問題
「精神保健福祉法」において「精神科病院の管理者は,精神障害者を入院させる場合においては,本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない」と定められている。次のうち,この入院形態として,正しいものを1 つ選びなさい。 (注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題8(精神医学と精神医療)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 5
問題文の「精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合においては、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない」は、精神保健福祉法第20条の規定です。この条文は任意入院について定めたものです。
精神科への入院は、できる限り本人が納得して自分の意思で入院すること(任意入院)が原則であり、法律はまずそれを目指すよう病院に求めています。本人の同意がなくても入院させることができる措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院は、任意入院ができない場合に限って認められる、例外的な入院形態です。
なぜ正解か
正解は 5。精神保健福祉法第20条は「精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合においては、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない」と定め、第21条で、精神障害者が自ら入院する場合の手続(退院等の請求に関することなどを書面で知らせ、自ら入院する旨を記載した書面を受けること)を定めている。これが任意入院であり、第20条は本人の同意による入院を優先する原則を示している。
ほかの選択肢
- 1:措置入院(第29条)は、2人以上の指定医の診察結果が一致して、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ(自傷他害のおそれ)があると認めた場合に、都道府県知事が行う入院。本人の同意は要件ではない。
- 2:緊急措置入院(第29条の2)は、急速を要し正規の措置入院の手続がとれない場合に、指定医1名の診察で行う知事の入院措置。期間は72時間を超えられない。
- 3:医療保護入院(第33条)は、指定医の診察で入院の必要があり、任意入院が行われる状態にないと判定された者を、家族等のいずれかの者(いない場合等は市町村長)の同意で入院させる形態。
- 4:応急入院(第33条の6)は、急速を要し家族等の同意を得られない場合に、知事が指定する病院で72時間を限り本人の同意なく入院させる形態。
正解の根拠と位置づけ
正解は 5。精神保健福祉法の入院形態は、本人の同意による任意入院(第20条・第21条)と、本人の同意によらない措置入院(第29条)・緊急措置入院(第29条の2)・医療保護入院(第33条)・応急入院(第33条の6)に分かれる。第20条は努力義務の形で「本人の同意に基づく入院」を原則とし、同意によらない入院を、いずれも「第二十条の規定による入院が行われる状態にない」ことなどを要件とする例外として位置づけている(第33条第1項第1号、第33条の6第1項第1号)。
任意入院でも、退院の自由は無制限ではない。任意入院者から退院の申出があれば管理者は退院させなければならないが(第21条第2項)、指定医の診察の結果、医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは、72時間を限り退院させないことができる(同条第3項)。緊急その他やむを得ない理由があるときは、一定の基準を満たす病院で特定医師が診察し、12時間を限り退院を制限することもできる(同条第4項)。このとき管理者は、措置を採る旨や理由、退院等の請求に関することなどを書面で知らせなければならない(同条第7項)。
誤りの肢の掘り下げ
- 1 措置入院:診察するのは知事が指定する2人以上の指定医で、各指定医の診察結果の一致が要件(第29条第2項)。入院先は国等の設置した精神科病院又は指定病院。
- 2 緊急措置入院:指定医1名の診察でよい代わりに、入院の期間は72時間を超えることができず(第29条の2第3項)、知事はその間に措置入院を採るかどうかを決定しなければならない(同条第2項)。要件は「自傷他害のおそれが著しい」と、措置入院より厳しい。
- 3 医療保護入院:2024年4月施行の改正(令和4年法律第104号)により、6か月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内で入院期間を定め、更新には指定医の診察と、退院による地域生活への移行を促進するための措置を審議する委員会での審議、家族等の同意が必要になった(第33条第1項・第6項)。更新の同意は、家族等に必要な事項を通知し、定められた日までに不同意の意思表示がなければ同意したものとみなせる(同条第8項)。家族等がいない場合だけでなく、家族等の全員が意思を表示しない場合も市町村長の同意で入院できる(同条第2項)。
- 4 応急入院:知事が指定する精神科病院に限られ、72時間を限る。管理者は直ちに理由などを最寄りの保健所長を経て知事に届け出る(第33条の6第5項)。
関連して出る論点
- 72時間が登場する場面:任意入院者の退院制限、緊急措置入院、応急入院。特定医師による場合は12時間。数字と主体(管理者か知事か)をセットで覚える。
- 告知の義務:どの入院形態でも、退院等の請求に関することなどを本人に書面で知らせる規定がある。権利擁護の観点から、精神医療審査会への退院請求・処遇改善請求とあわせて理解する。
- 退院後生活環境相談員:医療保護入院者等の退院支援のために精神科病院の管理者が選任し、精神保健福祉士はその主な担い手となる。
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第20条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題8(精神医学と精神医療)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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