衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問23|特化則・第1類物質の製造許可

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務) | 第一種

特定化学物質の中でも、製造に厚生労働大臣の許可を要する物質(特化則の第1類物質等)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正しいのはイです。安衛法第56条第1項は、第1類物質を「製造しようとする者は…あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受けなければならない」と定めており、試験研究目的を除く規定はありません。試験研究のための製造は、許可の基準(特化則第50条第2項)が簡略になっているだけです。

各誤りの要点: ア→許可するのは厚生労働大臣です。ウ→製造設備は密閉式の構造とする必要があります(特化則第50条第1項第2号)。エ→許可は物ごと・プラントごとに行われます(特化則第48条)。オ→一定の含有率を超えて含有する製剤等も第1類物質です(安衛令別表第三第一号8)。

第1類物質の製造許可のしくみ:

項目内容
許可権者厚生労働大臣(安衛法第56条第1項)
対象物安衛令別表第三第一号の第1類物質(安衛令第17条)
許可の単位物ごと・プラントごと(特化則第48条)
申請経路製造場所を管轄する労働基準監督署長を経由して厚生労働大臣へ(特化則第49条)
許可の基準試験研究以外:特化則第50条第1項/試験研究:同条第2項
作業主任者特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の修了者から選任(特化則第27条)

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 許可権者は厚生労働大臣です(安衛法第56条第1項)。
  • ウ(誤): 試験研究以外の製造では、製造設備は「密閉式の構造のもの」とすることが基準です(特化則第50条第1項第2号)。局所排気装置で密閉化に代える規定はありません。
  • イ(正): 安衛法第56条にはただし書がなく、試験研究目的でも許可が必要です。特化則第50条第1項は「試験研究のための…製造を除く」とし、試験研究の基準は同条第2項に別に定められています。
  • エ(誤): 許可は「物ごとに、かつ、当該物を製造するプラントごとに」行われます(特化則第48条)。
  • オ(誤): 安衛令別表第三第一号8は、1〜6の物を重量の1%を超えて、7(ベンゾトリクロリド)を0.5%を超えて含有する製剤その他の物を第1類物質としています。

【理論的背景】

安衛法第56条第1項は「ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物で、政令で定めるもの」の製造を、厚生労働大臣の許可制としています。政令で定める物は、安衛令別表第三第一号に掲げる第1類物質及び石綿分析用試料等です(安衛令第17条)。第1類物質は次のとおりです(安衛令別表第三第一号):

  • 1 ジクロルベンジジン及びその塩
  • 2 アルファ-ナフチルアミン及びその塩
  • 3 塩素化ビフェニル(別名PCB)
  • 4 オルト-トリジン及びその塩
  • 5 ジアニシジン及びその塩
  • 6 ベリリウム及びその化合物
  • 7 ベンゾトリクロリド
  • 8 1〜6を重量の1%を超えて、又は7を重量の0.5%を超えて含有する製剤その他の物(合金にあっては、ベリリウムを重量の3%を超えて含有するものに限る)

安衛法第56条第2項により、厚生労働大臣は、製造設備・作業方法等が大臣の定める基準に適合していると認めるときでなければ許可をしてはなりません。許可を受けた製造者は、製造設備を基準に適合するよう維持し(同条第3項)、基準に適合する作業方法に従って製造しなければならず(同条第4項)、大臣は改善命令(同条第5項)や許可の取消し(同条第6項)を行うことができます。

【実務・条文構造】

  • 許可の単位: 「令別表第三第一号に掲げる物ごとに、かつ、当該物を製造するプラントごとに」行う(特化則第48条)
  • 手続: 様式第5号の申請書に摘要書(様式第6号)を添え、製造場所を管轄する労働基準監督署長を経由して厚生労働大臣に提出。許可されると許可証(様式第7号)が交付される(特化則第49条)
  • 試験研究以外の基準(ジクロルベンジジン等、特化則第50条第1項): 作業場所の隔離と床・壁の不浸透性材料、製造設備の密閉式構造、労働者の身体に直接接触しない送給・移送・運搬、隔離室での遠隔操作(粉状の物を湿潤な状態にして取り扱わせるときを除く)、作業衣・不浸透性の保護手袋・保護長靴の着用 など
  • 試験研究のための基準(同条第2項): 製造設備は密閉式(作業の性質上著しく困難な場合はドラフトチェンバー内部に設置)、床は水洗で容易に掃除できる構造、製造者は必要な知識を有する者、不浸透性の保護前掛・保護手袋の使用
  • ベリリウム等は別に特化則第50条の2で基準が定められている

【試験での位置づけ】

「許可権者=厚生労働大臣」が最頻出の論点です。混同しやすいのが安衛法第55条の製造等禁止物質(ベンジジン等)で、こちらは製造等が原則禁止され、ただし書により試験研究のための製造・輸入・使用が、都道府県労働局長の許可等の要件(安衛令第16条第2項)を満たす場合に限って認められます(申請は特化則第46条)。「第56条=大臣の許可・ただし書なし」「第55条=原則禁止・試験研究は労働局長の許可」と整理しておきましょう。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 都道府県労働局長が許可するのは、第55条の製造等禁止物質を試験研究のため製造・輸入・使用する場合です(安衛令第16条第2項第1号)。第56条の製造許可とは許可権者が異なります。
  • ウ: 特化則第50条第1項で局所排気装置が出てくるのは、計量・容器への詰め込み・袋詰めの作業で隔離室での遠隔操作が著しく困難な場合に、囲い式フードの局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設ける場面(同項第6号)であり、製造設備の密閉式構造に代わるものではありません。
  • イ: 試験研究の製造も第56条の許可の対象であることは、特化則第50条第2項が「試験研究のためジクロルベンジジン等の製造に関する法第五十六条第二項の厚生労働大臣の定める基準」を定めていることからも確認できます。
  • エ: プラントごとに許可するのは、製造設備そのものが審査と維持義務(安衛法第56条第3項)の対象だからです。
  • オ: 安衛法第56条第1項自体が「ジクロルベンジジンを含有する製剤」を許可の対象に挙げています。

【根拠法令】労働安全衛生法 第56条(製造の許可)・第55条(製造等の禁止)、労働安全衛生法施行令 第16条・第17条・別表第三第一号、特定化学物質障害予防規則 第2条・第27条・第46条・第48条・第49条・第50条・第50条の2

【補足】第1類物質の製造許可=厚生労働大臣(監督署長経由で申請)・物ごと/プラントごと。試験研究のための製造も許可が必要で、基準が特化則第50条第2項に別に定められている。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第56条(製造の許可)、労働安全衛生法施行令 第17条・別表第三第一号(第1類物質)、特定化学物質障害予防規則(特化則)第2条(定義)・第48条(製造の許可)・第49条(許可手続)・第50条(製造許可の基準)・第50条の2(ベリリウム等)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。