精神保健福祉士

精神保健福祉士 第27回 問題8|精神医学と精神医療

問題

精神保健福祉士 | 第27回(令和6年度) | 令和7年2月1日(土)・2日(日)実施・精神医学と精神医療

Aさん(30 歳,女性)は,母親への殺人未遂の疑いで逮捕された。しかし,起訴前鑑定で,統合失調症に罹患(りかん)しており「母親を殺せ」という幻聴の強い影響下で犯行に及んだと示された。このため,犯行当時にAさんは心神喪失状態だったと認められて不起訴処分とされ,検察官から「医療観察法」の審判が申し立てられた。 次の記述のうち,申立て後,最初に行われることとして,正しいものを1 つ選びなさい。 (注) 「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題8(精神医学と精神医療)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1

医療観察法は、心神喪失などの状態で重大な他害行為(殺人・放火など)を行った人に、適切な医療を提供して社会復帰を促すための法律です。検察官が地方裁判所に申立てをすると、まず裁判官が鑑定入院を命じます。鑑定入院中に、精神科の医師による鑑定(どんな医療が必要か)が行われます。

その鑑定の結果などをふまえて、裁判官と精神保健審判員(精神科医)の合議で処遇を決める審判が行われ、精神保健参与員(精神保健福祉士など)が意見を述べます。入院が決まった場合は指定入院医療機関で多職種チームによる治療やCPA会議が行われます。2〜5はいずれも鑑定入院より後の段階です。

なぜ正解か

正解は 1。医療観察法第34条第1項は、検察官から申立て(第33条第1項)を受けた地方裁判所の裁判官は、医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合を除き、鑑定その他医療的観察のため、対象者を入院させ、処遇の決定があるまでの間在院させる旨を命じなければならない、と定めている(鑑定入院命令)。申立て後、最初に行われるのはこの鑑定入院である。

ほかの選択肢

  • 2:誤り。裁判官と精神保健審判員の合議体による処遇の決定(第11条・第42条)は、鑑定入院中の鑑定などをふまえた審判の最後に行われる。
  • 3:誤り。精神保健参与員(精神保健福祉士など)が処遇の要否・内容について意見を述べる(第36条)のは審判の段階。
  • 4:誤り。多職種チームによる治療は、入院決定後の指定入院医療機関などで行われる。
  • 5:誤り。CPA会議(ケア・プログラム・アプローチに基づく関係機関の会議)は、指定入院医療機関での治療や退院・地域移行の段階で行われる。

押さえる流れ

申立て → 鑑定入院命令 → 鑑定・生活環境の調査 → 審判(精神保健参与員の意見)→ 合議体による決定(入院/通院/医療を行わない)。

根拠条文

正解は 1。医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)の手続を条文で追う。

  • 第33条第1項(申立て):検察官は、対象行為を行い心神喪失者・心神耗弱者と認めて不起訴処分としたとき等は、医療を受けさせる必要が明らかにない場合を除き、地方裁判所に処遇の決定を申し立てなければならない。
  • 第34条(鑑定入院命令):申立てを受けた地方裁判所の裁判官は、必要が明らかにない場合を除き、鑑定その他医療的観察のため対象者を入院させる旨を命じなければならない(第1項)。入院の期間は命令が執行された日から2月を超えることができず、必要があれば裁判所は通じて1月を超えない範囲で延長できる(第3項)。
  • 第37条(鑑定):裁判所は、精神保健判定医またはこれと同等以上の学識経験を有する医師に、精神障害者であるか否か、医療を受けさせる必要があるか否かの鑑定を命じる。医師は鑑定結果に入院の必要性についての意見を付す。
  • 第36条(精神保健参与員の関与):裁判所は、処遇の要否・内容について精神保健参与員の意見を聴くため、審判に関与させる(特に必要がないと認めるときを除く)。精神保健参与員は、厚生労働大臣が作成する精神保健福祉士などの名簿から選ばれる(第15条)。
  • 第11条・第42条(合議体と決定):地方裁判所は1人の裁判官と1人の精神保健審判員の合議体で処遇事件を扱い、鑑定(第37条第1項)を基礎とし、鑑定医の意見(同条第3項)と対象者の生活環境を考慮して、①入院による医療、②入院によらない医療(通院)、③医療を行わない、のいずれかを決定する。

選択肢1は「地方裁判所が」命じるとしているが、条文上の命令の主体は申立てを受けた地方裁判所の裁判官である。手続の順序を問う本問では、鑑定入院が最初に行われることが正解の核心となる。

誤りの肢の位置づけ

  • 2:決定は手続の最後。精神保健審判員は精神科医で、裁判官と対等の立場で合議に加わる。
  • 3:精神保健参与員は合議体の構成員ではなく、意見を述べる立場である点が頻出。
  • 4・5:入院決定後の指定入院医療機関での段階。多職種チーム(医師・看護師・精神保健福祉士・臨床心理技術者・作業療法士など)が治療計画を立て、CPA会議で地域の関係機関とともに退院・社会復帰を計画する。

関連論点

  • 対象行為(第2条第1項):放火、不同意わいせつ・不同意性交等、殺人、傷害、強盗などの刑法上の行為。本事例の殺人未遂も対象となる。
  • 生活環境の調査と社会復帰調整官:保護観察所の社会復帰調整官が、審判段階の生活環境の調査、退院に向けた生活環境の調整、通院期間中の精神保健観察を担う。
  • 申立てをしないことができる場合:傷害で傷害が軽い場合など、第33条第3項に例外がある。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第27回精神保健福祉士国家試験(令和6年度)」専門科目 問題8(精神医学と精神医療)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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