問題
特殊健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはイです。特殊健康診断の記録保存期間は「一律5年」ではありません。特化則では、特別管理物質を製造し、又は取り扱う業務に常時従事し、又は従事した労働者の個人票は30年間保存し(特化則第40条第2項)、電離放射線健康診断の個人票も30年間保存します(電離則第57条)。
ア(有機溶剤は雇入れ・配置替え時+6か月以内ごと)、ウ(一般健診と特殊健診は別個の義務)、エ(高圧室内業務・潜水業務も対象)、オ(過去に従事した労働者も対象になる場合がある)はいずれも正しい記述です。
特殊健康診断の全体像(安衛法第66条第2項・各特別規則):
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 有機溶剤業務に常時従事する労働者には、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に健康診断を行います(有機則第29条第2項)。
- イ(誤): 有機溶剤等健康診断個人票は5年間保存ですが(有機則第30条)、特化則では特別管理物質に係る業務の個人票は30年間保存(特化則第40条第2項)、電離放射線健康診断個人票は30年間保存です(電離則第57条)。「一律5年」は誤りです。
- ウ(正): 安衛法第66条第1項の健康診断(一般健康診断)と、第2項の特別の項目についての健康診断(特殊健康診断)は別個に定められた義務です。
- エ(正): 安衛法第66条第2項前段の有害な業務には、高圧室内作業に係る業務と潜水業務が含まれます(安衛令第22条第1項第1号・第6条第1号・第20条第9号)。
- オ(正): 安衛法第66条第2項後段は、政令で定める有害な業務に「従事させたことのある労働者で、現に使用しているもの」にも特殊健康診断を行うことを定めています(対象業務は安衛令第22条第2項)。
【理論的背景】
特殊健康診断(安衛法第66条第2項)は、政令で定める有害な業務に従事する労働者に対し、医師による特別の項目について行う健康診断です。一般健康診断(第66条第1項)とは別に定められた義務であり、対象となる業務は安衛令第22条が定め、実施の時期・項目・記録の保存は有機則・特化則・電離則などの特別規則が定めています。
特殊健康診断には、一般健康診断にない特徴が2つあります。
1. 現に従事している労働者だけでなく、政令で定める有害な業務に「従事させたことのある労働者で、現に使用しているもの」も対象になる(安衛法第66条第2項後段・安衛令第22条第2項)
2. 記録の保存期間が規則ごとに定められ、5年より長いものがある
【実務・条文構造】
特殊健康診断の頻度・保存期間(条文を確認できる主要なもの):
| 対象業務 | 根拠規則 | 実施時期 | 個人票の保存期間 |
|---|---|---|---|
| 有機溶剤業務 | 有機則第29条・第30条 | 雇入れ・配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回 | 5年 |
| 特定化学物質の業務 | 特化則第39条・第40条第1項 | 雇入れ・配置替えの際及びその後特化則別表第三の期間以内ごとに1回 | 5年 |
| 特別管理物質を製造し、又は取り扱う業務 | 特化則第40条第2項 | 同上 | 30年 |
| 放射線業務(管理区域に立ち入る者) | 電離則第56条・第57条 | 雇入れ・配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回 | 30年(5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは例外) |
特化則第40条第2項の30年保存の対象は、「特別管理物質を製造し、又は取り扱う業務(クロム酸等を取り扱う業務にあつては、クロム酸等を鉱石から製造する事業場においてクロム酸等を取り扱う業務に限る。)に常時従事し、又は従事した労働者」の個人票です。
健康管理手帳制度(安衛法第67条):
がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務で政令で定めるものに従事していた者のうち、一定の要件に該当する者に対し、都道府県労働局長が離職の際又は離職の後に健康管理手帳を交付します(第1項)。政府は、手帳を所持している者に対する健康診断に関し、必要な措置を行います(第2項)。
【試験での位置づけ】
特殊健診関連の頻出事項は「一般定期健診(1年以内ごと)と特殊健診(有機則・電離則では6月以内ごと)の頻度の違い」「記録保存期間(5年と30年の使い分け)」「雇入れ・配置替えの際にも実施」の3点です。本問のイ(一律5年という誤り)は「30年保存が存在することを知っているか」を問う典型問題です。特化則の特別管理物質と電離放射線の30年保存を確実に覚えておきましょう。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 有機溶剤等健康診断の項目には、業務の経歴の調査、作業条件の簡易な調査、有機溶剤による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査などがあり(有機則第29条第2項)、医師が必要と認める者には貧血検査・肝機能検査・腎機能検査・神経学的検査なども行います(同条第5項)。
- イ: 有機則(5年)と、特化則の特別管理物質・電離則(30年)とで保存期間が異なります。一般健康診断の健康診断個人票は5年保存です(安衛則第51条)。
- ウ: 一般健康診断(安衛法第66条第1項)と特殊健康診断(同条第2項)は別の規定に基づく義務です。
- エ: 高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部において行う作業)に係る業務と、潜水器を用いて送気等を受けて水中で行う潜水業務は、安衛令第22条第1項第1号により特殊健康診断の対象です。
- オ: 安衛法第66条第2項後段により、過去に従事させたことのある労働者で現に使用しているものにも特殊健康診断を行う場合があります。離職後については、健康管理手帳制度(安衛法第67条)があります。
【根拠法令】労働安全衛生法 第66条第1項・第2項(健康診断・特殊健康診断)・第67条(健康管理手帳)、労働安全衛生法施行令 第22条、有機溶剤中毒予防規則 第29条・第30条(5年保存)、特定化学物質障害予防規則 第39条・第40条(特別管理物質は30年保存)、電離放射線障害防止規則 第56条・第57条(30年保存)
【補足】特殊健診の記録保存期間は一律5年ではなく、特化則の特別管理物質に係る業務や電離放射線健康診断は30年保存が必要。この違いが最重要の出題ポイント。
- 労働安全衛生規則第44条・第51条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第40条・第39条e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則第57条・第56条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第66条・第67条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第29条・第30条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第66条第1項・第2項(健康診断・特殊健康診断)、労働安全衛生法施行令(安衛令)第22条(健康診断を行うべき有害な業務)、有機溶剤中毒予防規則(有機則)第29条・第30条、特定化学物質障害予防規則(特化則)第39条・第40条、電離放射線障害防止規則(電離則)第56条・第57条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

