問題
図のような低圧屋内幹線を保護する配線用遮断器B1(定格電流100A)の幹線から分岐するA〜Dの分岐回路がある。A〜Dの分岐回路のうち,配線用遮断器Bの取り付け位置が不適切なものは。ただし,図中の分岐回路の電流値は電線の許容電流を示し,距離は電線の長さを示す。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
幹線から分岐した電線には、原則として分岐点から3m以下の場所に配線用遮断器を付けます。ただし、分岐した電線が太い(許容電流が大きい)ほど、遠くに付けてもよくなります。幹線の遮断器B1は100Aなので、分岐する電線の許容電流が35A以上なら8mまで、55A以上なら長さの制限なしです。Aの電線は34Aで35Aに届かないため3m以下にしなければなりませんが、4mの位置に付いているので不適切です。B(42A・5m)、C(61A・9m)は条件を満たしています。正答はア(A)です。
【根拠:電気設備の技術基準の解釈 第149条第1項第一号】
低圧分岐回路の過電流遮断器は、幹線との分岐点から電線の長さが3m以下の箇所に施設します。ただし、分岐点から過電流遮断器までの電線が次のいずれかなら、3mを超えてもかまいません。
・電線の許容電流が、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上(長さの制限なし)
・電線の長さが8m以下で、許容電流が同じく35%以上
【各分岐回路の判定(幹線の遮断器B1=100A)】
・A:34A÷100A=34%(35%未満)→ 3m以下が必要。4mなので不適切。
・B:42%(35%以上)、5m(8m以下)→ 適合。
・C:61%(55%以上)→ 長さの制限なし、9mでも適合。
・D:手前の42Aの電線(42%・6m)は「35%以上・8m以下」を満たす太い電線として扱え、その先の分岐点(●)から24Aの電線を1m(3m以下)で遮断器に接続しているので適合。
よって不適切なのはAで、正答はア。
【覚え方】
「3m/35%なら8m/55%なら無制限」と、幹線側の遮断器の定格電流に対する割合で判断します。
【なぜ距離と太さで決まるのか】
分岐点から分岐回路の遮断器までの電線は、分岐回路の遮断器では守られず、幹線側の100Aの遮断器でしか保護されません。細い電線がこの区間で短絡や過負荷になると、100Aの遮断器が動作するまでに電線が過熱するおそれがあります。そこで「細い電線はごく短く(3m以下)」「ある程度太ければ8mまで」「十分太ければ(55%以上)制限なし」と、危険の大きさに応じて許される長さを決めています。
【Dの考え方(第148条第1項第四号との関係)】
幹線から分かれる太い電線も、許容電流が幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上で長さ8m以下なら、その電線自体に過電流遮断器を設けなくてよいと定められています(解釈第148条第1項第四号ロ)。Dの42A・6mの電線はこの条件を満たすので、その先の分岐点(●)から改めて第149条を当てはめます。24Aの電線は24%なので3m以下が必要で、1mの位置に遮断器があるため適合です。電線の太さが途中で変わるときは、太さが変わる点を新たな分岐点として区間ごとに判断する、と考えると整理できます。
【計算上の注意】
・割合は分岐した電線の許容電流と、幹線を保護する過電流遮断器(B1)の定格電流で比べます。分岐回路の負荷電流や分岐回路の遮断器の定格ではありません。
・距離は直線距離ではなく電線の長さです(問題文のただし書き)。
【実務とのつながり】
分電盤やプルボックスで幹線から分岐するとき、遮断器を分岐点の近くにまとめて置けない場合に、このルールで電線の太さと長さを決めます。施工中に配線ルートが延びて8mを超えたり、電線を細いサイズに変更したりすると条件を外れるため、施工図の段階で長さと許容電流を確認しておくことが大切です。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


