問題
次のうち,リカバリーを論じた際に,「多くの精神障害者は地域で暮らし,働き,愛し,重要な貢献をすることを求めている」旨を主張した人物として,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題23(精神保健福祉の原理)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3
ディーガン(Deegan, P.)は、自らも精神障害を経験した当事者として「リカバリー」を論じた人物です。精神障害のある人の多くは、地域で暮らし、働き、愛し、社会に重要な貢献をすることを望んでいる、と主張しました。
リカバリーは、病気の症状が消えることだけを指すのではなく、障害があっても自分らしい人生を取り戻していく過程を指します。ディーガンはその考え方を広めた代表的な人物です。
ほかの選択肢の人物は、スティグマや全制的施設(ゴッフマン)、SST(リバーマン)、施設症の研究(ウイング)、精神衛生運動への協力(マイヤー)で知られます。
なぜ正解か
正解は 3。ディーガンは、統合失調症の診断を受けた経験をもつ当事者であり心理学者として、リカバリーを「障害を受け入れ、それを乗り越えていく生きた体験の過程」として論じた。その中で、精神障害者の多くは地域で暮らし、働き、愛し、重要な貢献をしたいと願っていると主張した。
精神障害者を保護や管理の対象ではなく、地域で当たり前の人生を求める主体としてとらえる点が、リカバリー概念の核心である。
ほかの選択肢
- 1:ゴッフマンは社会学者で、全制的施設(トータル・インスティテューション)としての精神科病院の分析や、スティグマ論で知られる。
- 2:リバーマンは、社会生活技能訓練(SST)を体系化した精神科医として知られる。
- 4:ウイングは、長期入院による施設症(インスティテューショナリズム)の研究などで知られる精神科医。
- 5:マイヤーは、精神生物学の立場をとった精神科医で、ビアーズの精神衛生運動に協力した。「精神衛生」という言葉を広めたことでも知られる。
正解の根拠
正解は 3。ディーガン(Deegan, P.)は、統合失調症と診断された体験をもつ当事者であり、心理学者として当事者の視点からリカバリーを論じた。リカバリーを専門職による治療の結果ではなく、本人が障害という現実を受け入れ、新たな意味と目的を見いだしていく過程(プロセス)としてとらえた点が大きな特徴である。問題文の「多くの精神障害者は地域で暮らし、働き、愛し、重要な貢献をすることを求めている」という主張は、精神障害者を保護や管理の対象ではなく、地域社会の一員として当たり前の人生を求める主体として位置づけるものである。
誤りの肢の人物と業績
| 人物 | 分野 | 主な業績・キーワード |
|---|---|---|
| ゴッフマン(Goffman, E.) | 社会学 | 精神科病院などを全制的施設(トータル・インスティテューション)として分析。スティグマ論 |
| リバーマン(Liberman, R.) | 精神医学 | 社会生活技能訓練(SST)の体系化。精神科リハビリテーション |
| ウイング(Wing, J.) | 精神医学 | 長期入院が生む二次的障害(施設症)の研究 |
| マイヤー(Meyer, A.) | 精神医学 | 精神生物学。ビアーズの精神衛生運動に協力 |
なお、ゴッフマンについては、全制的施設とスティグマという2つのキーワードがどちらも頻出である。
リカバリー概念の整理
- 臨床的リカバリー:症状の軽減や機能の回復など、医学的な指標で測られる回復。
- パーソナル・リカバリー:症状が残っていても、希望をもち、自分の人生の主人公として生きる過程。ディーガンやアンソニー(Anthony, W.)の議論がこちらに属する。
アンソニーはリカバリーを、病気の影響を超えて人生の新しい意味と目的を見いだす、きわめて個人的でユニークな過程として説明したことで知られる。ディーガンとアンソニーはリカバリーの代表的な論者として並べて問われやすい。
関連論点
- リカバリーの考え方は、ストレングスモデル、ピアサポート、当事者の参画(私たち抜きに私たちのことを決めるな)などと結び付いて出題される。
- リカバリーは「治る・治らない」という結果ではなく過程を重視する概念であり、専門職の役割は本人の希望を支え、選択の機会を広げることにある。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題23(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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