問題
三大栄養素の代謝に関する記述として、正しいものを1つ選べ。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
タンパク質は胃・小腸でプロテアーゼにより分解されてアミノ酸として吸収され、体内では組織の維持・入れ換えや成長のための体タンパク質合成に使われ、ほかの栄養素や体脂肪から十分なカロリーが得られない場合にはエネルギー源としても使われます(選択肢ウ:正しい)。アは「糖質がグリセロールと脂肪酸に分解」としており誤り(糖質は糖に分解される)。イは脂質1gは約9kcalで糖質の2倍以上のエネルギーを持つ。エは余剰糖質の一部はグリコーゲンとして蓄えられ、残りは脂肪に変換されます。オはエネルギーを供給する速度が最も速いのは糖質(炭水化物)で、最も遅いのが脂質です。
三大栄養素の代謝の基本を確認します。糖質(炭水化物)は消化管でグルコースなどの単糖に分解され小腸で吸収されます(アはグリセロール・脂肪酸という脂質の分解産物を「糖質の分解産物」としており誤り)。脂質は膵リパーゼにより脂肪酸とモノグリセリドに分解されリンパ管経由で吸収されます。脂質のエネルギーは1gあたり約9kcal(タンパク質・糖質の4kcalに対して2倍以上)であり、イの「糖質とほぼ同等」は誤りです。必要以上の糖質を摂取すると、一部はグリコーゲンとして肝臓と筋肉に蓄えられ、残りは脂肪に変換されます(エ:誤り)。エネルギーを供給する速度は糖質(炭水化物)が最も速く、脂質が最も遅いため、オは逆です(オ:誤り)。タンパク質がアミノ酸として吸収され、組織の維持・成長に使われ、カロリーが不足するときにはエネルギー源にもなるとするウが正解です。
#### 1. 糖質代謝の経路とグリコーゲンの役割
糖質はデンプン・グリコーゲンなど多糖として摂取されます。唾液・膵液のアミラーゼが多糖を分解し、小腸表面の二糖類分解酵素(マルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ)が単糖(グルコース・フルクトース・ガラクトース)まで分解します。吸収されたグルコースは門脈を経て肝臓に達し、インスリンの作用下でグリコーゲンとして貯蔵(肝臓)または解糖系・TCA回路でATP産生に利用されます。筋肉は自己のグリコーゲンを分解して筋収縮エネルギーを得ますが、血糖の直接調節には関与しません(グルコース-6-ホスファターゼを持たないため血中に放出できない)。グリコーゲンとして蓄えられた炭水化物で、ほぼ1日分のカロリーを供給できます。必要以上の炭水化物を摂取すると、その一部はグリコーゲンとして蓄えられ、残りは脂肪に変換されます(エが誤りである理由)。
#### 2. 脂質代謝とエネルギー産生効率
脂質は膵リパーゼにより脂肪酸とモノグリセリドに分解され、ミセルを形成して小腸絨毛から吸収されます。長鎖脂肪酸はカイロミクロン(リポタンパク)として胸管リンパを経由して血中に入り、短鎖・中鎖脂肪酸は門脈経由です。脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化によりアセチルCoAに変換され、TCA回路・電子伝達系でATPを産生します。脂質は1gあたり約9kcal(糖質・タンパク質は4kcal)で、同じ重量で2倍以上のエネルギーを供給する最もエネルギー効率のよい形態です。そのため体は余分なエネルギーを脂肪として内臓脂肪や皮下脂肪に蓄え、必要なときに使います。一方で、脂質はエネルギー源としては最も遅く、エネルギー供給の速度は炭水化物が最も速いため、オは誤りです。単純炭水化物は小さな分子で体内ですぐに分解・吸収されるため、最も速やかに利用できるエネルギー源です。
#### 3. タンパク質代謝と窒素平衡
タンパク質の消化は胃においてペプシンにより開始され、活性型の膵酵素がタンパク質をオリゴペプチドに加水分解し、オリゴペプチドは直接吸収されるか、アミノ酸まで加水分解されます(ウ:正しい記述)。体は組織を維持し入れ換えたり、機能し成長したりするためにタンパク質を必要とし、筋肉・結合組織・皮膚はいずれもタンパク質でできています。タンパク質がエネルギー源として使われることは通常はありませんが、ほかの栄養素や体内に蓄えられている脂肪から十分なカロリーが得られない場合には、エネルギー源として使われます。必要以上のタンパク質を摂取すると、体はタンパク質を分解し、その成分を脂肪として蓄えます。アミノ酸は20種類あり、体内で合成できない9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、食物から摂取する必要があります。
#### 4. 衛生管理者試験の頻出ポイントと職場の栄養管理
押さえるべき点は「糖質は糖(グルコースなど)に分解(グリセロール・脂肪酸は脂質の分解産物)」「脂質1g≒9kcal(糖質・タンパク質は4kcal)」「余剰糖質は一部がグリコーゲン、残りは脂肪に変換される」「エネルギー供給の速さは糖質が最も速く、脂質が最も遅い」「タンパク質→アミノ酸として吸収→体タンパク合成、カロリー不足時にはエネルギー源」です。職場の健康管理の観点では、単純炭水化物や精製炭水化物を多く含む食生活が肥満と糖尿病のリスクを高める傾向がある点も、食生活の指導に役立つ知識です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: MSDマニュアル家庭版「炭水化物、タンパク質、脂肪」、MSDマニュアル プロフェッショナル版「吸収不良の概要」。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

