精神保健福祉士

精神保健福祉士 第28回 問題5|精神医学と精神医療

問題

精神保健福祉士 | 第28回(令和7年度) | 令和8年1月31日(土)・2月1日(日)実施・精神医学と精神医療

Aさん(50 歳,女性)は,3 週間前から抑うつ気分,意欲の低下,集中力の低下,早朝覚醒,食欲低下,易疲労感を認め,好きだったテレビ番組も楽しめなくなった。この状態に苦しみ,精神科クリニックを受診した。 次のうち,Aさんの症状に対して効果が期待できる向精神薬として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題5(精神医学と精神医療)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2

Aさんには、抑うつ気分、意欲の低下、集中力の低下、早朝に目が覚める、食欲低下、疲れやすさ、好きだったことが楽しめないといった症状が3週間続いています。これはうつ病の典型的な症状のまとまりです。

うつ病の薬物療法で中心となるのは抗うつ薬で、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)はその代表的なグループです。脳の中のセロトニンという神経伝達物質の働きを強めることで、抑うつ症状の改善が期待されます。

抗精神病薬は主に統合失調症、抗てんかん薬はてんかん、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアルツハイマー型認知症の治療に使われる薬で、Aさんの症状に対する第一の選択ではありません。

なぜ正解か

正解は 2。Aさんは、抑うつ気分と興味・喜びの喪失を中心に、意欲低下、集中力低下、早朝覚醒、食欲低下、易疲労感が2週間以上(3週間)続いており、うつ病(DSM-5-TRの抑うつエピソード)の症状がそろっている。うつ病の薬物療法の中心は抗うつ薬で、SSRIは、神経終末でのセロトニンの再取り込みを選択的に阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を高めることで効果を示す。

ほかの選択肢

  • 1:第二世代抗精神病薬は、主に統合失調症の幻覚・妄想などに用いる。一部の薬は双極性障害のうつ状態などに適応をもつが、本問の症状に対する最も適切な選択ではない。
  • 3:抗てんかん薬は、てんかん発作の抑制に用いる。一部は双極性障害の気分安定薬として使われるが、うつ病の第一選択ではない。
  • 4:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を抑える薬で、アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる目的で用いる。
  • 5:第一世代抗精神病薬は、ドパミンD2受容体を遮断して統合失調症の陽性症状などに用いる。うつ病の治療薬ではない。

正解の根拠と位置づけ

正解は 2。DSM-5-TRの抑うつエピソードは、「抑うつ気分」または「興味・喜びの著しい減退」のいずれかを含む5つ以上の症状が、2週間以上ほぼ毎日続くことが基準である。Aさんの事例は、抑うつ気分・興味喜びの喪失(好きなテレビを楽しめない)・意欲低下・集中力低下・睡眠障害(早朝覚醒)・食欲低下・易疲労感と、この基準を満たす記載になっている。早朝覚醒はうつ病に特徴的な睡眠障害として出題されやすい。

抗うつ薬は作用のしくみでいくつかに分けられ、SSRI、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)、三環系・四環系抗うつ薬などがある。三環系は古くから使われるが、抗コリン作用(口渇・便秘・排尿障害)などの副作用が多く、SSRIなどの新しい薬が広く使われている。精神保健福祉士は、薬の作用を説明するのではなく、服薬への不安や副作用の訴えを主治医につなぐ役割を担う。

誤りの肢の掘り下げ

  • 1・5 抗精神病薬:第一世代(定型)はドパミンD2受容体の遮断が中心で、錐体外路症状(パーキンソン症状、アカシジア、遅発性ジスキネジア)が出やすい。第二世代(非定型)はセロトニン受容体にも作用し、錐体外路症状は少ないが、体重増加や血糖上昇などの代謝系の副作用に注意が要る。
  • 3 抗てんかん薬:バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどは、双極性障害の気分安定薬としても使われる。双極性障害のうつ状態に抗うつ薬だけを使うと躁転のおそれがあるため、うつ病と双極性障害の鑑別は重要な論点になる。
  • 4 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬:ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンがこの系統。NMDA受容体拮抗薬のメマンチンとあわせて抗認知症薬として整理する。

関連して出る論点

  • 抗うつ薬は、自己判断で急にやめると不調が出ることがあるため、減量・中止は主治医と相談して進める。服薬の継続を支える関わりは、精神保健福祉士にも求められる。
  • 重症のうつ病や薬物療法で効果が乏しい場合には、修正型電気けいれん療法などが検討される。
  • 休養・環境調整・認知行動療法などの心理社会的治療と、復職支援(リワーク)を含めた支援の全体像の中で薬物療法を位置づける視点が問われる。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題5(精神医学と精神医療)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
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出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題5(精神医学と精神医療)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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