問題
電離放射線障害防止規則(電離則)における女性(妊娠可能期間中の女性・妊娠中の女性)の線量限度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはオです。女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断された者と妊娠と診断された者を除く)には、男女共通の制限(5年100mSv・1年50mSv)とは別に、「3か月間につき5mSv」を超えてはならない制限があります(電離則第4条第2項)。妊娠していない女性に適用される制限です。
各誤りの要点: ア→3か月間5mSvの制限がある。イ→腹部表面の等価線量は妊娠中2mSv。ウ→内部被ばくによる実効線量は妊娠中1mSv。エ→3か月間5mSvの制限は妊娠と診断された者には適用されず、妊娠していない女性に適用される(妊娠中は第6条の制限)。
女性の放射線業務従事者に係る線量限度の整理(電離則):
| 区分 | 対象 | 制限値 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 実効線量(共通) | 放射線業務従事者 | 5年間100mSv・1年間50mSv | 第4条第1項 |
| 女性の実効線量 | 女性(妊娠する可能性がないと診断された者・第6条の者を除く) | 3か月間につき5mSv | 第4条第2項 |
| 妊娠中の内部被ばく | 妊娠と診断された時〜出産 | 実効線量1mSv | 第6条第1項第1号 |
| 妊娠中の腹部表面 | 妊娠と診断された時〜出産 | 等価線量2mSv | 第6条第1項第2号 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 電離則第4条第2項により、女性には3か月間につき5mSvの制限があります。
- イ(誤): 電離則第6条第1項第2号は、腹部表面に受ける等価線量を「二ミリシーベルト」としています。
- ウ(誤): 電離則第6条第1項第1号は、内部被ばくによる実効線量を「一ミリシーベルト」としています。
- エ(誤): 電離則第4条第2項は、「妊娠する可能性がないと診断されたもの及び第六条第一項に規定する放射線業務従事者」を除いて適用されます。妊娠と診断された女性はむしろ対象外で、第6条の制限を受けます。
- オ(正): 女性の3か月間5mSvは、第4条第1項の制限とは別に定められた女性の制限で、妊娠していない女性(妊娠する可能性がないと診断された者を除く)に適用されます。
【理論的背景】
電離則は、女性の放射線業務従事者について、妊娠の状況に応じて2段階の制限を置いています。妊娠する可能性がないと診断された者を除く女性(妊娠と診断されていない者)には、3か月間という短い期間ごとの実効線量の上限があります(第4条第2項)。妊娠と診断された後は、内部被ばくによる実効線量と腹部表面に受ける等価線量に、妊娠中の期間全体で上限が設けられています(第6条第1項)。
【実務・条文構造】
女性の実効線量(電離則第4条第2項):
- 対象: 女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断された者と、第6条第1項の妊娠中の者を除く)
- 限度: 3か月間につき5mSv(第1項の規定にかかわらず適用)
妊娠中の女性(電離則第6条第1項):
- 期間: 妊娠と診断されたときから出産までの間(妊娠中)
- 第1号 内部被ばくによる実効線量: 1mSv
- 第2号 腹部表面に受ける等価線量: 2mSv
請負人への周知(電離則第4条第3項・第6条第2項):
- 管理区域内の放射線業務の一部を請負人に請け負わせるときは、作業従事者の線量がこれらの限度を超えないようにする必要がある旨を周知させる
その他の限度(男女共通):
- 実効線量: 5年間100mSv・1年間50mSv(第4条第1項)
- 眼の水晶体: 5年間100mSv及び1年間50mSv、皮膚: 1年間500mSv(第5条第1項)
緊急作業(電離則第7条第1項):
- 通常の限度を超えて従事させることができるのは、男性と妊娠する可能性がないと診断された女性に限られます
【試験での位置づけ】
「女性の3か月間5mSv」「妊娠中の内部被ばく1mSv・腹部表面2mSv」の数値と、それぞれの対象(妊娠していない女性/妊娠と診断された女性)の区別がよく問われます。エのように「妊娠が確認された場合のみ3か月5mSvが適用」とする記述は、2段階の制限の対象を入れ替えた典型的な引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第4条第2項は「前項の規定にかかわらず」と定めており、女性には第1項とは別に3か月間の上限がかかります。
- イ: 腹部表面の等価線量(2mSv)は外部からの被ばく、内部被ばくの実効線量(1mSv)は体内に取り込んだ放射性物質による被ばくを対象とする区分です。
- ウ: 妊娠中の限度は「妊娠中につき」の値で、1年ごとや3か月ごとに区切るものではありません(第6条第1項)。
- エ: 妊娠する可能性がないと診断された女性は、第4条第2項の対象から除かれ、緊急作業にも従事させることができます(第7条第1項)。
- オ: 放射線業務の一部を請負人に請け負わせるときも、女性の作業従事者の実効線量が3か月間5mSvを超えないようにする必要がある旨を周知させます(第4条第3項)。
【根拠法令】電離放射線障害防止規則 第4条第1項(実効線量限度:5年100mSv・1年50mSv)・第4条第2項(女性:3か月間5mSv)・第4条第3項(請負人への周知)・第5条第1項・第6条第1項第1号(妊娠中の内部被ばくの実効線量:1mSv)・第6条第1項第2号(妊娠中の腹部表面の等価線量:2mSv)・第7条第1項
【補足】女性の「3か月間5mSv」は妊娠していない女性(妊娠する可能性がないと診断された者を除く)に適用。妊娠と診断された女性は、妊娠中につき内部被ばくの実効線量1mSv・腹部表面の等価線量2mSv。
- 電離放射線障害防止規則第4条・第6条・第7条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 電離放射線障害防止規則(電離則)第4条第1項(実効線量限度)・第4条第2項(女性:3か月間5mSv)・第6条第1項(妊娠中の女性:内部被ばくの実効線量1mSv・腹部表面の等価線量2mSv)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

