精神保健福祉士

精神保健福祉士 第28回 問題34|ソーシャルワークの理論と方法(専門)

問題

精神保健福祉士 | 第28回(令和7年度) | 令和8年1月31日(土)・2月1日(日)実施・ソーシャルワークの理論と方法(専門)

次の事例を読んで,問題34 から問題36 までについて答えなさい。

〔事 例〕

A精神保健福祉士(23 歳,男性)は大学卒業後,精神科病院に就職し,精神科デイケアの担当となって半年が過ぎた。日々の業務には慣れてきたものの,経験の長いB精神保健福祉士の補助的な役割を担うことが多かった。 ある日のスタッフ会議で,A精神保健福祉士が翌月からプログラム活動を一つ企画して担当することになった。A精神保健福祉士は,デイケアメンバーとの雑談の中で,運動不足を解消したいという声を幾つか聞き,軽スポーツのプログラム活動を企画立案した。5 名のメンバーの参加があり,初回ミーティングを開いた。そこでA精神保健福祉士は,そのミーティングでグループワーカーを務めた。(問題34)プログラム活動が始まって3 回目から,新たにデイケアを利用開始したCさん(24歳,男性)が加わった。Cさんは,大学生だった21 歳の時に統合失調症と診断され,外来通院していた。記録では,中学生の時にいじめられた出来事があり,人間関係に苦手意識があるとのことだった。当初のCさんは,他のメンバーと距離を置き,活動にほとんど参加しなかった。そこでA精神保健福祉士は,Cさんが孤立するのを防ごうと面接を行った。Cさんは「みんなと話せるようになりたいけど,中学の時みたいになったらどうしようとも思う。自分がよく分からない」と語った。(問題35)その面接後,Cさんは,少しずつではあるが活動に参加するようになっていった。 しかし,過去の出来事から,新たに参加した特定のメンバーが近づくと急に席を離れる等の反応を示し,場の雰囲気を悪くしてしまうことが度々あった。A精神保健福祉士が,Cさんのその態度を面接で取り上げたところ,それ以降,CさんはA精神保健福祉士を避けるようになった。そこで,A精神保健福祉士はCさんとの関わりについて,B精神保健福祉士に時間をとってもらい,面談室で相談した。(問題36)その後,A精神保健福祉士はCさんとの関係を改善することができた。今ではCさんもデイケアに馴染(なじ)み,就労に関心を示すようになってきた。

次の記述のうち,A精神保健福祉士がこの場面で行うこととして,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題34(ソーシャルワークの理論と方法(専門))

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5

この場面は、プログラム活動の初回ミーティングで、A精神保健福祉士がグループワーカーを務めたところです。グループが始まったばかりの時期は、メンバーが互いを知り、グループが何を目指すかを話し合って決めていくことが中心になります。ですから、目標に向けた合意形成を図るために、メンバー同士の意見交換を促進することが適切です。

ほかの選択肢は、活動が進んだ時期の働きかけです。目標の達成状況の確認、課題の解決を進めること、葛藤への積極的な介入は、まだグループの土台ができていない初回の場面には合いません。

なぜ正解か

正解は 5。設問の場面は、5名で行う軽スポーツのプログラム活動の初回ミーティングである。グループワークの開始期には、メンバー同士が関係をつくり、グループの目的・目標・ルールについて共通の理解を得ることが課題になる。ワーカーは、メンバー間の意見交換を促して、目標に向けた合意形成を図る役割をとる。

ほかの選択肢

  • 1:活動が停滞しないよう目標を再確認するのは、活動が進んで停滞が生じた時期の関わり。初回はまず目標を共有し始める段階である。
  • 2:各自の課題の達成状況の確認は、一定期間活動した後の作業期や終結期に行う内容。
  • 3:葛藤への積極的な介入は、まだ葛藤が表面化していない初回では不適切。ワーカーはメンバーの力を生かし、必要に応じて調整に回る。
  • 4:グループの課題とメンバー各自の課題の解決を進めるよう働きかけるのは、作業期の中心となる働きかけで、初回にはまだ早い。

関連論点

グループワークの展開過程を準備期・開始期・作業期・終結期に分ける整理では、初回ミーティングは開始期にあたる。準備期にはメンバーの選定や場所・時間の設定を行い、終結期には成果の確認や別れの感情を扱う。プログラム活動(ここでは軽スポーツ)は、活動の出来ばえより、活動を通したメンバー間の交流を生かすことに意味がある。

正解の根拠と位置づけ

正解は 5。グループワークの展開過程を、準備期→開始期→作業期→終結期に分ける整理で考える。設問は「プログラム活動の初回ミーティングでグループワーカーを務めた」という場面(事例中の(問題34))であり、開始期に当たる。開始期には、①メンバーが互いに知り合い、安心できる雰囲気をつくる、②グループの目的・目標・ルールを共有する、③メンバーが参加の意味を理解する、といったことが課題になる。ワーカーは、メンバー間の交流と意見交換を促し、目標についての合意形成を図る。選択肢5は、この開始期の働きかけとして適切である。

各段階の働きかけと選択肢の対応

  • 準備期:メンバー選定、場所・時間の設定、事前の個別面接など。
  • 開始期:目的・ルールの共有、メンバー間の関係づくり、目標の合意形成。選択肢5。
  • 作業期:グループの力動を活用して、メンバーが課題に取り組む。個人の課題とグループの課題の両方の解決を支える(選択肢4)、葛藤が生じた際の調整(選択肢3)、達成状況の確認(選択肢2)。
  • 終結期:成果の確認、別れの感情の扱い、活動後の生活への橋渡し。

誤りの肢の掘り下げ

  • 選択肢1:目標の再確認は、停滞が見られたときに行う。初回は「再」確認ではなく、目標を共につくる段階である。
  • 選択肢2:課題の達成状況を全員で確認するのは、活動を重ねた後でなければ成り立たない。
  • 選択肢3:グループには、葛藤が生じる時期がある。グループワークでは葛藤を悪いものと捉えず、成長の機会として扱う。ただしワーカーが先回りして積極的に介入するのではなく、メンバー自身が解決する力を育てる視点が基本である。
  • 選択肢4:「グループの課題とメンバー各自の課題の解決」は、グループが機能し始めた作業期の中心的な働きかけである。

関連して出る論点

  • グループワークの原則:個別化、受容、参加の原則、葛藤解決の原則、制限の原則など。
  • グループダイナミクス(集団力動):メンバー間の相互作用が、個人の変化の力になる。
  • プログラム活動の意義:活動を媒介に、メンバーの交流や自信の回復を支える。ワーカーの役割は、活動そのものの出来ばえより、グループの過程を支えることにある。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題34(ソーシャルワークの理論と方法(専門))。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題34(ソーシャルワークの理論と方法(専門))です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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