第二種電工

EM-EEFケーブルとVVFの違いエコケーブルが第二種電気工事士の試験に出る場面と外装のむき方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

EM-EEF(エコケーブル)とVVFの違いを、電気技術者試験センターの技能試験の資料と学科の出題で整理します。正式名称、最高許容温度の出題、候補問題での表記、VVF用ストリッパで外装をむくときの注意までを、出典つきで解説します。

目次
  1. EM-EEFとVVFの違い(試験で押さえる点)
  2. 材質と取り扱いの違い(日本電線工業会の解説から)
  3. 学科の名称は「写真を見て答える」形で出る
  4. EM-EEFの特徴はどう問われるか(令和5年度上期 問16)
  5. 絶縁物の最高許容温度は75℃(学科で2回確認できた出題)
  6. 技能試験ではどちらを使うか
  7. 外装をむくときの注意(VVF用ストリッパとの関係)
  8. 練習と暗記の進め方
結論:VVFは「600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」、EM-EEFは「600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形」で、どちらも第二種電気工事士の試験に出る平形ケーブルです。技能試験では主にVVFが使われ、課題によってEM-EEF(エコケーブル)が出ます。電気技術者試験センターは、EM-EEFはVVF用ストリッパでは外装を適切にはぎ取れないことがあるとして、電工ナイフを用いるなどの方法と事前の練習を求めています。

EM-EEFは、令和6・7・8年度の技能試験の候補問題に、いずれも1か所ずつ出てきます。学科でも、名前・特徴・絶縁物の最高許容温度が出題されています。この記事は、電気技術者試験センターの資料と出題、および日本電線工業会(電線メーカーの業界団体)のEM電線・ケーブルの解説を根拠に、試験でEM-EEFとVVFをどう区別して扱うかを整理します。

試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して引用しています。現場の工事でどちらのケーブルを選ぶかは、この記事の範囲外です。設計図書や施工要領で確認してください。

当サイトに収録している第二種電気工事士の学科の問題(令和4年度上期〜令和7年度下期の過去問)のうち、EM-EEF を名称・特徴・最高許容温度で主題にした問題は6問です。ほかに、選択肢にEM-EEFが出る配線図の問題が2問あります(2026-10-04 集計)。

EM-EEFとVVFの違い(試験で押さえる点)

項目VVFEM-EEF(エコケーブル)
学科の正式名称600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形
絶縁体・シースの材質(名称から)ビニル絶縁・ビニルシースポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース
技能試験での位置づけ主に使われるケーブル。候補問題で電線の種類の記載がないときは「VVF1.6」課題によって出題される場合がある
外装のはぎ取りVVF用ストリッパが使えるVVF用ストリッパでは適切にはぎ取れないことがある。電工ナイフを用いるなど種類に応じた方法で
学科の特徴の出題(EM-EEFの特徴の選択肢で比べる相手として出る)焼却時に有害なハロゲン系ガスが発生しない、絶縁物の最高許容温度がビニル絶縁ビニルシースケーブルより高い、など

出典:技能試験の概要と注意すべきポイント(令和8年3月) 冊子19頁、令和8年度第二種電気工事士技能試験候補問題の公表について、学科の出題は各節の出典を参照。

材質と取り扱いの違い(日本電線工業会の解説から)

試験センターの資料は、EM-EEFの材質には触れていません。電線メーカーの業界団体である日本電線工業会は、「EM電線・ケーブル」のページで、EM-EEFを含むEM電線・ケーブルの材質と取り扱いを次のように説明しています(2026-10-04 時点)。

  • 「EM」とは「エコマテリアル(Ecomaterial)および耐燃性の意味」
  • 従来のビニル電線・ケーブルに比べた特長として、被覆材にハロゲン元素を含まないため、焼却や火災時などに有害なハロゲン系ガスの発生がないこと、鉛などの重金属を含まないこと、燃焼時の発煙量が少ないこと、腐食性ガスを発生しないこと、被覆材料がポリエチレン系に統一されていてリサイクル性が良いことを挙げている
  • 構造は、ケーブルの絶縁体をビニルからポリエチレンへ、シースをビニルから耐燃性ポリエチレンへ替えたもの。同会の規格一覧では、「600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形」(呼称は「600V EEF/F」)の在来品として「600V VVF」が示されている
  • 耐熱温度が高く、IE/F・EEF/F・CEE/F の場合は「ビニル;60℃→耐燃性PE;75℃」とされている
項目従来のビニル電線・ケーブル(EEF/Fの在来品はVVF)EM電線・ケーブル(EM-EEFは600V EEF/F)
絶縁体・シースビニルポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース
耐熱温度(EEF/Fの場合)ビニル 60℃耐燃性ポリエチレン 75℃

ハロゲン系ガスが発生しないことと75℃は、学科の出題(後の節)で確認できる内容と同じ向きです。

取り扱いについては、同会の「取り扱い上の注意」に、次の記述があります。

  • 被覆除去:「ポリエチレン系材料はビニル材料に比べて伸びやすい性質」があり、「被覆除去性が異なりますので、端末端子部分の被覆はぎ取り作業にはご注意してください」
  • 曲げ:ビニルに比べて多少硬いが、許容曲げ半径は従来の電線・ケーブルと変わらない
  • 紫外線:絶縁体のポリエチレンは紫外線による劣化が知られている。ただし、「タイシガイセン」と表面に表示されたEEF/Fの絶縁体には紫外線に強い材料が使われている

試験センターの資料が「VVF用ストリッパでは適切にはぎ取れないことがある」と書く理由は、センターの資料自体には書かれていません。業界団体の資料が「被覆除去性がビニルと異なる」と述べている、という事実を並べて示すにとどめます。「タイシガイセン」は、学科の写真問題でケーブル表面の印字として出てくる表示と同じです。

出典:日本電線工業会 EM電線・ケーブル(規格一覧表・取り扱い上の注意)。

学科の名称は「写真を見て答える」形で出る

EM-EEFは、ケーブルの表面に印字された文字つきの写真で、名称を選ぶ問題として出ています。印字は「タイシガイセン EM600V EEF/F1.6mm JIS JET<PS>E○○社 タイネン」の形です。センターが公表した問題では、次のように出題されています。

出題問い正解の選択肢
令和4年度下期(午前)問16写真に示す材料の名称は。「600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形」
令和4年度下期(午後)問16写真に示す材料の名称は。同上
令和6年度下期 問16写真に示す材料の名称は。同上(ハ)

選択肢には「600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」(VVF)も並びます。ケーブルの写真は、名称の書き方(ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシース か、ビニル絶縁ビニルシース か)で区別します。

出典:令和4年度下期(午前)問16・(午後)問16(問題・解答、午後の問題・解答)、令和6年度下期 問16(問題・解答)。一般財団法人 電気技術者試験センター。

この論点の問題(EM-EEF が出る学科の問題):

EM-EEFの特徴はどう問われるか(令和5年度上期 問16)

センターは、EM-EEFの写真を示して、特徴のうち「誤っているもの」を選ばせる問題を出しています。令和5年度上期(午前)問16は次のとおりです(印字は「タイシガイセン EM600V EEF/F1.6mm JIS JET<PS>E○○社 タイネン 2014」)。

写真に示す材料の特徴として,誤っているものは。
イ.分別が容易でリサイクル性がよい。
ロ.焼却時に有害なハロゲン系ガスが発生する。
ハ.ビニル絶縁ビニルシースケーブルと比べ絶縁物の最高許容温度が高い。
ニ.難燃性がある。
(出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士 学科試験 問16、一般財団法人 電気技術者試験センター)

センターの公表した正解は「ロ」です。つまり、この問題の設定では、EM-EEFについて次の4点が整理できます。

  • 分別が容易でリサイクル性がよい(イは正しい特徴)
  • 焼却時に有害なハロゲン系ガスは発生しない(ロが誤り)
  • ビニル絶縁ビニルシースケーブルと比べて、絶縁物の最高許容温度が高い(ハは正しい特徴)
  • 難燃性がある(ニは正しい特徴)

出典:問題・解答(令和5年度上期(午前))。材質の説明は、前の節の日本電線工業会の解説を参照してください。この記事では規格番号は扱いません。

絶縁物の最高許容温度は75℃(学科で2回確認できた出題)

EM-EEFの「絶縁物の最高許容温度[℃]」を直接問う問題があります。選択肢は 60・75・90・120 で、センターの正解は 75 です。

出題問題文(抜粋)選択肢公式正解
令和4年度上期(午前)問12「600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形(EM-EEF)の絶縁物の最高許容温度[℃]は。」イ60 ロ75 ハ90 ニ120ロ(75)
令和7年度下期 問12「600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形の絶縁物の最高許容温度[℃]は。」イ60 ロ75 ハ90 ニ120ロ(75)
出題と公式正解:EM-EEFの絶縁物の最高許容温度は、令和4年度上期(午前)問12・令和7年度下期 問12の2回とも、センターの公式正解が75℃(選択肢ロ)。最終確認日:2026-10-04。出典:令和4年度上期 午前 問題・解答、令和7年度下期 問題・解答。

VVF単独の最高許容温度を問う出題は、当サイトの収録問題では確認していません。EM-EEFが「ビニル絶縁ビニルシースケーブルより高い」という比較は、令和5年度上期の出題(前節)で確認でき、日本電線工業会も「ビニル 60℃→耐燃性ポリエチレン 75℃」(EEF/Fの場合)と説明しています。学科対策としては、EM-EEFの75℃を押さえれば足ります。

技能試験ではどちらを使うか

センターの「技能試験の概要と注意すべきポイント」(令和8年3月)は、電線の取り扱いについて次のように述べています。

技能試験では,主にVVF ケーブルが使用されますが,課題によってはエコケーブル(EM-EEF)やVVR ケーブルなどが出題される場合があります。

令和8年度の候補問題は、No.1〜No.13 の配線図の中から出題されるとされ、注として「記載のない電線の種類は,VVF1.6とする。」と書かれています。No.1 の図には「EM-EEF 2.0-2C」の表記があり、No.2 以降には「VVF 2.0-2C」「VVF 2.0-3C」などの表記が見えます。令和6年度・令和7年度の候補問題も、図の中に「EM-EEF 2.0-2C」の表記が1か所あります。

年度の候補問題EM-EEFの表記
令和8年度(令和8年1月16日公表)図の中に「EM-EEF 2.0-2C」が1か所(No.1)
令和7年度図の中に「EM-EEF 2.0-2C」が1か所
令和6年度(令和6年1月26日公表)図の中に「EM-EEF 2.0-2C」が1か所

出典:令和8年度候補問題、令和7年度候補問題、令和6年度候補問題。候補問題の個別の作業は、電気工事士の実技試験にまとめています。

電線の種類は、配線図の指定のとおりに作る必要があります。センターの欠陥の判断基準には、「2-3.電線の種類が配線図と相違したもの」があります。配線図に書かれた種類と違う電線で作ると、この欠陥に当たります。技能試験では支給材料以外の材料は使えないため(令和8年度下期 受験案内 冊子44頁)、配られた材料の種類と図の表記を最初に照らしておくと安心です。

出典:欠陥の判断基準 2-3。

外装をむくときの注意(VVF用ストリッパとの関係)

センターの資料は、EM-EEFやVVRについて、「材質の特性上VVF 用ストリッパでは適切に外装をはぎ取れないことがあり,心線を傷つける原因となります」と述べ、「電工ナイフを用いるなど,ケーブルの種類に応じた適切な方法で作業を行うことが重要」「本番で確実に作業できるよう事前に十分な練習を行ってください」としています(冊子19頁)。

学科にも、VVF用ストリッパの写真が出ています。令和5年度上期(午前)問18「写真に示す工具の用途は。」の正解は「イ.VVF ケーブルの外装や絶縁被覆をはぎ取るのに用いる。」です(問題・解答)。

外装のはぎ取りで欠陥になる主な項目は、センターの判断基準に次のようにあります。これらの項目は、ケーブルの外装全般について書かれています(5-1 ハだけは VVR・CVV の介在物に限った項目です)。

判断基準の項目内容(センターの表記)
5-1 イケーブルを折り曲げたときに絶縁被覆が露出するもの
5-1 ロ外装縦われが20mm 以上のもの
5-2絶縁被覆の損傷で,電線を折り曲げたときに心線が露出するもの
6-2 ニケーブル外装のはぎ取り不足で,絶縁被覆が20mm 以下のもの
8-6ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線で,ケーブル外装が台座の中に入っていないもの

なお、センターの「技能試験の概要と注意すべきポイント」(冊子19頁)には、「表面に傷がついている程度のものについては欠陥と致しません」とも書かれています。

指定工具に電工ナイフは入っていますが、VVF用ストリッパは入っていません。「カッターナイフで怪我をされる方がおります。使用は自粛してください。」とも案内されています(令和8年度下期 受験案内 冊子44頁)。工具の選び方は技能試験の必要工具にまとめています。

出典:技能試験の概要と注意すべきポイント 冊子19頁、欠陥の判断基準、令和8年度下期 受験案内。

練習と暗記の進め方

  • 学科は、名称(ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形)と、特徴の3点(リサイクル性・ハロゲン系ガスが出ない・難燃性)、最高許容温度の75℃を、上の出題で確認する
  • 技能は、配線図のケーブル表記(EM-EEF/VVF)を見て、配られた材料の種類と合っているかを最初に確かめる
  • 外装のむき方は、VVF用ストリッパに頼らず、電工ナイフでの外装のむき方も練習しておく(センターの資料の趣旨)
  • 暗記する用語は、暗記表にもまとめています

関連:電気工事士の実技試験・技能試験の必要工具・電気工事士の暗記表。

よくある質問

QEM-EEFとVVFは、試験の配線図ではどう見分けますか?

電線の種類は配線図に「EM-EEF 2.0-2C」や「VVF 2.0-2C」のように書かれ、記載がない電線は注意書きで種類が指定されます。令和8年度の候補問題では「記載のない電線の種類は,VVF1.6とする。」とされ、No.1 の図に「EM-EEF 2.0-2C」の表記があります。配線図と違う電線の種類で作ると、欠陥の判断基準の「2-3.電線の種類が配線図と相違したもの」に当たります。出典:令和8年度候補問題、欠陥の判断基準。

QEM-EEFのむき方は、VVFと同じでよいですか?

電気技術者試験センターの資料は、EM-EEFやVVRは材質の特性上VVF用ストリッパでは適切に外装をはぎ取れないことがあり、心線を傷つける原因になるため、電工ナイフを用いるなどケーブルの種類に応じた方法で作業し、事前に十分練習するよう求めています。出典:技能試験の概要と注意すべきポイント(令和8年3月) 冊子19頁。

QVVF用ストリッパは、技能試験の指定工具に入っていますか?

入っていません。令和8年度下期の受験案内の指定工具は、ペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具の6点です。出典:令和8年度下期 受験案内 冊子44頁。

QEM-EEFの「EM」は何の意味ですか?

電線メーカーの業界団体である日本電線工業会は、「EMとはエコマテリアル(Ecomaterial)および耐燃性の意味です」と説明しています。従来のビニル電線・ケーブルに比べ、被覆材にハロゲン元素を含まないため焼却や火災時などに有害なハロゲン系ガスの発生がない、などの特長が挙げられています。出典:日本電線工業会 EM電線・ケーブル。

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