問題
精神保健福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題21(精神保健福祉の原理)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2
ビアーズ(Beers, C.)は、自分自身が精神科病院に入院し、そこで受けたひどい扱いを本にまとめて世に訴えました。それをきっかけに、精神障害者の処遇の改善や心の健康を守ることを目指す「精神衛生運動」を広めた人物です。
ほかの選択肢は、人物と業績の組み合わせが入れ替わっています。精神障害者を鎖から解放したのはピネル、精神科病院の廃止と法律第180号に関わったのはバザーリア、日本の私宅監置を調査したのは呉秀三です。ジョーンズは治療共同体、サリービーはストレングス視点で知られます。
なぜ正解か
正解は 2。ビアーズは、自らの精神科病院への入院体験とそこでの非人間的な処遇を著書にまとめて公表し、精神障害者の処遇改善と精神衛生(メンタルヘルス)の向上を目指す精神衛生運動を始めた。
ほかの選択肢
- 1:精神障害者を鎖から解放し、人道的な処遇(道徳療法)を提唱したのはフランスのピネル。バザーリアではない。
- 3:イタリアで精神科病院の廃止を訴え、いわゆるバザーリア法(法律第180号)の制定に関わったのはバザーリア。ピネルではない。
- 4:日本の私宅監置の実態を調査し、医療施設の整備を訴えたのは呉秀三(樫田五郎との調査)。ジョーンズはイギリスで治療共同体を実践した精神科医。
- 5:マディソン市(アメリカ・ウィスコンシン州)でACTの原型を創ったのはスタイン(Stein, L.)とテスト(Test, M.)。サリービーはストレングス視点を体系化したソーシャルワーク研究者。
正解の根拠
正解は 2。ビアーズ(Beers, C.)は、精神科病院に入院した当事者として、そこで受けた拘束や暴力的な処遇を手記として公表し、社会に訴えた。この手記は大きな反響を呼び、精神障害者の処遇改善と精神疾患の予防・心の健康の増進を目指す精神衛生運動の出発点となった。精神科医マイヤー(Meyer, A.)らの協力を得て精神衛生の団体が組織され、運動は国際的にも広がった。当事者の体験が制度を動かした例として、精神保健福祉の歴史で必ず押さえておきたい人物である。
誤りの肢の正しい組み合わせ
| 人物 | 主な業績 |
|---|---|
| ピネル(Pinel, P.) | フランス革命期のパリで、精神病者を鎖から解放し、人道的な処遇を唱えた(選択肢1の内容) |
| バザーリア(Basaglia, F.) | イタリアで精神科病院の解体と地域精神保健への移行を進め、精神科病院の新設・新規入院を制限した法律第180号(いわゆるバザーリア法)の制定に影響を与えた(選択肢3の内容) |
| 呉秀三 | 日本各地の私宅監置の実態を樫田五郎とともに調査・報告し、劣悪な監置の状況を明らかにして、処遇の改善と公的な医療施設の整備を訴えた(選択肢4の内容) |
| ジョーンズ(Jones, M.) | イギリスで治療共同体(therapeutic community)を実践し、病棟全体を治療の場として患者と職員が対等に関わる方式を広めた |
| スタイン(Stein, L.)とテスト(Test, M.) | ウィスコンシン州マディソンで、多職種チームが地域で24時間体制の包括的支援を行うACTの原型を作った(選択肢5の内容) |
| サリービー(Saleebey, D.) | 本人や環境の強み(ストレングス)に着目するソーシャルワークのストレングス視点を体系化した |
学習のポイント
この形式の問題は、人物と業績を入れ替えて誤りを作るのが定番である。「鎖からの解放=ピネル」「病院の廃止・法律第180号=バザーリア」「私宅監置の調査=呉秀三」「治療共同体=ジョーンズ」「ACTの原型=スタインとテスト」「ストレングス視点=サリービー(ラップと並んで問われることが多い)」と、キーワードで結び付けておくとよい。
関連論点
- 日本の私宅監置は精神病者監護法のもとで認められ、精神衛生法の制定によって廃止された。
- 精神衛生運動の流れは、心の健康の保持増進という今日の精神保健の考え方につながっている。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題21(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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