が空気よりはるかに優れており,ガス遮断器に用いられる。正しい。

(2) 「比重は空気よりも大きく,化学的に安定した不燃性のガスであるが,特有の臭いがある」という記述のうち,比重が空気より大きい・化学的に安定・不燃性である点は正しいが,SF₆ガスは本来無色・無臭のガスであり「特有の臭いがある」という部分が誤り。

(3) SF₆は温室効果ガスの一種で,オゾン層を破壊するフロン類とは異なりオゾン層への影響はほぼ無視できるが,地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素の2万倍を超える非常に大きな値を持ち,地球温暖化への影響は極めて大きい。正しい。

(4) 優れた絶縁性・消弧性を活かし,ガス遮断器(GCB)やガス絶縁開閉装置(GIS),ガス絶縁変圧器の絶縁媒体として広く利用される。正しい。

(5) 同じ圧力どうしで比べると,SF₆ガスの絶縁破壊電圧は空気の2〜3倍程度と高く,絶縁媒体として優れている。正しい。

以上より誤っているのは(2)で,正答は(2)。

本問は電験三種「電力」科目の変電分野から,ガス遮断器やGISに用いられるSF₆(六ふっ化硫黄)ガスの物理的・化学的性質を問う正誤問題(令和7年度上期 問14)。

【SF₆ガスの基本性質】

SF₆ガスは硫黄原子1個にふっ素原子6個が結合した無機化合物で,常温・常圧では無色・無臭・無毒の気体である。分子量が146と大きいため比重は空気の約5倍あり,化学的に極めて安定で不燃性であることから,電気絶縁媒体・消弧媒体として広く利用される。同じ圧力下での絶縁破壊電圧は空気の2〜3倍程度に達し,さらに加圧することで絶縁性能をさらに高められるため,ガス絶縁開閉装置(GIS)やガス絶縁変圧器のように設備を大幅に小型化する技術に応用されている。またアーク放電を消す能力(消弧能力)にも優れ,大電流を高速で遮断する必要があるガス遮断器(GCB)の消弧媒体としても標準的に使われている。

【(2)の誤りの核心:臭いの有無】

(2)は「特有の臭いがある」としているが,SF₆ガス自体は純粋な状態では無臭である。アーク放電にさらされるとSF₆の一部が分解し,SOF₂などの分解生成物ができることがあり,これらには刺激臭や毒性があるため点検時の取扱いに注意が必要とされるが,それはSF₆ガス本来の性質ではない。選択肢の文章は,比重・化学的安定性・不燃性という正しい性質の列挙の中に「特有の臭いがある」という誤った性質を紛れ込ませる構成になっている。

【SF₆の環境影響((3)が対応)】

SF₆は塩素を含まないため,フロン類のようにオゾン層を破壊することはない。一方で地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素の2万倍を超え,大気中で分解されにくく長く残るため,京都議定書で削減対象とされた温室効果ガスの一つになっている。このため電力設備の点検・撤去の際にはガスを大気に放出せず回収・再利用する運用がとられ,SF₆を使わない絶縁・遮断技術の開発も進められている。(3)の「オゾン層への影響は無視できるが,地球温暖化への影響が大きい」はこの二面性をそのまま述べたもので正しい。「無害で安定なガスだから環境影響もない」と思い込んでいると(3)を誤りと判断してしまうので,絶縁・消弧性能と環境影響をセットで押さえておきたい。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。