社労士バッチ(バッジ)は社労士法に規定がなく、県の社労士会が入会案内で申込みを受ける会員徽章です。法が定める社労士証票・県会の会員証との違い、9県会の案内の内容、価格の表示、証票の再交付・返還の手続を、条文と公式ページだけで整理します。
目次
結論:社労士バッジ(バッチ)は、社会保険労務士法にも同法施行規則にも規定がなく、全国社会保険労務士会連合会(連合会)の公開サイトにも案内が載っていません。県の社会保険労務士会が入会の案内で「会員徽章」として申込みを受けている事例があります(山形・富山・滋賀・京都・兵庫・奈良・愛媛・佐賀・沖縄の9県会、2026-10-04 時点)。社労士として登録された人に法令が交付を定めている書類は「社会保険労務士証票」で、バッジとは別のものです。
「社労士 バッチ」「社会保険労務士バッチ」で調べる人の多くは、あのバッジは何で、どこで手に入り、法的にどんな位置づけなのかを知りたいはずです。この記事は、社会保険労務士法・同施行規則・同施行令(e-Gov 法令検索)、連合会のサイト、県社会保険労務士会(県会)の公式ページだけで答えます。条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-04 時点の現行条文):社会保険労務士法、施行規則。バッジの購入を勧める内容ではありません。
| 項目 | 何か | 根拠 | 出すところ |
|---|---|---|---|
| 社会保険労務士証票 | 名簿に登録された社労士に交付される証票。様式は施行規則が定める | 社労士法第14条の6第3項・施行規則第12条の3(様式第六号) | 連合会 |
| 会員徽章(バッジ・バッチ) | 県会が入会案内で申込みを受けている徽章 | 社労士法・施行規則・施行令に規定なし(県会の案内に記載) | 県社会保険労務士会の事務局 |
| 会員証 | 県会が会員に交付する証(京都・兵庫・奈良の案内) | 社労士法・施行規則・施行令に規定なし(県会の案内に記載) | 県社会保険労務士会 |
| 合格証書 | 社労士試験に合格した証書 | 受験案内に発送が明記 | 試験の実施側 |
社労士バッジに関する条文・連合会の案内はあるか
まず、法令と連合会のサイトの記載です。
- 法令:社会保険労務士法(本則・附則)、同法施行規則、同法施行令(e-Gov 法令検索の2026-10-04 時点の現行条文)には、「徽章」「バッジ」「記章」の語がありません。
- 連合会のサイト:サイトマップから辿れる110ページ(当サイト調べ。2026-10-04 時点・PDFと会員専用ページを除く)には、「徽章」「バッジ」「バッチ」「会員章」「記章」の語は出てきません。
つまり、バッジの形・着用の決まり・販売価格は、法令にも、上記の連合会の110ページにも書かれていません(2026-10-04 時点)。バッジの案内は、次の節のとおり、県会の入会・登録の案内に出てきます。
県社労士会の案内にある会員徽章
連合会の「各都道府県の社労士会を探す」から辿れる47県会のサイトのうち、トップページと入会・登録・手続などのリンク先(1県会あたり最大14ページ)で、徽章(バッジ)に触れていたのは次の9県会でした(2026-10-04 時点。記載のない県会が徽章を扱わないという意味ではありません)。
| 県会 | 案内での書かれ方 | 公表されている価格 |
|---|---|---|
| 山形県 | 入会に伴う書類として「会員徽章申込書」を挙げる | 掲載なし |
| 富山県 | 費用欄に「会員徽章」 | 9,480円(税込) |
| 滋賀県 | 事務局で販売しているものとして「会員徽章」。別に開業会員のみの「会員之章」 | 会員徽章 9,480円、会員之章 15,000円 |
| 京都府 | 会員の受けられる事項に「会員バッチ等各種物品の斡旋」。用品表に「社会保険労務士バッチ」 | 8,920円(「価格改定(令和5年8月9日)」の表記) |
| 兵庫県 | 「会員徽章品(バッヂ)」事務局に申込み | 8,920円。同じ記載に「令和8年8月1日以降は9,480円」とあり、この日付は確認日より前 |
| 奈良県 | 会員が受けられる事項として「会員徽章(実費)の着用」 | 掲載なし(実費) |
| 愛媛県 | 「希望者のみ」の欄に「会員徽章」。事務局に申込み | 9,480円 |
| 佐賀県 | 事務局で販売しているものとして「会員徽章」 | 8,920円(税込) |
| 沖縄県 | 入会必要書類の「会員徽章申込書(任意)」 | 掲載なし |
会員徽章の価格:県会の公開ページに記載された価格は、富山・滋賀・愛媛が9,480円、京都・佐賀が8,920円、兵庫は8,920円(同じ記載に令和8年8月1日以降は9,480円とあり、この日付は確認日より前)。県会・時点ごとに異なり、全国一律の価格ではない。現行の価格は各県会に確認すること。最終確認日:2026-10-04。出典:富山県、滋賀県、愛媛県、京都府、佐賀県、兵庫県の各社会保険労務士会。
案内から読み取れる範囲では、バッジは県会の事務局が頒布・斡旋する品で、入会時の書類として申し込む県会(山形・沖縄)もあれば、事務局に申し込む県会(兵庫・愛媛)もあります。「任意」(沖縄)「希望者のみ」(愛媛)と書く県会がある一方で、奈良県社会保険労務士会は会員が受けられる事項のひとつに「会員徽章(実費)の着用」を挙げています。着用の取り扱いや価格は県会ごとに違い得るため、入会する県会に確認するのが確実です(所属県は事務所・勤務先事業所・住所地で決まります。詳しくは社労士になるには)。
法が定める社労士証票・県会の会員証との違い
バッジと混同されやすい書類を、根拠のある順に整理します。
社労士証票は、法律上の書類です。連合会は、申請者を名簿に登録したときに、社会保険労務士証票を交付しなければなりません(第14条の6第3項)。様式は施行規則第12条の3が「様式第六号」と定めています。連合会のQ&Aによると、登録日(休日の場合は翌営業日)に簡易書留郵便で自宅住所あてに発送されます(出典:連合会 社労士の登録申請Q&A)。
特定社会保険労務士証票は、紛争解決手続代理業務の付記を受けた社労士に交付されます。付記をしたとき、連合会は付記をした証票(特定社会保険労務士証票)を交付し、受け取った社労士は遅滞なく従来の証票を連合会に返還します(第14条の11の3第2項・第3項)。様式は施行規則第12条の6が「様式第六号の二」と定めています。特定社会保険労務士そのものの説明は特定社会保険労務士とはにあります。
会員証は、県会が発行するものとして案内されています。兵庫県会は、顔写真を提出すると会員証を無料で作成し、会員番号は登録番号と同じと案内しています。京都府会は、会員の受けられる事項に「連合会発行証票の交付」と「京都会発行の会員証の交付」を別々に挙げています。奈良県会は「会員証の交付(写真つきで労働・社会保険行政より身分証として認められています)」と説明しています。これは奈良県会の説明であり、連合会や行政の公式見解ではありません。滋賀県会は、特定社労士の付記申請に持参する書類として挙げた社会保険労務士証票に「滋賀会の会員証ではありません」と注記しており、証票と県会の会員証を別のものとして扱っています(滋賀県社会保険労務士会)。
この3つは出どころが違います。法令に根拠があるのは証票だけで、バッジ(会員徽章)と会員証は法令に規定がなく、県会の入会・登録の案内に出てくるものです。
証票の再交付・返還:紛失したとき・登録が抹消されたとき
証票に関する手続は、条文に定められています。
| 場面 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 紛失・損壊 | 個人番号を記載した再交付申請書を、所属の社会保険労務士会を経由して連合会に提出する。損壊のときは損壊した証票を添付する | 施行規則第12条の8第2項 |
| 登録の抹消 | 本人・法定代理人・相続人が、遅滞なく証票を連合会に返還する | 社労士法第14条の12第1項 |
| 業務停止の処分を受けた | 同様に返還する。業務を行えるようになったとき、申請により再交付される | 社労士法第14条の12第1項後段・第2項 |
| 特定社労士の付記の抹消 | 特定社会保険労務士証票を返還し、連合会が証票を再交付する | 社労士法第14条の11の6 |
| 返還の経路 | 所属していた(業務停止の場合は所属の)社会保険労務士会を経由して連合会へ。特定社会保険労務士証票は所属の社会保険労務士会を経由 | 施行規則第12条の7・第12条の8第1項 |
再交付の手数料は、県会の案内に載っていることがあります。滋賀県会の手続一覧表には「証票の再交付」の提出書類が「証票再交付申請書・写真」、手数料が3,000円と書かれています(2026-10-04 時点。滋賀県社会保険労務士会。他県会の取扱いはここでは扱いません)。
バッジを紛失したときの手続は、上の9県会の案内には載っていません(2026-10-04 時点)。県会の事務局に問い合わせてください。
登録前にバッジを着けられるか:名称の使用制限
社労士法第26条第1項は、「社会保険労務士でない者は、社会保険労務士又は社労士その他の社会保険労務士に類似する名称を用いてはならない」と定めています。違反した場合は百万円以下の罰金です(第33条第3号)。社労士になるのは名簿への登録を受けたときで、試験に合格しただけでは名乗れません(第14条の2第1項)。
バッジについての記載は、県会の入会・登録の案内(入会時の書類、会員が受けられる事項、事務局の頒布品)のなかにあります。登録前の人がバッジを購入できるか、着けてよいかは、条文にも、上の9県会の案内にも記載がありません。登録前の制限の全体像は、社労士合格証とは?で整理しています。
どこに確認するか
- 法令の確認:e-Gov 法令検索 社会保険労務士法・施行規則
- バッジ・会員証の案内:入会する(している)県社会保険労務士会。県会の一覧は連合会 各都道府県の社労士会を探す
- 証票の再交付:所属の県社会保険労務士会(経由先)
- 登録の費用・流れ:連合会 社労士の登録申請について
まとめ
- 社労士バッジ(バッチ)は、社労士法・施行規則・施行令に規定がなく、連合会のサイト(サイトマップから辿れる110ページ。PDFと会員専用ページを除く)にも案内の記載がない(2026-10-04 時点)
- バッジ(会員徽章)の案内は、確認できた9県会の入会案内にある。価格は県会・時点で異なる(8,920円と9,480円の表示があった)
- 法が定める「社労士の証」は社労士証票(第14条の6第3項・様式第六号)。紛失時の再交付は施行規則第12条の8第2項
- 登録前は名称の使用が制限される(第26条)。バッジの着用や購入の取り扱いは、県会に確認する
よくある質問
Q社労士バッジは、登録すると自動的に届きますか?
自動では届きません。登録のあとに届くのは、連合会が交付する社会保険労務士証票です(社労士法第14条の6第3項)。会員徽章(バッジ)は、確認できた県社労士会の案内では、入会時の申込書や事務局への申込みで入手する品として書かれています。沖縄県社会保険労務士会は申込書を「任意」、愛媛県社会保険労務士会は「希望者のみ」の欄に載せています。
Q社労士バッジを着けていないと、社労士として仕事ができませんか?
社労士法・施行規則にバッジの着用を定める条文はありません。社労士として業務を行うための要件は、登録を受けていることです(第14条の2)。着用の取り扱いは県社会保険労務士会の案内で決まるため、所属する県会に確認してください。
Q社労士証票をなくしたときは、どこに申請しますか?
社労士法施行規則第12条の8第2項は、証票を亡失または損壊したため再交付を申請するときは、個人番号を記載した再交付申請書を所属の社会保険労務士会を経由して連合会に提出すると定めています。損壊のときは、損壊した証票を添付します。実際の書式や受付は、所属する県社会保険労務士会に問い合わせてください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

