問題
有害業務に係る特殊健康診断(有機溶剤・特定化学物質・鉛等)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはエです。有機則第30条の2第1項第1号は、有機溶剤等健康診断の結果に基づく医師からの意見聴取を、健康診断が行われた日から「三月以内」に行うよう定めています。6か月以内では足りません。
ア(雇入れ時・配置替え時・原則6か月ごと)・イ(原則5年、特別管理物質と電離放射線は30年、石綿は40年保存)・ウ(医師の意見を勘案した就業上の措置)・オ(電離放射線健康診断は6か月ごと)は正しい内容です。
有害業務別の特殊健康診断の頻度と記録保存の整理:
| 業務・有害物 | 根拠規則 | 定期の頻度 | 個人票の保存期間 |
|---|---|---|---|
| 有機溶剤業務 | 有機則第29条・第30条 | 原則6か月以内ごと(第29条第6項の条件を満たせば1年) | 5年間 |
| 特定化学物質(第1・2類) | 特化則第39条・第40条 | 原則6か月以内ごと(第39条第4項の条件を満たせば1年) | 5年(特別管理物質は30年) |
| 鉛業務 | 鉛則第53条・第54条 | 原則6か月以内ごと(一部の業務は1年) | 5年間 |
| 放射線業務 | 電離則第56条・第57条 | 6か月以内ごと | 30年間 |
| 石綿業務 | 石綿則第40条・第41条 | 6か月以内ごと | 40年間 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 有機則第29条第2項・特化則第39条第1項・鉛則第53条第1項のとおりです。
- イ(正): 有機則第30条・特化則第40条第1項・鉛則第54条は5年、特化則第40条第2項(特別管理物質)と電離則第57条は30年、石綿則第41条は40年です。
- ウ(正): 安衛法第66条の4で医師の意見を聴き、第66条の5で「医師…の意見を勘案し、その必要があると認めるときは」就業場所の変更・作業の転換・労働時間の短縮等の措置を講じます。
- エ(誤): 意見聴取の期限は健康診断が行われた日から3か月以内です(有機則第30条の2第1項第1号)。
- オ(正): 電離則第56条第1項のとおりです。
【理論的背景】
特殊健康診断は、安衛法第66条第2項に基づき、安衛令第22条に掲げる有害な業務に常時従事する労働者を対象に、各規則が時期・項目を定めています。実施後の流れは一般健康診断と同じで、異常の所見があると診断された労働者について医師から意見を聴き(安衛法第66条の4)、その意見を勘案して必要があると認めるときは就業上の措置を講じます(同法第66条の5)。各規則は、この意見聴取について、健康診断が行われた日から3か月以内に行い、聴取した医師の意見を個人票に記載するよう定めています(有機則第30条の2、特化則第40条の2、鉛則第54条の2、石綿則第42条など)。
【実務・条文構造】
実施時期と頻度:
- 雇入れの際・当該業務への配置替えの際・その後定期に(有機則第29条第2項、特化則第39条第1項、鉛則第53条第1項、石綿則第40条第1項、電離則第56条第1項)
- 定期の頻度は原則6か月以内ごと。有機則・特化則・鉛則には、作業環境の評価が直近3回連続で第1管理区分であることなどを条件に1年以内ごととする規定があります(有機則第29条第6項、特化則第39条第4項、鉛則第53条第4項)。鉛則では一部の鉛業務は最初から1年以内ごとです
個人票の作成と保存:
- 有機溶剤等健康診断個人票・特定化学物質健康診断個人票・鉛健康診断個人票: 5年間(有機則第30条、特化則第40条第1項、鉛則第54条)
- 特別管理物質に係る特定化学物質健康診断個人票: 30年間(特化則第40条第2項)
- 電離放射線健康診断個人票: 30年間(電離則第57条。5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときを除く)
- 石綿健康診断個人票: 常時従事しなくなった日から40年間(石綿則第41条)
医師からの意見聴取(有機則第30条の2):
- 健康診断が行われた日から3か月以内に行う
- 聴取した医師の意見を有機溶剤等健康診断個人票に記載する
- 医師から労働者の業務に関する情報を求められたときは、速やかに提供する
【試験での位置づけ】
「特殊健診の時期(雇入れ・配置替え・原則6か月ごと)」「個人票の保存期間(5年・30年・40年)」「医師からの意見聴取は3か月以内」「就業上の措置は医師の意見を勘案して必要があると認めるとき」がよく問われます。エのように意見聴取の期限を延ばした記述は、数値の入れ替えによる典型的な引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 鉛則では、令別表第4第17号などの一部の鉛業務とその作業場所の清掃の業務に従事する労働者は、最初から1年以内ごとに1回です(鉛則第53条第1項)。
- イ: 特別管理物質を製造し、又は取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときは、特別管理物質等関係記録等報告書に測定の記録・作業の記録・特定化学物質健康診断個人票等を添えて所轄労働基準監督署長に提出します(特化則第53条)。
- ウ: 措置には、就業場所の変更・作業の転換・労働時間の短縮・深夜業の回数の減少等のほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備なども含まれます(安衛法第66条の5第1項)。
- エ: 意見聴取の期限(3か月以内)は、特化則(第40条の2)・鉛則(第54条の2)・石綿則(第42条)でも同じです。
- オ: 電離放射線健康診断では、定期のものについて、前年1年間の実効線量が5mSvを超えず、当年も5mSvを超えるおそれのない者は、医師が必要と認めないときは血液・眼・皮膚の検査を行うことを要しません(電離則第56条第4項)。
【根拠法令】労働安全衛生法 第66条の4・第66条の5、有機溶剤中毒予防規則 第29条・第30条・第30条の2、特定化学物質障害予防規則 第39条・第40条・第40条の2・第53条、鉛中毒予防規則 第53条・第54条・第54条の2、石綿障害予防規則 第40条・第41条・第42条、電離放射線障害防止規則 第56条・第57条
【補足】特殊健診の結果に基づく医師からの意見聴取は健康診断が行われた日から3か月以内。個人票の保存は原則5年、特別管理物質・電離放射線は30年、石綿は40年。定期の頻度は原則6か月以内ごと。
- 特定化学物質障害予防規則第39条・第40条・第40条の2・第53条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第30条の2・第29条・第30条e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則第53条・第54条・第54条の2e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則第56条・第57条e-Govで原文を読む
- 石綿障害予防規則第40条・第41条・第42条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第66条の4・第66条・第66条の5e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則(有機則)第29条・第30条・第30条の2(医師からの意見聴取:3か月以内)、特化則第39条・第40条、鉛則第53条・第54条、石綿則第41条、電離則第56条・第57条、労働安全衛生法第66条の4・第66条の5。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

