問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。 a) 電線は,次のいずれかのものであること。 ① 引張強さ8.01 kN以上のもの又は直径 (ア) mm以上の硬銅線を使用する,高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ② (イ) 用高圧絶縁電線 ③ ケーブル b) 電線が絶縁電線である場合は,がいし引き工事により施設すること。 c) 電線の高さは,「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし,次に適合する場合は,地表上 (ウ) m以上とすることができる。 ① 次の場合以外であること。 ・道路を横断する場合 ・鉄道又は軌道を横断する場合 ・横断歩道橋の上に施設する場合 ② 電線がケーブル以外のものであるときは,その電線の (エ) に危険である旨の表示をすること。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
電気設備技術基準の解釈にある高圧架空引込線の施設の条文を穴埋めする問題です(令和6年度上期 問6)。電線は、引張強さ8.01 kN以上または直径5 mm以上の硬銅線を使う高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブルのいずれかです。高さは道路や鉄道の横断などでなければ地表上3.5 mまで下げられ、そのときケーブル以外の電線には、電線の下方に危険である旨の表示をします。正答は(4)です。
この文章は電技解釈第117条(高圧架空引込線等の施設)第1項の第一号・第二号・第四号です。
(ア) 5:電線の一つめは「引張強さ8.01 kN以上のもの又は直径5 mm以上の硬銅線」を使う高圧絶縁電線または特別高圧絶縁電線です。
(イ) 引下げ:二つめは「引下げ用高圧絶縁電線」です。「引上げ用」という電線の種類はありません。
(ウ) 3.5:高さは原則として「低高圧架空電線の高さ」(第68条)に準じます。高圧架空電線の場合、道路以外の一般の場所では地表上5 mです。ただし、道路・鉄道または軌道の横断や横断歩道橋の上でなく、ケーブル以外の電線では危険表示をするという条件を満たせば、地表上3.5 m以上まで下げられます。
(エ) 下方:危険表示は「その電線の下方」にします。高さを下げた電線の下を通る人に、上に高圧の電線があることを知らせるためです。
選択肢(1)と(3)の2.5 mは、低圧架空引込線で技術上やむを得ない場合に認められる高さで、高圧の値ではありません。(5)の5 mは緩和前の高さです。
以上から正答は(4)です。
高圧架空引込線の高さの緩和は、引込線の性質から来ています。引込線は架空電線路の支持物から需要場所の建物などへ電線を引き込む部分で、建物の取付け点はどうしても低くなります。そこで、人や車両の通行に影響が大きい「道路横断」「鉄道・軌道横断」「横断歩道橋の上」を除き、地表上3.5 mまで下げることを認めています。そのかわり、絶縁電線のようにケーブルより絶縁の信頼性が劣る電線を使う場合は、電線の下方に危険表示をすることを条件にしています。ケーブルであれば表示は求められていません。
数値は低圧の引込線と比べて覚えると混同を防げます。電技解釈第116条の低圧架空引込線の高さは、道路以外の場所で原則地表上4 m、技術上やむを得ない場合で交通に支障がないときは地表上2.5 mです。高圧架空引込線は、元になる高圧架空電線の高さが道路以外の場所で地表上5 m、緩和後が3.5 mです。選択肢の2.5 mは低圧の緩和値、5 mは高圧の原則値で、どちらも「ありそうな数値」として置かれています。なお、第68条で高圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合の高さも横断歩道橋の路面上3.5 mであり、3.5 mは高圧の低い側の基準としてくり返し登場する数値です。
電線の種類の条件にも意味があります。高圧架空電線路の電線と同じく、引込線にも強風や着氷雪に耐える機械的強さが必要で、その基準が引張強さ8.01 kN以上または直径5 mm以上の硬銅線です。(ア)の4 mmは、もっともらしく見えるように置かれた誤りの数値です。
また、電線が絶縁電線の場合はがいし引き工事とし、ケーブルの場合は架空ケーブルの施設方法(第67条)に準じます。工作物や植物との接近・交差については、高圧架空電線の規定に準じつつ、引き込んだ建物そのものとの離隔は危険のおそれがなければ緩和できる、という規定も同じ条にあります。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

