問題
次の記述のうち,アルコール依存症者の配偶者の態度変化に関するジャクソンの7 段階説の第1 段階に当てはまるものとして,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題30(ソーシャルワークの理論と方法(専門))
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
ジャクソンの7段階説は、夫(または妻)が飲酒問題をもつとき、配偶者の態度や家族の状態が時間とともにどう変わっていくかを段階で整理したものです。最初の段階は、問題をはっきり認められず、「大したことはない」と否認しながら、とまどいの中で暮らす時期とされます。選択肢5がこれに当たります。
ほかの選択肢は、その後に起こる変化です。本人を無視する、一人で何とかしようとする、家族の情緒的なつながりが壊れる、別居を考えるといった状態は、問題が深刻化してから現れるものとして整理されています。
なぜ正解か
正解は 5。ジャクソン(Jackson, J. K.)の7段階説は、1954年の論文「The Adjustment of the Family to the Crisis of Alcoholism」で、アルコール依存症者の妻とその家族が問題に適応していく過程を段階に分けて記述したものである。第1段階は、本人の飲酒問題を否認し、困惑しながら生活する時期で、選択肢5が当てはまる。
ほかの選択肢
- 1:本人を無視したり軽んじたりするのは、問題が続き、家族の中で本人の位置づけが下がった後の様子で、第1段階の特徴ではない。
- 2:別居の決心は、問題への対処を重ねた後に、問題から離れようとして選ぶ行動であり、否認の段階にはない。
- 3:対応が分からないまま一人で問題を取り除こうとするのは、否認の後に現れる「問題の解決を試みる」段階の特徴。
- 4:家族の情緒的交流が解体し目標を失うのは、危機が深まった段階。初期ではない。
関連論点
家族の側にも、否認から始まる変化の過程がある。家族が飲酒の後始末を引き受けることで、結果として飲酒を続けやすくしてしまう関わり(イネイブリング)も、家族支援の場面でよく問われる。家族は責める対象ではなく、家族自身が支援の対象であり、本人が受診していなくても家族だけで相談できる。
正解の根拠と位置づけ
正解は 5。ジャクソン(Jackson, J. K.)の7段階説は、1954年の論文「The Adjustment of the Family to the Crisis of Alcoholism」で示された、アルコール依存症者の妻とその家族の適応過程を段階的に捉えた理論である。出発点は「問題の否認」で、飲酒を問題として認めきれず、世間体や関係の維持のために様子を見ながら、とまどいの中で暮らす。この時期は、家族が援助を求める動機がまだ弱い。
段階の流れ(概略)
論文が描く流れは、問題の否認から始まり、問題を取り除こうとする試み、家族の混乱、問題を抱えたままでの家族の立て直し、問題から離れる試み(別居など)を経て、家族の再組織化へ向かうというものである。選択肢3(一人で問題を取り除こうとする)、選択肢4(情緒的交流の解体)、選択肢1(本人を無視し軽んじる)、選択肢2(別居の決心)は、いずれも否認より後の時期の反応にあたる。試験では、第1段階が否認であることと、ほかの選択肢が否認より後の反応であることを見分けられれば足りる。
誤りの肢の掘り下げ
- 選択肢1は、問題の長期化で配偶者の本人に対する感情・態度が変わった状態を示す。第1段階の「否認」と異なり、問題をある程度認識した後の反応である。
- 選択肢2は、行動を伴う意思決定(別居)であり、否認の段階にはない。
- 選択肢3は、「一人で取り除こうとする」点がポイント。この孤立した奮闘は、家族が外部の援助につながる前の典型的な状態として、のちの援助の入口(家族相談・家族教室)を考えるうえで重要である。
- 選択肢4は、家族機能そのものが低下する段階で、最も深刻な側面を描いている。
関連して出る論点
- 共依存・イネイブリング:家族が飲酒の後始末をすることで、結果的に飲酒を続けやすくしてしまう関わり。家族を責めず、家族自身の支援の対象として捉える。
- 家族支援:家族教室、家族会(アラノンなど)、本人が受診しなくても家族だけで相談できる点。
- 回復の理論は、本人の否認と家族の否認がともに援助の入口で壁になることを前提に、本人・家族それぞれへの支援を考える際の手がかりとなる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題30(ソーシャルワークの理論と方法(専門))です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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