問題
次の文章は,「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に基づく風車の安全な状態の確保に関する記述である。 a) 風車は,次の場合に安全かつ自動的に停止するような措置を講じなければならない。 ① (ア) が著しく上昇した場合 ② 風車の (イ) の機能が著しく低下した場合 b) 発電用風力設備が一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物である場合には,上記a)の記述は,同記述中「安全かつ自動的に停止するような措置」とあるのは「安全な状態を確保するような措置」と読み替えて適用するものとする。 c) 最高部の (ウ) からの高さが20 mを超える発電用風力設備には, (エ) から風車を保護するような措置を講じなければならない。ただし,周囲の状況によって (エ) が風車を損傷するおそれがない場合においては,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
発電用風力設備に関する技術基準を定める省令のうち、風車の安全な状態の確保の規定を穴埋めする問題です(令和6年度上期 問5)。風車は、(ア)回転速度が著しく上昇した場合と、(イ)制御装置の機能が著しく低下した場合に、安全かつ自動的に停止する措置が必要です。また、最高部の(ウ)地表からの高さが20 mを超える設備には、(エ)雷撃から風車を保護する措置が必要です。正答は(3)です。
(ア) 回転速度:風車が強い風を受けて回転速度が著しく上昇すると、ブレードや軸などに大きな遠心力がかかり、破損や飛散につながります。そのため自動停止の条件になっています。「発電電圧」の異常は電気設備側の保護で扱う事柄で、風車という機械の停止条件として置かれているものではありません。
(イ) 制御装置:ブレードの角度や回転を制御する装置の機能が著しく低下すると、回転速度を適切に保てなくなります。そこで、制御装置の機能低下も停止の条件になっています。「圧油装置」は水車や発電機の制御などで出てくる用語で、ここでは誤りです。
b)は読み替えの規定で、一般用電気工作物や小規模事業用電気工作物に当たる小型の風力設備では「安全かつ自動的に停止するような措置」が「安全な状態を確保するような措置」になります。
(ウ) 地表:高さの基準は、建物などと同じく地表から測ります。「ロータ最低部」はブレードの先端が最も低くなる位置で、高さの起点ではありません。
(エ) 雷撃:最高部の地表からの高さが20 mを超える設備は落雷を受けやすいので、雷撃から風車を保護する措置が必要です。ただし、周囲の状況によって雷撃が風車を損傷するおそれがない場合は除かれます。「強風」への対策はa)の回転速度上昇時の停止などで扱われます。
以上から正答は(3)です。
この条文は、風車を機械として安全に止めることと、高い構造物として雷から守ることの2つを定めています。
a)の停止条件は「結果」と「原因」の組になっています。回転速度の著しい上昇は、危険な状態そのもの(結果)です。制御装置の機能の著しい低下は、回転速度を抑えられなくなる原因にあたります。原因の段階でも停止させることで、回転速度が危険な領域に入る前に風車を止められます。どちらの場合も、人が操作しなくても自動的に停止することが求められています。
b)の読み替えは、小型の風力設備に対する扱いです。家庭や小規模な事業所に設置される設備では、自動停止の装置を必ず備えさせるのではなく、安全な状態を確保する措置であればよいとしています。設備の規模に応じて求める内容を変えている例です。
c)の20 mという値は、建築基準法で避雷設備が必要になる建築物の高さと同じです。風車は開けた場所に単独で立つことが多く、ブレードの先端が最も高い位置に来るため、雷を受けやすい構造物です。落雷でブレードが損傷すると、破片の飛散や火災につながります。ただし書きは、近くにもっと高い構造物があるなど、周囲の状況から雷撃で損傷するおそれがない場合を除外するものです。
選択肢の作り方を見ると、(ア)の「発電電圧」は電気設備の保護の話と混同させるため、(イ)の「圧油装置」は水力発電の調速機などの用語と混同させるため、(ウ)の「ロータ最低部」は風車特有の部位名でもっともらしく見せるため、(エ)の「強風」は風車の危険要因として思い浮かびやすいことをねらった語句です。条文の目的(a)は過回転の防止、c)は落雷対策)を押さえておけば、どの語句が入るかを判断できます。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

