精神保健福祉士

精神保健福祉士 第27回 問題2|精神医学と精神医療

問題

精神保健福祉士 | 第27回(令和6年度) | 令和7年2月1日(土)・2日(日)実施・精神医学と精神医療

神経性無食欲症に関する次の記述のうち,正しいものを2 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題2(精神医学と精神医療)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。

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答え合わせ

正解は 1・3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 3

神経性無食欲症(神経性やせ症)は、太ることへの強い恐怖から食事を極端に減らし、著しく体重が低くなる摂食障害です。

  • 1:やせているのに「まだ太っている」と感じるなど、体型や体重のとらえ方にゆがみがあります。
  • 3:低栄養のため女性ホルモンの働きが落ち、月経が止まる(無月経)ことがよくあります。

ほかの選択肢は逆です。低栄養のため体は省エネ状態になり、甲状腺の働きはむしろ低下した状態になります。患者は若い女性に多く、体重が減っているのに過剰に運動するなど、活動はむしろ増えることが多いのが特徴です。

なぜ正解か

正解は 1 と 3。神経性無食欲症(DSM-5-TRの神経性やせ症)は、①必要量に比べてエネルギー摂取を制限し、年齢・性別・発達・身体の健康状態に対して有意に低い体重に至る、②体重増加や肥満になることへの強い恐怖、または体重増加を妨げる行動の持続、③体重や体型の体験の仕方の障害(自己評価への過剰な影響、低体重の深刻さの否認)、によって特徴づけられる。1は③にあたる。3の無月経は、低栄養による内分泌の変化として代表的な身体所見である。

ほかの選択肢

  • 2:誤り。飢餓状態では代謝を抑える方向に体が適応し、甲状腺ホルモン(特にT3)は低下する。徐脈・低体温・寒がりなどがみられる。
  • 4:誤り。若年女性に多く、男性は少ない。
  • 5:誤り。体重が減っているにもかかわらず、過活動(過剰な運動・動き回る)がみられることが多い。

ポイント

飢餓状態の体は「省エネ」になる(甲状腺ホルモン低下・徐脈・低体温・無月経)のに、本人の行動は「過活動」になる、というねじれを押さえる。体型・体重へのとらわれと低体重の深刻さの否認が、治療を難しくする中核の特徴である。

正解の根拠

正解は 1 と 3。神経性無食欲症は、体重・体型への強いこだわりと、命に関わりうる低栄養を併せもつ疾患で、身体合併症と精神面の両方への支援が要る。

選択肢の掘り下げ

  • 1 認知のゆがみ(正):明らかにやせていても「お腹が出ている」「足が太い」と感じる、体重の数字で自己評価が大きく左右される、といった体験の仕方の障害は、DSM-5-TRの診断基準Cの中核である。本人が低体重の深刻さを認めないことも多く、治療への動機づけが課題になる。
  • 3 無月経(正):低栄養で視床下部・下垂体の働きが抑えられ、女性ホルモンが減って月経が止まる。DSM-IVまでは無月経が診断基準に含まれていたが、DSM-5で削除された(男性や初経前、ホルモン剤使用者にも適用できるようにするため)。診断基準からは外れたが、代表的な身体症状であることに変わりはない。
  • 2 甲状腺(誤):飢餓への適応で代謝が落ち、甲状腺ホルモンは低い値を示す(いわゆる低T3状態)。「機能亢進」とすると、逆に体重減少・頻脈・暑がりを起こすバセドウ病などの病態になる。徐脈・低血圧・低体温・うぶ毛の増加・低カリウム血症(嘔吐や下剤乱用がある場合)などが神経性無食欲症の身体所見として挙がる。
  • 4 性差(誤):思春期から若年成人の女性に多い。男性にも起こるが少数である。
  • 5 活動性(誤):エネルギー不足なのに、じっとしていられず運動し続ける過活動がしばしばみられる。体重を減らしたいという動機に加え、低栄養そのものも関わると考えられている。

病型と関連疾患

  • 病型:摂食制限型(食事制限・過度の運動が中心)と、過食・排出型(過食や自己誘発性嘔吐、下剤・利尿薬の乱用を繰り返す)に分けられる。
  • 神経性過食症との違い:神経性過食症は、過食と代償行動を繰り返すが、体重は正常範囲のことが多い。低体重が著しい場合は神経性無食欲症の過食・排出型と診断される。
  • 再栄養の注意:重い低栄養から急に栄養を入れると、電解質の異常(低リン血症など)から心不全などを起こすリフィーディング症候群の危険があり、医療機関での管理が必要になる。

支援の視点

本人は「やせていること」に安心を感じていることがあり、食べることを強いるだけでは治療関係が崩れやすい。家族は食事をめぐる対立で疲弊しやすいため、家族への支援も含めた医療・学校・福祉の連携が重要となる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題2(精神医学と精神医療)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題2(精神医学と精神医療)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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