問題
図のような単相3線式配電線路において,負荷A,負荷Bともに負荷電圧100V,負荷電流10A,力率0.8(遅れ)である。このとき,電源電圧Vの値[V]は。ただし,配電線路の電線1線当たりの抵抗は0.5Ωである。なお,計算においては,適切な近似式を用いること。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
負荷Aと負荷Bは電流も力率も同じなので、中性線(真ん中の線)には電流が流れません。だから中性線では電圧が下がらず、電圧が下がるのは外側の線1本分だけです。
電圧の下がり方は、近似式で「電流 × 線の抵抗 × 力率」= 10 × 0.5 × 0.8 = 4V。
電源電圧 V = 100 + 4 = 104V。正答はイ。
正答:イ(104V)
【手順】
① 中性線の電流:負荷Aの電流(10A・力率0.8遅れ)と負荷Bの電流(同じ)が中性線では逆向きに重なり、差は 0A
② 電源の上側の V [V] から負荷Aまでの経路は「外側の線1本(0.5Ω)+中性線(電流0なので電圧降下0)」
③ 近似式による電圧降下:v = I(R cosθ + X sinθ)。配電線路は抵抗だけなので X = 0
v = 10 × 0.5 × 0.8 = 4V
④ 電源電圧:V = 100 + 4 = 104V(下側も同じ)
【力率を掛ける理由】
負荷電流は電圧より遅れているので、線路の抵抗による電圧降下(電流と同相)は、負荷電圧と同じ向きの成分が「I R cosθ」になります。近似式はこの成分だけを足すものです。力率を掛け忘れると 100 + 5 = 105V となり、選択肢に合いません。
正答:イ。 近似式の根拠と、単相2線式との違いを確かめます。
【近似式の根拠】
負荷電圧 V_r を基準にとると、電流は I(cosθ − j sinθ) です。線路の抵抗 r による電圧降下は r I(cosθ − j sinθ) なので
V_s = V_r + rI cosθ − j rI sinθ
= (100 + 4) − j3 [V]
大きさは √(104² + 3²) = √(10816 + 9) ≒ 104.04V。虚数部(直角成分 3V)は大きさにほとんど影響しないので、実数部だけを足す近似式 V_s ≒ V_r + rI cosθ が使えます。
【単相2線式と比べると】
同じ 100V・10A の負荷を単相2線式で送ると、電流は往復2本を流れるので
電圧降下 = 2 × 10 × 0.5 × 0.8 = 8V(電源電圧 108V)
単相3線式で上下の負荷が平衡していると、中性線の電流が0になり、電圧降下は外線1本分だけになります。これが単相3線式の利点(電圧降下・電力損失が小さい)です。
【平衡がくずれたら】
負荷Aと負荷Bの電流が違うと、その差が中性線に流れ、中性線でも電圧が下がります。そのとき軽い負荷側の電圧は上がることがあり、中性線が断線すると、上下の負荷が直列になって 200V を分け合うため、軽い負荷(抵抗が大きい側)に 100V を大きく超える電圧がかかる危険があります。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和2年度 第一種電気工事士 学科試験 問6(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


