問題
次のうち,障害者の権利に関する条約の批准に向けた国内法の整備にも関連し,新たに成立した法律として,正しいものを2 つ選びなさい。 (注)1 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。 2 「障害者虐待防止法」とは,「障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。 3 「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題22(精神保健福祉の原理)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 と 4
障害者の権利に関する条約を日本が批准する前に、国内の法律を条約に合うよう整える必要がありました。その流れの中で「新しく作られた」法律が、障害者虐待防止法(平成23年法律第79号)と障害者差別解消法(平成25年法律第65号)です。
ほかの3つは、批准に向けて「改正」された法律ですが、新しく成立した法律ではありません。障害者基本法は昭和45年、障害者雇用促進法は昭和35年に作られた法律で、条約に合わせて中身が改められました。障害者自立支援法は平成17年の法律で、のちに改正されて障害者総合支援法になりました。
なぜ正解か
正解は 3 と 4。
- 3:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)は、条約が求める差別の禁止と合理的配慮を国内で具体化するために新たに制定された。
- 4:障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年法律第79号)は、障害者への虐待の防止と通報の仕組みを定めるために新たに制定された。
ほかの選択肢
- 1:障害者基本法は昭和45年法律第84号として成立していた法律。批准に向けては改正で対応し、社会的障壁を含む障害者の定義や合理的配慮の考え方が盛り込まれた。新たに成立した法律ではない。
- 2:障害者自立支援法は平成17年法律第123号。批准に向けた制度改革の中で改正され、題名が障害者総合支援法に改められた。条約関連で新たに成立した法律ではない。
- 5:障害者雇用促進法は昭和35年法律第123号として成立していた法律。批准に向けては改正で対応し、雇用分野での差別禁止と合理的配慮の提供義務が加えられた。
正解の根拠
正解は 3 と 4。障害者の権利に関する条約は、障害者の人権と基本的自由の享有を確保し、固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする国際条約である。日本は署名後すぐには批准せず、まず国内法を条約の水準に合わせる制度改革を進めた。その中で、既存の法律の改正と、新たな法律の制定の両方が行われた。
| 法律 | 法令番号 | 条約との関係 |
|---|---|---|
| 障害者虐待防止法 | 平成23年法律第79号 | 新規制定。養護者・障害者福祉施設従事者等・使用者による虐待の防止、通報義務、市町村障害者虐待防止センター等を定める |
| 障害者差別解消法 | 平成25年法律第65号 | 新規制定。障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供を定める |
| 障害者基本法 | 昭和45年法律第84号 | 既存法の改正。障害者の定義に「社会的障壁」を加え、差別の禁止の規定を整備 |
| 障害者自立支援法 | 平成17年法律第123号 | 既存法の改正。題名を障害者総合支援法に改め、基本理念を新設、難病等を対象に追加 |
| 障害者雇用促進法 | 昭和35年法律第123号 | 既存法の改正。雇用の分野における差別の禁止と合理的配慮の提供義務を新設 |
法令番号はいずれも制定時のもので、e-Gov 法令検索で確認できる。法令番号の年を見れば、1・2・5が条約の採択以前からある法律だと分かる。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 障害者基本法:もとは心身障害者対策基本法として制定され、のちに現在の題名に改められた。条約対応の改正では、障害者の定義を「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とする社会モデルの考え方が取り入れられた。
- 2 障害者自立支援法:「新たに成立した」のは平成17年で、条約関連の文脈では改正の対象である。障害者総合支援法は自立支援法を改正・改題したものであり、別の新法として制定されたわけではない点がひっかけになりやすい。
- 5 障害者雇用促進法:雇用率制度の法律として古くからある。条約対応の改正で差別禁止と合理的配慮が加わったため、差別解消法と混同しやすいが、雇用分野の差別禁止は雇用促進法、それ以外の分野は差別解消法、という役割分担になっている。
関連論点
- 合理的配慮の提供は、差別解消法では当初、行政機関等が法的義務、事業者は努力義務とされていたが、令和3年法律第56号による改正(2024年4月1日施行)で事業者も法的義務となった。
- 障害者虐待防止法の「使用者による虐待」は、通報を受けた市町村・都道府県から労働局へと情報が伝わる仕組みが特徴である。
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律e-Govで原文を読む
- 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律e-Govで原文を読む
- 障害者の雇用の促進等に関する法律e-Govで原文を読む
- 障害者基本法e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題22(精神保健福祉の原理)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

